BLACK EDGE

ピラフドリア

文字の大きさ
234 / 354

 第232話  【BLACK EDGE 其の232 フリジア村】

しおりを挟む
 BLACK EDGE


 著者:pirafu doria
 作画:pirafu doria


 第232話
 【BLACK EDGE 其の232 フリジア村】




 フリジア村に再び立ち寄ったブラッドとフェアは、アリエルの住んでいる屋敷に向かった。
 しかし、そこにアリエルはいなかった。だが、



「なにこれ?」



 屋根裏に行くと、そこには正方形の黒いテーブルがあり、その上に本が浮いていた。



 その本は風も吹いていないというのにページが変わる。そして半透明のオーラを放っている。



「これが魔導書ってことか…………」



 ブラッドはそれを見て言った。



 クリスからの話であるが、アリエルは魔導書を使い、それで魔術を複数使用するらしい。



 魔導書は元々魔術師であり、魔術師の力を本に閉じ込めることでアリエル自身は複数の魔術を使うことができる。



 雪山での攻撃もその魔術を使ったものであり、クリスを次の魔導書にしようと狙っていたらしい。



「じゃあ、これを破壊するの?」



「それはやめた方がいいな。クリスがいれば何か手段を知っているのかもしれないが…………」



 ここで下手にこれを破壊して、何が起こるのかわからない。魔術師の力を本に封じ込めているということもあり、ここには莫大な力が集まっているはずだ。



「…………今回は留守みたいだしな。次の機会にしよう」



 ブラッドはフェアと共に屋敷を出た。



 アリエルがいれば、アリエルをぶっ飛ばして、それから話を聞けば良いのだが、いないのならば何もできない。
 どこかに出かけているのか。



 まぁ、今はアリエルに構う必要もない。彼女は賞金首というわけでもないのだし……。



 ブラッド達は外に出た後、この村にある食堂に行くことにした。



 この村は小さく、食べ物屋さんは一軒しかない。この前この村に来た時も、その食堂で飯を食べた。



「いらっしゃい、あ、あなた達は」



「久しぶりです」



 食器を片付けながらこちらを見たのは、青髪短髪で赤いバンダナを巻いた女性。ガタイも良く力強い身体をしており、左目の下にあるほくろが特徴的な女性だ。



「また来たんだね。旅はどうだった?」



 彼女の名前はウティー。この店のオーナーであり、前に店に来た時もよそ者だというのに手厚く歓迎してくれた。



「王都の方から戻ってきたのかい?」



 時間的に店にはもう客は少なく、ウティーはブラッド達に料理を出すと片付けをしながら話しかけてきた。



 フェアとブラッドが頷くと、



「そりゃー大変だったでしょ~、王都で大事件があったって聞いたよ~」



 おそらく赤崎の件だろう。あれだけ大きな兵器が王都に向けて侵攻していたんだ。騒ぎになっていてもおかしくない。



「そうですね…………」



 ブラッドは苦笑いしながら返事をした。そんな中、フェアは店を見渡す。



 店にあるテーブルが前に来た時よりも増えている。それに出ている食器も前よりも多い。



 キョロキョロしているフェアに気づいたウティーは語る。



「そう、あんた達がこの村を出てすぐに新しい子を雇ったのよ。そしたらその子のおかげで繁盛繁盛、今は買い出しに行ってもらってるんだけど、本当、あの子には感謝してるわ」



「それは凄いですね」



 フェアはウティーのその子の自慢話を聞かされる。



 そして食事を終えた二人は店を出た。



「また来てね~」



「ああ、今回もサンキューな」



 ウティーは旅人価格だと言って、かなりの割引をしてくれた。



 そして店を出た後、買い出しを終えた後なのだろう。フェアよりも少し年上の少女とすれ違った。





 翌朝、ブラッドとフェアは村を出発した。目指すと東北にある隣国マルグリットだ。



 森を抜けて、しばらく経つと、何者かの気配を感じる。



「フェア、誰かいるぞ」



「…………敵?」



「分からない。だが、馬車の奥に隠れろ」



 ブラッドの指示に従いフェアは馬車の奥に身を潜める。



 何者かがブラッド達の馬車を囲んでいる。その数は10以上。



 ブラッドは馬車を止めると、そいつらに向けて叫んだ。



「誰だ!! 隠れてないで出て来い!!」






しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【大賞・完結】地味スキル《お片付け》は最強です!社畜OL、異世界でうっかり国を改革しちゃったら、騎士団長と皇帝陛下に溺愛されてるんですが!?

旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
【第18回ファンタジー小説大賞で大賞をいただきました】→【規約変更で書籍化&コミカライズ「確約」は取り消しになりました。】 佐藤美佳子(サトウ・ミカコ)、享年28歳。死因は、過労。連日の徹夜と休日出勤の果てに、ブラック企業のオフィスで静かに息を引き取った彼女が次に目覚めたのは、剣と魔法のファンタジー世界だった。 新たな生を受けたのは、田舎のしがない貧乏貴族の娘、ミカ・アシュフィールド、16歳。神様がくれた転生特典は、なんと《完璧なる整理整頓》という、とんでもなく地味なスキルだった。 「せめて回復魔法とかが良かった……」 戦闘にも生産にも役立たないスキルに落胆し、今度こそは静かに、穏やかに生きたいと願うミカ。しかし、そんな彼女のささやかな望みは、王家からの突然の徴収命令によって打ち砕かれる。 「特殊技能持ちは、王宮へ出仕せよ」 家族を守るため、どうせ役立たずと追い返されるだろうと高をくくって王都へ向かったミカに与えられた任務は、あまりにも無謀なものだった。 「この『開かずの倉庫』を、整理せよ」 そこは、数百年分の備品や資材が山と積まれ、あまりの混沌ぶりに探検隊が遭難したとまで噂される、王家最大の禁足地。 絶望的な光景を前に、ミカが覚悟を決めてスキルを発動した瞬間――世界は、彼女の「お片付け」が持つ真の力に震撼することになる。 これは、地味スキルでうっかり国のすべてを最適化してしまった元社畜令嬢が、カタブツな騎士団長や有能すぎる皇帝陛下にその価値を見出され、なぜか過保護に甘やかされてしまう、お仕事改革ファンタジー。

この聖水、泥の味がする ~まずいと追放された俺の作るポーションが、実は神々も欲しがる奇跡の霊薬だった件~

夏見ナイ
ファンタジー
「泥水神官」と蔑まれる下級神官ルーク。彼が作る聖水はなぜか茶色く濁り、ひどい泥の味がした。そのせいで無能扱いされ、ある日、無実の罪で神殿から追放されてしまう。 全てを失い流れ着いた辺境の村で、彼は自らの聖水が持つ真の力に気づく。それは浄化ではなく、あらゆる傷や病、呪いすら癒す奇跡の【創生】の力だった! ルークは小さなポーション屋を開き、まずいけどすごい聖水で村人たちを救っていく。その噂は広まり、呪われた女騎士やエルフの薬師など、訳ありな仲間たちが次々と集結。辺境の村はいつしか「癒しの郷」へと発展していく。 一方、ルークを追放した王都では聖女が謎の病に倒れ……。 落ちこぼれ神官の、痛快な逆転スローライフ、ここに開幕!

その狂犬戦士はお義兄様ですが、何か?

行枝ローザ
ファンタジー
美しき侯爵令嬢の側には、強面・高背・剛腕と揃った『狂犬戦士』と恐れられる偉丈夫がいる。 貧乏男爵家の五人兄弟末子が養子に入った魔力を誇る伯爵家で彼を待ち受けていたのは、五歳下の義妹と二歳上の義兄、そして王都随一の魔術後方支援警護兵たち。 元・家族の誰からも愛されなかった少年は、新しい家族から愛されることと癒されることを知って強くなる。 これは不遇な微魔力持ち魔剣士が凄惨な乳幼児期から幸福な少年期を経て、成長していく物語。 ※見切り発車で書いていきます(通常運転。笑) ※エブリスタでも同時連載。2021/6/5よりカクヨムでも後追い連載しています。 ※2021/9/15けっこう前に追いついて、カクヨムでも現在は同時掲載です。

悪役令嬢の私が姫に転生した件  ――それはいいのですが、なぜ魔王城に幽閉から始まるのですか?

しばたろう
ファンタジー
アウレリア王国の未来を憂い、改革を進めようとした結果、 「聖女いじめ」の汚名を着せられ断罪された悪役令嬢アレイシア。 絶望の末に命を落とした彼女は、気がつくと百年後の世界で、 同国の王女エリシアとして生まれ変わっていた。 だが平穏はなく、彼女は魔王に攫われ、魔王城に囚われの身となる。 毎日続く求婚と恐怖――しかし前世の記憶を取り戻したエリシアは、 魔王の語る「経済による世界支配」という理知的な思想に耳を傾ける。 武力ではなく、政治と経済で世界を変えようとする魔王。 その冷静で非情な正論に、かつて同じ理想を抱いた彼女は―― 魔王の妻になるという、思いもよらぬ選択を下す。 これは、断罪された悪役令嬢が、 今度こそ世界の在り方そのものに手を伸ばす物語。

真祖竜に転生したけど、怠け者の世界最強種とか性に合わないんで、人間のふりして旅に出ます

難波一
ファンタジー
"『第18回ファンタジー小説大賞【奨励賞】受賞!』" ブラック企業勤めのサラリーマン、橘隆也(たちばな・りゅうや)、28歳。 社畜生活に疲れ果て、ある日ついに階段から足を滑らせてあっさりゲームオーバー…… ……と思いきや、目覚めたらなんと、伝説の存在・“真祖竜”として異世界に転生していた!? ところがその竜社会、価値観がヤバすぎた。 「努力は未熟の証、夢は竜の尊厳を損なう」 「強者たるもの怠惰であれ」がスローガンの“七大怠惰戒律”を掲げる、まさかのぐうたら最強種族! 「何それ意味わかんない。強く生まれたからこそ、努力してもっと強くなるのが楽しいんじゃん。」 かくして、生まれながらにして世界最強クラスのポテンシャルを持つ幼竜・アルドラクスは、 竜社会の常識をぶっちぎりで踏み倒し、独学で魔法と技術を学び、人間の姿へと変身。 「世界を見たい。自分の力がどこまで通じるか、試してみたい——」 人間のふりをして旅に出た彼は、貴族の令嬢や竜の少女、巨大な犬といった仲間たちと出会い、 やがて“魔王”と呼ばれる世界級の脅威や、世界の秘密に巻き込まれていくことになる。 ——これは、“怠惰が美徳”な最強種族に生まれてしまった元社畜が、 「自分らしく、全力で生きる」ことを選んだ物語。 世界を知り、仲間と出会い、規格外の強さで冒険と成長を繰り広げる、 最強幼竜の“成り上がり×異端×ほのぼの冒険ファンタジー”開幕! ※小説家になろう様にも掲載しています。

老聖女の政略結婚

那珂田かな
ファンタジー
エルダリス前国王の長女として生まれ、半世紀ものあいだ「聖女」として太陽神ソレイユに仕えてきたセラ。 六十歳となり、ついに若き姪へと聖女の座を譲り、静かな余生を送るはずだった。 しかし式典後、甥である皇太子から持ち込まれたのは――二十歳の隣国王との政略結婚の話。 相手は内乱終結直後のカルディア王、エドモンド。王家の威信回復と政権安定のため、彼には強力な後ろ盾が必要だという。 子も産めない年齢の自分がなぜ王妃に? 迷いと不安、そして少しの笑いを胸に、セラは決断する。 穏やかな余生か、嵐の老後か―― 四十歳差の政略婚から始まる、波乱の日々が幕を開ける。

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

 社畜のおじさん過労で死に、異世界でダンジョンマスターと なり自由に行動し、それを脅かす人間には容赦しません。

本条蒼依
ファンタジー
 山本優(やまもとまさる)45歳はブラック企業に勤め、 残業、休日出勤は当たり前で、連続出勤30日目にして 遂に過労死をしてしまい、女神に異世界転移をはたす。  そして、あまりな強大な力を得て、貴族達にその身柄を 拘束させられ、地球のように束縛をされそうになり、 町から逃げ出すところから始まる。

処理中です...