104 / 354
第102話 【BLACK EDGE 其の102 取引】
しおりを挟む
BLACK EDGE
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第102話
【BLACK EDGE 其の102 取引】
アルムはヒートとシャドーにアルファを連れて行かせて先に戻らせた。
そして残ったのはアルムとスワン、そしてフェザントだ。
アルムが話していた内容と同様に、スワンがフェザントに話していたのは任務の中断だった。
フェザントの任務は王子を捕獲だ。それはブルーバードのボスであるスワンからの命令だった。
しかし、今度はその任務をやめるように指示された。
「あー、そうですか……」
事情は分からないがフェザントは命令に従う。今回の任務はフェザントには理由が分からなかった。
なんのために王子を捕らえる必要があるのか。
それにグリモワールからの襲撃もあり、この命令がどんな意味を持つのかさらに意味がわからなくなった。
国家にダメージを与えるためなのか。ならなぜグリモワールが関係してくるのか。
しかし、フェザントは深く追求することはなかった。
「それじゃあ、あなたも先に戻ってて」
「……ほい」
フェザントはスワンの命令を聞くとその場から離れていった。そして残ったのはアルムとスワンだ。
「これで今回の件は終わりよね?」
スワンはアルムに聞く。するとアルムは頷いた。
「ああ、それで構わない」
「約束は守ってもらうわよ。アルムちゃん」
スワンとアルムの間で何かの取引があったようだ。
アルムはスワンに小さな箱を投げた。手のひらサイズの箱で、スワンは箱を開けて中身を確認すると満足そうな顔をした。
「あらあら、本当に渡してくれるなんて…………。よっぽどブレイドちゃんのことが大事なのね」
アルムは答えることはない。
「分かったわ。今回はこれで手を引きましょう。もうブレイドちゃんには私たちは手を出さない。……それで良いわね」
「同じことを言わせるな」
スワンは箱をポケットの中にしまう。そしてそのまま立ち去ろうとするが、その前に一度歩くのを止めて振り向かずにアルムに言う。
「そうそう、あなたの部下なかなか強いのね。まさかフェザントちゃんがやられそうになってるなんて思わなかったわ」
スワンとアルムがここに辿り着いたのはさっきのことだ。そのため戦況がどうなっていたのかは分からない。だが、ついた瞬間にフェザントがやられそうだったのは確かだった。
「また会いましょ~」
スワンはそう言うと建物から出ていった。アルムはスワンとは反対の出口から建物から姿を消したのであった。
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第102話
【BLACK EDGE 其の102 取引】
アルムはヒートとシャドーにアルファを連れて行かせて先に戻らせた。
そして残ったのはアルムとスワン、そしてフェザントだ。
アルムが話していた内容と同様に、スワンがフェザントに話していたのは任務の中断だった。
フェザントの任務は王子を捕獲だ。それはブルーバードのボスであるスワンからの命令だった。
しかし、今度はその任務をやめるように指示された。
「あー、そうですか……」
事情は分からないがフェザントは命令に従う。今回の任務はフェザントには理由が分からなかった。
なんのために王子を捕らえる必要があるのか。
それにグリモワールからの襲撃もあり、この命令がどんな意味を持つのかさらに意味がわからなくなった。
国家にダメージを与えるためなのか。ならなぜグリモワールが関係してくるのか。
しかし、フェザントは深く追求することはなかった。
「それじゃあ、あなたも先に戻ってて」
「……ほい」
フェザントはスワンの命令を聞くとその場から離れていった。そして残ったのはアルムとスワンだ。
「これで今回の件は終わりよね?」
スワンはアルムに聞く。するとアルムは頷いた。
「ああ、それで構わない」
「約束は守ってもらうわよ。アルムちゃん」
スワンとアルムの間で何かの取引があったようだ。
アルムはスワンに小さな箱を投げた。手のひらサイズの箱で、スワンは箱を開けて中身を確認すると満足そうな顔をした。
「あらあら、本当に渡してくれるなんて…………。よっぽどブレイドちゃんのことが大事なのね」
アルムは答えることはない。
「分かったわ。今回はこれで手を引きましょう。もうブレイドちゃんには私たちは手を出さない。……それで良いわね」
「同じことを言わせるな」
スワンは箱をポケットの中にしまう。そしてそのまま立ち去ろうとするが、その前に一度歩くのを止めて振り向かずにアルムに言う。
「そうそう、あなたの部下なかなか強いのね。まさかフェザントちゃんがやられそうになってるなんて思わなかったわ」
スワンとアルムがここに辿り着いたのはさっきのことだ。そのため戦況がどうなっていたのかは分からない。だが、ついた瞬間にフェザントがやられそうだったのは確かだった。
「また会いましょ~」
スワンはそう言うと建物から出ていった。アルムはスワンとは反対の出口から建物から姿を消したのであった。
0
あなたにおすすめの小説
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
真祖竜に転生したけど、怠け者の世界最強種とか性に合わないんで、人間のふりして旅に出ます
難波一
ファンタジー
"『第18回ファンタジー小説大賞【奨励賞】受賞!』"
ブラック企業勤めのサラリーマン、橘隆也(たちばな・りゅうや)、28歳。
社畜生活に疲れ果て、ある日ついに階段から足を滑らせてあっさりゲームオーバー……
……と思いきや、目覚めたらなんと、伝説の存在・“真祖竜”として異世界に転生していた!?
