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第4話 『ポムポム』
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ギルドでNo.1の冒険者パーティに見習いとして加入することになった俺は、最強の冒険者として教育される。
著者:ピラフドリア
第4話
『ポムポム』
「この試験はあなた達の力でクリアすることに意味があるの。だから私は力を貸せない」
美女はそう言ってそっぽを向く。しかし、俺は一つ気になることがある。
「この剣はいいのかよ?」
この剣は美女が途中で投げ渡してくれたものだ。それは手助けに入らないのだろうか。
「それは私が間違えて落としてしまったものだわ。拾ったものなら使っても問題ないんじゃないかしら」
「捻くれてるなぁ」
とはいえ、この美女は直接手を貸せないとはいえ、こうして俺達に剣を渡してくれた。俺は親指を立てると、
「お前、いい奴なんだな!!」
俺は思ったことを素直に伝えてみた。すると、美女はケッと息を吐き捨てて、
「クズが、なに当たり前なこと言ってんだ」
冷たくも恐怖を感じる目付きで睨みつけて来た。怖い、めっちゃ怖い。なんなのこの人!?
しかし、この人に助けられたのは事実だし、パーティに入れば、この人とは仲間になる。今のうちに仲良くなっておいた方がいいのかもしれない。
目つきが怖いが、俺は勇気を出して一歩踏み出す。
「なぁ、これから仲間になるかもしれないんだ。名前教えてくれないか?」
まずは名前を聞いて、そこから仲良くなろうとする。すると、美女は腕を組んで眉間にシワを寄せる。
「まずは自分から名乗りなさいよ」
「そ、そうですよね~」
めっちゃ怖い顔で怒られた。俺は半泣きになりながらも心を持ち直す。
「俺は平山 友だ」
「僕はエイコイ・ファンガス」
俺に続いてエイコイの自己紹介をする。それを聞き、美女は顎を上げるとフンと息を吐き、
「クッズとクズコイね」
と言い出した。それを聞き、エイコイは俺に縋り付く。
「クズコイ……。なぁ、なんなのこの人!!」
「良いじゃんまだ原型あるから。俺、クッズだぞ。何も残ってないんだぞ」
どっちにしろ。酷いんだが。
俺は文句を言うため、美女を睨み返す。
「なんでそんな呼び方するんだ!!」
しかし、美女はそっぽを向いて顔すら合わせてくれない。俺は持っている剣でも投げてやろうかと思ったが、美女は俺達に背を向けると、立ち去っていく。
「おい、聞くだけ聞いてどこ行くんだよ!!」
「私はレジーヌ・カートン。クズなあんたらに最後のアドバイスよ。そのまま真っ直ぐいけば、ポムポムはあるわよ。でも、簡単に取れるとは思わないことね」
レジーヌと名乗ると美女は去っていく。このまま逃げられても悔しいため、俺は持っていた剣を投げてみた。
カッコつけて去ろうとしてるところに、剣に当たって痛がるといい……と悪巧みをするが。
レジーヌは木の影に触れると、その影の中に吸い込まれるように入っていき、剣に当たることなく姿を消した。
「逃げられたか……」
俺は投げた剣を拾い上げて、仕返しができなかったことを悔しがる。まぁ、成功したらしたで後で報復されそうで怖い気持ちもあったのだが。
俺は変な名前をつけられて、ショックを受けたままのエイコイの背中を摩って慰める。そしてどうにか復活したエイコイに尋ねる。
「なぁ、エイコイ。レジーヌの言ってたこと本当かな?」
「ん、さぁ? しかし、当てもないわけだし、素直に従ってみようか」
「それもそうだな」
とりあえずはレジーヌの言う通りに、真っ直ぐ進んどみることにした。
しばらく進んでいると、前方に丘が見えた。小さな丘でその丘の頂上には一本の木が見える。
「エイコイ、あれってもしかして」
「ああ、あれがポムポムだ!!」
「よっしゃ! あれをとって試験合格だ!!」
俺達は意気揚々と、ポムポムを採取するため丘を登り出す。そこまで大きな丘ではない。軽く走ればすぐに丘を登り終えるはずなのだが……。
「はぁはぁ、なぁ、エイコイ。俺達、前に進んでるか?」
「進んでる。はずなんだけど……なぜだろう、進めてる気がしない」
「なんで!? 俺達走ってんだぞ!!」
っと、ここでやっと気がついた。俺とエイコイの走っている丘の地面。そこが下に向かってエスカレーターのように動いていた。
足場が下に向かって動いているため、俺達は一歩も進めていなかったのだ。
「どうなってんだ!! この地面は!!」
俺がそう叫ぶと、後ろを振り返ったエイコイが悲鳴を上げる。
「ユウ、後ろ!! 後ろをみてくれ!!」
俺はエイコイの言う通りに後ろを振り返ると、
「トゲ!?」
丘の下に生えていた草がトゲに変化して、もしも丘から転げ落ちればトゲで串刺しになってしまう。
「「なんじゃそりゃァァァァ!!!!」」
俺達はトゲに落ちないように、必死に走り続ける。そしてどうにか、回転している地面を突破して、丘の上へと辿り着いた。
「はぁはぁ、なんだったんだあれは」
俺はいまだに動いている地面に目をやる。
「あれは食人植物のプラントコンベアーだよ。仲間で協力して地面を掘って回転させて、獲物を肥料にするんだ」
「こわっ、なんだよその葉っぱは!!」
「動かせるのは根のある地面だけだし、あそこに近づかなければもう大丈夫だ」
最後にあんなトラップがあったなんて。しかし、これでやっとポムポムが手に入る。森に入ってから大変なことだらけだったが、これで試験合格だ。
俺達はポムポムを取るために木へと近づく。すると、目的の木が突然揺れ出した。
「なんだ、もしかしてこいつも食人とか!?」
俺が剣を持って木を警戒していると、エイコイが原因に気づいて木の上を指で指した。
「違うあいつだ!!」
俺も木の上を見ると、そこには小さめの自動車と同じサイズのゴリラが枝に掴まって、木を揺らしていた。
ゴリラはウホウホと雄叫びを上げながら、俺達のことを威嚇する。
「なんだあいつは、この木の番人か?」
俺があのゴリラの様子にそんなことを言うと、エイコイが思い出したというふうに手を叩いた。
「そうだ!! ポムポムって栄養豊富で保存の効くあの食料の材料か!! そしてその番人といえば!!」
勝手に思い出して納得しているエイコイ。俺は分からずにエイコイになんだのか説明を求める。
「なんなんだよ。一人で解決するなよ」
「一部の冒険者は保続の効く食料として、ある木の実を入れたクッキーを持ち運ぶんだ。その木の実には水分や雑菌を寄せ付けない効果がある。だから、まずはその基本となる食料を入手できるかを試験にしたんだ」
「ふ~ん」
突然、早口で語り出し、俺はついていけずにポカーンと適当に返事をする。
「そしてその木の実の守護者と言われるのが、あらゆる土地に定着して生息し、どんな土地にも適応できるという、あのプープーだ!!」
「ほ~ん」
俺は適当に話を聞き流していると、プープーと呼ばれたゴリラが腹を叩いてさらに威嚇を始める。
その姿にエイコイは剣を構える。
「ユウ、警戒して!」
「おう!」
俺もエイコイと同じように剣を構えた。木の枝に捕まっていたプープーは高くジャンプして、木から飛び降りる。
動物園にいるゴリラよりも明らかにデカいゴリラに、俺は剣がプルプルと震える。
「なぁ、エイコイ。俺達はコイツと戦うの?」
「プープーはポムポムを守る習性がある。果実だけ取って逃げてもどうせ追われるよ。なら、戦った方がいい!!」
俺は剣が震えているというのに、エイコイは自信に満ちた表情でそんなことを口にする。
俺はエイコイは同類だと思っていたが、もしかして勇敢なやつなのか?
こんなでっかいゴリラと正面から戦おうとするなんて……。
「プープーはモンスターから身を守るために特殊な生態を持つ。その生態を活かせば、僕達でもポムポムは採取できる」
「特殊な生態……」
プープーは両手をお尻の辺りへと移動させる。その姿にエイコイは警戒を強める。
「来るぞ」
「何が!?」
プープーは歯を剥き出しにして腹の下に力を入れる。すると、プーという音と共に強烈な臭いが辺りに漂った。
「お、おいまさか!!」
プープーはお尻から出したそれを俺達に向かって投げてきた。
「うおおぉぁぁぁっ!? コイツ、クソ投げてきやがった!!!!」
俺とエイコイは左右に分かれて、その物体を回避した。
「プープーは糞を投げて攻撃する習性を持ってるんだ!!」
「なんじゃその生態は!!」
「モンスターは生命力の高い動物を狙う。だから、敵が現れたら栄養素を体外に出して自身の生命力を一時的に下げる。そうしてモンスターから身を守っているんだ」
「コイツもモンスターじゃないのかよ!!」
俺達が攻撃を避けて、プープーは次の弾を補充する。そして俺達は左右に分かれているため、プープーは標的を俺に絞った。
「また投げてきやがったァァァ」
次々とブツを投げてくるプープー。俺はそのブツに触れたくないため、必死で物体を避けていく。
エイコイは安全地帯から腕を上げ下げして俺を応援する。
「頑張れユウ!! 避け続ければ疲れて出なくなる!!」
「出なくなる前にお前が後ろから攻撃しろよ!!」
俺は避けながらエイコイに後ろからプープーを攻撃するように言う。しかし、
「プープーの毛は鋼も通さない! 出なくなって倒れるのを待った方が効率的だ!!」
「効率のために俺を犠牲にするな!!」
俺は文句を言いながらも必死に糞を避け続けた。途中でエイコイにターゲットが移り、俺が一時的に休憩する時間ができたりしながら、15分間という長い時間、糞を発射し続けたプープーは。
「ついに力尽きたか」
「マジでゲッソリしてるじゃねーか」
もう糞が出なくなって、骨みたいに体型になって倒れた。最初に見た時のガッチリとした体格の面影はなく、萎れた枝みたいになっている。
その様子になんだか可哀想になる。
「なぁ、このままで良いのか? コイツ大丈夫なの?」
俺はエイコイに聞くと、すでに木に登っていたエイコイは、
「プープーも最低限のエネルギーは残してるさ。動けはしなくても、近くに生えてる雑草や土を食って、復活するさ」
「うんこ投げ機の癖に意外とたくましいんだな」
そこまで生命力が高いのなら、そういう方法でモンスターから身を守らないで戦えば良いのにとは思ったが、口には出さないでおく。
っと、木に登っていたエイコイは俺に何かを投げた。
「ユウ、受け取れ!」
「お!」
エイコイが投げてきたのは、木に実っていた果実。ということはこれがポムポムということだ。
俺はポムポムをキャッチし、エイコイもポムポムをゲットして木から降りてくる。
「やったな、エイコイ。これで試験合格だな」
「ああ、これで俺達は冒険者だ!!」
俺とエイコイはハイタッチをして喜んだ。
これから地獄が始まるということも知らずに。
著者:ピラフドリア
第4話
『ポムポム』
「この試験はあなた達の力でクリアすることに意味があるの。だから私は力を貸せない」
美女はそう言ってそっぽを向く。しかし、俺は一つ気になることがある。
「この剣はいいのかよ?」
この剣は美女が途中で投げ渡してくれたものだ。それは手助けに入らないのだろうか。
「それは私が間違えて落としてしまったものだわ。拾ったものなら使っても問題ないんじゃないかしら」
「捻くれてるなぁ」
とはいえ、この美女は直接手を貸せないとはいえ、こうして俺達に剣を渡してくれた。俺は親指を立てると、
「お前、いい奴なんだな!!」
俺は思ったことを素直に伝えてみた。すると、美女はケッと息を吐き捨てて、
「クズが、なに当たり前なこと言ってんだ」
冷たくも恐怖を感じる目付きで睨みつけて来た。怖い、めっちゃ怖い。なんなのこの人!?
しかし、この人に助けられたのは事実だし、パーティに入れば、この人とは仲間になる。今のうちに仲良くなっておいた方がいいのかもしれない。
目つきが怖いが、俺は勇気を出して一歩踏み出す。
「なぁ、これから仲間になるかもしれないんだ。名前教えてくれないか?」
まずは名前を聞いて、そこから仲良くなろうとする。すると、美女は腕を組んで眉間にシワを寄せる。
「まずは自分から名乗りなさいよ」
「そ、そうですよね~」
めっちゃ怖い顔で怒られた。俺は半泣きになりながらも心を持ち直す。
「俺は平山 友だ」
「僕はエイコイ・ファンガス」
俺に続いてエイコイの自己紹介をする。それを聞き、美女は顎を上げるとフンと息を吐き、
「クッズとクズコイね」
と言い出した。それを聞き、エイコイは俺に縋り付く。
「クズコイ……。なぁ、なんなのこの人!!」
「良いじゃんまだ原型あるから。俺、クッズだぞ。何も残ってないんだぞ」
どっちにしろ。酷いんだが。
俺は文句を言うため、美女を睨み返す。
「なんでそんな呼び方するんだ!!」
しかし、美女はそっぽを向いて顔すら合わせてくれない。俺は持っている剣でも投げてやろうかと思ったが、美女は俺達に背を向けると、立ち去っていく。
「おい、聞くだけ聞いてどこ行くんだよ!!」
「私はレジーヌ・カートン。クズなあんたらに最後のアドバイスよ。そのまま真っ直ぐいけば、ポムポムはあるわよ。でも、簡単に取れるとは思わないことね」
レジーヌと名乗ると美女は去っていく。このまま逃げられても悔しいため、俺は持っていた剣を投げてみた。
カッコつけて去ろうとしてるところに、剣に当たって痛がるといい……と悪巧みをするが。
レジーヌは木の影に触れると、その影の中に吸い込まれるように入っていき、剣に当たることなく姿を消した。
「逃げられたか……」
俺は投げた剣を拾い上げて、仕返しができなかったことを悔しがる。まぁ、成功したらしたで後で報復されそうで怖い気持ちもあったのだが。
俺は変な名前をつけられて、ショックを受けたままのエイコイの背中を摩って慰める。そしてどうにか復活したエイコイに尋ねる。
「なぁ、エイコイ。レジーヌの言ってたこと本当かな?」
「ん、さぁ? しかし、当てもないわけだし、素直に従ってみようか」
「それもそうだな」
とりあえずはレジーヌの言う通りに、真っ直ぐ進んどみることにした。
しばらく進んでいると、前方に丘が見えた。小さな丘でその丘の頂上には一本の木が見える。
「エイコイ、あれってもしかして」
「ああ、あれがポムポムだ!!」
「よっしゃ! あれをとって試験合格だ!!」
俺達は意気揚々と、ポムポムを採取するため丘を登り出す。そこまで大きな丘ではない。軽く走ればすぐに丘を登り終えるはずなのだが……。
「はぁはぁ、なぁ、エイコイ。俺達、前に進んでるか?」
「進んでる。はずなんだけど……なぜだろう、進めてる気がしない」
「なんで!? 俺達走ってんだぞ!!」
っと、ここでやっと気がついた。俺とエイコイの走っている丘の地面。そこが下に向かってエスカレーターのように動いていた。
足場が下に向かって動いているため、俺達は一歩も進めていなかったのだ。
「どうなってんだ!! この地面は!!」
俺がそう叫ぶと、後ろを振り返ったエイコイが悲鳴を上げる。
「ユウ、後ろ!! 後ろをみてくれ!!」
俺はエイコイの言う通りに後ろを振り返ると、
「トゲ!?」
丘の下に生えていた草がトゲに変化して、もしも丘から転げ落ちればトゲで串刺しになってしまう。
「「なんじゃそりゃァァァァ!!!!」」
俺達はトゲに落ちないように、必死に走り続ける。そしてどうにか、回転している地面を突破して、丘の上へと辿り着いた。
「はぁはぁ、なんだったんだあれは」
俺はいまだに動いている地面に目をやる。
「あれは食人植物のプラントコンベアーだよ。仲間で協力して地面を掘って回転させて、獲物を肥料にするんだ」
「こわっ、なんだよその葉っぱは!!」
「動かせるのは根のある地面だけだし、あそこに近づかなければもう大丈夫だ」
最後にあんなトラップがあったなんて。しかし、これでやっとポムポムが手に入る。森に入ってから大変なことだらけだったが、これで試験合格だ。
俺達はポムポムを取るために木へと近づく。すると、目的の木が突然揺れ出した。
「なんだ、もしかしてこいつも食人とか!?」
俺が剣を持って木を警戒していると、エイコイが原因に気づいて木の上を指で指した。
「違うあいつだ!!」
俺も木の上を見ると、そこには小さめの自動車と同じサイズのゴリラが枝に掴まって、木を揺らしていた。
ゴリラはウホウホと雄叫びを上げながら、俺達のことを威嚇する。
「なんだあいつは、この木の番人か?」
俺があのゴリラの様子にそんなことを言うと、エイコイが思い出したというふうに手を叩いた。
「そうだ!! ポムポムって栄養豊富で保存の効くあの食料の材料か!! そしてその番人といえば!!」
勝手に思い出して納得しているエイコイ。俺は分からずにエイコイになんだのか説明を求める。
「なんなんだよ。一人で解決するなよ」
「一部の冒険者は保続の効く食料として、ある木の実を入れたクッキーを持ち運ぶんだ。その木の実には水分や雑菌を寄せ付けない効果がある。だから、まずはその基本となる食料を入手できるかを試験にしたんだ」
「ふ~ん」
突然、早口で語り出し、俺はついていけずにポカーンと適当に返事をする。
「そしてその木の実の守護者と言われるのが、あらゆる土地に定着して生息し、どんな土地にも適応できるという、あのプープーだ!!」
「ほ~ん」
俺は適当に話を聞き流していると、プープーと呼ばれたゴリラが腹を叩いてさらに威嚇を始める。
その姿にエイコイは剣を構える。
「ユウ、警戒して!」
「おう!」
俺もエイコイと同じように剣を構えた。木の枝に捕まっていたプープーは高くジャンプして、木から飛び降りる。
動物園にいるゴリラよりも明らかにデカいゴリラに、俺は剣がプルプルと震える。
「なぁ、エイコイ。俺達はコイツと戦うの?」
「プープーはポムポムを守る習性がある。果実だけ取って逃げてもどうせ追われるよ。なら、戦った方がいい!!」
俺は剣が震えているというのに、エイコイは自信に満ちた表情でそんなことを口にする。
俺はエイコイは同類だと思っていたが、もしかして勇敢なやつなのか?
こんなでっかいゴリラと正面から戦おうとするなんて……。
「プープーはモンスターから身を守るために特殊な生態を持つ。その生態を活かせば、僕達でもポムポムは採取できる」
「特殊な生態……」
プープーは両手をお尻の辺りへと移動させる。その姿にエイコイは警戒を強める。
「来るぞ」
「何が!?」
プープーは歯を剥き出しにして腹の下に力を入れる。すると、プーという音と共に強烈な臭いが辺りに漂った。
「お、おいまさか!!」
プープーはお尻から出したそれを俺達に向かって投げてきた。
「うおおぉぁぁぁっ!? コイツ、クソ投げてきやがった!!!!」
俺とエイコイは左右に分かれて、その物体を回避した。
「プープーは糞を投げて攻撃する習性を持ってるんだ!!」
「なんじゃその生態は!!」
「モンスターは生命力の高い動物を狙う。だから、敵が現れたら栄養素を体外に出して自身の生命力を一時的に下げる。そうしてモンスターから身を守っているんだ」
「コイツもモンスターじゃないのかよ!!」
俺達が攻撃を避けて、プープーは次の弾を補充する。そして俺達は左右に分かれているため、プープーは標的を俺に絞った。
「また投げてきやがったァァァ」
次々とブツを投げてくるプープー。俺はそのブツに触れたくないため、必死で物体を避けていく。
エイコイは安全地帯から腕を上げ下げして俺を応援する。
「頑張れユウ!! 避け続ければ疲れて出なくなる!!」
「出なくなる前にお前が後ろから攻撃しろよ!!」
俺は避けながらエイコイに後ろからプープーを攻撃するように言う。しかし、
「プープーの毛は鋼も通さない! 出なくなって倒れるのを待った方が効率的だ!!」
「効率のために俺を犠牲にするな!!」
俺は文句を言いながらも必死に糞を避け続けた。途中でエイコイにターゲットが移り、俺が一時的に休憩する時間ができたりしながら、15分間という長い時間、糞を発射し続けたプープーは。
「ついに力尽きたか」
「マジでゲッソリしてるじゃねーか」
もう糞が出なくなって、骨みたいに体型になって倒れた。最初に見た時のガッチリとした体格の面影はなく、萎れた枝みたいになっている。
その様子になんだか可哀想になる。
「なぁ、このままで良いのか? コイツ大丈夫なの?」
俺はエイコイに聞くと、すでに木に登っていたエイコイは、
「プープーも最低限のエネルギーは残してるさ。動けはしなくても、近くに生えてる雑草や土を食って、復活するさ」
「うんこ投げ機の癖に意外とたくましいんだな」
そこまで生命力が高いのなら、そういう方法でモンスターから身を守らないで戦えば良いのにとは思ったが、口には出さないでおく。
っと、木に登っていたエイコイは俺に何かを投げた。
「ユウ、受け取れ!」
「お!」
エイコイが投げてきたのは、木に実っていた果実。ということはこれがポムポムということだ。
俺はポムポムをキャッチし、エイコイもポムポムをゲットして木から降りてくる。
「やったな、エイコイ。これで試験合格だな」
「ああ、これで俺達は冒険者だ!!」
俺とエイコイはハイタッチをして喜んだ。
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