【完結・番外編更新中】異世界令嬢生活は、思ったよりもしんどいです。

桜野なつみ

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クラリス小話②聞いてみたかったこと

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前世の記憶を持つクラリス。
京都の隅っこ、大阪側で育ったあの頃の記憶が、どうしても消えない。

そして、この世界に生まれて25年。
彼らと出会って20年。

思い切って、ずっと聞いてみたかったことを口にした。

「リクロー、あなた……チーズケーキ好き?」

「……チーズ……ケーキ? なんですかそれ」
「ふわっとして、しゅわっとして、めっちゃ美味しいやつや!」
「すみません……聞いたこともありません」

「ステラ、あなたは? ボコボコしたクッキー好き?」

「ぼ、ボコボコ……? 甘いんですか?」
「そう! サクッとして、ボコッとして、止まらんやつ!」
「……存じません……」

二人が首をかしげるのを見て、クラリスはモヤモヤした。
ジグソーパズルの最後の1ピースがどうしてもハマらない――そんな感覚。



数ヶ月後。

――焼き上がったチーズケーキには、リクローにそっくりなキャラクターの焼印。
――クッキーの袋には、ステラにそっくりなキャラクター。

「な、なんで俺の顔が……!」
「わ、わたしまで……!」

阿鼻叫喚の二人を前に、クラリスは晴れやかな笑顔で言った。

「ああ、スッキリした!」



その後、この“リクロー印”と“ステラ印”のスイーツが、
王室御用達のお土産として大人気になるとは、まだ誰も知らない。
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