162 / 185
162話、バーベキュー夜会1
しおりを挟む
モニカの突発的思い付きで始まったバーベキューの二部。夜更かしどころか朝までを視野に入れた狂気の食事会だが、思いのほかライラとベアトリスがノリノリで、私もそれに乗っかることにした。
そうして買い出しに行ったベアトリスが戻ってくると、彼女は早速次の料理を作り始めた。
「メインどころだけじゃなくて、やっぱりスープも欲しいわよね」
買出し中に色々レシピを考えていたのか、ベアトリスの動きに迷いはない。
まずは私物であるやや小さめながら底が深くなっているフライパンを取り出し、様々な食材を切っていく。
玉ねぎを半分みじん切りにして、まだ余っている肉をいくつか刻み、それらをフライパンに全部放り込む。
更に千切ったキャベツとこれまた小さく角切りにしたトマトも放り込んでいった。
そこに多めの水を入れ、バーベキューコンロの上に置いて熱を入れる。
その見た目にさしもの私もピンと来た。
「これ……ミネストローネ?」
「正解よ」
ミネストローネは野菜がたっぷり入ったスープで、コンソメベースでトマトも溶け込ませて赤く色づかせる物が多い。
肉ばかりで胃が重くなってるし、野菜が入ったスープはかなり嬉しいところだ。
「沸騰するまで待って、コンソメとペンネを入れれば完成ね。その間に次の料理を仕込んでおくわ」
まだまだ作る気らしいベアトリスは、今度は追加で買ってきたらしい長い串を取りだした。
そこに切った鶏もも肉と適当な大きさで切ったネギを刺していく。
作っているのはねぎまらしい。同じ肉でも串焼きにすると一気に別料理に見えて新鮮だ。
「ふぅ……」
ある程度ねぎまを準備したところで、ベアトリスは私物のクーラーボックスを開けた。そこには買ってきたお酒やジュースが放り込んである。
その中からベアトリスは赤ワインを取り出し、詮を開けてコップに注ぎだした。
そして一口……どころかゴクゴク飲み出し、あっという間にコップ一杯を空にした。
「っはぁっ……お肉を食べながら飲むワインもおいしいけど、料理しながら飲むワインも格別よね」
「……」
キッチンドランカーじゃん。お酒飲みながら料理してたら、いつの間にか依存して止められなくなるパターンじゃん。
料理好きでお酒もよく飲むベアトリス。なぜ彼女がお酒が結構好きなのか、その理由が垣間見えた瞬間だった。
ベアトリスは酔いが回ってきたのか、鼻歌を歌いながら串を作っていく。
ねぎまの他には、牛肉と大きめに切った玉ねぎを合わせた牛串まで作っていた。一本作るたびに赤ワインをぐびっと飲んでいる。お酒飲むまでが流れ作業だ。
ベアトリスは私が呆れ半分に眺めているのに気付いて、私をじっと見ながらワインをそそいでいった。
そしてワインと私を交互に見て、なぜかワイン入りコップを差し出す。
「飲む?」
「飲まない」
どうした。なぜワインを差し出した。酔いすぎて私が飲みたそうにしているように見えたのだろうか。
ベアトリスはもうダメだ。飲酒料理人と化している。この調子ならまた二日酔いするくらい飲みそうだな、なんて思う。
一方のモニカとライラの方は、なんかちょっと遠くで一緒に遊んでいた。
モニカが杖を振るってライラにショー用の魔術を披露していたのだ。この暗闇の中で光の魔術を使うと良く目立つ。パチパチ発光しててまるで花火だ。
自由だな……皆自由だ。
私ももっと自由になってみるかぁ。
魔女服の袖をまくり、飲酒料理人ベアトリスの隣に立つ。
「私も何か作るかぁ」
最近ベアトリスに任せっきりで全く料理をしていない。もともと上手な方ではないけど、それでも多少は上達していた方だ。料理の勘をこのまま錆びつかせて、また以前レベルに戻るのは嫌だった。
しかし何を作ろうかな……。迷っていると、ベアトリスが食材が入った袋をがさがさ漁りだした。
「作るならもう一品スープを作ってくれる? テールスープを作ろうと思ってたのよ」
テールとは牛テールのことだろう。牛の尻尾部分の肉。
「スープそんなに飲むの?」
「このまま朝までやるとしたら、スープの方がお腹に入るじゃない。徹夜明けに固形物は中々辛いわよ。テールスープの方は出汁を取りたいから時間もかかるし、一度しっかり茹でてアク抜きも必要だから、出来上がる頃には真夜中から明け方よ、きっと」
中々長丁場の料理だなぁ。普段なら絶対にやらないし、この機会にやってもいいかな。ベアトリスが指示してくれるから間違いはないだろうし。
そうして牛テールスープを作りだしたんだけど……これがかなり地味。
まず牛テールを十分ほど下茹でする。下茹でが終わると下味をつけてこれまた十分以上放置して味をなじませる。
その間に玉ねぎとネギをみじん切りにして準備。テールに味がついたら、玉ねぎとネギも一緒にゆで始める。
そしてここからは様子を見ながらしばらく放置。アクが出てたら取り、水が少なくなったら足していくらしい。
「これどれくらいゆでるの?」
「最低でも二時間ね。できれば四時間」
「えっ……長っ」
「それくらいしないと出汁は出ないわよ。ね、無駄に時間かかるでしょう?」
こんなの野外料理どころか、普段の家庭料理としてもやり辛いな。
しかも時々様子を見る必要があると言っても、基本放置だ。
あれ、私の料理もうやる事無くなった……。
なんて呆然としていると、遊んでいたモニカとライラが戻ってきた。
「あれ? リリアも料理してるの?」
モニカに言われ、私はこくんと頷いた。
「うん。してる……いや、してた。もうやる事ほぼ終わった」
「ふーん……? 私も暇だし何か作ろうかな。リリア暇なら手伝ってよ」
「え? いいけど何作る気?」
「そりゃあ……夢の肉料理よ」
「……なんだよそれ。具体例だしてよ」
「うーん……こう……肉を積み重ねてさ、焼くの」
「……ミルフィーユ的な?」
「そうそう、肉のミルフィーユ焼き」
なんだよそれは。ピンとこない私だが、ベアトリスは意外と好意的な反応を示した。
「あら、いいわね。パン粉をつけて焼いたらカツレツ風になっておいしいんじゃない?」
「よしそれ! 肉を重ねてパン粉かけて焼こう!」
何だかすごくやる気を出したモニカだった。そんなに肉重ねて焼きたいのか……。
まあいっか。ちょっとおいしそうだし手伝おう。
そうして私はモニカに続いて肉を重ねだした。
こんな夜にいったい何してるんだろう。そう思うものの、まあ楽しいからいいかと考えてしまう。
しかし心配事がどうしても一つあった。
私はちらっとベアトリスを眺める。彼女の肩にはいつの間にかライラが座り、二人一緒にちびちびワインを飲み始めていたのだ。
「ワインおいし~」
「他にも果実系のお酒を買ってあるわよ。桃で作ったピーチリキュールなんておすすめだわ」
「飲む~」
「私も飲むわ……んぐっ」
二日酔いもせずに平気な顔でがばがばお酒を飲めるライラ。その勢いに乗せられ、ライラ並みにがぶがぶお酒を飲むベアトリスの姿がそこにあった。
……いやこれ絶対二日酔いするでしょ。もう明日のお昼にうなるベアトリスの姿が視える私だった。
そうして買い出しに行ったベアトリスが戻ってくると、彼女は早速次の料理を作り始めた。
「メインどころだけじゃなくて、やっぱりスープも欲しいわよね」
買出し中に色々レシピを考えていたのか、ベアトリスの動きに迷いはない。
まずは私物であるやや小さめながら底が深くなっているフライパンを取り出し、様々な食材を切っていく。
玉ねぎを半分みじん切りにして、まだ余っている肉をいくつか刻み、それらをフライパンに全部放り込む。
更に千切ったキャベツとこれまた小さく角切りにしたトマトも放り込んでいった。
そこに多めの水を入れ、バーベキューコンロの上に置いて熱を入れる。
その見た目にさしもの私もピンと来た。
「これ……ミネストローネ?」
「正解よ」
ミネストローネは野菜がたっぷり入ったスープで、コンソメベースでトマトも溶け込ませて赤く色づかせる物が多い。
肉ばかりで胃が重くなってるし、野菜が入ったスープはかなり嬉しいところだ。
「沸騰するまで待って、コンソメとペンネを入れれば完成ね。その間に次の料理を仕込んでおくわ」
まだまだ作る気らしいベアトリスは、今度は追加で買ってきたらしい長い串を取りだした。
そこに切った鶏もも肉と適当な大きさで切ったネギを刺していく。
作っているのはねぎまらしい。同じ肉でも串焼きにすると一気に別料理に見えて新鮮だ。
「ふぅ……」
ある程度ねぎまを準備したところで、ベアトリスは私物のクーラーボックスを開けた。そこには買ってきたお酒やジュースが放り込んである。
その中からベアトリスは赤ワインを取り出し、詮を開けてコップに注ぎだした。
そして一口……どころかゴクゴク飲み出し、あっという間にコップ一杯を空にした。
「っはぁっ……お肉を食べながら飲むワインもおいしいけど、料理しながら飲むワインも格別よね」
「……」
キッチンドランカーじゃん。お酒飲みながら料理してたら、いつの間にか依存して止められなくなるパターンじゃん。
料理好きでお酒もよく飲むベアトリス。なぜ彼女がお酒が結構好きなのか、その理由が垣間見えた瞬間だった。
ベアトリスは酔いが回ってきたのか、鼻歌を歌いながら串を作っていく。
ねぎまの他には、牛肉と大きめに切った玉ねぎを合わせた牛串まで作っていた。一本作るたびに赤ワインをぐびっと飲んでいる。お酒飲むまでが流れ作業だ。
ベアトリスは私が呆れ半分に眺めているのに気付いて、私をじっと見ながらワインをそそいでいった。
そしてワインと私を交互に見て、なぜかワイン入りコップを差し出す。
「飲む?」
「飲まない」
どうした。なぜワインを差し出した。酔いすぎて私が飲みたそうにしているように見えたのだろうか。
ベアトリスはもうダメだ。飲酒料理人と化している。この調子ならまた二日酔いするくらい飲みそうだな、なんて思う。
一方のモニカとライラの方は、なんかちょっと遠くで一緒に遊んでいた。
モニカが杖を振るってライラにショー用の魔術を披露していたのだ。この暗闇の中で光の魔術を使うと良く目立つ。パチパチ発光しててまるで花火だ。
自由だな……皆自由だ。
私ももっと自由になってみるかぁ。
魔女服の袖をまくり、飲酒料理人ベアトリスの隣に立つ。
「私も何か作るかぁ」
最近ベアトリスに任せっきりで全く料理をしていない。もともと上手な方ではないけど、それでも多少は上達していた方だ。料理の勘をこのまま錆びつかせて、また以前レベルに戻るのは嫌だった。
しかし何を作ろうかな……。迷っていると、ベアトリスが食材が入った袋をがさがさ漁りだした。
「作るならもう一品スープを作ってくれる? テールスープを作ろうと思ってたのよ」
テールとは牛テールのことだろう。牛の尻尾部分の肉。
「スープそんなに飲むの?」
「このまま朝までやるとしたら、スープの方がお腹に入るじゃない。徹夜明けに固形物は中々辛いわよ。テールスープの方は出汁を取りたいから時間もかかるし、一度しっかり茹でてアク抜きも必要だから、出来上がる頃には真夜中から明け方よ、きっと」
中々長丁場の料理だなぁ。普段なら絶対にやらないし、この機会にやってもいいかな。ベアトリスが指示してくれるから間違いはないだろうし。
そうして牛テールスープを作りだしたんだけど……これがかなり地味。
まず牛テールを十分ほど下茹でする。下茹でが終わると下味をつけてこれまた十分以上放置して味をなじませる。
その間に玉ねぎとネギをみじん切りにして準備。テールに味がついたら、玉ねぎとネギも一緒にゆで始める。
そしてここからは様子を見ながらしばらく放置。アクが出てたら取り、水が少なくなったら足していくらしい。
「これどれくらいゆでるの?」
「最低でも二時間ね。できれば四時間」
「えっ……長っ」
「それくらいしないと出汁は出ないわよ。ね、無駄に時間かかるでしょう?」
こんなの野外料理どころか、普段の家庭料理としてもやり辛いな。
しかも時々様子を見る必要があると言っても、基本放置だ。
あれ、私の料理もうやる事無くなった……。
なんて呆然としていると、遊んでいたモニカとライラが戻ってきた。
「あれ? リリアも料理してるの?」
モニカに言われ、私はこくんと頷いた。
「うん。してる……いや、してた。もうやる事ほぼ終わった」
「ふーん……? 私も暇だし何か作ろうかな。リリア暇なら手伝ってよ」
「え? いいけど何作る気?」
「そりゃあ……夢の肉料理よ」
「……なんだよそれ。具体例だしてよ」
「うーん……こう……肉を積み重ねてさ、焼くの」
「……ミルフィーユ的な?」
「そうそう、肉のミルフィーユ焼き」
なんだよそれは。ピンとこない私だが、ベアトリスは意外と好意的な反応を示した。
「あら、いいわね。パン粉をつけて焼いたらカツレツ風になっておいしいんじゃない?」
「よしそれ! 肉を重ねてパン粉かけて焼こう!」
何だかすごくやる気を出したモニカだった。そんなに肉重ねて焼きたいのか……。
まあいっか。ちょっとおいしそうだし手伝おう。
そうして私はモニカに続いて肉を重ねだした。
こんな夜にいったい何してるんだろう。そう思うものの、まあ楽しいからいいかと考えてしまう。
しかし心配事がどうしても一つあった。
私はちらっとベアトリスを眺める。彼女の肩にはいつの間にかライラが座り、二人一緒にちびちびワインを飲み始めていたのだ。
