6 / 354
第5話 【BLACK EDGE 其の5 術師】
しおりを挟む
BLACK EDGE
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第5話
【BLACK EDGE 其の5 術師】
ブラッドに殴られた仮面の男は殴られた衝撃で吹っ飛ぶが、壁にぶつかりそうになると、壁に吸収されるように溶けて壁の中へと入って消えた。
「術師か」
ブラッドは警戒して、フェアを自分に近づける。
仮面の男は壁の中に消えた。それは今だけのことではない。
仮面の男が現れた時。奴は何もないところから、水から出るように這い上がってきたのだ。
なんらかの能力を使っている。
その能力がなんなのかはまだ分からないが、姿を消したことからかなり危険な状況なのがわかる。
ブラッドが警戒していると、ブラッドの足元の地面が波を出し始める。
それは地面が水のように揺れている。
これは危険だと気づいたブラッドがフェアを連れてこの場から離れようとする。しかし、すでに時は遅く。
地面から仮面の男が飛び出してきた。
仮面の男は剣を振り上げて、ブラッドに攻撃を仕掛けてきた。
ブラッドは避けていたことで直撃は避けたが攻撃が摩ってしまう。
「……このやろう!!」
ブラッドは仮面の男に殴りかかる。しかし、ブラッドの拳が届く前に、仮面の男は壁に体をつけるとそのまま壁の中に消えていく。
「なんの能力だ……」
ブラッドが攻撃しようとしても、敵は姿を消して逃げてしまう。ブラッドに敵を追うことはできない。
だが、今の攻撃で分かったことが一つある。
「攻撃は姿を現さないとできないってことだな」
仮面の男は攻撃のタイミングには必ず姿を表す。つまりは姿を消したままでは攻撃ができないということだ。
それにもう一つ。仮面の男は壁や地面から現れる。逃げる時には必ず何か必要ということだ。
詳しい条件はわからない。だが、この狭い路地では確実に不利になるだろう。
「フェア、場所を変えるぞ」
ブラッドはフェアを抱き抱える。フェアの背中に手を回して、お姫様抱っこでフェアを連れて走り出す。
フェアは大人しくブラッドに抱っこされると、ブラッドの方を見上げて、
「どこに逃げるの?」
と聞いた。ブラッドは走りながらのため、フェアの方を向くことはできないが一度だけ目線を向けた後、
「もう少し見晴らしの良い場所で戦う。奴の能力が分からない以上、あのまま戦うのは不利だ」
走って良い場所を探すブラッドに、フェアは、
「逃げないの?」
と問う。しかし、ブラッドは、
「逃げてどうこうなる相手じゃない。またいつ襲われるかわかんないからな。今のうちに潰しておいた方がいい」
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第5話
【BLACK EDGE 其の5 術師】
ブラッドに殴られた仮面の男は殴られた衝撃で吹っ飛ぶが、壁にぶつかりそうになると、壁に吸収されるように溶けて壁の中へと入って消えた。
「術師か」
ブラッドは警戒して、フェアを自分に近づける。
仮面の男は壁の中に消えた。それは今だけのことではない。
仮面の男が現れた時。奴は何もないところから、水から出るように這い上がってきたのだ。
なんらかの能力を使っている。
その能力がなんなのかはまだ分からないが、姿を消したことからかなり危険な状況なのがわかる。
ブラッドが警戒していると、ブラッドの足元の地面が波を出し始める。
それは地面が水のように揺れている。
これは危険だと気づいたブラッドがフェアを連れてこの場から離れようとする。しかし、すでに時は遅く。
地面から仮面の男が飛び出してきた。
仮面の男は剣を振り上げて、ブラッドに攻撃を仕掛けてきた。
ブラッドは避けていたことで直撃は避けたが攻撃が摩ってしまう。
「……このやろう!!」
ブラッドは仮面の男に殴りかかる。しかし、ブラッドの拳が届く前に、仮面の男は壁に体をつけるとそのまま壁の中に消えていく。
「なんの能力だ……」
ブラッドが攻撃しようとしても、敵は姿を消して逃げてしまう。ブラッドに敵を追うことはできない。
だが、今の攻撃で分かったことが一つある。
「攻撃は姿を現さないとできないってことだな」
仮面の男は攻撃のタイミングには必ず姿を表す。つまりは姿を消したままでは攻撃ができないということだ。
それにもう一つ。仮面の男は壁や地面から現れる。逃げる時には必ず何か必要ということだ。
詳しい条件はわからない。だが、この狭い路地では確実に不利になるだろう。
「フェア、場所を変えるぞ」
ブラッドはフェアを抱き抱える。フェアの背中に手を回して、お姫様抱っこでフェアを連れて走り出す。
フェアは大人しくブラッドに抱っこされると、ブラッドの方を見上げて、
「どこに逃げるの?」
と聞いた。ブラッドは走りながらのため、フェアの方を向くことはできないが一度だけ目線を向けた後、
「もう少し見晴らしの良い場所で戦う。奴の能力が分からない以上、あのまま戦うのは不利だ」
走って良い場所を探すブラッドに、フェアは、
「逃げないの?」
と問う。しかし、ブラッドは、
「逃げてどうこうなる相手じゃない。またいつ襲われるかわかんないからな。今のうちに潰しておいた方がいい」
0
あなたにおすすめの小説
リーマンショックで社会の底辺に落ちたオレが、国王に転生した異世界で、経済の知識を活かして富国強兵する、冒険コメディ
のらねこま(駒田 朗)
ファンタジー
リーマンショックで会社が倒産し、コンビニのバイトでなんとか今まで生きながらえてきた俺。いつものように眠りについた俺が目覚めた場所は異世界だった。俺は中世時代の若き国王アルフレッドとして目が覚めたのだ。ここは斜陽国家のアルカナ王国。産業は衰退し、国家財政は火の車。国外では敵対国家による侵略の危機にさらされ、国内では政権転覆を企む貴族から命を狙われる。
目覚めてすぐに俺の目の前に現れたのは、金髪美少女の妹姫キャサリン。天使のような姿に反して、実はとんでもなく騒がしいS属性の妹だった。やがて脳筋女戦士のレイラ、エルフ、すけべなドワーフも登場。そんな連中とバカ騒ぎしつつも、俺は魔法を習得し、内政を立て直し、徐々に無双国家への道を突き進むのだった。
後日譚追加【完結】冤罪で追放された俺、真実の魔法で無実を証明したら手のひら返しの嵐!! でももう遅い、王都ごと見捨てて自由に生きます
なみゆき
ファンタジー
魔王を討ったはずの俺は、冤罪で追放された。 功績は奪われ、婚約は破棄され、裏切り者の烙印を押された。 信じてくれる者は、誰一人いない——そう思っていた。
だが、辺境で出会った古代魔導と、ただ一人俺を信じてくれた彼女が、すべてを変えた。 婚礼と処刑が重なるその日、真実をつきつけ、俺は、王都に“ざまぁ”を叩きつける。
……でも、もう復讐には興味がない。 俺が欲しかったのは、名誉でも地位でもなく、信じてくれる人だった。
これは、ざまぁの果てに静かな勝利を選んだ、元英雄の物語。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
悪役皇子、ざまぁされたので反省する ~ 馬鹿は死ななきゃ治らないって… 一度、死んだからな、同じ轍(てつ)は踏まんよ ~
shiba
ファンタジー
魂だけの存在となり、邯鄲(かんたん)の夢にて
無名の英雄
愛を知らぬ商人
気狂いの賢者など
様々な英霊達の人生を追体験した凡愚な皇子は自身の無能さを痛感する。
それゆえに悪徳貴族の嫡男に生まれ変わった後、謎の強迫観念に背中を押されるまま
幼い頃から努力を積み上げていた彼は、図らずも超越者への道を歩み出す。
死んだはずの貴族、内政スキルでひっくり返す〜辺境村から始める復讐譚〜
のらねこ吟醸
ファンタジー
帝国の粛清で家族を失い、“死んだことにされた”名門貴族の青年は、
偽りの名を与えられ、最果ての辺境村へと送り込まれた。
水も農具も未来もない、限界集落で彼が手にしたのは――
古代遺跡の力と、“俺にだけ見える内政スキル”。
村を立て直し、仲間と絆を築きながら、
やがて帝国の陰謀に迫り、家を滅ぼした仇と対峙する。
辺境から始まる、ちょっぴりほのぼの(?)な村興しと、
静かに進む策略と復讐の物語。
異世界ハズレモノ英雄譚〜無能ステータスと言われた俺が、ざまぁ見せつけながらのし上がっていくってよ!〜
mitsuzoエンターテインメンツ
ファンタジー
【週三日(月・水・金)投稿 基本12:00〜14:00】
異世界にクラスメートと共に召喚された瑛二。
『ハズレモノ』という聞いたこともない称号を得るが、その低スペックなステータスを見て、皆からハズレ称号とバカにされ、それどころか邪魔者扱いされ殺されそうに⋯⋯。
しかし、実は『超チートな称号』であることがわかった瑛二は、そこから自分をバカにした者や殺そうとした者に対して、圧倒的な力を隠しつつ、ざまぁを展開していく。
そして、そのざまぁは図らずも人類の命運を握るまでのものへと発展していくことに⋯⋯。
帰国した王子の受難
ユウキ
恋愛
庶子である第二王子は、立場や情勢やら諸々を鑑みて早々に隣国へと無期限遊学に出た。そうして年月が経ち、そろそろ兄(第一王子)が立太子する頃かと、感慨深く想っていた頃に突然届いた帰還命令。
取り急ぎ舞い戻った祖国で見たのは、修羅場であった。
俺、何しに異世界に来たんだっけ?
右足の指
ファンタジー
「目的?チートスキル?…なんだっけ。」
主人公は、転生の儀に見事に失敗し、爆散した。
気づいた時には見知らぬ部屋、見知らぬ空間。その中で佇む、美しい自称女神の女の子…。
「あなたに、お願いがあります。どうか…」
そして体は宙に浮き、見知らぬ方陣へと消え去っていく…かに思えたその瞬間、空間内をとてつもない警報音が鳴り響く。周りにいた羽の生えた天使さんが騒ぎたて、なんだかポカーンとしている自称女神、その中で突然と身体がグチャグチャになりながらゆっくり方陣に吸い込まれていく主人公…そして女神は確信し、呟いた。
「やべ…失敗した。」
女神から託された壮大な目的、授けられたチートスキルの数々…その全てを忘れた主人公の壮大な冒険(?)が今始まる…!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる