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第51話 【BLACK EDGE 其の51 ウォーミングアップ】
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BLACK EDGE
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第51話
【BLACK EDGE 其の51 ウォーミングアップ】
ヒューグは仮面の女の左腕を振り払う。
その左手はまるで熱湯のように熱かった。
ヒューグは振り払ってすぐに仮面の女を蹴り飛ばす。女の身体は少し後ろに飛ぶが、蹴りを両腕でガードしたためダメージは少ないようだ。
ヒューグは左手で大剣を取る。そして仮面の女と距離を取った。
まだ掴まれた腕が痛い。火傷したようだ。
仮面の女は蹴りを防いだ両腕を痛そうに振っている。
「これがお前の術か? 意外と大したことないんだな……」
ヒューグは腕が痛いが強がってみる。すると、仮面の女は腕を振るのをやめた。
「……大したことないか…………その言葉、後で後悔することになるよ」
そして仮面の女は再び構えた。同じ構えだ。姿勢を低くして左手をひいて構える。
まるで弓を引くような構え。その左手がまるで矢のように。
ヒューグは左手で大剣を持つと、大剣を右肩に乗せた。これで前から来たら、そのタイミングに合わせて剣を振れる。
どんな攻撃だろうと、大剣の一撃で真っ二つだ。
仮面の女が突っ込んでくる。左手を前に出して真っ直ぐと進む。
ヒューグは仮面の女が近づいてきたタイミングに合わせて、大剣を振った。
剣は横に大きな線を作って振られる。だが、大剣は仮面の女の左手に触れるとその瞬間に溶けていった。
「なに!?」
大剣は半分に溶けて、その間を仮面の女は進んだ。そしてヒューグの腹に張り手をした。
仮面の女よりも大きなヒューグの身体が吹っ飛ぶ。そして先にある壁にぶつかった。
「ぐ、…………これ……は……」
ヒューグの腹には女の手形がついている。そして焼けるように熱い。
仮面の女は近くが近くにある壁に左手を触れると、そこから壁は溶けていく。
「だから言ったでしょ。私の術は少々厄介……でも、準備さえ整えば、グリムよりも圧倒的に破壊力のある術になる」
仮面の女の左手に触れたものは溶けていく。大剣だろうと壁だろうと。
「私の名はヒート。この左はまだまだ温度を上げる。あなたに私を止められるかしら?」
ヒートの能力は左手に熱をためることができる能力。運動をすることで急激に温度を高めることのできるヒートは、その熱を左手に集めることができる。
「…………止める……だと……面白い、お前の熱程度、俺に止められないと思うなよ」
ヒューグは立ち上がる。すでに大剣は溶けて半分になってしまった。残っている武器は腰にある短剣だ。
ヒューグは大剣を捨てて、両手に短剣を持った。
両手に短剣を持って二刀流だ。
「「ここからが本番だ」」
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第51話
【BLACK EDGE 其の51 ウォーミングアップ】
ヒューグは仮面の女の左腕を振り払う。
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ヒューグは左手で大剣を取る。そして仮面の女と距離を取った。
まだ掴まれた腕が痛い。火傷したようだ。
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「これがお前の術か? 意外と大したことないんだな……」
ヒューグは腕が痛いが強がってみる。すると、仮面の女は腕を振るのをやめた。
「……大したことないか…………その言葉、後で後悔することになるよ」
そして仮面の女は再び構えた。同じ構えだ。姿勢を低くして左手をひいて構える。
まるで弓を引くような構え。その左手がまるで矢のように。
ヒューグは左手で大剣を持つと、大剣を右肩に乗せた。これで前から来たら、そのタイミングに合わせて剣を振れる。
どんな攻撃だろうと、大剣の一撃で真っ二つだ。
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ヒューグは仮面の女が近づいてきたタイミングに合わせて、大剣を振った。
剣は横に大きな線を作って振られる。だが、大剣は仮面の女の左手に触れるとその瞬間に溶けていった。
「なに!?」
大剣は半分に溶けて、その間を仮面の女は進んだ。そしてヒューグの腹に張り手をした。
仮面の女よりも大きなヒューグの身体が吹っ飛ぶ。そして先にある壁にぶつかった。
「ぐ、…………これ……は……」
ヒューグの腹には女の手形がついている。そして焼けるように熱い。
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「だから言ったでしょ。私の術は少々厄介……でも、準備さえ整えば、グリムよりも圧倒的に破壊力のある術になる」
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「…………止める……だと……面白い、お前の熱程度、俺に止められないと思うなよ」
ヒューグは立ち上がる。すでに大剣は溶けて半分になってしまった。残っている武器は腰にある短剣だ。
ヒューグは大剣を捨てて、両手に短剣を持った。
両手に短剣を持って二刀流だ。
「「ここからが本番だ」」
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