66 / 354
第65話 【BLACK EDGE 其の65 影の協力者】
しおりを挟む
BLACK EDGE
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第65話
【BLACK EDGE 其の65 影の協力者】
影の世界。そこは真っ暗で何もない。そんな世界に閉じ込められた三人。
ブラッドは近づいてきたシャドーに戦闘体制を取るが、シャドーは両手を上げた。
「安心……俺はお前達に手を貸してやる」
「なんだと?」
突然の発言にフェアとブラッドは驚く。
今までフェアを奪還しようと襲ってきていたシャドーが突然そんなことを言ってきたのだ。
「なんのつもりだ?」
ブラッドが聞くとシャドーはリナリアを指差した。今は色は違うがシャドーの姿だ。
「ソイツに頼まれたんだよ。この森を守ってくれってな」
フェアとブラッドがリナリアに確認すると、リナリアは頷く。
「…………頼んだ」
シャドーは頭を掻きながら、
「俺の姿で頼まれたんじゃ断りずれぇよ。それに俺は、ああ、やって自然を荒らす野郎が許せないんだ」
そしてシャドーはブラッドの方を向くと、
「だから手を貸してやる。信用してもらう気はない。だから、こっちもそっちも自由にやれ」
確かにシャドーを信用することはできない。だが、手が足りていないのも確かだ。
「そうか。なら、自由にやるよ」
シャドーブラッドに背を向ける。そして、
「俺は何をすれば良い……」
そう聞いてきた。
「あの少女を止めてくれ。そうすれば俺がなんとかする」
「信用して良いのか?」
「お前が言うか?」
「それもそうだな」
そう言うと三人の足元が突然明るくなる。そして、三人は徐々に光に飲まれていく。
そんな中、シャドーは振り返ることなく。
「今回だけだ」
そう言うと三人よりも先に光の中に消えていった。
ブラッド達は目の前が突然眩しくなり目を閉じる。そしてやっと目を開けると、そこはさっきまでいた森の戻ってきていた。
そして近くでは戦闘している音が聞こえる。そっち方を見るとシャドーが少女と戦っていた。
ブラッドは少女を傷つけないようにするように伝えようとしたが、その前に気づいた。シャドーは少女のことを攻撃する様子はない。
手には武器を持っておらず、ずっと少女の近くでは攻撃を回避し続けている。
「…………とりあえず、本当に時間は稼いでくれてるみたいだな」
シャドーがこうして少女を惹きつけているうちに……。
「フェア、リナリア。俺達はあの少女を操っている人を探すぞ。近くにいるはずだ」
三人で少女を操る。存在を探すことにした。
シャドーの能力は影を移動する。そう簡単には少女には負けないだろう。だが、長い時間は持たない。
「急ぐぞ!」
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第65話
【BLACK EDGE 其の65 影の協力者】
影の世界。そこは真っ暗で何もない。そんな世界に閉じ込められた三人。
ブラッドは近づいてきたシャドーに戦闘体制を取るが、シャドーは両手を上げた。
「安心……俺はお前達に手を貸してやる」
「なんだと?」
突然の発言にフェアとブラッドは驚く。
今までフェアを奪還しようと襲ってきていたシャドーが突然そんなことを言ってきたのだ。
「なんのつもりだ?」
ブラッドが聞くとシャドーはリナリアを指差した。今は色は違うがシャドーの姿だ。
「ソイツに頼まれたんだよ。この森を守ってくれってな」
フェアとブラッドがリナリアに確認すると、リナリアは頷く。
「…………頼んだ」
シャドーは頭を掻きながら、
「俺の姿で頼まれたんじゃ断りずれぇよ。それに俺は、ああ、やって自然を荒らす野郎が許せないんだ」
そしてシャドーはブラッドの方を向くと、
「だから手を貸してやる。信用してもらう気はない。だから、こっちもそっちも自由にやれ」
確かにシャドーを信用することはできない。だが、手が足りていないのも確かだ。
「そうか。なら、自由にやるよ」
シャドーブラッドに背を向ける。そして、
「俺は何をすれば良い……」
そう聞いてきた。
「あの少女を止めてくれ。そうすれば俺がなんとかする」
「信用して良いのか?」
「お前が言うか?」
「それもそうだな」
そう言うと三人の足元が突然明るくなる。そして、三人は徐々に光に飲まれていく。
そんな中、シャドーは振り返ることなく。
「今回だけだ」
そう言うと三人よりも先に光の中に消えていった。
ブラッド達は目の前が突然眩しくなり目を閉じる。そしてやっと目を開けると、そこはさっきまでいた森の戻ってきていた。
そして近くでは戦闘している音が聞こえる。そっち方を見るとシャドーが少女と戦っていた。
ブラッドは少女を傷つけないようにするように伝えようとしたが、その前に気づいた。シャドーは少女のことを攻撃する様子はない。
手には武器を持っておらず、ずっと少女の近くでは攻撃を回避し続けている。
「…………とりあえず、本当に時間は稼いでくれてるみたいだな」
シャドーがこうして少女を惹きつけているうちに……。
「フェア、リナリア。俺達はあの少女を操っている人を探すぞ。近くにいるはずだ」
三人で少女を操る。存在を探すことにした。
シャドーの能力は影を移動する。そう簡単には少女には負けないだろう。だが、長い時間は持たない。
「急ぐぞ!」
0
あなたにおすすめの小説
無能扱いされ、パーティーを追放されたおっさん、実はチートスキル持ちでした。戻ってきてくれ、と言ってももう遅い。田舎でゆったりスローライフ。
さら
ファンタジー
かつて勇者パーティーに所属していたジル。
だが「無能」と嘲られ、役立たずと追放されてしまう。
行くあてもなく田舎の村へ流れ着いた彼は、鍬を振るい畑を耕し、のんびり暮らすつもりだった。
――だが、誰も知らなかった。
ジルには“世界を覆すほどのチートスキル”が隠されていたのだ。
襲いかかる魔物を一撃で粉砕し、村を脅かす街の圧力をはねのけ、いつしか彼は「英雄」と呼ばれる存在に。
「戻ってきてくれ」と泣きつく元仲間? もう遅い。
俺はこの村で、仲間と共に、気ままにスローライフを楽しむ――そう決めたんだ。
無能扱いされたおっさんが、実は最強チートで世界を揺るがす!?
のんびり田舎暮らし×無双ファンタジー、ここに開幕!
主婦が役立たず? どう思うかは勝手だけど、こっちも勝手にやらせて貰うから
渡里あずま
ファンタジー
安藤舞は、専業主婦である。ちなみに現在、三十二歳だ。
朝、夫と幼稚園児の子供を見送り、さて掃除と洗濯をしようとしたところで――気づけば、石造りの知らない部屋で座り込んでいた。そして映画で見たような古めかしいコスプレをした、外国人集団に囲まれていた。
「我々が召喚したかったのは、そちらの世界での『学者』や『医者』だ。それを『主婦』だと!? そんなごく潰しが、聖女になどなれるものか! 役立たずなどいらんっ」
「いや、理不尽!」
初対面の見た目だけ美青年に暴言を吐かれ、舞はそのまま無一文で追い出されてしまう。腹を立てながらも、舞は何としても元の世界に戻ることを決意する。
「主婦が役立たず? どう思うかは勝手だけど、こっちも勝手にやらせて貰うから」
※※※
専業主婦の舞が、主婦力・大人力を駆使して元の世界に戻ろうとする話です(ざまぁあり)
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
この聖水、泥の味がする ~まずいと追放された俺の作るポーションが、実は神々も欲しがる奇跡の霊薬だった件~
夏見ナイ
ファンタジー
「泥水神官」と蔑まれる下級神官ルーク。彼が作る聖水はなぜか茶色く濁り、ひどい泥の味がした。そのせいで無能扱いされ、ある日、無実の罪で神殿から追放されてしまう。
全てを失い流れ着いた辺境の村で、彼は自らの聖水が持つ真の力に気づく。それは浄化ではなく、あらゆる傷や病、呪いすら癒す奇跡の【創生】の力だった!
ルークは小さなポーション屋を開き、まずいけどすごい聖水で村人たちを救っていく。その噂は広まり、呪われた女騎士やエルフの薬師など、訳ありな仲間たちが次々と集結。辺境の村はいつしか「癒しの郷」へと発展していく。
一方、ルークを追放した王都では聖女が謎の病に倒れ……。
落ちこぼれ神官の、痛快な逆転スローライフ、ここに開幕!
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
竜皇女と呼ばれた娘
Aoi
ファンタジー
この世に生を授かり間もなくして捨てられしまった赤子は洞窟を棲み処にしていた竜イグニスに拾われヴァイオレットと名づけられ育てられた
ヴァイオレットはイグニスともう一頭の竜バシリッサの元でスクスクと育ち十六の歳になる
その歳まで人間と交流する機会がなかったヴァイオレットは友達を作る為に学校に通うことを望んだ
国で一番のグレディス魔法学校の入学試験を受け無事入学を果たし念願の友達も作れて順風満帆な生活を送っていたが、ある日衝撃の事実を告げられ……
【12月末日公開終了】これは裏切りですか?
たぬきち25番
恋愛
転生してすぐに婚約破棄をされたアリシアは、嫁ぎ先を失い、実家に戻ることになった。
だが、実家戻ると『婚約破棄をされた娘』と噂され、家族の迷惑になっているので出て行く必要がある。
そんな時、母から住み込みの仕事を紹介されたアリシアは……?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる