BLACK EDGE

ピラフドリア

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 第140話  【BLACK EDGE 其の140 魔女と呼ばれる理由】

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 BLACK EDGE


 著者:pirafu doria
 作画:pirafu doria


 第140話
 【BLACK EDGE 其の140 魔女と呼ばれる理由】




「おすすめはしない……か、どつしただ?」



 ブラッドが質問するとクリスは答える。



「魔術は力を得る代わりに何かを失うことが多いの。必ずしも便利なものとは限らない」



 それを聞いたブラッドは今まで戦ってきた相手のことを思い出す。



 シャドーは能力発動中に光を浴びると痛みを感じるし、グリムはあの死神が一日中ついて回るということだ。



「じゃあ、クリス。お前の魔術にもそれが?」



 「ええ、私のは……これよ」



 そう言ってクリスが取り出したのは、血の入った瓶だ。指程度の大きさしかない瓶に血が入れられていた。



 これは死人との戦闘中に核を発見するためにクリスが飲んでいたものと同じものだ。



「私の力は血を必要とする。発動するためには血が必要なの」



 それを聞いたブラッドは屋敷に訪れた最初の時を思い出した。



 イエティを攻撃したブラッドに仕返しだと、クリスが攻撃してきたをその時ブラッドの血をクリスは舐めていたのだ。



「じゃあ、最初の俺の血も……」



「そう、あれは客室でも水晶の時に使わせてもらったわ」



 客室に通されたブラッド達はクリスに未来を見せると言われて、水晶を取り出した。そしてそこに荒らされた屋敷の姿が写っていたのだ。



 だが、まだ疑問はある。



「お前の戦闘力は魔術は関係ないのか?」



 クリスは爪を剣のように使い、敵を切り裂いていた。その爪の一撃はブラッドの血を流すほど強力だ。



「あれもまぁ、副作用のようなものね……」



 クリスはそう言って誤魔化した。だが、ここからが本題だ。



「それでアリエルについてね」



 今はクリスの戦闘能力よりもアリエルの正体についての方が重要だ。



 この屋敷に来るように指示したのはアリエルだ。そして屋敷の主に紙を渡せと言われた。
 しかし、その紙を私は瞬間、死人が現れて襲われたのだ。



「アリエルの目的は私の魔術よ?」



「魔術が目的だと……?」



「ええ、アリエルがなんで呼ばれているか知ってる?」



 アリエルがなんで呼ばれていたのか。



「魔女だったか……それが関係しているのか?」



 するとクリスは頷いた。



「彼女がそう呼ばれているのは、彼女と関わった人間が行方不明になっているから。そしてその人間達は皆、彼女の魔導書にされてるのよ」



「な!? 魔導書に?」



 人間を魔導書に変える。意味がわからない。



「アリエルは術師を本にして、その力をストックしている。だから彼女はいくつもの力を持っている。そして次は私の力を狙っているの」






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