世界最強の兵器はここに!? 外伝ストーリー

ピラフドリア

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第1話 『寝れない天才を寝かしつけろ』

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世界最強の兵器はここに!? ~寝れない天才~



著者:ピラフドリア



第1話
『寝れない天才を寝かしつけろ』



 俺は一日の疲れを癒すため、リビングで布団に入り、目を瞑った。



 今日も多くのことがあった。村長である父の手伝いで村を駆け回り、もうヘトヘトである。だが、それも尊敬する父の様な村長になるためだと考えれば、俺は頑張ることができる。



 瞼の裏の景色もやがて視界から消えていき、俺は眠りに…………。



「パト!!」



 扉が開き、俺の名前を叫ぶ声。



 眠りを妨げたのは……。エリス・グランツ。幼馴染であり、現在俺の部屋を強奪している天才魔法使いである。



 エリスは腕を組み、俺のことを見下ろすと、小さな声で呟いた。



「寝れない」





 ⭐︎⭐︎⭐︎ ⭐︎⭐︎⭐︎





 満月が夜空の頂点へと立つ時刻。俺はエリスと作戦会議を行っていた。



 その目的は……。



「これより、どうやったら眠ることができるのか。それを考えます」



 エリスを眠らせることである。



「おい、エリス。一つ言っていいか……」



 俺はエリスに向かって、ずっと言いたかった文句を言うことにした。



「いつも起きる遅いから、夜寝れないんだろ?」



「…………」



「…………」



 エリスは俺に杖を突きつける。



「関係ないことは発言しない!!」



「関係あると思いますけど!!」



 俺のツッコミにエリスはそっぽを向く。反省しているのかどうなのか……。



 しかし、眠る方法か……。



 俺は腕を組み、思考を働かせる。すると、一つ良い案を思い付く。



「そうだ! エリス!! 運動してみるのはどうだ?」



「運動?」



「そう、いつも寝っ転がってばっかりだろ。だから、少しでも体を動かせば、眠たくなるかも」



 それを聞いたエリスは「なるほど」と手を打つ。そして、



「じゃあ、早速運動しますか!」



 エリスはパジャマから、いつも着ている制服に着替えると、俺を連れて家を出た。



 ……え、なんで連れてかれるの?





 ⭐︎⭐︎⭐︎ ⭐︎⭐︎⭐︎




 深夜の森に暗雲が立ち込め、轟音と共に閃光が森へと放たれる。
 森は紅花が咲き誇るが如く燃え上がり、世界の終焉を表す絵画のような、地獄と化していた。



「よし、じゃあ、帰りましょ」



 森を破壊した魔法使いは鎮火を終えると、悠然と村へと帰っていく。



 まぁ、魔力の源は生命力。魔力を使えば疲れるのは確かだが……。そういう運動か。



 村に着くと、先程の魔法により村では騒ぎが起きていた。それもそのはず、事前情報もなくあんな強力な魔法を放ったのだから……。俺もあそこまで強力な魔法を撃つとは思ってもみなかった。



 俺はエリスを先に帰らせ、村の皆んなに事情を説明し謝りに行く。一通り騒ぎも収まり、明日の後始末を想像し、ため息を吐くと、エリスが目の前に居た。



「あれ? 帰って寝たんじゃ?」



「うるさくて寝れない」



 お前が騒ぎを起こしたんだろうが!! 





 ⭐︎⭐︎⭐︎ ⭐︎⭐︎⭐︎





 家に帰宅した俺たちは他の方法を模索していた。



「うーん、寝る方法かー」



 思考を回していると、外に出たことで少し身体が冷えたのか。エリスが体を震わせながらぽつりと独り言を呟く。



「お風呂……入りたいな」



「ふろ?…………はっ!!」



 その独り言を聞き、俺は閃く。



「そうだよ。風呂はどうだ? 体を温めれば眠たくなるかも!!」



 それを聞いたエリスの顔を明るくなる。



「そうね! それは良い案ね!」



 早速俺たちは村の浴場へ向かう。しかし、



「閉まってるね」



「そうね。閉まってるわね」



 浴場は営業時間外でやっていなかった。





 ⭐︎⭐︎⭐︎ ⭐︎⭐︎⭐︎





 部屋に戻った俺たちは、また別の手を考えることにした。



「他に良い方法はないの~?」



「うーん、他の方法か……」



  何かヒントはないかと、自身の机に目をやった俺は、ある物を見つけた。
 そしてちょっとした思い出話を思い出す。



「なぁ、エリス。これは父ちゃんから聞いた話なんだが。俺は小さい頃怖がりで夜になるとすぐに泣いちゃってたらしいんだ」



「今と変わらないのね」



「泣かないよ! 怖いのは苦手だけど!!」



 エリスの言葉に思わずツッコんでしまったが、話を戻す。



「そんな俺の寝かしつけ方は読み聞かせだったらしいんだ。……母ちゃんがどんな人だったかは覚えてない。だけど、母ちゃんが読んでくれた本の内容は、なんだか覚えてるんだ」



 俺は布団に腰を置く。その様子を見てエリスは察したのか、布団の中で目を瞑った。



 なんてことない昔話。王都に行けば手に入る子供向けの童話。そんな話が眠り誘ってくれる。



 気が付けば二人は、眠りの世界に入っていた。




【後書き】


 漫画版とゆっくり版も作りました。

 小説版は二人ともねれてハッピーエンドな感じ。それと今まで触れてこなかったお母さんの存在も少し出してみた。

 どのバージョンにも良さがあると思うので、全部見てもらえると嬉しいです。内容と違います。


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