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第86話 【BLACK EDGE 其の86 王都に集結】
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BLACK EDGE
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第86話
【BLACK EDGE 其の86 王都に集結】
グリムとヒートの元に任務の知らせが届いた。任務の内容はシャドーと合流することだ。
連絡があったことでホッとはしたが、ブラッドを追うのではなく、同じくブラッドに負けた同僚に合流しろという命令が来るとは……。
「まさか、敗者を集めて一気に消すつもりなんじゃ……」
グリムは少しビビりながら言う。それを聞いていたヒートが少し揶揄う。
「そうかもね。弱者は用済み。それが組織ってものだしね……」
グリムは唾を飲む。だが、そんな様子を見ていたヒートが続ける。
「でも、私達は諦めるないでしょ……あの人に再会するまでは……」
それを聞いたグリムはほんの少し元気を取り戻した。
「……そうだな。あの人に再会するまでは、絶対に諦めない」
グリムとヒートには会いたい人がいる。そのためにはまだ組織を頼るしかない。
そして二人は王都にある噴水。そこでシャドーを待つ。ここが組織が提示した合流ポイントだ。
しばらく待っていると、シャドーがやってきた。
「おう、お前ら久しぶりだな」
金髪碧眼で長髪の男。今回は戦闘ではなく合流であるため普段着で会うことになっている。
フードと仮面で街中を歩けば逆に目立ってしまうからだ。あれは正体を隠すためのものである。
「……お前、そんな顔だったのか」
シャドーの顔を見たグリムは驚く。
組織のメンバーは顔を隠して行動する。裏切り者がいる可能性もあり、なるべく正体を隠す必要があるからだ。
だが、中には正体を知っている者たちもいる。隠すことが義務ではない。だが、晒すことも義務ではない。
彼ら三人は組織の中では下っ端だ。それに彼らは交流があるからこそ、お互いの正体を知っている。
グリムとヒートはシャドーに素顔を見せる機会があった。しかし、二人はシャドーの素顔を見るのは初めてだ。
「どうだ。なかなかかっこいいだろ?」
シャドーは自慢するように顔を見せびらかす。だが、二人は興味ない顔をした。
「おい、なんだよその顔は、悲しくなるじゃねーか」
三人が集結した。もしも組織の連中が任務を失敗した三人を始末するにはちょうどいいタイミングだろう。
だが、それらしき存在はいない。
始末なんてされないのか、それとも人気のところに移動してからなのか。
その時、風水にいた老人の一人が近づいてきた。関係のない人だ。話を聞かれても困るため、遠ざかろうとした時、
「シャドー、ヒート、グリム・リーパー。待ちたまえ」
話しかけてきた。
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第86話
【BLACK EDGE 其の86 王都に集結】
グリムとヒートの元に任務の知らせが届いた。任務の内容はシャドーと合流することだ。
連絡があったことでホッとはしたが、ブラッドを追うのではなく、同じくブラッドに負けた同僚に合流しろという命令が来るとは……。
「まさか、敗者を集めて一気に消すつもりなんじゃ……」
グリムは少しビビりながら言う。それを聞いていたヒートが少し揶揄う。
「そうかもね。弱者は用済み。それが組織ってものだしね……」
グリムは唾を飲む。だが、そんな様子を見ていたヒートが続ける。
「でも、私達は諦めるないでしょ……あの人に再会するまでは……」
それを聞いたグリムはほんの少し元気を取り戻した。
「……そうだな。あの人に再会するまでは、絶対に諦めない」
グリムとヒートには会いたい人がいる。そのためにはまだ組織を頼るしかない。
そして二人は王都にある噴水。そこでシャドーを待つ。ここが組織が提示した合流ポイントだ。
しばらく待っていると、シャドーがやってきた。
「おう、お前ら久しぶりだな」
金髪碧眼で長髪の男。今回は戦闘ではなく合流であるため普段着で会うことになっている。
フードと仮面で街中を歩けば逆に目立ってしまうからだ。あれは正体を隠すためのものである。
「……お前、そんな顔だったのか」
シャドーの顔を見たグリムは驚く。
組織のメンバーは顔を隠して行動する。裏切り者がいる可能性もあり、なるべく正体を隠す必要があるからだ。
だが、中には正体を知っている者たちもいる。隠すことが義務ではない。だが、晒すことも義務ではない。
彼ら三人は組織の中では下っ端だ。それに彼らは交流があるからこそ、お互いの正体を知っている。
グリムとヒートはシャドーに素顔を見せる機会があった。しかし、二人はシャドーの素顔を見るのは初めてだ。
「どうだ。なかなかかっこいいだろ?」
シャドーは自慢するように顔を見せびらかす。だが、二人は興味ない顔をした。
「おい、なんだよその顔は、悲しくなるじゃねーか」
三人が集結した。もしも組織の連中が任務を失敗した三人を始末するにはちょうどいいタイミングだろう。
だが、それらしき存在はいない。
始末なんてされないのか、それとも人気のところに移動してからなのか。
その時、風水にいた老人の一人が近づいてきた。関係のない人だ。話を聞かれても困るため、遠ざかろうとした時、
「シャドー、ヒート、グリム・リーパー。待ちたまえ」
話しかけてきた。
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