BLACK EDGE

ピラフドリア

文字の大きさ
218 / 354

 第216話  【BLACK EDGE 其の216 瓦礫の中で】

しおりを挟む
 BLACK EDGE


 著者:pirafu doria
 作画:pirafu doria


 第216話
 【BLACK EDGE 其の216 瓦礫の中で】





「そうか、じゃあ、お前はどうしたいんだ。このままここで死ぬのを待つのか?」



「…………」



「お前がここで死のうがどうしようが、俺には関係ない。だが、俺はここから出る。フェアを助けるためにな」



 ブラッドはそう言いながら瓦礫を退かす。



 兵器が起動し赤崎はブラッドとロジョンに向けて砲撃した。
 その砲撃からブラッドは咄嗟にロジョンを守った。敵であるブラッドに守られたロジョンは疑問に思ったが、ブラッドからしたら近くで見殺しにすることができずに助けただけだ。
 大きな理由はなかった。



 ブラッドの回答を聞いたロジョンは喋り出した。



「私は赤崎博士に作られました。………………私は赤崎博士に諦めて欲しくない」



 それを聞いたブラッドは聞く。



「何のことだ?」



「博士は昔、別世界から来ました。この世界にやってくる前は、開発者として様々なものを開発していたようです」



 その話はさっきも聞いた。赤崎もロジョンも聞いていないことをなぜ喋り出すのか。



「それはさっきも聞いたぞ。岡島に認められなかったとか、なんとか…………」



「そうです。赤崎博士は岡島とライバルでした。多くのものを開発し、どっちが優れているのかを競ってきた。でも、ある時博士は突然この世界にやってきていた」



「望んできたわけではないってことか」



「はい。岡島と開発競争も途中でこの世界に飛ばされてしまった。それでも赤崎博士は諦めずに、私やクローン、他にも様々なものを作ってきました。でも、そのどれも岡島には見せることができない」



「赤崎の本当の目的は岡島に、作ったもんを見せることか」



「もう博士はその目的も忘れてしまった。今はただ、優れた兵器を作ることだけが赤崎博士の目的です。そしてどんな兵器すら超えた究極の兵器、それは正しい兵器であると考えて、あの兵器を作ったんです」



「そうか、ま、関係ないけどな」



 ブラッドはそう言って瓦礫を退かし続ける。



 こんなことを話してロジョンが何をしたいのか。そして赤崎もさっきブラッドにああやって自分のことを語り出して何がしたかったのか。
 だが、そんな事はどうだっていい、ブラッドはフェアを助ける。そのためだけに今は動く。



 瓦礫を退かし続けていると、瓦礫の反対側から声が聞こえる。



「おい、そこに誰かいるのか?」



 ブラッドが声の聞こえる方に叫ぶと、



「その声はブラッドか?」



 男の声。そして聞き覚えのある声だ。



「その声はシャドーか」








しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~

スサノワ
ファンタジー
「ここわぁ、地獄かぁ――!?」  悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、気がつきゃ金糸のような髪の小娘に!? 「えっ、ファンタジーかと思ったぁ? 残っ念っ、ハイ坊主ハラペコSFファンタジーでしたぁ――ウケケケッケッ♪」  やかましぃやぁ。  ※小説家になろうさんにも投稿しています。投稿時は初稿そのまま。順次整えます。よろしくお願いします。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした

新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。 「もうオマエはいらん」 勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。 ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。 転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。 勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)

最強無敗の少年は影を従え全てを制す

ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。 産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。 カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。 しかし彼の力は生まれながらにして最強。 そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

合成師

あに
ファンタジー
里見瑠夏32歳は仕事をクビになって、やけ酒を飲んでいた。ビールが切れるとコンビニに買いに行く、帰り道でゴブリンを倒して覚醒に気付くとギルドで登録し、夢の探索者になる。自分の合成師というレアジョブは生産職だろうと初心者ダンジョンに向かう。 そのうち合成師の本領発揮し、うまいこと立ち回ったり、パーティーメンバーなどとともに成長していく物語だ。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

軽トラの荷台にダンジョンができました★車ごと【非破壊オブジェクト化】して移動要塞になったので快適探索者生活を始めたいと思います

こげ丸
ファンタジー
===運べるプライベートダンジョンで自由気ままな快適最強探索者生活!=== ダンジョンが出来て三〇年。平凡なエンジニアとして過ごしていた主人公だが、ある日突然軽トラの荷台にダンジョンゲートが発生したことをきっかけに、遅咲きながら探索者デビューすることを決意する。 でも別に最強なんて目指さない。 それなりに強くなって、それなりに稼げるようになれれば十分と思っていたのだが……。 フィールドボス化した愛犬(パグ)に非破壊オブジェクト化して移動要塞と化した軽トラ。ユニークスキル「ダンジョンアドミニストレーター」を得てダンジョンの管理者となった主人公が「それなり」ですむわけがなかった。 これは、プライベートダンジョンを利用した快適生活を送りつつ、最強探索者へと駆け上がっていく一人と一匹……とその他大勢の配下たちの物語。

処理中です...