高身長お姉さん達に囲まれてると思ったらここは貞操逆転世界でした。〜どうやら元の世界には帰れないので、今を謳歌しようと思います〜

水国 水

文字の大きさ
23 / 43

第23話 おはよう

「————あいこでしょっ!」
 
 遥と涼さんがパー、成瀬さんと柊さんがグー。
 
「よっしゃぁぁぁ!!」
「やったぁぁ!!」

 勝ったのは涼さんと遥だ。ガッツポーズをして思いっきり喜んでいる様子が見てとれる。

「あぁ……負けちゃいました……」
「残念……」
 
 対照的に悔しがる成瀬さんと柊さん。
 
「明日は場所交代すれば良いんじゃない?」

 俺はふと思いつき、提案する。
 ハッとした様子で「それ良いですね!」と成瀬さんが言い、二人も承諾した。そのため、明日は成瀬さんと柊さんが両隣で寝ることに。
 そして布団を敷き、それぞれの場所に落ち着く。
 部屋の明かりを消して、静かな夜が訪れた——————わけもなく。

 しばらくして、遥が「阿宮くん、寝た?」と聞いてきた。
 寝ようとしていた頃で反応が遅れ、返事ができなかった。
 それを寝たと勘違いしたのか、遥が他の人達に話しかけ始めた。
 
 「ねぇ、阿宮くん寝たみたい。じゃ、言っていた通り、恋バナ始めようか」と、遥が布団から顔を出して提案していた。
 ヒソヒソと話している。

 
 恋バナか。どうやら俺が寝たか確認していたし、聞かれたくないようだな。
 それでも気になるため、聞き耳を立てつつ寝たふりを続ける。

「いいね、誰から話す?」

 涼さんが聞く。続けて「とは言っても、絡んだことのある男の人なんて阿宮くんだけなんだけどなぁ」と独り言を呟く。
 
「それはそうですね……」
「確かに、そうですね。恋バナができるほど多くの方と話す機会などないので……」
 
 同意の声を上げる二人。

「ボクはあるぞ!」
「お前は全部、警護だから話すこともないだろ」
「バレたか」

 涼さんに突っ込まれてるわ。
 それにしても、やっぱりみんな話したこともないんだな。
 
「声が大きい、阿宮くんが起きちゃうよ!」

 成瀬さんが声を下げるように言っている。
 最初から起きてるんだよなぁ。
 
「ごめんごめん。でも、これだけ話して起きないならほんとに寝ちゃったみたいだし、続けようか」

 遥が小さく笑いながらそう言うと、再びひそひそと話し始めた。寝たふりを続けながら耳を傾ける。

「ボクは阿宮くんと一緒に過ごす時間が結構楽しいって思ってるし、この際、貰ってくれると良いのになぁ」

 ……ッ!?
 遥がそんな風に思っているとは。

「確かに、世の中の男性とは違って、女に恐怖感とか尊大な態度を取るわけでもないですし、他の人が放っておかないでしょうね」

 柊さんも……。

「私たちで悪い虫を寄せ付けないようにしつつ、阿宮くんをしっかり守らないといけませんね」

 成瀬さんが静かにそう言うと、涼さんが少し笑いながら付け加えた。

「そうだね。阿宮くんは優しいし、何より警戒心が薄いから、放っておくとすぐに変な人に引っかかっちゃいそうだし」

 みんなが同意するようにうなずいているのが、布団の中でも感じ取れた。
 そんなに警戒心足りないですかね……。これでも、あれからより持つようにしたんだけどなぁ。

「ねぇ、誰が1番早く阿宮くんを惚れさすか勝負しない?」
「唐突ですね」
「深夜テンションで思いついただろそれ」
「どういうことですか?」

「そのままの意味だよ。正直、ボクはこの人以上の人を見つけれないと、思う」

「まぁ、ボクはもう阿宮くんのことが————」

 遥が何か言っている。でも、睡魔が……。

 部屋に差し込む日の光で目が覚めた。
 いつの間にか、寝ていたようだ。
 最後まで聞いていたかったなぁ。なんて言おうとしていたんだろ。

 それにしても身体が重いような……。
 俺が布団から出ようとしても、両サイドを固められているように身動きが取れない。

 もしかして……。

 目を開け、左右に視線を動かす。
 視界に入ってきたのは、布団に潜り込み、俺にくっついて寝る遥と涼さんだった。
 ふたりとも穏やかな寝顔で、すやすやと眠っている。

 一緒に寝ると、くっつく癖でも持っているのだろうか。遥はこれで二度目だぞ。
 別に嫌ってわけじゃないが。

 「おはよう、阿宮くん」

 突然、声が聞こえてびっくりする。視線を上げると、成瀬さんが少し離れた場所からこちらを見ていた。

 「お、おはよう、成瀬さん。って、服着てください! 早く!」

 俺は急いで視線を外した。
 成瀬さん、下着姿じゃないか。

 着替えている途中なのか、下着姿でこちらを見下ろしていた。

「あら、ほんとね」

 あっけらかんと言う成瀬さん。

「それにしても、この姿を見ても文句一つ言わないどころか、視線を外すなんて……つくづく他の男の人とは違うね」

 だって、見慣れてないわけですし……。
 それにスタイルいいじゃありませんか。

 そして成瀬さんは服を着て、再び話しかけてきた。
 
「二人、くっついているでしょ? 嫌だったら引き剥がすけど」
「いや、そのままでいいよ」
「そう? なら起きるまで待つよ。明日は私たちも……」

 二人だけずるいと? まぁ、いいか。

 しばらくして、遥が目を覚ました。次に涼さんが。

「夢で阿宮くんに抱きついて寝ていたよ~」
「現実でもそうだけどな」
「わぁっ、ほんとだ」

 遥が目をこすりながら驚いた表情で言った。それに気づいた涼さんも同じように目を開けて、自分の状況に気づいていた。

「もうちょっとこのままで……」

 再び寝ようとした涼さんを「今日は水族館に行くから早く起きて」と言いながら起こし、朝食を食べる準備を整える。
 俺は着替えるために、一人になれる洗面所の方に行く。
 
「お待たせ」

 着替え終え、寝ていた場所へ戻ると、みんな集合していた。涼さんと遥も着替え終えている。
 朝に弱いのか、涼さんは眠い目を擦りながら座っていた。
 
 部屋のテーブルには朝食の準備がされていた。

「じゃ、朝ご飯食べましょうか」
感想 4

あなたにおすすめの小説

転生?したら男女逆転世界

美鈴
ファンタジー
階段から落ちたら見知らぬ場所にいた僕。名前は覚えてるけど名字は分からない。年齢は多分15歳だと思うけど…。えっ…男性警護官!?って、何?男性が少ないって!?男性が襲われる危険がある!?そんな事言われても…。えっ…君が助けてくれるの?じゃあお願いします!って感じで始まっていく物語…。 ※カクヨム様にも掲載しております

貞操逆転世界で出会い系アプリをしたら

普通
恋愛
男性は弱く、女性は強い。この世界ではそれが当たり前。性被害を受けるのは男。そんな世界に生を受けた葉山優は普通に生きてきたが、ある日前世の記憶取り戻す。そこで前世ではこんな風に男女比の偏りもなく、普通に男女が一緒に生活できたことを思い出し、もう一度女性と関わってみようと決意する。 そこで会うのにまだ抵抗がある、優は出会い系アプリを見つける。まずはここでメッセージのやり取りだけでも女性としてから会うことしようと試みるのだった。

男が少ない世界に転生して

美鈴
ファンタジー
※よりよいものにする為に改稿する事にしました!どうかお付き合い下さいますと幸いです! 旧稿版も一応残しておきますがあのままいくと当初のプロットよりも大幅におかしくなりましたのですいませんが宜しくお願いします! 交通事故に合い意識がどんどん遠くなっていく1人の男性。次に意識が戻った時は病院?前世の一部の記憶はあるが自分に関する事は全て忘れた男が転生したのは男女比が異なる世界。彼はどの様にこの世界で生きていくのだろうか?それはまだ誰も知らないお話。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

学年一可愛いS級の美少女の令嬢三姉妹が、何故かやたらと俺の部屋に入り浸ってくる件について

マカロニ
恋愛
名門・雄幸高校で目立たず生きる一年生、神谷悠真。 クラスでは影が薄く、青春とは無縁の平凡な日々を送っていた。だがある放課後、街で不良に絡まれていた女子生徒を助けたことで、その日常は一変する。救った相手は、学年一の美少女三姉妹として知られる西園寺家の次女・優里だった。さらに家に帰れば、三姉妹の長女・龍華がなぜか当然のように悠真の部屋に入り浸っている。名門令嬢三姉妹に振り回されながら、静かだったはずの悠真の青春は少しずつ騒がしく揺れ始める。

貞操逆転世界に転生したのに…男女比一対一って…

美鈴
ファンタジー
俺は隼 豊和(はやぶさ とよかず)。年齢は15歳。今年から高校生になるんだけど、何を隠そう俺には前世の記憶があるんだ。前世の記憶があるということは亡くなって生まれ変わったという事なんだろうけど、生まれ変わった世界はなんと貞操逆転世界だった。これはモテると喜んだのも束の間…その世界の男女比の差は全く無く、男性が優遇される世界ではなかった…寧ろ…。とにかく他にも色々とおかしい、そんな世界で俺にどうしろと!?また誰とも付き合えないのかっ!?そんなお話です…。 ※カクヨム様にも投稿しております。内容は異なります。 ※イラストはAI生成です

美醜逆転の世界でレンタル彼氏をしてみた

普通
恋愛
ある男が死に、転生した。そしてその転生した世界が美醜逆転世界だった。男はそれを知ると一儲けするためにレンタル彼氏をし始めるのであった。

『専属メイド全員が重すぎる愛で迫ってくる!~大学生の僕、11人?の美女に24時間甘やかされ尽くす生活~』

まさき
青春
僕は、ちょっと普通じゃない日常を送ることになった――それは、専属メイドが全員僕のことを溺愛してくれる暮らしだ。 朝は髪を整えてくれるリナ、朝食で笑顔を見せてくれるミユ、どの瞬間も全力で僕を甘やかす。掃除、料理、悩み相談まで、僕のためだけに動くメイドたち。 「ご主人様の笑顔が見たいんです」 その一言で、僕の毎日はちょっとドキドキ、ちょっと幸せ。 全員が僕を独占したいと競い合う日常の中、僕はどうやってこの溺愛地獄(?)を生き抜けばいいのか――!? 甘々、至れり尽くせりの日常ラブコメ、開幕。 ​「作品への感想代わりの『いいね❤️』や『エール📣』、心よりお待ちしております。」 ​「【応援のお願い】『いいね❤️』や『エール📣』をいただけると、作者のモチベーションが爆上がりします!」 ​「最後までお読みいただきありがとうございます。温かい『いいね❤️』が更新の支えです。」