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それぞれのその後〜フローラ〜
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「フローラ!」
「早くやりなさいよ!」
「何やってんのよ!」
次々と浴びせられる罵声。
――こんなはずじゃなかったのに。
私は王妃になるはずだったのに。
なんで、こんな平民たちに、こんなこと言われなきゃいけないの。
「あっ、今こいつ、こっち睨んだわよ」
「嘘、生意気!」
「睨んだって怖くないわよ~」
嘲り笑うその声に、思わずカッとなる。
「何よ、あんたたちなんか平民のくせして!」
つい、言わなくてもいいことを言ってしまった。
「あら~、口答えしたわあ」
「しかも“平民のくせに”ですって」
「あなたも平民じゃない」
「違うわっ! 私はもともと貴族よ! あんたたちとは流れている血が違うのよ!」
――もう、止まらなかった。
「……ですって」
「へえ~」
「じゃあ」
「見せてもらえるの? その“綺麗な血”とやらを」
ぞくり。
笑いながら近づいてくる女たち。
そのうちの一人が手を振り上げた――
「はい、そこまででーす!」
係員が間に入る。
「叩いちゃダメですよ、お客さん。そういう約束でしたでしょう?」
「あー、そうだったわねえ」
「だってこいつ、ほんっとにウザかったんだもん」
「つい手が出そうになったわ~」
「それほど“いじめがい”があるってもんでしょう?」
「そうね、素晴らしかったわ」
「スッキリしたわあ」
「本当なら、こんなことできないもんねえ」
「はい、スッキリなされたなら何よりです。お気に召されたなら、またお越しください」
「ええ。他にも相手がいるんでしたっけ?」
「はい。他にもおりますんで、ぜひまたお立ち寄りください」
「そうなのね。みんなにも宣伝しておくわ」
「“いじめ体験屋”って何かと思ったけど……」
「スッキリするような、もやもやするような感じよねえ」
「ここにいる奴らは全員、その“もやもや”がない連中なんですよ。だから、どんどんいじめてやってください」
「あら。もともと“いじめてた側”なの?」
「そうですよ。いじめていたのに、罪悪感を持たなかった奴らが、ここに収容されてるんです」
「そうなのぉ……じゃあ、いじめられても仕方ないのねぇ」
――笑い声が遠ざかる。
フローラの耳に、まだ自分の悲鳴だけが残っていた。
「早くやりなさいよ!」
「何やってんのよ!」
次々と浴びせられる罵声。
――こんなはずじゃなかったのに。
私は王妃になるはずだったのに。
なんで、こんな平民たちに、こんなこと言われなきゃいけないの。
「あっ、今こいつ、こっち睨んだわよ」
「嘘、生意気!」
「睨んだって怖くないわよ~」
嘲り笑うその声に、思わずカッとなる。
「何よ、あんたたちなんか平民のくせして!」
つい、言わなくてもいいことを言ってしまった。
「あら~、口答えしたわあ」
「しかも“平民のくせに”ですって」
「あなたも平民じゃない」
「違うわっ! 私はもともと貴族よ! あんたたちとは流れている血が違うのよ!」
――もう、止まらなかった。
「……ですって」
「へえ~」
「じゃあ」
「見せてもらえるの? その“綺麗な血”とやらを」
ぞくり。
笑いながら近づいてくる女たち。
そのうちの一人が手を振り上げた――
「はい、そこまででーす!」
係員が間に入る。
「叩いちゃダメですよ、お客さん。そういう約束でしたでしょう?」
「あー、そうだったわねえ」
「だってこいつ、ほんっとにウザかったんだもん」
「つい手が出そうになったわ~」
「それほど“いじめがい”があるってもんでしょう?」
「そうね、素晴らしかったわ」
「スッキリしたわあ」
「本当なら、こんなことできないもんねえ」
「はい、スッキリなされたなら何よりです。お気に召されたなら、またお越しください」
「ええ。他にも相手がいるんでしたっけ?」
「はい。他にもおりますんで、ぜひまたお立ち寄りください」
「そうなのね。みんなにも宣伝しておくわ」
「“いじめ体験屋”って何かと思ったけど……」
「スッキリするような、もやもやするような感じよねえ」
「ここにいる奴らは全員、その“もやもや”がない連中なんですよ。だから、どんどんいじめてやってください」
「あら。もともと“いじめてた側”なの?」
「そうですよ。いじめていたのに、罪悪感を持たなかった奴らが、ここに収容されてるんです」
「そうなのぉ……じゃあ、いじめられても仕方ないのねぇ」
――笑い声が遠ざかる。
フローラの耳に、まだ自分の悲鳴だけが残っていた。
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