114 / 115
第1話 『寝れない天才を寝かしつけろ』
しおりを挟む
世界最強の兵器はここに!? ~寝れない天才~
著者:ピラフドリア
第1話
『寝れない天才を寝かしつけろ』
俺は一日の疲れを癒すため、リビングで布団に入り、目を瞑った。
今日も多くのことがあった。村長である父の手伝いで村を駆け回り、もうヘトヘトである。だが、それも尊敬する父の様な村長になるためだと考えれば、俺は頑張ることができる。
瞼の裏の景色もやがて視界から消えていき、俺は眠りに…………。
「パト!!」
扉が開き、俺の名前を叫ぶ声。
眠りを妨げたのは……。エリス・グランツ。幼馴染であり、現在俺の部屋を強奪している天才魔法使いである。
エリスは腕を組み、俺のことを見下ろすと、小さな声で呟いた。
「寝れない」
⭐︎⭐︎⭐︎ ⭐︎⭐︎⭐︎
満月が夜空の頂点へと立つ時刻。俺はエリスと作戦会議を行っていた。
その目的は……。
「これより、どうやったら眠ることができるのか。それを考えます」
エリスを眠らせることである。
「おい、エリス。一つ言っていいか……」
俺はエリスに向かって、ずっと言いたかった文句を言うことにした。
「いつも起きる遅いから、夜寝れないんだろ?」
「…………」
「…………」
エリスは俺に杖を突きつける。
「関係ないことは発言しない!!」
「関係あると思いますけど!!」
俺のツッコミにエリスはそっぽを向く。反省しているのかどうなのか……。
しかし、眠る方法か……。
俺は腕を組み、思考を働かせる。すると、一つ良い案を思い付く。
「そうだ! エリス!! 運動してみるのはどうだ?」
「運動?」
「そう、いつも寝っ転がってばっかりだろ。だから、少しでも体を動かせば、眠たくなるかも」
それを聞いたエリスは「なるほど」と手を打つ。そして、
「じゃあ、早速運動しますか!」
エリスはパジャマから、いつも着ている制服に着替えると、俺を連れて家を出た。
……え、なんで連れてかれるの?
⭐︎⭐︎⭐︎ ⭐︎⭐︎⭐︎
深夜の森に暗雲が立ち込め、轟音と共に閃光が森へと放たれる。
森は紅花が咲き誇るが如く燃え上がり、世界の終焉を表す絵画のような、地獄と化していた。
「よし、じゃあ、帰りましょ」
森を破壊した魔法使いは鎮火を終えると、悠然と村へと帰っていく。
まぁ、魔力の源は生命力。魔力を使えば疲れるのは確かだが……。そういう運動か。
村に着くと、先程の魔法により村では騒ぎが起きていた。それもそのはず、事前情報もなくあんな強力な魔法を放ったのだから……。俺もあそこまで強力な魔法を撃つとは思ってもみなかった。
俺はエリスを先に帰らせ、村の皆んなに事情を説明し謝りに行く。一通り騒ぎも収まり、明日の後始末を想像し、ため息を吐くと、エリスが目の前に居た。
「あれ? 帰って寝たんじゃ?」
「うるさくて寝れない」
お前が騒ぎを起こしたんだろうが!!
⭐︎⭐︎⭐︎ ⭐︎⭐︎⭐︎
家に帰宅した俺たちは他の方法を模索していた。
「うーん、寝る方法かー」
思考を回していると、外に出たことで少し身体が冷えたのか。エリスが体を震わせながらぽつりと独り言を呟く。
「お風呂……入りたいな」
「ふろ?…………はっ!!」
その独り言を聞き、俺は閃く。
「そうだよ。風呂はどうだ? 体を温めれば眠たくなるかも!!」
それを聞いたエリスの顔を明るくなる。
「そうね! それは良い案ね!」
早速俺たちは村の浴場へ向かう。しかし、
「閉まってるね」
「そうね。閉まってるわね」
浴場は営業時間外でやっていなかった。
⭐︎⭐︎⭐︎ ⭐︎⭐︎⭐︎
部屋に戻った俺たちは、また別の手を考えることにした。
「他に良い方法はないの~?」
「うーん、他の方法か……」
何かヒントはないかと、自身の机に目をやった俺は、ある物を見つけた。
そしてちょっとした思い出話を思い出す。
「なぁ、エリス。これは父ちゃんから聞いた話なんだが。俺は小さい頃怖がりで夜になるとすぐに泣いちゃってたらしいんだ」
「今と変わらないのね」
「泣かないよ! 怖いのは苦手だけど!!」
エリスの言葉に思わずツッコんでしまったが、話を戻す。
「そんな俺の寝かしつけ方は読み聞かせだったらしいんだ。……母ちゃんがどんな人だったかは覚えてない。だけど、母ちゃんが読んでくれた本の内容は、なんだか覚えてるんだ」
俺は布団に腰を置く。その様子を見てエリスは察したのか、布団の中で目を瞑った。
なんてことない昔話。王都に行けば手に入る子供向けの童話。そんな話が眠り誘ってくれる。
気が付けば二人は、眠りの世界に入っていた。
【後書き】
漫画版とゆっくり版も作りました。
小説版は二人ともねれてハッピーエンドな感じ。それと今まで触れてこなかったお母さんの存在も少し出してみた。
どのバージョンにも良さがあると思うので、全部見てもらえると嬉しいです。内容と違います。
著者:ピラフドリア
第1話
『寝れない天才を寝かしつけろ』
俺は一日の疲れを癒すため、リビングで布団に入り、目を瞑った。
今日も多くのことがあった。村長である父の手伝いで村を駆け回り、もうヘトヘトである。だが、それも尊敬する父の様な村長になるためだと考えれば、俺は頑張ることができる。
瞼の裏の景色もやがて視界から消えていき、俺は眠りに…………。
「パト!!」
扉が開き、俺の名前を叫ぶ声。
眠りを妨げたのは……。エリス・グランツ。幼馴染であり、現在俺の部屋を強奪している天才魔法使いである。
エリスは腕を組み、俺のことを見下ろすと、小さな声で呟いた。
「寝れない」
⭐︎⭐︎⭐︎ ⭐︎⭐︎⭐︎
満月が夜空の頂点へと立つ時刻。俺はエリスと作戦会議を行っていた。
その目的は……。
「これより、どうやったら眠ることができるのか。それを考えます」
エリスを眠らせることである。
「おい、エリス。一つ言っていいか……」
俺はエリスに向かって、ずっと言いたかった文句を言うことにした。
「いつも起きる遅いから、夜寝れないんだろ?」
「…………」
「…………」
エリスは俺に杖を突きつける。
「関係ないことは発言しない!!」
「関係あると思いますけど!!」
俺のツッコミにエリスはそっぽを向く。反省しているのかどうなのか……。
しかし、眠る方法か……。
俺は腕を組み、思考を働かせる。すると、一つ良い案を思い付く。
「そうだ! エリス!! 運動してみるのはどうだ?」
「運動?」
「そう、いつも寝っ転がってばっかりだろ。だから、少しでも体を動かせば、眠たくなるかも」
それを聞いたエリスは「なるほど」と手を打つ。そして、
「じゃあ、早速運動しますか!」
エリスはパジャマから、いつも着ている制服に着替えると、俺を連れて家を出た。
……え、なんで連れてかれるの?
⭐︎⭐︎⭐︎ ⭐︎⭐︎⭐︎
深夜の森に暗雲が立ち込め、轟音と共に閃光が森へと放たれる。
森は紅花が咲き誇るが如く燃え上がり、世界の終焉を表す絵画のような、地獄と化していた。
「よし、じゃあ、帰りましょ」
森を破壊した魔法使いは鎮火を終えると、悠然と村へと帰っていく。
まぁ、魔力の源は生命力。魔力を使えば疲れるのは確かだが……。そういう運動か。
村に着くと、先程の魔法により村では騒ぎが起きていた。それもそのはず、事前情報もなくあんな強力な魔法を放ったのだから……。俺もあそこまで強力な魔法を撃つとは思ってもみなかった。
俺はエリスを先に帰らせ、村の皆んなに事情を説明し謝りに行く。一通り騒ぎも収まり、明日の後始末を想像し、ため息を吐くと、エリスが目の前に居た。
「あれ? 帰って寝たんじゃ?」
「うるさくて寝れない」
お前が騒ぎを起こしたんだろうが!!
