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A-4-o おはよう親愛なる貴方
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これは夢の中なのだろうか。この真っ暗闇の世界が現実では無いだろう。僕は現在落ち続けている。落下しているのだ。ベッドに入って電気を消してスマホを充電して明日のアラームを10分置きに5時に起きれるよう合わせた所までは覚えているが、何を間違えたのか今僕は底が見えない何処かを小一時間落ち続けている。手元にスマホも懐中電灯も無いから落ちている先に何があるのか全く皆目見当もつかない。何処かで聞いた話だが人間の体が耐えられる重力は4Gだとか、五百円玉を大気圏の所から落としたら人間を殺せるだとかそんな話。要はこのまま僕が落ちて最終的にはぐちゃぐちゃのトマトケチャップ然り、缶詰に詰まるくらい綺麗なソースになってしまうんじゃないかと思うのだ。ふいに、「誰かいませんか~」と落ちながらだから震えてたかも知れないが出来るだけ大きな声で言ってみた。するとどうだろう返ってきた。僕の上からというのは正しくないか。僕は頭を下に向けて落ちているから足元の方から人の声がした。「どうかしました?」女性の声だ。この状況で「どうかしました?」と聞ける人間性がぶっ壊れてんじゃあないかっていう所はさて置き、いや置けない。落ち続けている人間に対して飛行機の中のキャビンアテンダントみたいに質問された時の全く何も問題有りませんよ的なお客様対応をされたのが苛ついた、というより怒りを通り越して驚いてしまった。だから僕は「あ、すみません。どこ行きの便でしょうか」と普通に聞いてしまった。僕が会話をしたことが不味かったのか女性はうんともすんとも言わなかった。ので僕は「聞こえます?」と首を傾げてやった。歯医者で頭を足より下にすることがあるが、血液が頭に溜まると良くないとかそんな事の倍くらい僕は頭に血が上って改め、下がり溜まりに溜まっている。このまま何も返事が返ってこなかったら怒りで我を忘れて僕は空中で暴れ回ってやると決意した。恐らく保育園児くらいの餓鬼がスーパーで欲しい玩具を買って貰えない時と同じかそれ以上にヤダヤダ踊りを暗闇の中で披露することになる。
「質問を質問で返されたので日本の教育水準が下がったのか、若しくは貴方が教育そのものを受けたことの無い人間かと呆れてしまっていた所です。全く、どうやってここまで生きてきたのか聞きたいものです。」
返ってきたのはヤダヤダ踊りを僕がやり始めた瞬間である。この女性、いや女は質問を質問で返しただけなのにこんな酷いことを平気で言う奴だった。全く、どうやってここまで嫌われずに生きてきたのか聞きたいものだ。
「ところで呼んだのは私に嫌味を言って欲しくて呼んだのですか?急にドMにならないでください。豚が人間の言葉話すなんて器用な事良く出来ますね、褒めましょうか。いや畜生は畜生らしくブヒブヒ豚語を喋りましょうよ。豚世界では世界共通語でしょう?」
ん~悪口。チクチク言葉かな、なんだろう目覚めそうだ。色んな意味で目覚められたら良いのだが方向性が違うようで色欲の方でしか目覚めるのとは叶わないらしい。
「君は誰なの?僕を躾にSM倶楽部から華麗に参上した女王様?が呆れることに僕と同じように、こんな暗闇の中を優雅に落ち続けているとは考えにくi…」と僕が話してる最中に女は僕の話を遮った。違うな遮ったというのは表現で間違っている。状況を話すなら僕の顔面は漫画みたいに内側に入ってしまった。急に現れた足の裏が僕の顔面にめり込んだのだ。嬉しいことに知らないおっさんの汚い汗臭く黄ばんだ足ではなく女性の手入れされた爪と血色の悪い綺麗な足だった。喜ばしい限りである。
「覚えていないのですか?この頭蓋骨の何%を脳味噌が占めているのか此処で解剖しても構いませんか?」
「ごめん本当に思い出せないんだよ…あパンツ。」
足が右耳の方にズレて視界が戻ると1番に見えたのは白いパンツだった。次にスカート、というかパンツとスカートしか見えない。人間と分かる部分はパンツから生えてる生足だけだ。
「ん~、妖怪に知り合いは居ない筈なんだけど」と僕が頭を抱える振りをすると女のスカートがパラボラアンテナの役割をしたのか、僕の発言にムカついたのか急に僕を踏んだ足と逆の足で空中回し蹴りを僕のみぞおちに当てて来やがった。「ぐへっ」とか「げほっ」とか言おうとしたがその前に僕は吹き飛ばされて壁にぶつかった。暗闇は壁があった。材質は石だろうか僕がぶつかった所は少し崩れて僕が少しの間休憩できるようスペースが取られたのだが、背中が痛いと同時に下を見ると女がスカートに上半身を包まれながら落ちて行くのが見えた。普通に笑いそうになったが笑いを堪えて僕は又空中に飛び込む。今度は自分からだ。スカートで空気抵抗を管理しているのか僕みたいに加速しながら落ちている訳では無いらしい。飛び込んだ僕は彼女を追い越す前に彼女のパンツと目が合った瞬間、「一目惚れしました、僕とこれからランチに行かないかい?」と言ってみた。
スカートを調整して彼女が僕の顔を越すように降りて来た。
「パンツに!?それともスカートで見えない私の顔に?」
「そうやって顔を見せる為に降りて来てくれるのが嬉しい。あぁ解った、君が誰なのか」
「記憶が曖昧であっても私の声くらい分かって欲しいものですっ」彼女が僕を掴んだことによって一緒に落ち始めた。僕の腕をガッシリ掴んだ手は大人の女性のもので逆の手にはキラッと光るものが付いている。「嗚呼可哀想な人、未だ私を誰か解っていないのですね。」と僕の左手に抱きついた事によって僕の目の前は暗くなった。パンツだ。僕は今パンツに顔面を擦りつけている。「この匂いは」と言えば凄く僕が変態な人間に感じるだろうから敢えて言わないが僕は知っている。彼女は悲しそうに僕の左手にキスをした。
「そろそろ起きて。アラームが鳴っています」
それが最後だった。目が覚めるとスマホが鳴っている。横には誰もいないし勿論僕の腕の中には何も無い。先程の落ちて行く記憶も僕の頭では徐々にあやふやになって消えて行く。肩が重い。僕の肩に誰かの頭が乗っているのだろう。それが誰なのか僕は知っているし守護霊とか善良な霊では無いとはっきり解っている。彼女は僕に話しかける。「早く起きなければ仕事に間に合いません。布団を直す時間は無さそうですね。」後ろを見ると今日は寝相が悪かったようで4枚重ねの布団はぐちゃぐちゃに絡まっていた。
「おはよう今日も手伝ってくれるのかい?」
「はい、早く私と来てもらう為に努力は惜しみませんよ。」
僕の後ろに漂っている彼女は今日も僕に憑き纏う。
作・˙˚ 𓆩 ✞ 𓆪 ˚˙
「質問を質問で返されたので日本の教育水準が下がったのか、若しくは貴方が教育そのものを受けたことの無い人間かと呆れてしまっていた所です。全く、どうやってここまで生きてきたのか聞きたいものです。」
返ってきたのはヤダヤダ踊りを僕がやり始めた瞬間である。この女性、いや女は質問を質問で返しただけなのにこんな酷いことを平気で言う奴だった。全く、どうやってここまで嫌われずに生きてきたのか聞きたいものだ。
「ところで呼んだのは私に嫌味を言って欲しくて呼んだのですか?急にドMにならないでください。豚が人間の言葉話すなんて器用な事良く出来ますね、褒めましょうか。いや畜生は畜生らしくブヒブヒ豚語を喋りましょうよ。豚世界では世界共通語でしょう?」
ん~悪口。チクチク言葉かな、なんだろう目覚めそうだ。色んな意味で目覚められたら良いのだが方向性が違うようで色欲の方でしか目覚めるのとは叶わないらしい。
「君は誰なの?僕を躾にSM倶楽部から華麗に参上した女王様?が呆れることに僕と同じように、こんな暗闇の中を優雅に落ち続けているとは考えにくi…」と僕が話してる最中に女は僕の話を遮った。違うな遮ったというのは表現で間違っている。状況を話すなら僕の顔面は漫画みたいに内側に入ってしまった。急に現れた足の裏が僕の顔面にめり込んだのだ。嬉しいことに知らないおっさんの汚い汗臭く黄ばんだ足ではなく女性の手入れされた爪と血色の悪い綺麗な足だった。喜ばしい限りである。
「覚えていないのですか?この頭蓋骨の何%を脳味噌が占めているのか此処で解剖しても構いませんか?」
「ごめん本当に思い出せないんだよ…あパンツ。」
足が右耳の方にズレて視界が戻ると1番に見えたのは白いパンツだった。次にスカート、というかパンツとスカートしか見えない。人間と分かる部分はパンツから生えてる生足だけだ。
「ん~、妖怪に知り合いは居ない筈なんだけど」と僕が頭を抱える振りをすると女のスカートがパラボラアンテナの役割をしたのか、僕の発言にムカついたのか急に僕を踏んだ足と逆の足で空中回し蹴りを僕のみぞおちに当てて来やがった。「ぐへっ」とか「げほっ」とか言おうとしたがその前に僕は吹き飛ばされて壁にぶつかった。暗闇は壁があった。材質は石だろうか僕がぶつかった所は少し崩れて僕が少しの間休憩できるようスペースが取られたのだが、背中が痛いと同時に下を見ると女がスカートに上半身を包まれながら落ちて行くのが見えた。普通に笑いそうになったが笑いを堪えて僕は又空中に飛び込む。今度は自分からだ。スカートで空気抵抗を管理しているのか僕みたいに加速しながら落ちている訳では無いらしい。飛び込んだ僕は彼女を追い越す前に彼女のパンツと目が合った瞬間、「一目惚れしました、僕とこれからランチに行かないかい?」と言ってみた。
スカートを調整して彼女が僕の顔を越すように降りて来た。
「パンツに!?それともスカートで見えない私の顔に?」
「そうやって顔を見せる為に降りて来てくれるのが嬉しい。あぁ解った、君が誰なのか」
「記憶が曖昧であっても私の声くらい分かって欲しいものですっ」彼女が僕を掴んだことによって一緒に落ち始めた。僕の腕をガッシリ掴んだ手は大人の女性のもので逆の手にはキラッと光るものが付いている。「嗚呼可哀想な人、未だ私を誰か解っていないのですね。」と僕の左手に抱きついた事によって僕の目の前は暗くなった。パンツだ。僕は今パンツに顔面を擦りつけている。「この匂いは」と言えば凄く僕が変態な人間に感じるだろうから敢えて言わないが僕は知っている。彼女は悲しそうに僕の左手にキスをした。
「そろそろ起きて。アラームが鳴っています」
それが最後だった。目が覚めるとスマホが鳴っている。横には誰もいないし勿論僕の腕の中には何も無い。先程の落ちて行く記憶も僕の頭では徐々にあやふやになって消えて行く。肩が重い。僕の肩に誰かの頭が乗っているのだろう。それが誰なのか僕は知っているし守護霊とか善良な霊では無いとはっきり解っている。彼女は僕に話しかける。「早く起きなければ仕事に間に合いません。布団を直す時間は無さそうですね。」後ろを見ると今日は寝相が悪かったようで4枚重ねの布団はぐちゃぐちゃに絡まっていた。
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