参上! 怪盗イタッチ

ピラフドリア

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第45話 『四神』

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参上! 怪盗イタッチ



第45話
『四神』



 とある街にあるイタチの経営する喫茶店。その喫茶店の前に黒塗りの高級車が止まった。

「ダッチく~ん。お兄ちゃん達が来ましたヨォ~!!」

 気持ち悪くほどの高いトーンの声と共に扉が開かれる。店内に入ってきたのは、スーツを着た虎と、龍、そしてインコだ。
 その声に反応し、カウンター席でコーヒーを飲んでいたダッチが扉の方を向いて怒鳴った。

「誰が兄貴だ! お前は俺の部下だろうが!」

「形式上は部下でも俺達は同格……。かつての四神のように均衡を保つために兄弟の盃を交わしたのはお前だろ?」

「ッチ。優しくするんじゃなかったぜ」

 店員のイタチとアンも来客者の方へ顔を向ける。

「ウンランか」

「よ、イタッチにアンちゃん」

 虎の名前はウンラン。かつてダッチと四神の後継者争いをした人物だ。ウンランは胸ポケットから飴玉を取り出すと、飴を口に入れて舐める。

 その後ろにいる青い龍の女性。彼女はセイリュウ。スーツの裏には小型のマシンガンを二丁忍ばせている。

 さらにその隣にいるインコの女性。黄色とオレンジのコガネメキシコインコは美友(メイヨウ)。黒縁の眼鏡をクイット持ち上げる。

 彼らとダッチは四神の創設メンバーである四人の息子、娘達である。

「すごい! 新しい四神の最高幹部が勢揃いですね!!」

 アンは現れたメンバーとダッチを見て、テンションが上がったのか、その場で軽く跳ねる。

 昔はダッチと後継者争いをして、激しく戦っていた彼らであるが、今はダッチの部下である。
 ダッチを頂点として、ウンラン、セイリュウ、メイヨウの三人の最高幹部がまとめている。

「しかし、最高幹部が揃ってこれから会議?」

 イタチは尋ねると、その問いにウンランが答えた。

「いや、今回は怪盗イタッチ一味に用があってきた。お前達に話さないといけないことがあるんでな」


 ⭐︎⭐︎⭐︎


 店を閉めたイタチ達は、高級車に乗り都内にある高層ビルにやってきた。そのビルには高級レストランがあり、全員はその店に入った。
 店内は他に客はいない。

「あれ~他のお客さんはどこですか~?」

 アンはキョロキョロと店内を見渡す。そんなアンにウンランは腕を組み、ニヤリと笑う。

「貸切だ」

「え!? こんな高そうな店をですか!?」

「そうだ。これが復活した四神の財力ってもんさ。それにこの店は四神の関係者が経営してる店だ。極秘の会議もできる……」

 ウンランは窓に近い席に皆を誘導して、そこに座らせる。
 ウンラン達はスーツ姿に身を包み、イタッチ達はいつもの怪盗衣装を着ている。そんなチグハグなメンバーが一つの席に座った。

「それで俺達を呼んだ理由はなんだ?」

 イタッチはウンランに尋ねる。すると、ウンランはワインボトルを開けながら、

「そう焦るな、ゆっくり食べながら話そうや。……あ~そうだな、これは俺のお気に入りだ、飲んでくれ」

 ウンランはアンとメイヨウ以外の全員のグラスにワインを注ぐ。残った二人にはオレンジジュースを入れて渡した。

「そのオレンジジュースも絶品だ。気に入ってくれると嬉しい」

 ニコリと笑いながら、ウンランはグラスを揺らす。

「四神も少しずつだが、かつての力を取り戻してきてる。それもイタッチ、アンタ達のおかげだ」

「私達の?」

 アンは首を傾げる。そんなアンの疑問に答えるようにセイリュウが呟く。

「ボスとイタッチの関係性で組織の知名度が上がったんだ」

 さらにメイヨウは携帯電話を取り出すと、四神の状況に関する書類のデータをアンのパソコンに送信した。
 アンがデータを開くと同時に、メイヨウは皆に話す。

「組織の知名度が高ければ高いほど、敵対と参加に入りたいという組織が増えるわ。良くも悪くもその効果が四神の力になってる」

「そうなんですか~」

 アンが感心する中、イタッチはすでに知っていたようで腕を組みながら頷く。
 そんなイタッチの様子を見て、ウンランは微笑む。

「かつてはダッチを倒そうとした俺らだが……。今はダッチと一緒に入れることが幸せと感じる。イタッチ、アンちゃん……ダッチを支えてくれてありがとな」

 ウンランがお辞儀をすると、アンは照れた様子で頭を掻き、イタッチはニヤリと笑った。

「俺は相棒を少し手助けしただけさ。やり切ったのはダッチ、本人だ」

「確かにな。ダッチのおかげか……。ということで、ダッチ、この辛子キャンディを舐めるか?」

 ウンランはニヤリと悪い笑みを浮かべて、ポケットから飴を取り出してダッチに渡そうとする。

「そんなキャンディ舐めるか!!」

 しかし、ダッチはすぐに断る。

「っちぇ~、ダッチが苦しむ顔見たかったのにな~」

 ボスに対して意地悪をするウンランだが、今までのダッチと戦っていた時とは違い、今は楽しそうだ。

 そんなことをしていると、料理が運ばれてくる。ウンランは手を合わせると、

「さてと、それじゃあ、ディナーを始めよう!」









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