210 / 354
第208話 【BLACK EDGE 其の208 最後の授業】
しおりを挟む
BLACK EDGE
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第208話
【BLACK EDGE 其の208 最後の授業】
マルクはメテオラに一度も勝ったことがなかった。どんな武器を使っても、どんな状態であってもマルクはメテオラに勝てなかったのだ。
そして今、マルクは素手でメテオラは剣を持っている。この状態では間合いに入るのすら難しいだろう。
マルクは拳を握り構えるが、メテオラを向き合うと違和感を感じる。
いつもとは違う。メテオラに近づけない。強い風が吹いているかのように、メテオラに近づくことすらできない。
「どうした、来ないのか?」
マルクが近づけずにいると、メテオラはそう言ってゆっくりとマルクに近づいてくる。
「何をしたんですか……?」
メテオラは頬を上げて悪い顔をしている。メテオラが何かをしたのは確かだ。
「少しだけ本気を出しただけだよ……。この程度で怖気付いてたら他の龍の適応者に出会ったら、死ぬぞ」
気がつけばメテオラはもう目の前に来ていた。手を伸ばせば拳が届く距離。メテオラは剣を握ったまま、攻撃してくる様子はない。
マルクはどうにか踏ん張って、身体を動かしてメテオラにパンチしようとした。身体は動いたが鈍かったためメテオラには避けられた。
「ほう、動けはしたか……。だが、まだまだもっと踏ん張りな。マルクとマルクの中の黒龍……」
メテオラに言われるまま、マルクはまるで凍ったようだった身体を無理やり動かして、メテオラに攻撃を仕掛ける。メテオラは反撃をしてくることはなく、そのまま避け続ける。
「そのまま、そのまま。呼吸を合わせな」
そしてマルクの身体がだいぶ動くようになってきたところで、メテオラは剣を使わずに蹴りで反撃をしてくるようになった。
どうにか反応してマルクは避ける。
「だいぶ慣れてきたじゃん、…………じゃあ、そろそろ」
そう言うとメテオラはマルクに剣を向けた。
「良いか? 龍に身体の一部を貸すんだ。そしてその代わりに龍の力を借りる。そうすれば、龍の力を扱える。やってみろ!!」
マルクは無意識に龍の力を発動させる。すると、拳を黒いオーラが包み込む。
その拳を振ると、剣を振ってきていたメテオラの剣と激突した。
拳と剣がぶつかり合い、強い衝撃波を踏む。そしてその衝撃でマルクは吹き飛んで転がった。
マルクが倒れた状態で見上げると、そこにはメテオラが立っていた。結局一度も勝てなかった。
そんなマルクにメテオラは剣を鞘にしまうと、その剣を渡す。
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第208話
【BLACK EDGE 其の208 最後の授業】
マルクはメテオラに一度も勝ったことがなかった。どんな武器を使っても、どんな状態であってもマルクはメテオラに勝てなかったのだ。
そして今、マルクは素手でメテオラは剣を持っている。この状態では間合いに入るのすら難しいだろう。
マルクは拳を握り構えるが、メテオラを向き合うと違和感を感じる。
いつもとは違う。メテオラに近づけない。強い風が吹いているかのように、メテオラに近づくことすらできない。
「どうした、来ないのか?」
マルクが近づけずにいると、メテオラはそう言ってゆっくりとマルクに近づいてくる。
「何をしたんですか……?」
メテオラは頬を上げて悪い顔をしている。メテオラが何かをしたのは確かだ。
「少しだけ本気を出しただけだよ……。この程度で怖気付いてたら他の龍の適応者に出会ったら、死ぬぞ」
気がつけばメテオラはもう目の前に来ていた。手を伸ばせば拳が届く距離。メテオラは剣を握ったまま、攻撃してくる様子はない。
マルクはどうにか踏ん張って、身体を動かしてメテオラにパンチしようとした。身体は動いたが鈍かったためメテオラには避けられた。
「ほう、動けはしたか……。だが、まだまだもっと踏ん張りな。マルクとマルクの中の黒龍……」
メテオラに言われるまま、マルクはまるで凍ったようだった身体を無理やり動かして、メテオラに攻撃を仕掛ける。メテオラは反撃をしてくることはなく、そのまま避け続ける。
「そのまま、そのまま。呼吸を合わせな」
そしてマルクの身体がだいぶ動くようになってきたところで、メテオラは剣を使わずに蹴りで反撃をしてくるようになった。
どうにか反応してマルクは避ける。
「だいぶ慣れてきたじゃん、…………じゃあ、そろそろ」
そう言うとメテオラはマルクに剣を向けた。
「良いか? 龍に身体の一部を貸すんだ。そしてその代わりに龍の力を借りる。そうすれば、龍の力を扱える。やってみろ!!」
マルクは無意識に龍の力を発動させる。すると、拳を黒いオーラが包み込む。
その拳を振ると、剣を振ってきていたメテオラの剣と激突した。
拳と剣がぶつかり合い、強い衝撃波を踏む。そしてその衝撃でマルクは吹き飛んで転がった。
マルクが倒れた状態で見上げると、そこにはメテオラが立っていた。結局一度も勝てなかった。
そんなマルクにメテオラは剣を鞘にしまうと、その剣を渡す。
0
あなたにおすすめの小説
底辺から始まった俺の異世界冒険物語!