「ワインおいし~」
「他にも果実系のお酒を買ってあるわよ。桃で作ったピーチリキュールなんておすすめだわ」
「飲む~」
「私も飲むわ……んぐっ」
二日酔いもせずに平気な顔でがばがばお酒を飲めるライラ。その勢いに乗せられ、ライラ並みにがぶがぶお酒を飲むベアトリスの姿がそこにあった。
……いやこれ絶対二日酔いするでしょ。もう明日のお昼にうなるベアトリスの姿が視える私だった。
0
あなたにおすすめの小説
オバちゃんだからこそ ~45歳の異世界珍道中~
鉄 主水
ファンタジー
子育ても一段落した40過ぎの訳あり主婦、里子。
そんなオバちゃん主人公が、突然……異世界へ――。
そこで里子を待ち構えていたのは……今まで見たことのない奇抜な珍獣であった。
「何がどうして、なぜこうなった! でも……せっかくの異世界だ! 思いっ切り楽しんじゃうぞ!」
オバちゃんパワーとオタクパワーを武器に、オバちゃんは我が道を行く!
ラブはないけど……笑いあり、涙ありの異世界ドタバタ珍道中。
いざ……はじまり、はじまり……。
※この作品は、エブリスタ様、小説家になろう様でも投稿しています。
使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
魔法が使えない令嬢は住んでいた小屋が燃えたので家出します
怠惰るウェイブ
ファンタジー
グレイの世界は狭く暗く何よりも灰色だった。
本来なら領主令嬢となるはずの彼女は領主邸で住むことを許されず、ボロ小屋で暮らしていた。
彼女はある日、棚から落ちてきた一冊の本によって人生が変わることになる。
世界が色づき始めた頃、ある事件をきっかけに少女は旅をすることにした。
喋ることのできないグレイは旅を通して自身の世界を色付けていく。
うちの孫知りませんか?! 召喚された孫を追いかけ異世界転移。ばぁばとじぃじと探偵さんのスローライフ。
かの
ファンタジー
孫の雷人(14歳)からテレパシーを受け取った光江(ばぁば64歳)。誘拐されたと思っていた雷人は異世界に召喚されていた。康夫(じぃじ66歳)と柏木(探偵534歳)⁈ をお供に従え、異世界へ転移。料理自慢のばぁばのスキルは胃袋を掴む事だけ。そしてじぃじのスキルは有り余る財力だけ。そんなばぁばとじぃじが、異世界で繰り広げるほのぼのスローライフ。
ばぁばとじぃじは無事異世界で孫の雷人に会えるのか⁈
【12月末日公開終了】有能女官の赴任先は辺境伯領
たぬきち25番
恋愛
辺境伯領の当主が他界。代わりに領主になったのは元騎士団の隊長ギルベルト(26)
ずっと騎士団に在籍して領のことなど右も左もわからない。
そのため新しい辺境伯様は帳簿も書類も不備ばかり。しかも辺境伯領は王国の端なので修正も大変。
そこで仕事を終わらせるために、腕っぷしに定評のあるギリギリ貴族の男爵出身の女官ライラ(18)が辺境伯領に出向くことになった。
だがそこでライラを待っていたのは、元騎士とは思えないほどつかみどころのない辺境伯様と、前辺境伯夫妻の忘れ形見の3人のこどもたち(14歳男子、9歳男子、6歳女子)だった。
仕事のわからない辺境伯を助けながら、こどもたちの生活を助けたり、魔物を倒したり!?
そしていつしか、ライラと辺境伯やこどもたちとの関係が変わっていく……
※お待たせしました。
※他サイト様にも掲載中
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
3歳で捨てられた件
玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。
それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。
キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。
私と母のサバイバル
だましだまし
ファンタジー
侯爵家の庶子だが唯一の直系の子として育てられた令嬢シェリー。
しかしある日、母と共に魔物が出る森に捨てられてしまった。
希望を諦めず森を進もう。
そう決意するシェリーに異変が起きた。
「私、別世界の前世があるみたい」
前世の知識を駆使し、二人は無事森を抜けられるのだろうか…?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる