銭湯マスター

ピラフドリア

文字の大きさ
3 / 12

第3話 『熱血の湯』

しおりを挟む
銭湯マスター



著者:ピラフドリア



第3話
『熱血の湯』




 ゴジョウはベッドの上でアツギのことを見る。口には呼吸器が取り付けられており、かなりの危ない状況らしい。



「オレはな……。本当は家で風呂に入る方が好きだったんだ……」



 突然ゴジョウがアツギにそんなことを告げる。



 何を言っているのかわからない。ゴジョウは銭湯を愛し、毎日銭湯に通っていた。



「オレは銭湯に行った後、家に帰ったら必ずシャワーを浴びてもう一度洗っていた。その理由をわかるか?」



「……わからねぇよ!!」



「オレは銭湯が汚いと思ってたんだ。誰が入ったかわからない。もしかしたらガキがしょんべんしてるかもしれねぇ湯船に浸かる。それを気持ちいと言うことが分からなかった」



 ゴジョウは一呼吸置くと、無理して身体を起こす。そして呼吸器を自分で外した。



「だがよぉ、あいつら銭湯に行っても湯船には浸からねぇ、サウナで十分だって言いやがった」



 ゴジョウはアツギの腕を掴む。その力は病人とは思えないほど強い。



「オレはそこで初めてわかった。本当は銭湯が好きだったんだって……。他人が入ってるから汚いわけじゃない。他人と入ることに意味がある。そしたら、オレは……」



 アツギはゴジョウの涙を見た。あの強かったゴジョウが泣いている姿を初めて見たのだ。



「なら、何故やり返さなかったんだ!! 殴れば良いだろ!!」



 アツギの言葉にゴジョウは首を振った。



「俺たちが喧嘩したのは、湯船の中だ。オレがここで喧嘩すれば血が出る。オレなんかの血で、銭湯を汚す気にはなれなかった」



 ゴジョウは言いたいことを言い終えたのか。疲れたようにベッドに横たわった。



「アツギ……オレの代わりにお前がいけ」



 そう言い、ゴジョウが渡したのは銭湯グランプリへの招待状だ。



「全国の強者たちが集まる大会だ。オレはもう銭湯不能だ。お前に……任せた……ぞ」



「ゴジョウぉぉ!!」



 それがゴジョウとの最後の会話になった。



 そのあとゴジョウはアメリカに留学してしまったため、アツギは会話することができていない。
 電話番号もメールアドレスも知らないため、アツギには連絡を取ることができなかった。



 しかし、アツギが会場の観客席を見ると、



「ゴジョウ……」



 そこにはゴジョウの姿があった。




 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 この小説はめっちゃふざけています。あまり深いことは考えずに見てください。



 皆さんは銭湯は好きですか?



 私はまぁまぁ好きですよ。でも、疲れちゃうのであんまり行けないです。




しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

性別交換ノート

廣瀬純七
ファンタジー
性別を交換できるノートを手に入れた高校生の山本渚の物語

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

入れ替わり夫婦

廣瀬純七
ファンタジー
モニターで送られてきた性別交換クリームで入れ替わった新婚夫婦の話

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

処理中です...