超人ババアとも子

ピラフドリア

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第7話 『決着じゃァァァ』

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 ティッシュ箱を履いた斗井歴のスピードはマイナス3倍になり、老眼で衰えたとも子には目で追うことができなかった。



「ふふふ、私を捕まえられるかな?」



 斗井歴はとも子達の周りをクルクルと回る。それはまるで亀のような速さ。



「ティッシュ履いたことで、逆に遅くなってるぅぅぅ!!」



 アキラのツッコミを受けながらも、斗井歴は一生懸命とも子達の周りを回る。
 たまに躓きそうになるが、手に持つ箒で上手くバランスを取っている。



 そんな斗井歴の様子を見て、ババアは悔しそうに言う。



「くっ、なんで速さじゃ」



「いや、遅いよ。明らかに弱体化してるよ! それにたびたび転びそうになってるし!!」



 すると、BBAはついに最終手段に手を出す。



「こうなったらワシの全ての力を解放するしかないようじゃな」



 アキラが疑問符を浮かべる中。とも子は両手を広げ、Tの字になる。
 そして!!



「とも子ハリケーンじゃァァァァァァァァァァァァ!!」



 婆さんはその場で回転し始める。



 最初はゆっくり、しかし徐々にスピードを増していき……。
 とも子を中心に風が起こり始める。



 それを見たアキラは



「な、なんだこれ……人間じゃねー」



 婆さんを見て自身は夢を見ているのではないかと疑い出す。というよりも火を吹いた時から感じてはいた。



「わ、私の店が!!」



 やがてとも子を中心に超巨大なハリケーンが巻き起こり、デパートごと街一帯を吹き飛ばした。



 瓦礫の山から顔を出したアキラは隣で、キスマークだらけになったジョナサンが瓦礫の山に埋まっているのを発見する。
 そして全裸になり胸を隠したおっさんの斗井歴ととも子が瓦礫の山の頂点で向き合っている姿を見つけた。



「婆さん、なかなかやるな。私の店を壊すとは……」



「当然じゃ」



 なんだか雰囲気的には友情が芽生えていそうだ。
 やがて斗井歴がその場に倒れ、とも子に言う。



「私を倒しても、まだ他の支店長。そして社長がいる……どうするつもりだ?」



 目を瞑った斗井歴にババアは言う。



「ワシの目的は世界一じゃ。そんなもの怖くない」



「ふふ、そうか。ならこれを渡そう」



 そう言い、斗井歴は懐から何かをとも子に渡そうとする。
 しかし、



「とも子ヒップドロップ!!」



 BBAは突然斗井歴に飛び上がり、ヒップドロップでトドメを刺した。



「バババババ!! 仲間なんて呼ばせないわい。しっかりトドメを刺してやったぞ!」



 とも子はそう笑顔で言った。



 とも子は最近、耳が遠い。




【後書き】

 えええええ!!


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