⭐︎⭐︎⭐︎ ⭐︎⭐︎⭐︎
家に帰宅した俺たちは他の方法を模索していた。
「うーん、寝る方法かー」
思考を回していると、外に出たことで少し身体が冷えたのか。エリスが体を震わせながらぽつりと独り言を呟く。
「お風呂……入りたいな」
「ふろ?…………はっ!!」
その独り言を聞き、俺は閃く。
「そうだよ。風呂はどうだ? 体を温めれば眠たくなるかも!!」
それを聞いたエリスの顔を明るくなる。
「そうね! それは良い案ね!」
早速俺たちは村の浴場へ向かう。しかし、
「閉まってるね」
「そうね。閉まってるわね」
浴場は営業時間外でやっていなかった。
⭐︎⭐︎⭐︎ ⭐︎⭐︎⭐︎
部屋に戻った俺たちは、また別の手を考えることにした。
「他に良い方法はないの~?」
「うーん、他の方法か……」
何かヒントはないかと、自身の机に目をやった俺は、ある物を見つけた。
そしてちょっとした思い出話を思い出す。
「なぁ、エリス。これは父ちゃんから聞いた話なんだが。俺は小さい頃怖がりで夜になるとすぐに泣いちゃってたらしいんだ」
「今と変わらないのね」
「泣かないよ! 怖いのは苦手だけど!!」
エリスの言葉に思わずツッコんでしまったが、話を戻す。
「そんな俺の寝かしつけ方は読み聞かせだったらしいんだ。……母ちゃんがどんな人だったかは覚えてない。だけど、母ちゃんが読んでくれた本の内容は、なんだか覚えてるんだ」
俺は布団に腰を置く。その様子を見てエリスは察したのか、布団の中で目を瞑った。
なんてことない昔話。王都に行けば手に入る子供向けの童話。そんな話が眠り誘ってくれる。
気が付けば二人は、眠りの世界に入っていた。
【後書き】
漫画版とゆっくり版も作りました。
小説版は二人ともねれてハッピーエンドな感じ。それと今まで触れてこなかったお母さんの存在も少し出してみた。
どのバージョンにも良さがあると思うので、全部見てもらえると嬉しいです。内容と違います。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜
平明神
ファンタジー
ユーゴ・タカトー。
それは、女神の「推し」になった男。
見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。
彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。
彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。
その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!
女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!
さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?
英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───
なんでもありの異世界アベンジャーズ!
女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕!
※不定期更新。
※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。
ブラック企業でポイントを極めた俺、異世界で最強の農民になります
はぶさん
ファンタジー
ブラック企業で心をすり減らし過労死した俺が、異世界で手にしたのは『ポイント』を貯めてあらゆるものと交換できるスキルだった。
「今度こそ、誰にも搾取されないスローライフを送る!」
そう誓い、辺境の村で農業を始めたはずが、飢饉に苦しむ人々を見過ごせない。前世の知識とポイントで交換した現代の調味料で「奇跡のプリン」を生み出し、村を救った功績は、やがて王都の知るところとなる。
これは、ポイント稼ぎに執着する元社畜が、温かい食卓を夢見るうちに、うっかり世界の謎と巨大な悪意に立ち向かってしまう物語。最強農民の異世界改革、ここに開幕!
毎日二話更新できるよう頑張ります!
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
「魔物の討伐で拾われた少年――アイト・グレイモント」
(イェイソン・マヌエル・ジーン)
ファンタジー
魔物の討伐中に見つかった黄金の瞳の少年、アイト・グレイモント。
王宮で育てられながらも、本当の冒険を求める彼は7歳で旅に出る。
風の魔法を操り、師匠と幼なじみの少女リリアと共に世界を巡る中、古代の遺跡で隠された力に触れ——。
転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。
不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。
14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
MP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる