BLACK EDGE

ピラフドリア

文字の大きさ
324 / 354

 第322話  【BLACK EDGE 其の322 電撃】

しおりを挟む
 BLACK EDGE


 著者:pirafu doria
 作画:pirafu doria


 第322話
 【BLACK EDGE 其の322 電撃】





 マルグリットで行われている闘技大会。その闘技大会本戦二回戦がついに始まろうとしていた。



 二回戦はブラッドとフレッタ。



 黒龍の適応者であるブラッドと電撃の術を持つフレッタの対戦となった。





 控え室では窓からスカイとリトゥーンが二人の様子を見ていた。



「リトゥーンさんはこの試合。どうなると思いますか?」



 スカイはリトゥーンに聞くと、リトゥーンは右手で自分の顎を触る。



「そうだね~。フレッタは予選で使った大技がある。流石にそれをやられたら彼でもキツイんじゃないかい?」



 フレッタは予選で空中に飛ぶと、そこから雷のような電撃を落とし、選手達を一掃した。



 その技の攻撃範囲は舞台全体に及び、そして威力も強力だ。



「でも、ブラッドさんには龍の力があります」



「僕はその龍の力とやらが分からないが、それでフレッタの攻撃を防げそうなのかい?」



「…………」



 リトゥーンに言われてスカイは言葉が詰まる。



「まぁ、どうやってあの電撃を突破する気なのか。拝見させてもらおうじゃないか……」






 ブラッドとフレッタが向かい合っている中、ついにゴングが鳴らされた。



 ゴングと同時にブラッドは走る。真っ直ぐとフレッタに向かってだ。






 その様子を見た控え室ではリトゥーンが解説する。



「そうか。フレッタが上空に飛ぶ前に仕掛ける気なのか」



「フレッタに空中に行かれると攻撃ができないからですか」



「いや、それだけじゃぁない。フレッタの電撃は接近した状態では使えない」



「そうなんですか?」



「ああ、僕の予想だがね……。近くで電撃を放てば自分に被害が出る可能性がある。だから予選では上空に行ったし、リンゴも投げてから電撃を放った」



「じゃあ、近づいてしまえば、ブラッドさんが有利ということですね」



「近づければ……だがね。……そう簡単に近づかせてくれるとは思えない」







 走ってくるブラッドにフレッタは手のひらを向ける。



「近づかせると思うか」



 フレッタの手のひらから電撃が飛び、ブラッドへと電気が線を成して飛んでいく。



 ブラッドは走りながら両腕を前に出す。そして龍の力を使い、黒いオーラを集めると、それでブラッドの前に壁を作り出した。



 その壁は地面に突き刺さっており、フレッタの電撃は黒い壁にぶつかると地面へと流れていった。



 電撃を防ぎ終えると、黒い壁はオーラに戻り奥にあるブラッドの姿が見えた。



「龍の力で武器を作れるなら、こういうこともできるはずだ」







しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

出来損ないと追放された俺、神様から貰った『絶対農域』スキルで農業始めたら、奇跡の作物が育ちすぎて聖女様や女騎士、王族まで押しかけてきた

黒崎隼人
ファンタジー
★☆★完結保証★☆☆ 毎日朝7時更新! 「お前のような魔力無しの出来損ないは、もはや我が家の者ではない!」 過労死した俺が転生したのは、魔力が全ての貴族社会で『出来損ない』と蔑まれる三男、カイ。実家から追放され、与えられたのは魔物も寄り付かない不毛の荒れ地だった。 絶望の淵で手にしたのは、神様からの贈り物『絶対農域(ゴッド・フィールド)』というチートスキル! どんな作物も一瞬で育ち、その実は奇跡の効果を発揮する!? 伝説のもふもふ聖獣を相棒に、気ままな農業スローライフを始めようとしただけなのに…「このトマト、聖水以上の治癒効果が!?」「彼の作る小麦を食べたらレベルが上がった!」なんて噂が広まって、聖女様や女騎士、果ては王族までが俺の畑に押しかけてきて――!? 追放した実家が手のひらを返してきても、もう遅い! 最強農業スキルで辺境から世界を救う!? 爽快成り上がりファンタジー、ここに開幕!

やり直すなら、貴方とは結婚しません

わらびもち
恋愛
「君となんて結婚しなければよかったよ」 「は…………?」  夫からの辛辣な言葉に、私は一瞬息をするのも忘れてしまった。

最強のアラサー魔導師はかつての弟子達に迫られる~ただ冒険者を始めようとしただけなのに弟子達がそれを許してくれない~

おやっつ
ファンタジー
王国魔導師団指南役をしていたシューファはある日突然、王様に追放されてしまう。王様曰く、シューファみたいなアラサーが教えていたら魔導師団が衰えるとのことだった。 突然の追放で行く場所を失ったシューファは貴族社会の王国では卑下されていた冒険者での強さが全ての帝都に行くことにした。 シューファが帝都に行ったと報告を受けたかつての弟子達はガクに会いに自分の仕事を放棄して帝都に向かう。 そう、彼女らの仕事は国の重鎮だというのに─── 小説家になろうにも投稿中です! 毎日投稿していこうと思うので、ブクマなどをしていただけると励みになります。

【完結】悪役令嬢は何故か婚約破棄されない

miniko
恋愛
平凡な女子高生が乙女ゲームの悪役令嬢に転生してしまった。 断罪されて平民に落ちても困らない様に、しっかり手に職つけたり、自立の準備を進める。 家族の為を思うと、出来れば円満に婚約解消をしたいと考え、王子に度々提案するが、王子の反応は思っていたのと違って・・・。 いつの間にやら、王子と悪役令嬢の仲は深まっているみたい。 「僕の心は君だけの物だ」 あれ? どうしてこうなった!? ※物語が本格的に動き出すのは、乙女ゲーム開始後です。 ※ご都合主義の展開があるかもです。 ※感想欄はネタバレ有り/無しの振り分けをしておりません。本編未読の方はご注意下さい。

自力で帰還した錬金術師の爛れた日常

ちょす氏
ファンタジー
「この先は分からないな」 帰れると言っても、時間まで同じかどうかわからない。 さて。 「とりあえず──妹と家族は救わないと」 あと金持ちになって、ニート三昧だな。 こっちは地球と環境が違いすぎるし。 やりたい事が多いな。 「さ、お別れの時間だ」 これは、異世界で全てを手に入れた男の爛れた日常の物語である。 ※物語に出てくる組織、人物など全てフィクションです。 ※主人公の癖が若干終わっているのは師匠のせいです。 ゆっくり投稿です。

主婦が役立たず? どう思うかは勝手だけど、こっちも勝手にやらせて貰うから

渡里あずま
ファンタジー
安藤舞は、専業主婦である。ちなみに現在、三十二歳だ。 朝、夫と幼稚園児の子供を見送り、さて掃除と洗濯をしようとしたところで――気づけば、石造りの知らない部屋で座り込んでいた。そして映画で見たような古めかしいコスプレをした、外国人集団に囲まれていた。 「我々が召喚したかったのは、そちらの世界での『学者』や『医者』だ。それを『主婦』だと!? そんなごく潰しが、聖女になどなれるものか! 役立たずなどいらんっ」 「いや、理不尽!」 初対面の見た目だけ美青年に暴言を吐かれ、舞はそのまま無一文で追い出されてしまう。腹を立てながらも、舞は何としても元の世界に戻ることを決意する。 「主婦が役立たず? どう思うかは勝手だけど、こっちも勝手にやらせて貰うから」 ※※※ 専業主婦の舞が、主婦力・大人力を駆使して元の世界に戻ろうとする話です(ざまぁあり) ※重複投稿作品※ 表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。

復讐のための五つの方法

炭田おと
恋愛
 皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。  それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。  グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。  72話で完結です。

『悪役令嬢』は始めません!

月親
恋愛
侯爵令嬢アデリシアは、日本から異世界転生を果たして十八年目になる。そんな折、ここ数年ほど抱いてきた自身への『悪役令嬢疑惑』が遂に確信に変わる出来事と遭遇した。 突き付けられた婚約破棄、別の女性と愛を語る元婚約者……前世で見かけたベタ過ぎる展開。それを前にアデリシアは、「これは悪役令嬢な自分が逆ざまぁする方の物語では」と判断。 と、そこでアデリシアはハッとする。今なら自分はフリー。よって、今まで想いを秘めてきた片想いの相手に告白できると。 アデリシアが想いを寄せているレンは平民だった。それも二十も年上で子持ちの元既婚者という、これから始まると思われる『悪役令嬢物語』の男主人公にはおよそ当て嵌まらないだろう人。だからレンに告白したアデリシアに在ったのは、ただ彼に気持ちを伝えたいという思いだけだった。 ところがレンから来た返事は、「今日から一ヶ月、僕と秘密の恋人になろう」というものだった。 そこでアデリシアは何故『一ヶ月』なのかに思い至る。アデリシアが暮らすローク王国は、婚約破棄をした者は一ヶ月、新たな婚約を結べない。それを逆手に取れば、確かにその間だけであるならレンと恋人になることが可能だと。 アデリシアはレンの提案に飛び付いた。 そして、こうなってしまったからには悪役令嬢の物語は始めないようにすると誓った。だってレンは男主人公ではないのだから。 そんなわけで、自分一人で立派にざまぁしてみせると決意したアデリシアだったのだが―― ※この作品は、『小説家になろう』様でも公開しています。

処理中です...