Imposter

Primrose

文字の大きさ
1 / 5

発見

しおりを挟む
『ここは俺たちに任せろ、お前は先に行け‼』
『お前が外に出たら、俺たちの勝ちだ、頼んだぞ‼』
『なんでお前が・・・なんで・・・』

「・・・っ‼」
 久しぶりに見た夢は、思い出したくもない地獄の光景だった。
 あれから3年、ある女性に保護されてからというもの、なんとか普通の生活を送ることは出来た。
 だがもしかしたら、悪いことの予兆なのかもしれない。
 ここ最近は何事もなかったのに、今更どうして・・・?
 なんて考えていると、腹の虫が鳴ってしまった。早く朝食を食べて学校に行こう。
 そう思って階段を降りると、女性がキッチンに立ってた。
「おはよう、とおる。朝ごはん出来てるから」
「ありがとうございます、皐月さん」
 俺は礼を言って席に着くと、手短に朝食を済ませる。
 今日から高校二年生になる訳だが、特に友達も居ないので特に気にすることはない。
「それじゃあ、行ってきます」
「はあい、行ってら」
 通学路を歩きながら、俺は夢の事について考えていた。
 あれは、本当にの類なのだろうか。
 俺は未来が見えるのだ。だが自由に見られるわけではなく、見えるのは自分に危険が迫った時だけ、その時の景色が鮮明に浮かぶのだ。
 だがこれまでその様な事は無かったのだが、これがもし予知に関係していたら不味いことになる。
 最悪、周りにも被害が出るかも。
 なんて考えてると、いつの間にか学校まで来ていた。
 うちの学校は自由な校風と高い進学・就職率を誇っており、はるばる遠方から通う生徒もいるという。
 因みに俺は、居候している桂樹皐月の家に近いからという単純な理由でここを選んだ。
 校内はきれいに整備されており、他校の生徒や保護者からも非常に好評なのだよ。
 何故俺がこんなにもドヤ顔なのかと言うと、校内の掃除を担当する整備委員を仕切っているのが、何を隠そう俺なのだ。
 自分で言うのもあれだが、俺はとっても綺麗好きなのだ。まあ、それを知るクラスメイトに半ば強引に委員長まで仕立て上げられたわけだが。
「おはよう」
「あ、おはよう透クン。今年もよろしく」
 クラスメイトに挨拶しながら、俺は席について鞄の中身を取り出す。
 すると隣の席になった湊香みなとかおるが、俺に面白い話を持ってきた。
「今日、転校生が来るらしいよ」
「へえ、どんな?」
「詳しくは知らないけど、女の子だって」
「へえ、どんな子なのかね」
 なんて何気ない会話にももう慣れた今日この頃。
 その後も新たなクラスメイトと何気ない会話をしていると、先生がクラスに来て話を始めた。
「はい、今日からこのクラスに転校生が来ることになりました。突然ですが仲良くするように。入って」
 先生の合図で入って来たのは、長い茶髪の少女だった。
 その少女は遠慮がちに入ると、黒板に自分の名前を書く出した。
香崎湊こうざきみなとです。よろしく・・・」
 香崎さんは遠慮がちに自己紹介すると、先生の案内で席に着いた。
 その後も香崎さんは内気な性格なのか、誰とも話さずに読書していた。
 そして放課後になり、これから帰ろうかと廊下に出た時だった。
「ここで見つかったのか?」
「ああ、目撃情報があった」
 の大人が、廊下をきょろきょろと見渡しながら、何か、いや、俺を捜していた。
「ヤバい、ヤバいヤバいヤバい‼」
 それを理解した俺は、一気に走り出した。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

二重のカーテン (スカートの下の黒い意志)

MisakiNonagase
青春
洗濯物の隙間に隠したのは、母としての祈りと、娘のプライド。 かつて、女子高生という生き物はもっと無防備で、自由だった。 44歳の主婦、愛子が朝のベランダで手にするのは、娘たちが毎日履き替える漆黒のオーバーパンツ、通称「黒パン」。それは、令和を生きる娘たちが自らの尊厳を守るために身に着ける、鉄壁の「鎧」だった。 小学校時代のママ友たちとのランチ会。そこで語られるのは、ブルセラショップに下着を売っていた奔放な50代、無防備なまま凛と歩くしかなかった40代、そして「見せないこと」に命を懸ける10代の、あまりに深い断絶。さらには、階段で石像のように固まる父、生徒の背後に立たないよう神経を削る教師……。 一枚の黒い布を通して浮き彫りになる、現代社会の歪さと、その根底にある不器用なまでの「優しさ」。 ベランダに干された黒いカーテンの向こう側に、あなたは何を見ますか?

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

あなたのいない世界に私は生まれた

駄文のヒロ
SF
 西暦2051年12月上旬。  レイヤー聖台高等学校2年生の横澤穂花は、母である智美と穏やかな日々を送りながらも、心のどこかで言いようのない違和感を抱いていた。  優しく、何不自由なく育ててくれたはずの母――  けれど穂花は、『この人だけじゃない』という感覚を拭えずにいる。  自分を見守っている“もう一人の誰か”。  声も姿も思い出せないのに、確かに存在している気配。  それが母なのか、記憶なのか、あるいはただの思春期の錯覚なのか――  穂花自身にも分からない。  そんなある日、学校で囁かれている都市伝説を耳にする。  “世界を見守る守り神”  人知れずこの世界を監視し、迷える者の問いに応える存在がいるという噂。  真実を知りたい。  自分が感じているこの違和感の正体を確かめたい。  穂花は、誰にも打ち明けられない想いを胸に、その“守り神”に会いに行くことを決意する。  ――その選択が、世界の秘密と、彼女自身の出生の真実を揺るがすことになるとも知らずに。  人々のそれぞれの愛情を紡ぐ『あな生き』シリーズ最終章、始動!

性別交換ノート

廣瀬純七
ファンタジー
性別を交換できるノートを手に入れた高校生の山本渚の物語

​『イージス艦長、インパール最前線へ。――牟田口廉也に転生した俺は、地獄の餓死作戦を「鉄壁の兵站要塞」に変える』

月神世一
SF
​【あらすじ】 ​「補給がなければ、戦場に立つ資格すらない」 ​ 坂上真一(さかがみ しんいち)、50歳。  かつてイージス艦長として鉄壁の防空網を指揮し、現在は海上自衛隊で次世代艦の兵站システムを設計する男。  背中には若き日の過ちである「仁王」の刺青を隠し持ち、北辰一刀流の達人でもある彼は、ある日、勤務中に仮眠をとる。 ​ 目が覚めると、そこは湿気と熱気に満ちた1944年のビルマだった。  鏡に映っていたのは、小太りで口髭の男――歴史の教科書で見た、あの「牟田口廉也」。 ​ しかも時期は、日本陸軍史上最悪の汚点とされる「インパール作戦」決行の直前。  部下たちは「必勝の精神論」を叫び、無謀な突撃を今か今かと待っている。 ​ (……ふざけるな。俺に、部下を餓死させろと言うのか?) ​ 現代の知識と、冷徹な計算、そして海自仕込みのロジスティクス能力。  すべてを駆使して、坂上(中身)は歴史への介入を開始する。  精神論を振りかざすふりをして上層部を欺き、現地改修で兵器を強化し、密かに撤退路を整備する。 ​ これは、「史上最も無能な指揮官」の皮を被った「現代の有能な指揮官」が、確定した敗北の運命をねじ伏せ、数万の命を救うために戦う、逆転の戦記ドラマ。

恋愛リベンジャーズ

廣瀬純七
SF
拓也は、かつての恋人・純への後悔を抱えたまま生きてきた。ある日、過去へ戻れる不思議なアプリを手に入れるが戻った先で彼を待っていたのは、若き日の純ではなく――純そのものになってしまった自分自身だった。かつての恋人とやり直すはずが、過去の自分を相手に恋をするという奇妙で切ない関係が始まっていく。時間と心が交差する、不思議な男女入れ替わりストーリー。

借金した女(SМ小説です)

浅野浩二
現代文学
ヤミ金融に借金した女のSМ小説です。

処理中です...