BLACK EDGE

ピラフドリア

文字の大きさ
348 / 354

 第346話  【BLACK EDGE 其の346 格闘家】

しおりを挟む
 BLACK EDGE


 著者:pirafu doria
 作画:pirafu doria


 第346話
 【BLACK EDGE 其の346 格闘家】




 準々決勝第二回戦。アサギvsシオンの戦闘が始まった。



 ゴングと同時にシオンはアサギに向かって走り出した。そして拳を握りしめて、アサギのことを殴りつける。



 それに対してアサギは腕をぶらりと下げた状態のまま、何も動かずにその攻撃を受ける。



 アサギの腹にシオンの拳が当たる。アサギは殴り飛ばされて、舞台の端の方まで吹っ飛ぶが…………。



 シオンの強力なパンチを受けたというのに、アサギは何事もないかのように立っていた。



 シオンが驚いた表情でアサギを見る。そんなシオンにアサギは、



「お前は確かにパワーがある。だが、そんなお前に力勝負を挑む必要はない……」



 アサギは全身の力を抜く。それは脱力。



「槍を盾で止める必要はない。ただそれを受け流せば良い……」



 シオンはアサギが何をしたのか、理解できずにいる。






 そんな中、控え室で試合を見ていたリトゥーンが、アサギの技を見て反応する。




「…………あれは……」



「知ってるんですか?」



「知らない……」



「いや、知らないんですか!!」



 そんな会話をしているところに、サバトが現れた。



「……あれは脱力だ」



「脱力…………?」



 サバトの言葉を聞いたスカイは首を傾げる。リトゥーンは自分よりも解説できそうな奴が現れて、そのポジションが取られたと思ったのか、怒っている。



 サバトは説明を続ける。



「全身の力を抜き、自分に向かってくる力を受け止めるのではなく、外に逃す。それが師匠の使った技だ」



 アサギが言っていた通り、盾として受け止めるのではなく。攻撃を受け流すことでダメージを無くす。そういう技らしい。



 それを聞いたブラッドはアサギの技に驚く。



 そんなことが可能なのだろうか。可能だとしてもそんなにダメージを軽減出来るのもなのか。



 だが、シオンの技を受け切ったのだ。龍の力で強化されている拳だ。



 そんな拳を受け止めることができるとは……。



 そしてシオンの技が効かなかったとなると、ブラッドの技を効果があるのだろうか。



 どこまで防げるのかは分からない。だが、そんな技を見たのは初めてだった。






 シオンはアサギがダメージをないことを知ると、笑いだす。



 だが、大きく口を開けて笑った後、突然ピタリと笑いを止めた。そして真顔でアサギを睨む。



「俺の拳を受け止めただァァ? ふざけるなよォォォ!! その不思議な技も、お前の自信も、全て俺が踏み潰してやるァァァ!!」










しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~

スサノワ
ファンタジー
「ここわぁ、地獄かぁ――!?」  悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、気がつきゃ金糸のような髪の小娘に!? 「えっ、ファンタジーかと思ったぁ? 残っ念っ、ハイ坊主ハラペコSFファンタジーでしたぁ――ウケケケッケッ♪」  やかましぃやぁ。  ※小説家になろうさんにも投稿しています。投稿時は初稿そのまま。順次整えます。よろしくお願いします。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした

新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。 「もうオマエはいらん」 勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。 ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。 転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。 勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)

最強無敗の少年は影を従え全てを制す

ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。 産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。 カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。 しかし彼の力は生まれながらにして最強。 そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

合成師

あに
ファンタジー
里見瑠夏32歳は仕事をクビになって、やけ酒を飲んでいた。ビールが切れるとコンビニに買いに行く、帰り道でゴブリンを倒して覚醒に気付くとギルドで登録し、夢の探索者になる。自分の合成師というレアジョブは生産職だろうと初心者ダンジョンに向かう。 そのうち合成師の本領発揮し、うまいこと立ち回ったり、パーティーメンバーなどとともに成長していく物語だ。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

修復スキルで無限魔法!?

lion
ファンタジー
死んで転生、よくある話。でももらったスキルがいまいち微妙……。それなら工夫してなんとかするしかないじゃない!

処理中です...