292 / 354
第290話 【BLACK EDGE 其の290 剣の歴史】
しおりを挟む
BLACK EDGE
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第290話
【BLACK EDGE 其の290 剣の歴史】
倒れたブラッドにリトゥーンの剣が襲い掛かる。ブラッドは剣を横にしてどうにか防ぐが、リトゥーンが体重をかければ、ブラッドの剣は折れてしまいそうだ。
「僕の勝ちだな……」
そう言ってリトゥーンは勝ち誇る。しかし、そんなリトゥーンに、
「それはどうかな……」
ブラッドはそう言うと転がった状態のまま、剣に力を入れる。
無理矢理剣を押し込んできたことにリトゥーンは驚く。
切れ味の違いからリトゥーンの剣の刃がブラッドの持つ剣にゆっくりと沈んでいく。
このままではブラッドの剣は折られてしまう。
それでもブラッドは剣を引っ込めることはなかった。
「くっ、……これ以上やっても無駄だ…………な、馬鹿な!?」
途中までリトゥーンの剣に押し負けていたはずだが、突然リトゥーンの剣の方が刃こぼれし始めた。
「どうなってるんだ……」
「この剣は歴代の闘技者の捕まった剣だ。多くの者と戦い、そして大切に使われてきた。そんな熟練の剣が、赤ん坊の剣に負けるかよ」
そしてブラッドは寝っ転がった状態のまま、リトゥーンの剣を切断した。
切断された剣を見て、リトゥーンは涙目になる。
「そ、そんな、僕の剣が、僕が負けるなんて……」
そして武器のなくなったリトゥーンはブラッドを恐れて、一歩二歩と下がっていく。
そんな中、ブラッドは立ち上がった。
「さてと、お前の自慢の剣はなくなった。これからどうする?」
ブラッドがそう聞くと、リトゥーンはビビり焦るようにして舞台から降りていった。
リトゥーンを倒したブラッドだが、優勝候補を倒したことで、周りにいる選手から目をつけられてしまう。
ブラッドは三人の選手に囲まれた。囲まれたブラッドは剣をしまうと、素手で戦おうとするが、襲いかかってこようとした選手達は突然地面に突っ伏した。
「な、なんだ……」
「身体が重い……」
そしてそんな三人の選手の奥から、黒いフードを着た男が現れた。
「やっと出てきたな。ニキータ」
「待たせたな。……私も他の選手にちょっかいを出されてな。少し手こずった」
ニキータは気を失っている大男を片手で引きずってきている。
ニキータはその男を投げると、ブラッドを囲んでいた選手達にぶつけて、四人をまとめて場外に追い出した。
「おいおい、そんな堂々と術を使っていいのか?」
ブラッドが聞くと、
「ああ、今回だけは特別だ。そういうスパーク様の命令だからな」
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第290話
【BLACK EDGE 其の290 剣の歴史】
倒れたブラッドにリトゥーンの剣が襲い掛かる。ブラッドは剣を横にしてどうにか防ぐが、リトゥーンが体重をかければ、ブラッドの剣は折れてしまいそうだ。
「僕の勝ちだな……」
そう言ってリトゥーンは勝ち誇る。しかし、そんなリトゥーンに、
「それはどうかな……」
ブラッドはそう言うと転がった状態のまま、剣に力を入れる。
無理矢理剣を押し込んできたことにリトゥーンは驚く。
切れ味の違いからリトゥーンの剣の刃がブラッドの持つ剣にゆっくりと沈んでいく。
このままではブラッドの剣は折られてしまう。
それでもブラッドは剣を引っ込めることはなかった。
「くっ、……これ以上やっても無駄だ…………な、馬鹿な!?」
途中までリトゥーンの剣に押し負けていたはずだが、突然リトゥーンの剣の方が刃こぼれし始めた。
「どうなってるんだ……」
「この剣は歴代の闘技者の捕まった剣だ。多くの者と戦い、そして大切に使われてきた。そんな熟練の剣が、赤ん坊の剣に負けるかよ」
そしてブラッドは寝っ転がった状態のまま、リトゥーンの剣を切断した。
切断された剣を見て、リトゥーンは涙目になる。
「そ、そんな、僕の剣が、僕が負けるなんて……」
そして武器のなくなったリトゥーンはブラッドを恐れて、一歩二歩と下がっていく。
そんな中、ブラッドは立ち上がった。
「さてと、お前の自慢の剣はなくなった。これからどうする?」
ブラッドがそう聞くと、リトゥーンはビビり焦るようにして舞台から降りていった。
リトゥーンを倒したブラッドだが、優勝候補を倒したことで、周りにいる選手から目をつけられてしまう。
ブラッドは三人の選手に囲まれた。囲まれたブラッドは剣をしまうと、素手で戦おうとするが、襲いかかってこようとした選手達は突然地面に突っ伏した。
「な、なんだ……」
「身体が重い……」
そしてそんな三人の選手の奥から、黒いフードを着た男が現れた。
「やっと出てきたな。ニキータ」
「待たせたな。……私も他の選手にちょっかいを出されてな。少し手こずった」
ニキータは気を失っている大男を片手で引きずってきている。
ニキータはその男を投げると、ブラッドを囲んでいた選手達にぶつけて、四人をまとめて場外に追い出した。
「おいおい、そんな堂々と術を使っていいのか?」
ブラッドが聞くと、
「ああ、今回だけは特別だ。そういうスパーク様の命令だからな」
0
あなたにおすすめの小説
四人の令嬢と公爵と
オゾン層
恋愛
「貴様らのような田舎娘は性根が腐っている」
ガルシア辺境伯の令嬢である4人の姉妹は、アミーレア国の王太子の婚約候補者として今の今まで王太子に尽くしていた。国王からも認められた有力な婚約候補者であったにも関わらず、無知なロズワート王太子にある日婚約解消を一方的に告げられ、挙げ句の果てに同じく婚約候補者であったクラシウス男爵の令嬢であるアレッサ嬢の企みによって冤罪をかけられ、隣国を治める『化物公爵』の婚約者として輿入という名目の国外追放を受けてしまう。
人間以外の種族で溢れた隣国ベルフェナールにいるとされる化物公爵ことラヴェルト公爵の兄弟はその恐ろしい容姿から他国からも黒い噂が絶えず、ガルシア姉妹は怯えながらも覚悟を決めてベルフェナール国へと足を踏み入れるが……
「おはよう。よく眠れたかな」
「お前すごく可愛いな!!」
「花がよく似合うね」
「どうか今日も共に過ごしてほしい」
彼らは見た目に反し、誠実で純愛な兄弟だった。
一方追放を告げられたアミーレア王国では、ガルシア辺境伯令嬢との婚約解消を聞きつけた国王がロズワート王太子に対して右ストレートをかましていた。
※初ジャンルの小説なので不自然な点が多いかもしれませんがご了承ください
底辺から始まった俺の異世界冒険物語!
ちかっぱ雪比呂
ファンタジー
40歳の真島光流(ましまみつる)は、ある日突然、他数人とともに異世界に召喚された。
しかし、彼自身は勇者召喚に巻き込まれた一般人にすぎず、ステータスも低かったため、利用価値がないと判断され、追放されてしまう。
おまけに、道を歩いているとチンピラに身ぐるみを剥がされる始末。いきなり異世界で路頭に迷う彼だったが、路上生活をしているらしき男、シオンと出会ったことで、少しだけ道が開けた。
漁れる残飯、眠れる舗道、そして裏ギルドで受けられる雑用仕事など――生きていく方法を、教えてくれたのだ。
この世界では『ミーツ』と名乗ることにし、安い賃金ながらも洗濯などの雑用をこなしていくうちに、金が貯まり余裕も生まれてきた。その頃、ミーツは気付く。自分の使っている魔法が、非常識なほどチートなことに――
コンバット
サクラ近衛将監
ファンタジー
藤堂 忍は、10歳の頃に難病に指定されているALS(amyotrophic lateral sclerosis:筋萎縮性側索硬化症)を発症した。
ALSは発症してから平均3年半で死に至るが、遅いケースでは10年以上にわたり闘病する場合もある。
忍は、不屈の闘志で最後まで運命に抗った。
担当医師の見立てでは、精々5年以内という余命期間を大幅に延長し、12年間の壮絶な闘病生活の果てについに力尽きて亡くなった。
その陰で家族の献身的な助力があったことは間違いないが、何よりも忍自身の生きようとする意志の力が大いに働いていたのである。
その超人的な精神の強靭さゆえに忍の生き様は、天上界の神々の心も揺り動かしていた。
かくして天上界でも類稀な神々の総意に依り、忍の魂は異なる世界への転生という形で蘇ることが許されたのである。
この物語は、地球世界に生を受けながらも、その生を満喫できないまま死に至った一人の若い女性の魂が、神々の助力により異世界で新たな生を受け、神々の加護を受けつつ新たな人生を歩む姿を描いたものである。
しかしながら、神々の意向とは裏腹に、転生した魂は、新たな闘いの場に身を投じることになった。
この物語は「カクヨム様」にも同時投稿します。
一応不定期なのですが、土曜の午後8時に投稿するよう努力いたします。
処刑された勇者は二度目の人生で復讐を選ぶ
シロタカズキ
ファンタジー
──勇者は、すべてを裏切られ、処刑された。
だが、彼の魂は復讐の炎と共に蘇る──。
かつて魔王を討ち、人類を救った勇者 レオン・アルヴァレス。
だが、彼を待っていたのは称賛ではなく、 王族・貴族・元仲間たちによる裏切りと処刑だった。
「力が強すぎる」という理由で異端者として断罪され、広場で公開処刑されるレオン。
国民は歓喜し、王は満足げに笑い、かつての仲間たちは目を背ける。
そして、勇者は 死んだ。
──はずだった。
十年後。
王国は繁栄の影で腐敗し、裏切り者たちは安穏とした日々を送っていた。
しかし、そんな彼らの前に死んだはずの勇者が現れる。
「よくもまあ、のうのうと生きていられたものだな」
これは、英雄ではなくなった男の復讐譚。
彼を裏切った王族、貴族、そしてかつての仲間たちを絶望の淵に叩き落とすための第二の人生が、いま始まる──。
最強のアラサー魔導師はかつての弟子達に迫られる~ただ冒険者を始めようとしただけなのに弟子達がそれを許してくれない~
おやっつ
ファンタジー
王国魔導師団指南役をしていたシューファはある日突然、王様に追放されてしまう。王様曰く、シューファみたいなアラサーが教えていたら魔導師団が衰えるとのことだった。
突然の追放で行く場所を失ったシューファは貴族社会の王国では卑下されていた冒険者での強さが全ての帝都に行くことにした。
シューファが帝都に行ったと報告を受けたかつての弟子達はガクに会いに自分の仕事を放棄して帝都に向かう。
そう、彼女らの仕事は国の重鎮だというのに───
小説家になろうにも投稿中です!
毎日投稿していこうと思うので、ブクマなどをしていただけると励みになります。
【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる