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第35話 ハプニング
俺の自宅の前で車を止めた。涼さんと成瀬さんはここから歩いて帰るそうだ。
二人と別れ、マンションへと入る。
そして荷物を置くため、遥と柊さんとも別れて部屋へ。
「ただいま~」
部屋に戻り、ソファに倒れ込む。
どっと疲れが押し寄せてきた……よ……。
◆◆◆
「んん……あ、朝か……?」
明るい光で目が覚めた。
身体に掛かっていた掛け布団が落ちる。
なんでベッドにいるんだ……? 昨日はソファに倒れ込んだ後……どうしてたっけ。
掛け布団を手に取り、ぼんやりとした頭で昨日のことを思い出そうとする。観光の疲れで記憶が曖昧だ。ソファに倒れ込んでからの記憶がない。
寝ちゃったのかな?
「まぁ、いいか……」
起きよっと。
お風呂入らなかったのか、なんか気持ち悪いな。
とりあえずシャワーを浴びよっと。
眠い目を擦りつつベッドから起き上がり、バスルームへ向かう。
熱いお湯が体を包み込み、疲れが徐々にほぐれていく。
フンフンフ~ン♪
やっぱお風呂ってなんか歌いたくなるんだよ。なんなんだろうねこれ。
さっぱりとし、お風呂から出る。
——————柊さんが居た。
「あ……」
「あっ……」
気まずい空気が辺りに流れる。
柊さんの視線が上から下に……おおっと、待ちたまえ!
急いで扉を閉めた。
バタンと大きい音が鳴る。
「す、すみません! まだ出ないと思いまして……その……着替えをと」
意識を取り戻しかかのように慌てた声が聞こえてくる。
「い、いや、大丈夫……。見苦しいものを見せてしまったね……」
扉越しに会話をする。
心臓がバクバク言ってるよ。
まさか居ると思わなかった……。
「そ、そんな! お見苦しいなんて……り、立派だったのではないかと?」
……言われると恥ずのですが!?
逆に気まずく、恥ずかしい気持ちが込み上げてくる。
どうしよう、この空気。
俺たちの間に流れる気恥しさと申し訳なさをまとった空気を退けるように、気にしてない風で話を進めることにした。
「ごめん、タオル貰っていい?」
俺は少し扉を開いて、聞いた。
「ちょっ、ちょっと待ってください! 上! 上見えてます! 私が取りますから、閉じてください! ————どうぞ!」
すっごく慌てた様子で声を荒げる柊さん。
一体どうしたんだ。え、下半身見えてた? 俺のマイサンが!?
いや、上って言ってたし違うか?
そんな慌てるほどでもないような……あっ、スゥー……忘れてたわ。
寝起きでボケてたのかも、慣れてきていたんだがなぁ。
完全に分かりましたわ。
海ではラッシュガード着ていたし、元の世界で言う女性の胸が、この世界では男の胸で同じ反応をされるんだった。
うっかりしてた。
慌てているのも納得。
俺が一人で納得していると扉が少しだけ開き、柊さんの腕が現れた。
その手にはタオルが握られている。
「ありがとう」
「い、いえお気になさらず……。私は戻りますので!」
バタンと洗面所の扉を閉める音が聞こえてきた。
それで身体を拭き、巻いてお風呂場から出る。
まさか、こんなハプニングが起こるとはなぁ。
内心凄く慌てていたが、なんとか平静を保てていただろうか?
女の子に裸を見られるなんて初めてで固まってしまったよ。
着替えを進め、リビングへと戻る。
「おー、起きた? あれ、お風呂行ってたの?」
「うん、昨日お風呂入らずに寝ちゃったみたいだったから」
リビングでは朝食の準備を進める遥の姿があった。そして、キッチンで手伝っている柊さんの姿も。
目が合うと、彼女はフイッと目を逸らし、耳が赤く染まっているのが見えた。
耳が赤い? さては……まだ照れてるな?
「ほんとにね。荷物置いて来たら寝ちゃってるんだもん。驚いたよ?」
遥が笑いながら言う。俺も苦笑いを浮かべる。
「いや、疲れが限界だったんだよ。ありがとな、遥」
「ま、そういうことなら仕方ないね。でも、柊さんが布団かけてくれたんだよ」
「そうだったんだ。柊さん、本当にありがとう」
柊さんは視線を逸らしたまま、小さく頷く。
「いえ、大したことではありませんから……」
「ところでさっきからどうしたの? やけにオドオドしいけど」
「な、何も無いですよ。ほらパン焼けましたよ!」
話を逸らすように別の話題にすり替える柊さん。
それから三人で朝食を食べ、朝のニュースを見ながらそれぞれの予定を確認する。
「今日はどうするか決めてる?」
と遥が問いかけてくる。
「うーん、どうしようか。ここ最近、動いてばかりだしゆっくりしようかなって考えてるけど」
「私たちは少し用事がありますので、少ししたら出ます」
「どこかに行くの?」
疑問に思い、柊さんに聞いてみる。
「男性警護連盟に呼ばれていまして。おそらく定期報告を兼ねた訓練かと」
「そうなんだよね~」
男性警護連盟……? 遥たちの元締めというか、上層部的なところかな?
「訓練がメインでしょうし、対面の方がやりやすいのでしょう」
「なるほど。訓練もあるんだ」
「ええ、月一で行われる合同訓練です。他の警護官とさまざまなシチュエーションを想定した訓練を行います」
俺の問いに柊さんが答える。
いざって時のために鈍らないようにってことか。
「二人とも居ないなら、今日は部屋でゲームでもしてゆっくりしようかな」
「そうしてもらえると助かります」
食事を終え、片付けをする。
その後、二人を見送り一人っきりに。
「じゃ、なんのゲームをしようかなぁ……」
二人と別れ、マンションへと入る。
そして荷物を置くため、遥と柊さんとも別れて部屋へ。
「ただいま~」
部屋に戻り、ソファに倒れ込む。
どっと疲れが押し寄せてきた……よ……。
◆◆◆
「んん……あ、朝か……?」
明るい光で目が覚めた。
身体に掛かっていた掛け布団が落ちる。
なんでベッドにいるんだ……? 昨日はソファに倒れ込んだ後……どうしてたっけ。
掛け布団を手に取り、ぼんやりとした頭で昨日のことを思い出そうとする。観光の疲れで記憶が曖昧だ。ソファに倒れ込んでからの記憶がない。
寝ちゃったのかな?
「まぁ、いいか……」
起きよっと。
お風呂入らなかったのか、なんか気持ち悪いな。
とりあえずシャワーを浴びよっと。
眠い目を擦りつつベッドから起き上がり、バスルームへ向かう。
熱いお湯が体を包み込み、疲れが徐々にほぐれていく。
フンフンフ~ン♪
やっぱお風呂ってなんか歌いたくなるんだよ。なんなんだろうねこれ。
さっぱりとし、お風呂から出る。
——————柊さんが居た。
「あ……」
「あっ……」
気まずい空気が辺りに流れる。
柊さんの視線が上から下に……おおっと、待ちたまえ!
急いで扉を閉めた。
バタンと大きい音が鳴る。
「す、すみません! まだ出ないと思いまして……その……着替えをと」
意識を取り戻しかかのように慌てた声が聞こえてくる。
「い、いや、大丈夫……。見苦しいものを見せてしまったね……」
扉越しに会話をする。
心臓がバクバク言ってるよ。
まさか居ると思わなかった……。
「そ、そんな! お見苦しいなんて……り、立派だったのではないかと?」
……言われると恥ずのですが!?
逆に気まずく、恥ずかしい気持ちが込み上げてくる。
どうしよう、この空気。
俺たちの間に流れる気恥しさと申し訳なさをまとった空気を退けるように、気にしてない風で話を進めることにした。
「ごめん、タオル貰っていい?」
俺は少し扉を開いて、聞いた。
「ちょっ、ちょっと待ってください! 上! 上見えてます! 私が取りますから、閉じてください! ————どうぞ!」
すっごく慌てた様子で声を荒げる柊さん。
一体どうしたんだ。え、下半身見えてた? 俺のマイサンが!?
いや、上って言ってたし違うか?
そんな慌てるほどでもないような……あっ、スゥー……忘れてたわ。
寝起きでボケてたのかも、慣れてきていたんだがなぁ。
完全に分かりましたわ。
海ではラッシュガード着ていたし、元の世界で言う女性の胸が、この世界では男の胸で同じ反応をされるんだった。
うっかりしてた。
慌てているのも納得。
俺が一人で納得していると扉が少しだけ開き、柊さんの腕が現れた。
その手にはタオルが握られている。
「ありがとう」
「い、いえお気になさらず……。私は戻りますので!」
バタンと洗面所の扉を閉める音が聞こえてきた。
それで身体を拭き、巻いてお風呂場から出る。
まさか、こんなハプニングが起こるとはなぁ。
内心凄く慌てていたが、なんとか平静を保てていただろうか?
女の子に裸を見られるなんて初めてで固まってしまったよ。
着替えを進め、リビングへと戻る。
「おー、起きた? あれ、お風呂行ってたの?」
「うん、昨日お風呂入らずに寝ちゃったみたいだったから」
リビングでは朝食の準備を進める遥の姿があった。そして、キッチンで手伝っている柊さんの姿も。
目が合うと、彼女はフイッと目を逸らし、耳が赤く染まっているのが見えた。
耳が赤い? さては……まだ照れてるな?
「ほんとにね。荷物置いて来たら寝ちゃってるんだもん。驚いたよ?」
遥が笑いながら言う。俺も苦笑いを浮かべる。
「いや、疲れが限界だったんだよ。ありがとな、遥」
「ま、そういうことなら仕方ないね。でも、柊さんが布団かけてくれたんだよ」
「そうだったんだ。柊さん、本当にありがとう」
柊さんは視線を逸らしたまま、小さく頷く。
「いえ、大したことではありませんから……」
「ところでさっきからどうしたの? やけにオドオドしいけど」
「な、何も無いですよ。ほらパン焼けましたよ!」
話を逸らすように別の話題にすり替える柊さん。
それから三人で朝食を食べ、朝のニュースを見ながらそれぞれの予定を確認する。
「今日はどうするか決めてる?」
と遥が問いかけてくる。
「うーん、どうしようか。ここ最近、動いてばかりだしゆっくりしようかなって考えてるけど」
「私たちは少し用事がありますので、少ししたら出ます」
「どこかに行くの?」
疑問に思い、柊さんに聞いてみる。
「男性警護連盟に呼ばれていまして。おそらく定期報告を兼ねた訓練かと」
「そうなんだよね~」
男性警護連盟……? 遥たちの元締めというか、上層部的なところかな?
「訓練がメインでしょうし、対面の方がやりやすいのでしょう」
「なるほど。訓練もあるんだ」
「ええ、月一で行われる合同訓練です。他の警護官とさまざまなシチュエーションを想定した訓練を行います」
俺の問いに柊さんが答える。
いざって時のために鈍らないようにってことか。
「二人とも居ないなら、今日は部屋でゲームでもしてゆっくりしようかな」
「そうしてもらえると助かります」
食事を終え、片付けをする。
その後、二人を見送り一人っきりに。
「じゃ、なんのゲームをしようかなぁ……」
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