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第36話 喫茶店でのひと時と新たな誘い
しばらくゲームなどで遊び、窓から差し込む日が明るくなる。
時間を見ると昼頃だった。
ちょうど腹の虫もなったことだし、何か食べようかな?
冷蔵庫を開けたものの、中身はほとんど空っぽだった。野菜が少しと、期限切れ間近の牛乳があるだけだ。
しまった……旅行から帰ってきたばかりでまだ買い出しに行けてなかったんだ……。
「うーん、これは困ったな……」
仕方ない、コンビニにでも行って何か買ってこようかな。
お昼ご飯を適当に済ませるには、それが一番手っ取り早いだろう。俺はスマホを手に取り、近くのコンビニの場所を確認する。
「確か、前に行ったところが近くに……お、あったあった」
徒歩5分圏内にコンビニを見つけた。
『外出は控えて』って言ってたけど……まぁ、このくらいなら大丈夫だろ。
ということでレッツゴー!
マンションから少し進んだところで前を歩く涼さんを発見した。
ん? あれ、涼さんじゃないか? 今から成瀬さんの喫茶店に行くのかな。
ちょっと声かけてみよっと。
「涼さーん!」
涼さんに声をかけると、彼女は勢いよく驚いたように振り返った。
「えっ、あ、阿宮ッ!? なんでここに居るんだ? それに警護官の二人はどうした?」
矢継ぎ早に質問が飛んでくる。
「ちょ、ちょっと待って順番に答えてくから!」
「あぁ、ごめんよ。動揺しちゃってよ……」
「いいよいいよ、俺も急に声かけちゃったから。で、昼ごはんを買いに来たんだよ。家に食材が無かったから」
涼さんは安堵の表情を浮かべて、少し肩を落とした。
「そうだったのか。てっきり何かあったのかと思って、驚いたよ」
「ごめん、驚かせちゃって。でも、涼さんこそどうしたの? これから成瀬さんの喫茶店に行くところ?」
涼さんは頷いてから、周囲をちらりと確認し、俺に近づいて声を潜めて話し始めた。
おそらく周囲でチラチラ見てくる女子たちが着いて来ないように、ということだろう。
なんかさっきから視線を感じていたんだよね~。
やっぱり警護官がいた方が楽ではあるな。チラッと見られることがあれど、一人よりはワンチャンを狙う人が減るから。
「そうなんだ。ちょっと成瀬さんと話すことがあってね。今は昼時だから、もし良かったら一緒にお昼食べないか? 喫茶店でランチを奢るよ」
「え、いいの? それならぜひご一緒させてもらおうかな」
涼さんの提案に、迷わず返事をした。
一人で食べるより、みんなで食べた方がいいしな! 何より奢ってくれるってさ。
「じゃあ、行こうか」
二人で並んで歩きながら、成瀬さんの喫茶店へ向かう。
道中、涼さんが最近ハマっていることなどついて話してくれる。
彼女は普段は男勝りな雰囲気だけど、こうして話すと柔らかい一面も感じられるよ。
喫茶店に着くと、成瀬さんがカウンターで作業をしていた。そして入ってきたことに気がついたのか、視線をこちらに向け目が合う。
「やっと来た……ね……。なんで、阿宮くんがいるの?」
「いやー、来る途中で会ってさ。昼ご飯を買いに行くらしいから、ならここで一緒に食べないか?って誘ったんだ」
なぜか呆れたような反応を返された。
「はぁ……また一人で出歩いていたってことですか。何度言ったら危機感を持ってもらえるのか」
「まぁ、何も無かったからいいじゃないか。とりあえずなんか昼ご飯用に作ってくれよ」
涼さんが軽く流しつつ、カウンター席の成瀬さんの正面に座った。そして隣に座るよう促してくる。
「分かった。オムライスでいい? 阿宮くんはどうする?」
「ああ、それでお願い」
「俺もオムライスでお願いします」
「了解、ちょっと待ってね~」
成瀬さんは軽く手を挙げて、厨房に入っていった。
カウンター越しに見える彼女の手際の良さに感心しながら、涼さんと並んで座って待っていた。
しばらくして、成瀬さんがオムライスを二つ持ってきてくれた。
ふんわりとした卵に包まれたオムライスが目の前に置かれ、見た目からして美味しそうだ。
涎が出てきそう。
「お待たせしました。特製のオムライスです。どうぞ召し上がれ」
成瀬さんの声に促され、俺たちはさっそくオムライスを一口。ふわふわの卵とトマトソースの絶妙なコンビネーションが口の中に広がり、一瞬で幸せな気分になった。
「美味しい!」
「うん、美味い!」
成瀬さんは微笑んで、再びカウンターの方へ戻っていった。俺たちは静かにオムライスを食べながら、時折目を合わせては笑い合う。
「こうやってのんびりできる時間、大切だよね」
涼さんがポツリと言う。
「もうすぐ忙しくなるからね」
「だな」
「何があるの?」
二人の会話が気になり、問いかける。
「あー、阿宮くんはオタクコンテンツに理解がある方?」
「最近はあまり見れてないけど、そうだね」
転移前はよくアニメとか漫画とか読んでいた思い出。
「実はね、今度同人誌即売会があるんだけどね。私がそこで出店することになったの。で、涼が売り子として手伝ってくれる予定なんだ」
この世界にもあるんだ、同人誌即売会。
興味はあったけど、結局行けなかったイベントだ。
「それで、興味があれば阿宮くんも売り子してみない?」
時間を見ると昼頃だった。
ちょうど腹の虫もなったことだし、何か食べようかな?
冷蔵庫を開けたものの、中身はほとんど空っぽだった。野菜が少しと、期限切れ間近の牛乳があるだけだ。
しまった……旅行から帰ってきたばかりでまだ買い出しに行けてなかったんだ……。
「うーん、これは困ったな……」
仕方ない、コンビニにでも行って何か買ってこようかな。
お昼ご飯を適当に済ませるには、それが一番手っ取り早いだろう。俺はスマホを手に取り、近くのコンビニの場所を確認する。
「確か、前に行ったところが近くに……お、あったあった」
徒歩5分圏内にコンビニを見つけた。
『外出は控えて』って言ってたけど……まぁ、このくらいなら大丈夫だろ。
ということでレッツゴー!
マンションから少し進んだところで前を歩く涼さんを発見した。
ん? あれ、涼さんじゃないか? 今から成瀬さんの喫茶店に行くのかな。
ちょっと声かけてみよっと。
「涼さーん!」
涼さんに声をかけると、彼女は勢いよく驚いたように振り返った。
「えっ、あ、阿宮ッ!? なんでここに居るんだ? それに警護官の二人はどうした?」
矢継ぎ早に質問が飛んでくる。
「ちょ、ちょっと待って順番に答えてくから!」
「あぁ、ごめんよ。動揺しちゃってよ……」
「いいよいいよ、俺も急に声かけちゃったから。で、昼ごはんを買いに来たんだよ。家に食材が無かったから」
涼さんは安堵の表情を浮かべて、少し肩を落とした。
「そうだったのか。てっきり何かあったのかと思って、驚いたよ」
「ごめん、驚かせちゃって。でも、涼さんこそどうしたの? これから成瀬さんの喫茶店に行くところ?」
涼さんは頷いてから、周囲をちらりと確認し、俺に近づいて声を潜めて話し始めた。
おそらく周囲でチラチラ見てくる女子たちが着いて来ないように、ということだろう。
なんかさっきから視線を感じていたんだよね~。
やっぱり警護官がいた方が楽ではあるな。チラッと見られることがあれど、一人よりはワンチャンを狙う人が減るから。
「そうなんだ。ちょっと成瀬さんと話すことがあってね。今は昼時だから、もし良かったら一緒にお昼食べないか? 喫茶店でランチを奢るよ」
「え、いいの? それならぜひご一緒させてもらおうかな」
涼さんの提案に、迷わず返事をした。
一人で食べるより、みんなで食べた方がいいしな! 何より奢ってくれるってさ。
「じゃあ、行こうか」
二人で並んで歩きながら、成瀬さんの喫茶店へ向かう。
道中、涼さんが最近ハマっていることなどついて話してくれる。
彼女は普段は男勝りな雰囲気だけど、こうして話すと柔らかい一面も感じられるよ。
喫茶店に着くと、成瀬さんがカウンターで作業をしていた。そして入ってきたことに気がついたのか、視線をこちらに向け目が合う。
「やっと来た……ね……。なんで、阿宮くんがいるの?」
「いやー、来る途中で会ってさ。昼ご飯を買いに行くらしいから、ならここで一緒に食べないか?って誘ったんだ」
なぜか呆れたような反応を返された。
「はぁ……また一人で出歩いていたってことですか。何度言ったら危機感を持ってもらえるのか」
「まぁ、何も無かったからいいじゃないか。とりあえずなんか昼ご飯用に作ってくれよ」
涼さんが軽く流しつつ、カウンター席の成瀬さんの正面に座った。そして隣に座るよう促してくる。
「分かった。オムライスでいい? 阿宮くんはどうする?」
「ああ、それでお願い」
「俺もオムライスでお願いします」
「了解、ちょっと待ってね~」
成瀬さんは軽く手を挙げて、厨房に入っていった。
カウンター越しに見える彼女の手際の良さに感心しながら、涼さんと並んで座って待っていた。
しばらくして、成瀬さんがオムライスを二つ持ってきてくれた。
ふんわりとした卵に包まれたオムライスが目の前に置かれ、見た目からして美味しそうだ。
涎が出てきそう。
「お待たせしました。特製のオムライスです。どうぞ召し上がれ」
成瀬さんの声に促され、俺たちはさっそくオムライスを一口。ふわふわの卵とトマトソースの絶妙なコンビネーションが口の中に広がり、一瞬で幸せな気分になった。
「美味しい!」
「うん、美味い!」
成瀬さんは微笑んで、再びカウンターの方へ戻っていった。俺たちは静かにオムライスを食べながら、時折目を合わせては笑い合う。
「こうやってのんびりできる時間、大切だよね」
涼さんがポツリと言う。
「もうすぐ忙しくなるからね」
「だな」
「何があるの?」
二人の会話が気になり、問いかける。
「あー、阿宮くんはオタクコンテンツに理解がある方?」
「最近はあまり見れてないけど、そうだね」
転移前はよくアニメとか漫画とか読んでいた思い出。
「実はね、今度同人誌即売会があるんだけどね。私がそこで出店することになったの。で、涼が売り子として手伝ってくれる予定なんだ」
この世界にもあるんだ、同人誌即売会。
興味はあったけど、結局行けなかったイベントだ。
「それで、興味があれば阿宮くんも売り子してみない?」
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