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第91話 【BLACK EDGE 其の91 新武器】
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BLACK EDGE
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第91話
【BLACK EDGE 其の91 新武器】
「それで今回はなんのようなのかな?」
アルファは本題に入る。この三人が来たということは何か用事があってきたということだ。
するとグリムは懐から短剣を取り出す。そしてそれをアルファに渡した。
アルファはそれを受け取ると、剣を抜いてみる。すると剣は途中で折れていた。
「折れてるじゃないか」
「暗殺用ということで短剣だったが、やはり強度が足りん」
グリムは腕を組んで今回の戦闘で何があったのか説明した。それを聞いたアルファは、
「分かった。じゃあ、新しい武器を用意するよ」
そう言うと折れた短剣をしまった。
「でも、まだ新しい物を用意するまでは時間がかかる。だからこいつを使ってくれ」
アルファはそう言うと奥の部屋から短剣を持ってきた。長さはさっきのものと殆ど変わらない。
だが、アルファはその剣を抜いてグリムに見せた。
「まだ試作品なんだけど、君の死神の能力に合わせて作ったんだ」
アルファが持つ剣は刃がない。鞘から抜くとその先が何もついていなかった。
アルファはさっきの折れた剣を取り出すと、それを空中に投げた。そしてそれを刃の部分がない剣を振って切るような動きをする。
だが、それは何もついていないのだ。普通だったら切れるはずがない。しかし、折れた剣はさらに半分に切れた。
「どういうことだ?」
グリムが聞くとアルファは答える。
「この剣。一見ここから先がついていないように見えるだろ?」
アルファはそう言うと剣の何もついていない部分を指差す。
「何かあるのか?」
「いや、実際にないよ」
「………………」
「でもね。これは空気を発射してるんだ」
アルファはグリムに剣の普段なら刃がある部分を見せる。そこには小さな穴が空いていた。
「ここから空気を発射する。空気は高密度に凝縮されて発射されており、空気の剣が出来上がってるんだ」
アルファはその短剣をグリムに渡す。それを受け取ったグリムは死神に持たせてみる。
「まぁ、これなら強度の問題はないのか……」
この剣なら通常の剣よりも切れ味がいいかもしれない。
「それに君の死神は姿を消すことができる。この剣と死神を組み合わせれば、見えない攻撃のリーチをさらに伸ばすことができる」
確かにアルファの言う通りだ。だが、見えない攻撃と言っているが、一個だけ気になる点があった。
「この部分は見えてるよな」
グリムはそう言い、短剣の手で持つ部分を見せる。
「そうだね」
アルファは適当に返事した。
死神の姿を消していても、装備は消えない。剣の本体だけ見えているという不思議な武器になるわけだ。
「まぁ、ありがたくもらっとくよ」
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第91話
【BLACK EDGE 其の91 新武器】
「それで今回はなんのようなのかな?」
アルファは本題に入る。この三人が来たということは何か用事があってきたということだ。
するとグリムは懐から短剣を取り出す。そしてそれをアルファに渡した。
アルファはそれを受け取ると、剣を抜いてみる。すると剣は途中で折れていた。
「折れてるじゃないか」
「暗殺用ということで短剣だったが、やはり強度が足りん」
グリムは腕を組んで今回の戦闘で何があったのか説明した。それを聞いたアルファは、
「分かった。じゃあ、新しい武器を用意するよ」
そう言うと折れた短剣をしまった。
「でも、まだ新しい物を用意するまでは時間がかかる。だからこいつを使ってくれ」
アルファはそう言うと奥の部屋から短剣を持ってきた。長さはさっきのものと殆ど変わらない。
だが、アルファはその剣を抜いてグリムに見せた。
「まだ試作品なんだけど、君の死神の能力に合わせて作ったんだ」
アルファが持つ剣は刃がない。鞘から抜くとその先が何もついていなかった。
アルファはさっきの折れた剣を取り出すと、それを空中に投げた。そしてそれを刃の部分がない剣を振って切るような動きをする。
だが、それは何もついていないのだ。普通だったら切れるはずがない。しかし、折れた剣はさらに半分に切れた。
「どういうことだ?」
グリムが聞くとアルファは答える。
「この剣。一見ここから先がついていないように見えるだろ?」
アルファはそう言うと剣の何もついていない部分を指差す。
「何かあるのか?」
「いや、実際にないよ」
「………………」
「でもね。これは空気を発射してるんだ」
アルファはグリムに剣の普段なら刃がある部分を見せる。そこには小さな穴が空いていた。
「ここから空気を発射する。空気は高密度に凝縮されて発射されており、空気の剣が出来上がってるんだ」
アルファはその短剣をグリムに渡す。それを受け取ったグリムは死神に持たせてみる。
「まぁ、これなら強度の問題はないのか……」
この剣なら通常の剣よりも切れ味がいいかもしれない。
「それに君の死神は姿を消すことができる。この剣と死神を組み合わせれば、見えない攻撃のリーチをさらに伸ばすことができる」
確かにアルファの言う通りだ。だが、見えない攻撃と言っているが、一個だけ気になる点があった。
「この部分は見えてるよな」
グリムはそう言い、短剣の手で持つ部分を見せる。
「そうだね」
アルファは適当に返事した。
死神の姿を消していても、装備は消えない。剣の本体だけ見えているという不思議な武器になるわけだ。
「まぁ、ありがたくもらっとくよ」
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