ところがその竜社会、価値観がヤバすぎた。
「努力は未熟の証、夢は竜の尊厳を損なう」
「強者たるもの怠惰であれ」がスローガンの“七大怠惰戒律”を掲げる、まさかのぐうたら最強種族!
「何それ意味わかんない。強く生まれたからこそ、努力してもっと強くなるのが楽しいんじゃん。」
かくして、生まれながらにして世界最強クラスのポテンシャルを持つ幼竜・アルドラクスは、
竜社会の常識をぶっちぎりで踏み倒し、独学で魔法と技術を学び、人間の姿へと変身。
「世界を見たい。自分の力がどこまで通じるか、試してみたい——」
人間のふりをして旅に出た彼は、貴族の令嬢や竜の少女、巨大な犬といった仲間たちと出会い、
やがて“魔王”と呼ばれる世界級の脅威や、世界の秘密に巻き込まれていくことになる。
——これは、“怠惰が美徳”な最強種族に生まれてしまった元社畜が、
「自分らしく、全力で生きる」ことを選んだ物語。
世界を知り、仲間と出会い、規格外の強さで冒険と成長を繰り広げる、
最強幼竜の“成り上がり×異端×ほのぼの冒険ファンタジー”開幕!
※小説家になろう様にも掲載しています。
冷遇王妃はときめかない
あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。
だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。
主婦が役立たず? どう思うかは勝手だけど、こっちも勝手にやらせて貰うから
渡里あずま
ファンタジー
安藤舞は、専業主婦である。ちなみに現在、三十二歳だ。
朝、夫と幼稚園児の子供を見送り、さて掃除と洗濯をしようとしたところで――気づけば、石造りの知らない部屋で座り込んでいた。そして映画で見たような古めかしいコスプレをした、外国人集団に囲まれていた。
「我々が召喚したかったのは、そちらの世界での『学者』や『医者』だ。それを『主婦』だと!? そんなごく潰しが、聖女になどなれるものか! 役立たずなどいらんっ」
「いや、理不尽!」
初対面の見た目だけ美青年に暴言を吐かれ、舞はそのまま無一文で追い出されてしまう。腹を立てながらも、舞は何としても元の世界に戻ることを決意する。
「主婦が役立たず? どう思うかは勝手だけど、こっちも勝手にやらせて貰うから」
※※※
専業主婦の舞が、主婦力・大人力を駆使して元の世界に戻ろうとする話です(ざまぁあり)
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
自力で帰還した錬金術師の爛れた日常
ちょす氏
ファンタジー
「この先は分からないな」
帰れると言っても、時間まで同じかどうかわからない。
さて。
「とりあえず──妹と家族は救わないと」
あと金持ちになって、ニート三昧だな。
こっちは地球と環境が違いすぎるし。
やりたい事が多いな。
「さ、お別れの時間だ」
これは、異世界で全てを手に入れた男の爛れた日常の物語である。
※物語に出てくる組織、人物など全てフィクションです。
※主人公の癖が若干終わっているのは師匠のせいです。
ゆっくり投稿です。
【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
【12月末日公開終了】これは裏切りですか?
たぬきち25番
恋愛
転生してすぐに婚約破棄をされたアリシアは、嫁ぎ先を失い、実家に戻ることになった。
だが、実家戻ると『婚約破棄をされた娘』と噂され、家族の迷惑になっているので出て行く必要がある。
そんな時、母から住み込みの仕事を紹介されたアリシアは……?
竜皇女と呼ばれた娘
Aoi
ファンタジー
この世に生を授かり間もなくして捨てられしまった赤子は洞窟を棲み処にしていた竜イグニスに拾われヴァイオレットと名づけられ育てられた
ヴァイオレットはイグニスともう一頭の竜バシリッサの元でスクスクと育ち十六の歳になる
その歳まで人間と交流する機会がなかったヴァイオレットは友達を作る為に学校に通うことを望んだ
国で一番のグレディス魔法学校の入学試験を受け無事入学を果たし念願の友達も作れて順風満帆な生活を送っていたが、ある日衝撃の事実を告げられ……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる