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エルデリオンの幸福な始まり
王子居室を訪れたエウロペ
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レジィは寝台で体を休めてる時、エリューンが囁くのを聞いた。
「…剣の練習相手に、なってくれる?」
レジィはこくん。
と頷いた。
テリュスは居間の食卓テーブルで、頭を抱えてエウロペに貰った薬酒をあおっていたが、庭でエリューンがレジィ相手に、剣を振り始めるのを見た。
エリューンは慣れた様子で剣を構え、突っ込んで来るレジィの剣を、軽くさばく。
数回、ひらりと避けられ剣を叩かれ。
とうとうレジィはムキになって斬りかかって行った。
エリューンは思いっきりレジィの剣を叩き、剣はレジィの握る手から離れ、宙を飛ぶ。
レジィは慌てて土に突き刺さった剣を拾いに走り、刺さった土から剣を抜き去り。
剣を下げてるエリューンに、再び斬りかかって行くのを見て、ため息吐く。
エウロペと女将さんは厨房から出て来る。
女将さんは、エウロペに
「皿洗いを手伝ってくれて、ありがとう」
と笑顔で告げ、玄関から出て行った。
テリュスはエウロペが、テーブルに付くものだと思い、待ってたけど。
エウロペは近寄って、微笑んで告げる。
「ちょっと王宮まで行ってくる」
そしてくるりと背を向け、玄関を出て行ってしまった。
仕方無く、テリュスは視線を庭に戻す。
案の定、またレジィの剣は飛んでいて。
レジィは土に刺さった剣を、引き抜いていた。
デルデロッテはノックの音が聞こえ、ため息を吐く。
「…少し休ませた後、もっと君が色っぽくなる、やらしいのをしようと思ったのに…」
言ってガウンを羽織り、寝台を出る。
エルデリオンはぐったり身を寝台に投げていたけど。
デルデの言葉が後から理解出来、思わず呟いた。
「…色っぽくなる…やらしい…こと…???」
デルデが扉を開けると、エウロペが立っていた。
「…お邪魔だった?」
デルデロッテは扉を開けてエウロペを中に招き入れながら呟く。
「第一ラウンドが、終わったとこ」
エウロペは聞いた途端、扉を潜らず歩をピタリ!と止めた。
「…じゃ、ここで。
午後四点鐘頃を予定してるけど、三点鐘でも多分、大丈夫だと思う。
エルデリオンをトラーテルへ」
デルデロッテはチラ…と居間の扉の奥に視線を送り、頷く。
「…それ伝えると。
二ラウンド目が出来なくて、エルデリオンが泣くのを慰める事になりそう」
エウロペは肩すくめた。
「…じゃ先に、王妃に来て貰う?」
デルデロッテはぼやく。
「そりゃ面会できるなら。
エルデリオンは真っ先に会いたいだろうから。
そんな事になったら私が恨まれる」
エウロペは長身のデルデロッテの、冴えた美貌を見つめ、問う。
「ナイとは思うが…。
あれだけ恋い焦がれたレジィに、エルデリオンを会わせるのが。
実は、心配?」
デルデは濃いくねる栗毛の前髪を、指で梳き上げて呟く。
「…そっちじゃなくて…エルデリオンが感傷的になると。
流石の私も、寝技に持ち込みにくい」
エウロペは心底呆れた。
「昨夜から、暇さえあれば抱いてるのか?」
デルデロッテは頷く。
「自分の思いを抑え、我慢してた数年分と。
私より貴方を指名した鬱憤晴らしが、さ程出来て無くて。
彼を見ると、甘々に甘やかして抱きたい気分と。
うんと虐めたい気分の間を、彷徨ってる」
エウロペはとうとう、顔下げてため息吐いた。
「…つまり私にも、怒ってる?」
デルデは首を傾げた。
「…どうして?
君は君の国に攻め込むと無茶言われて従うしか無かった、私と同じ気分を味合わされたに過ぎないし。
馬車でのエルデリオンの行為を、止めに入ろうとした君たちを阻んだ、私とロットバルトを許してくれたろう?」
エウロペはとうとう、苦笑した。
「…君が年の割に落ち着いて見えるのは。
そんなところだな」
デルデロッテは頷く。
「この理解は、年とは関係無い。
エルデリオンとずっと付き合ってるので、彼の無茶振りで困ってる事が、理解出来るから。
じゃ、三点鐘に出向く。
…けど行く時、エルデリオンは凄く艶々で足元フラついてるかも」
エウロペは扉を半分占めながら、言い捨てた。
「マトモに立って歩けるだけで、たいしたもんだと思うよ」
言って扉を閉め、デルデは閉まった扉を見つめ、肩を竦めた。
その後エウロペは、ロットバルトの部屋に顔を出すものの、出迎えたのは召使い。
三点鐘にトラーテルでの、エルデリオンとの再開を言伝て、ラステルの部屋に向かった。
デルデロッテはガウンを居間で脱ぎ捨てると、寝室に取って戻る。
「さて、一点鐘分はたっぷり出来る」
エルデリオンは横たわってたけど。
がば!と飛び起き、叫ぶ。
「何を?!!!!」
デルデロッテはどさ!と寝台の、エルデリオンの横に飛び込んで横たわると、悪戯っぽい笑顔を向けて、尋ねた。
「…縛っても、いい?」
ラステルの部屋を訪れたエウロペは、ラステル配下の地味な男に出迎えられ、ラステルが不在だと告げられた。
ロットバルトの召使いに伝えた、同様の事を言伝て、去ろうとした時。
腕を掴まれ、引き留められる。
「丁度良いので、ラステル殿の宮中での直属配下にご面談下さい」
エウロペは頷いて、室内に歩を踏み入れる。
飾り気の無い書斎の正面扉を開かれると、凄く広い居間。
窓は一面掃き出し窓で、カーテンは黄色。
陽はさんさんと降り注ぎ、とても明るかった。
30人は入れる。
と言う位広くって、あちこちにソファとテーブルがあり、大勢が談笑できるようになっていた。
一番手前の、赤地に金刺繍入りの一際豪華なソファに、三人の身分高そうな男達が座っていた。
ラステル配下がエウロペをそちらに導くと、座っていた三人の男が、立ち上がって迎える。
「エウロペ殿。
こちらがアッカマン侯爵。
主に宮中の担当指揮官で、護衛連隊長であられます」
アッカマン侯爵はすんなりして癖の少ない、明るい絹糸のような栗毛を肩に流し、緑色に白のアクセントの入った、大変お洒落な上着を着こなし。
どちらかと言えば優しげな、美青年に見えた。
が、紺がかった青い瞳は隙が無く、本性は肝の据わった青年と、見て取れた。
彼は紹介され、エウロペに振り向くと優雅に一礼する。
「…こちらが主に西領地担当の、レクトール男爵」
控えめな、らくだ色の上着。
更に“男爵"と身分は低いものの、長い栗色巻き毛で鷲鼻。
青の瞳が人を射抜くような、立派な面立ちの人物に見えた。
男爵は面長の男らしい顔立ちの上に、人好きのする笑みを浮かべ、挨拶する。
「西の数多い諸国は、大変混乱していまして。
身分が低い方が、動きやすいんですよ」
エウロペも思わず笑顔を浮かべ、頷く。
レクトール男爵は、にやりと笑って呟く。
「とっくにご存知の様子」
エウロペは軽く、頷き返した。
「こちらが、東領地担当のデュバッセン大公」
濃紺とクリーム色の袖の、高価そうな上着を着け、この中では一番身分が高い。
けれど真っ直ぐの黒髪、色白で女顔の、華奢な美青年。
が、大きめの碧緑の瞳は、油断ならない雰囲気を醸し出していた。
「…東の反乱分子に繋がる、爛れた貴族共は。
私のこの外見に、“愛玩"と舐めきってくれるので」
大公がそう告げると、レクトール男爵が呆れて口挟む。
「…もう無理だろう?」
デュバッセン大公は、ちょっとムッとしたけれど。
年上の男爵には言い返さず、エウロペに説明する。
「…まあ確かに。
かなり反乱分子の勢力を削ぎましたので。
一瞬は油断してくれます。
が、今では影の大悪魔みたいな扱いですよ」
これにはアッカマン侯爵もレクトール男爵も、苦笑した。
アッカマン侯爵が、穏やかな声で告げる。
「こう見えて彼、私より年上で」
エウロペに目を見開かれ、デュバッセン大公は眉根を寄せ、美しい顔を険しくした。
「…ただ王宮では、まだ恐れられてないので。
口説いてくる馬鹿を避けて歩くのに、苦労してますよ」
「さっさと恐れてくれる地元に、戻りたいんだな?」
レクトール男爵は言いながら腰を下ろし、アッカマン侯爵も、デュバッセン大公も同時に腰を下ろす。
エウロペもラステル配下に促され、ソファに腰を下ろした。
「…剣の練習相手に、なってくれる?」
レジィはこくん。
と頷いた。
テリュスは居間の食卓テーブルで、頭を抱えてエウロペに貰った薬酒をあおっていたが、庭でエリューンがレジィ相手に、剣を振り始めるのを見た。
エリューンは慣れた様子で剣を構え、突っ込んで来るレジィの剣を、軽くさばく。
数回、ひらりと避けられ剣を叩かれ。
とうとうレジィはムキになって斬りかかって行った。
エリューンは思いっきりレジィの剣を叩き、剣はレジィの握る手から離れ、宙を飛ぶ。
レジィは慌てて土に突き刺さった剣を拾いに走り、刺さった土から剣を抜き去り。
剣を下げてるエリューンに、再び斬りかかって行くのを見て、ため息吐く。
エウロペと女将さんは厨房から出て来る。
女将さんは、エウロペに
「皿洗いを手伝ってくれて、ありがとう」
と笑顔で告げ、玄関から出て行った。
テリュスはエウロペが、テーブルに付くものだと思い、待ってたけど。
エウロペは近寄って、微笑んで告げる。
「ちょっと王宮まで行ってくる」
そしてくるりと背を向け、玄関を出て行ってしまった。
仕方無く、テリュスは視線を庭に戻す。
案の定、またレジィの剣は飛んでいて。
レジィは土に刺さった剣を、引き抜いていた。
デルデロッテはノックの音が聞こえ、ため息を吐く。
「…少し休ませた後、もっと君が色っぽくなる、やらしいのをしようと思ったのに…」
言ってガウンを羽織り、寝台を出る。
エルデリオンはぐったり身を寝台に投げていたけど。
デルデの言葉が後から理解出来、思わず呟いた。
「…色っぽくなる…やらしい…こと…???」
デルデが扉を開けると、エウロペが立っていた。
「…お邪魔だった?」
デルデロッテは扉を開けてエウロペを中に招き入れながら呟く。
「第一ラウンドが、終わったとこ」
エウロペは聞いた途端、扉を潜らず歩をピタリ!と止めた。
「…じゃ、ここで。
午後四点鐘頃を予定してるけど、三点鐘でも多分、大丈夫だと思う。
エルデリオンをトラーテルへ」
デルデロッテはチラ…と居間の扉の奥に視線を送り、頷く。
「…それ伝えると。
二ラウンド目が出来なくて、エルデリオンが泣くのを慰める事になりそう」
エウロペは肩すくめた。
「…じゃ先に、王妃に来て貰う?」
デルデロッテはぼやく。
「そりゃ面会できるなら。
エルデリオンは真っ先に会いたいだろうから。
そんな事になったら私が恨まれる」
エウロペは長身のデルデロッテの、冴えた美貌を見つめ、問う。
「ナイとは思うが…。
あれだけ恋い焦がれたレジィに、エルデリオンを会わせるのが。
実は、心配?」
デルデは濃いくねる栗毛の前髪を、指で梳き上げて呟く。
「…そっちじゃなくて…エルデリオンが感傷的になると。
流石の私も、寝技に持ち込みにくい」
エウロペは心底呆れた。
「昨夜から、暇さえあれば抱いてるのか?」
デルデロッテは頷く。
「自分の思いを抑え、我慢してた数年分と。
私より貴方を指名した鬱憤晴らしが、さ程出来て無くて。
彼を見ると、甘々に甘やかして抱きたい気分と。
うんと虐めたい気分の間を、彷徨ってる」
エウロペはとうとう、顔下げてため息吐いた。
「…つまり私にも、怒ってる?」
デルデは首を傾げた。
「…どうして?
君は君の国に攻め込むと無茶言われて従うしか無かった、私と同じ気分を味合わされたに過ぎないし。
馬車でのエルデリオンの行為を、止めに入ろうとした君たちを阻んだ、私とロットバルトを許してくれたろう?」
エウロペはとうとう、苦笑した。
「…君が年の割に落ち着いて見えるのは。
そんなところだな」
デルデロッテは頷く。
「この理解は、年とは関係無い。
エルデリオンとずっと付き合ってるので、彼の無茶振りで困ってる事が、理解出来るから。
じゃ、三点鐘に出向く。
…けど行く時、エルデリオンは凄く艶々で足元フラついてるかも」
エウロペは扉を半分占めながら、言い捨てた。
「マトモに立って歩けるだけで、たいしたもんだと思うよ」
言って扉を閉め、デルデは閉まった扉を見つめ、肩を竦めた。
その後エウロペは、ロットバルトの部屋に顔を出すものの、出迎えたのは召使い。
三点鐘にトラーテルでの、エルデリオンとの再開を言伝て、ラステルの部屋に向かった。
デルデロッテはガウンを居間で脱ぎ捨てると、寝室に取って戻る。
「さて、一点鐘分はたっぷり出来る」
エルデリオンは横たわってたけど。
がば!と飛び起き、叫ぶ。
「何を?!!!!」
デルデロッテはどさ!と寝台の、エルデリオンの横に飛び込んで横たわると、悪戯っぽい笑顔を向けて、尋ねた。
「…縛っても、いい?」
ラステルの部屋を訪れたエウロペは、ラステル配下の地味な男に出迎えられ、ラステルが不在だと告げられた。
ロットバルトの召使いに伝えた、同様の事を言伝て、去ろうとした時。
腕を掴まれ、引き留められる。
「丁度良いので、ラステル殿の宮中での直属配下にご面談下さい」
エウロペは頷いて、室内に歩を踏み入れる。
飾り気の無い書斎の正面扉を開かれると、凄く広い居間。
窓は一面掃き出し窓で、カーテンは黄色。
陽はさんさんと降り注ぎ、とても明るかった。
30人は入れる。
と言う位広くって、あちこちにソファとテーブルがあり、大勢が談笑できるようになっていた。
一番手前の、赤地に金刺繍入りの一際豪華なソファに、三人の身分高そうな男達が座っていた。
ラステル配下がエウロペをそちらに導くと、座っていた三人の男が、立ち上がって迎える。
「エウロペ殿。
こちらがアッカマン侯爵。
主に宮中の担当指揮官で、護衛連隊長であられます」
アッカマン侯爵はすんなりして癖の少ない、明るい絹糸のような栗毛を肩に流し、緑色に白のアクセントの入った、大変お洒落な上着を着こなし。
どちらかと言えば優しげな、美青年に見えた。
が、紺がかった青い瞳は隙が無く、本性は肝の据わった青年と、見て取れた。
彼は紹介され、エウロペに振り向くと優雅に一礼する。
「…こちらが主に西領地担当の、レクトール男爵」
控えめな、らくだ色の上着。
更に“男爵"と身分は低いものの、長い栗色巻き毛で鷲鼻。
青の瞳が人を射抜くような、立派な面立ちの人物に見えた。
男爵は面長の男らしい顔立ちの上に、人好きのする笑みを浮かべ、挨拶する。
「西の数多い諸国は、大変混乱していまして。
身分が低い方が、動きやすいんですよ」
エウロペも思わず笑顔を浮かべ、頷く。
レクトール男爵は、にやりと笑って呟く。
「とっくにご存知の様子」
エウロペは軽く、頷き返した。
「こちらが、東領地担当のデュバッセン大公」
濃紺とクリーム色の袖の、高価そうな上着を着け、この中では一番身分が高い。
けれど真っ直ぐの黒髪、色白で女顔の、華奢な美青年。
が、大きめの碧緑の瞳は、油断ならない雰囲気を醸し出していた。
「…東の反乱分子に繋がる、爛れた貴族共は。
私のこの外見に、“愛玩"と舐めきってくれるので」
大公がそう告げると、レクトール男爵が呆れて口挟む。
「…もう無理だろう?」
デュバッセン大公は、ちょっとムッとしたけれど。
年上の男爵には言い返さず、エウロペに説明する。
「…まあ確かに。
かなり反乱分子の勢力を削ぎましたので。
一瞬は油断してくれます。
が、今では影の大悪魔みたいな扱いですよ」
これにはアッカマン侯爵もレクトール男爵も、苦笑した。
アッカマン侯爵が、穏やかな声で告げる。
「こう見えて彼、私より年上で」
エウロペに目を見開かれ、デュバッセン大公は眉根を寄せ、美しい顔を険しくした。
「…ただ王宮では、まだ恐れられてないので。
口説いてくる馬鹿を避けて歩くのに、苦労してますよ」
「さっさと恐れてくれる地元に、戻りたいんだな?」
レクトール男爵は言いながら腰を下ろし、アッカマン侯爵も、デュバッセン大公も同時に腰を下ろす。
エウロペもラステル配下に促され、ソファに腰を下ろした。
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