BLACK EDGE

ピラフドリア

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 第208話  【BLACK EDGE 其の208 最後の授業】

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 BLACK EDGE


 著者:pirafu doria
 作画:pirafu doria


 第208話
 【BLACK EDGE 其の208 最後の授業】



 マルクはメテオラに一度も勝ったことがなかった。どんな武器を使っても、どんな状態であってもマルクはメテオラに勝てなかったのだ。



 そして今、マルクは素手でメテオラは剣を持っている。この状態では間合いに入るのすら難しいだろう。



 マルクは拳を握り構えるが、メテオラを向き合うと違和感を感じる。



 いつもとは違う。メテオラに近づけない。強い風が吹いているかのように、メテオラに近づくことすらできない。



「どうした、来ないのか?」



 マルクが近づけずにいると、メテオラはそう言ってゆっくりとマルクに近づいてくる。



「何をしたんですか……?」



 メテオラは頬を上げて悪い顔をしている。メテオラが何かをしたのは確かだ。



「少しだけ本気を出しただけだよ……。この程度で怖気付いてたら他の龍の適応者に出会ったら、死ぬぞ」



 気がつけばメテオラはもう目の前に来ていた。手を伸ばせば拳が届く距離。メテオラは剣を握ったまま、攻撃してくる様子はない。



 マルクはどうにか踏ん張って、身体を動かしてメテオラにパンチしようとした。身体は動いたが鈍かったためメテオラには避けられた。



「ほう、動けはしたか……。だが、まだまだもっと踏ん張りな。マルクとマルクの中の黒龍……」



 メテオラに言われるまま、マルクはまるで凍ったようだった身体を無理やり動かして、メテオラに攻撃を仕掛ける。メテオラは反撃をしてくることはなく、そのまま避け続ける。



「そのまま、そのまま。呼吸を合わせな」



 そしてマルクの身体がだいぶ動くようになってきたところで、メテオラは剣を使わずに蹴りで反撃をしてくるようになった。
 どうにか反応してマルクは避ける。



「だいぶ慣れてきたじゃん、…………じゃあ、そろそろ」



 そう言うとメテオラはマルクに剣を向けた。



「良いか? 龍に身体の一部を貸すんだ。そしてその代わりに龍の力を借りる。そうすれば、龍の力を扱える。やってみろ!!」



 マルクは無意識に龍の力を発動させる。すると、拳を黒いオーラが包み込む。



 その拳を振ると、剣を振ってきていたメテオラの剣と激突した。



 拳と剣がぶつかり合い、強い衝撃波を踏む。そしてその衝撃でマルクは吹き飛んで転がった。



 マルクが倒れた状態で見上げると、そこにはメテオラが立っていた。結局一度も勝てなかった。



 そんなマルクにメテオラは剣を鞘にしまうと、その剣を渡す。






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