BLACK EDGE

ピラフドリア

文字の大きさ
149 / 354

 第147話  【BLACK EDGE 其の147 ガルデニア】

しおりを挟む
 BLACK EDGE


 著者:pirafu doria
 作画:pirafu doria


 第147話
 【BLACK EDGE 其の147 ガルデニア】



 川を渡ったブラッドとフェアは馬車を手に入れて、プロタゴニストの森を超えた。



 そして王都ガルデニアまで戻ってきた。



「カメリアまでは後どれくらいかかるの?」



 検問を待っている間、フェアがブラッドに聞く。



「ああ、王都から北に進んで、半日で着くところにカメリアという街がある。目的地はそこだな」



 目指す街の名前はカメリアだ。その街の地下に子供達がいるとクリスが教えてくれた。



「でも、出発前にここで準備をしないとな」



 ブラッドはフェアと共に王都に入ると馬車を止めて、買い出しをすることにした。



 必要なものを買っていると、見覚えのある人物がやってきた。



「よぉ、ブラッドとフェアじゃないか」



「ヒューグか」



 そこにいたのは大剣を背負った男ヒューグだった。ヒューグはブラッド達を見つけて声をかけてきた。



「どうだった、子供達は助けられたのか?」



 ヒューグが聞くとフェアが答えた。



「これから助けに行くんです。やっと居場所が分かりましたから」



「そうか、頑張れよ」



 ヒューグはフェアの頭を強く撫でる。



 フェアは撫でられながらヒューグの方を見る。



「ヒューグさんも力を貸してくれませんか?」



 これからどんな相手と戦うことになるか分からない。仲間は多い方がいいだろう。それにヒューグはブラッドと同じくらいの戦闘能力を持っている。



 グリモワールが出てきたとしても、ヒューグなら戦うことができるだろう。



「俺が…………か」



「はい、ヒューグさんがいれば…………」



 しかし、フェアがそこまで言ったところでブラッドが止めた。



「すまんな。怪しい連中が近づいてるって聞いて、少し焦ってるんだ。だが、お前はここを離れるわけにはいかないしな」



 ブラッドが言うとヒューグは寂しい顔で頷いた。



「ああ、すまないな。フェア。俺は力になれないんだ……」



「いえ、私こそすみません…………事情も知らないのに……………」



 そうだ。ヒューグは王都でやることがあるためここに残っているんだ。フェア達の問題に巻き込むわけにはいかない。



 しばらく三人で話しながら買い出しをした後、ヒューグと別れて、ブラッド達は馬車に戻った。



 そしてカメリアに向けて再び出発した。



 ブラッドとフェアの二人だけでグリモワールの施設に潜入することになる。戦力がどれくらい集まっているかは分からないが、危険な戦いになるだろう。






しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~

スサノワ
ファンタジー
「ここわぁ、地獄かぁ――!?」  悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、気がつきゃ金糸のような髪の小娘に!? 「えっ、ファンタジーかと思ったぁ? 残っ念っ、ハイ坊主ハラペコSFファンタジーでしたぁ――ウケケケッケッ♪」  やかましぃやぁ。  ※小説家になろうさんにも投稿しています。投稿時は初稿そのまま。順次整えます。よろしくお願いします。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした

新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。 「もうオマエはいらん」 勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。 ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。 転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。 勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)

最強無敗の少年は影を従え全てを制す

ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。 産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。 カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。 しかし彼の力は生まれながらにして最強。 そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

合成師

あに
ファンタジー
里見瑠夏32歳は仕事をクビになって、やけ酒を飲んでいた。ビールが切れるとコンビニに買いに行く、帰り道でゴブリンを倒して覚醒に気付くとギルドで登録し、夢の探索者になる。自分の合成師というレアジョブは生産職だろうと初心者ダンジョンに向かう。 そのうち合成師の本領発揮し、うまいこと立ち回ったり、パーティーメンバーなどとともに成長していく物語だ。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

修復スキルで無限魔法!?

lion
ファンタジー
死んで転生、よくある話。でももらったスキルがいまいち微妙……。それなら工夫してなんとかするしかないじゃない!

処理中です...