ちかっぱ雪比呂
ファンタジー
40歳の真島光流(ましまみつる)は、ある日突然、他数人とともに異世界に召喚された。
しかし、彼自身は勇者召喚に巻き込まれた一般人にすぎず、ステータスも低かったため、利用価値がないと判断され、追放されてしまう。
おまけに、道を歩いているとチンピラに身ぐるみを剥がされる始末。いきなり異世界で路頭に迷う彼だったが、路上生活をしているらしき男、シオンと出会ったことで、少しだけ道が開けた。
漁れる残飯、眠れる舗道、そして裏ギルドで受けられる雑用仕事など――生きていく方法を、教えてくれたのだ。
この世界では『ミーツ』と名乗ることにし、安い賃金ながらも洗濯などの雑用をこなしていくうちに、金が貯まり余裕も生まれてきた。その頃、ミーツは気付く。自分の使っている魔法が、非常識なほどチートなことに――
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
貧弱の英雄
カタナヅキ
ファンタジー
この世界では誰もが生まれた時から「異能」と「レベル」呼ばれる能力を身に付けており、人々はレベルを上げて自分の能力を磨き、それに適した職業に就くのが当たり前だった。しかし、山奥で捨てられていたところを狩人に拾われ、後に「ナイ」と名付けられた少年は「貧弱」という異能の中でも異質な能力を身に付けていた。
貧弱の能力の効果は日付が変更される度に強制的にレベルがリセットされてしまい、生まれた時からナイは「レベル1」だった。どれだけ努力してレベルを上げようと日付変わる度にレベル1に戻ってしまい、レベルで上がった分の能力が低下してしまう。
自分の貧弱の技能に悲観する彼だったが、ある時にレベルを上昇させるときに身に付ける「SP」の存在を知る。これを使用すれば「技能」と呼ばれる様々な技術を身に付ける事を知り、レベルが毎日のようにリセットされる事を逆に利用して彼はSPを溜めて数々の技能を身に付け、落ちこぼれと呼んだ者達を見返すため、底辺から成り上がる――
※修正要請のコメントは対処後に削除します。
後日譚追加【完結】冤罪で追放された俺、真実の魔法で無実を証明したら手のひら返しの嵐!! でももう遅い、王都ごと見捨てて自由に生きます
なみゆき
ファンタジー
魔王を討ったはずの俺は、冤罪で追放された。 功績は奪われ、婚約は破棄され、裏切り者の烙印を押された。 信じてくれる者は、誰一人いない——そう思っていた。
だが、辺境で出会った古代魔導と、ただ一人俺を信じてくれた彼女が、すべてを変えた。 婚礼と処刑が重なるその日、真実をつきつけ、俺は、王都に“ざまぁ”を叩きつける。
……でも、もう復讐には興味がない。 俺が欲しかったのは、名誉でも地位でもなく、信じてくれる人だった。
これは、ざまぁの果てに静かな勝利を選んだ、元英雄の物語。
【12月末日公開終了】これは裏切りですか?
たぬきち25番
恋愛
転生してすぐに婚約破棄をされたアリシアは、嫁ぎ先を失い、実家に戻ることになった。
だが、実家戻ると『婚約破棄をされた娘』と噂され、家族の迷惑になっているので出て行く必要がある。
そんな時、母から住み込みの仕事を紹介されたアリシアは……?
悪役皇子、ざまぁされたので反省する ~ 馬鹿は死ななきゃ治らないって… 一度、死んだからな、同じ轍(てつ)は踏まんよ ~
shiba
ファンタジー
魂だけの存在となり、邯鄲(かんたん)の夢にて
無名の英雄
愛を知らぬ商人
気狂いの賢者など
様々な英霊達の人生を追体験した凡愚な皇子は自身の無能さを痛感する。
それゆえに悪徳貴族の嫡男に生まれ変わった後、謎の強迫観念に背中を押されるまま
幼い頃から努力を積み上げていた彼は、図らずも超越者への道を歩み出す。
死んだはずの貴族、内政スキルでひっくり返す〜辺境村から始める復讐譚〜
のらねこ吟醸
ファンタジー
帝国の粛清で家族を失い、“死んだことにされた”名門貴族の青年は、
偽りの名を与えられ、最果ての辺境村へと送り込まれた。
水も農具も未来もない、限界集落で彼が手にしたのは――
古代遺跡の力と、“俺にだけ見える内政スキル”。
村を立て直し、仲間と絆を築きながら、
やがて帝国の陰謀に迫り、家を滅ぼした仇と対峙する。
辺境から始まる、ちょっぴりほのぼの(?)な村興しと、
静かに進む策略と復讐の物語。
帰国した王子の受難
ユウキ
恋愛
庶子である第二王子は、立場や情勢やら諸々を鑑みて早々に隣国へと無期限遊学に出た。そうして年月が経ち、そろそろ兄(第一王子)が立太子する頃かと、感慨深く想っていた頃に突然届いた帰還命令。
取り急ぎ舞い戻った祖国で見たのは、修羅場であった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる