森と花の国の王子

あーす。

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激突

危機

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 エルデリオンはデルデを伺いながらも、必死に隙を狙って襲い来ようとする敵に剣を向け、牽制する。
「…デルデ…デルデ…」
心配そうに、名を呼びながら。

ラステルは咄嗟、殺気に反応する。
振り向いた途端襲い来る敵二人に距離を詰められ、短剣に代わり長剣抜き、二人交互に剣を繰り出し、牽制した。

デルデは瞬間、振り向いて剣を振り切る。

がっっ!!!

デルデの剣を弾き飛ばしたその相手は、ヨランデル大将…!!!

竜のようなゴツい顔と体格。
大将は腹から血を流すデルデを見ると、くっ!と笑った。

「若造!!!
王子を護るのに、お前では役不足!!!
エルデリオンは、貰った!」

デルデは激しい濃紺の瞳でそう吠える大男を睨めつけ、剣を構えた。

ラステルは左に握る短剣を、投げる隙を狙いながらも、敵二人に長剣を振り続ける。
視線をチラと、腹から血を流し続けるデルデに向け、じりじりしながら。

ギュンターは好機とばかり狙い澄まし、エルデリオンを奪おうと突進する敵三人に、剣を真横に振りきって威嚇する。

びゅっ!

まるでハイエナのように眼光光らせ、背後のエルデリオンに狙いを定め、自分をすり抜けようとする左の男に俊敏に身を屈めて剣を振り、その間に右に抜けようとする敵にも、咄嗟しなやかに身を戻し、剣を振り切る。

ざっ!ざっっ!

左右の男は行く手を素早い剣で制され、掠り傷を負ってギュンターの動向を覗った。

ギュンターはギラリ!と紫の瞳をまるで…野生剥き出しの豹のような鋭い眼光で睨み返し、唸る。
「俺を、抜けられると思うなよ…」

右の男が咄嗟駆け出し、ギュンターは直ぐ真上から剣を振り、斬り捨てる。
ずばっ!
左の男もほぼ同時に駆け出すのを見、左足を思いっきり突き出す。

どっっっ!

剣を警戒していた男は、ギュンターの足に足を引っかけ、思いっきり前にすっ転んだ。
止めを刺す間なく、前の男が突っ込んで来る。
ギュンターは剣を持ち上げながら、転んだ男が身を起こしかけるその横腹を、思いっきり足で蹴って吹っ飛ばし、前から振られた剣を、咄嗟剣で受け止めた。

がしっっっ!

ロットバルトは必死に前方を護り、敵騎士と戦いながらも、視線をデルデロッテとエルデリオンに送る。

ローフィスは視線を向けたくとも、前方から来る敵の数があまりに多く、次々に短剣を投げながら、手持ちの短剣が尽きるのを恐れた。

オーガスタスは幾度もラステルに視線を送る。
駆けつけたくとも、ここを塞がないとエリューンやレジィ。
ミラーシェンやラウールが危ない。

今やラウールまでもが剣を抜き、両手に剣を握り、合間を潜り抜け襲い来る敵と戦うラフォーレンを、助けてた。
短剣と長剣の、間ぐらいの長さの剣を左右の手に持ち、右の剣を囮で振り、左で仕留める、華麗な暗殺技を披露して。

がっ!がっ!がっっっ!!!

デルデロッテは腹から血を流しながら、大将の剛力な剣を、それでも気力で弾き返していた。

エルデリオンは気が気では無く、腹から次々血を滴らせ戦うデルデに視線を送りながら。
ギュンターが転がし吹っ飛ばした男が起き上がり、突進し捕らえようと伸ばすその腕に、必死に剣を振りきって威嚇していた。

ざっっっ!!!

正面に居た男を斬り捨てたギュンターが、目前に躍り出、敵を引き受けてくれる。
エルデリオンはその隙にデルデに駆け寄ろうとした。

デルデはそれに気づき、怒鳴りつける。
「来るな!!!
目当ては君だ!!!
絶対こいつには渡さない!!!
例え命投げだそうと!!!」

が、剛力で力自慢、筋肉の塊の大男、ヨランデル大将は笑う。
「俺を殺して自分も死ぬ?!
残念だな!!!
死ぬのは、お前だけだ!!!」

ギュンターが気づき、素早く背後に手を回し、エルデリオンの手首を握り込む。
目前の敵が横をすり抜けようと回り込むと、エルデリオンの手首を握り彼を背後に回し、剣を浴びせようとする。
が、男は素早く、今度は反対横に回り込む。

ギュンターは素早く動き回られ、逃げられ。
歯がみして息の根止めようと、また回り込む男の正面に向きを変えを、剣を振った。


ざっっしっ!!!

デルデが僅か、ふらついた隙を狙い。
大将の剣がデルデの肩に襲いかかる。

一瞬身を屈めるが避けきれず、ばっ!!!と肩から血を吹き出し、デルデが身を折る。

「デルデっ!!!」
エルデリオンはギュンターに引っ張られながらも、泣きそうな表情で叫ぶ。

エディエルゼは激突する大将とデルデの果たし合いに気づくと、前進するのを止め、真っ直ぐな銀の髪を矢のように流し、陣営へ取って戻る。

ギュンターは目前の男をやっと仕留め、エルデリオンの手首を放すものの。
更に押し寄せ突進して来る敵を、一人。
素早く身を返し、また一人斬って、必死でその場を護った。

エディエルゼが抜けた隙から押し寄せる、多数の敵騎士を、エウロペは眉寄せて睨めつけ、横に寄って次々瞬殺しつつ、スフォルツァを見た。

スフォルツァは右の敵と剣を交えながらも、エウロペが離れ、空いた隙から来る左側の敵にも、剣を振ろうとした。

「がっ!!!」

テリュスがその隙を、矢を放ち埋める。
スフォルツァは左側の敵が胸に手を当て、崩れ落ちるのを見、右の敵に向き直ると
あいつテリュスは味方に付けとくのが、絶対正解だ!!!」
と叫ぶと、一気に斬り殺した。

ずばっ!!!

けど直ぐ横から突進する敵の剣を避ける。
完全に避けきれず掠り傷を負いながらも、傷に構ってる間もなく、新たな敵に剣を振り被った。

ノルデュラス公爵は三人の敵を正面に迎えながらも、自分の背後に居て、背にエドウィンを背負ってるラフォーレンに、チラチラと視線を送る。

オーガスタスと自分の間の、大きく開いた隙間から。
次々敵騎士が、背後の幼い王子達を狙い、滑り込んで来ていた。

ラフォーレンが戦ってる正面の敵の横から、別の敵がすり抜け、ラフォーレンの背後に回ろうとする。
「頼むラウール!
ラフォーレンの背後を護ってくれ!」

今や左側面のラウールですら、レジィの反対横に立ち、エリューンと二人でレジィを。
そして背後のミラーシェンとテリュスを。
決死で護ってた。

ゼイブンはその声を聞き、周囲を見回す。
正面はオーガスタスが、無敵の如く長い腕で二本の剣を振り回し、決して敵を入れさせない。
射程距離外から回り込まれても、一歩横にずれ、内横から大車輪を喰らわす。
殆どの敵騎士は避けきれず、深手を負って傷付いた体を引きずり、必死に撤退して行く。

ゼイブンは短剣投げ、ラフォーレンにしつっこく剣振る正面の敵の背に、深々と突き刺し。
横からすり抜け、ラフォーレンの背後に回ろうとした敵の喉を狙い、短剣で貫いた後。
横にずれてラフォーレンの横を護る。

「がっ!」
「ぅがっ!」

一瞬で取り巻く敵二人が、傷口に手を当て倒れ伏し、ラフォーレンは笑顔で横に来たゼイブンに振り向くと
「助かった!」
と礼を述べた。

ラウールはゼイブンの反対横からすり抜けてやって来る敵の正面に、いきなり身を晒す。
右の剣を振り、それに合わせて剣を振り上げる敵のその隙に。
左の剣で腹を突き刺した。

どっっ!
「ぅ…がっ!」


ラステルが隙を付いて時間差で、目前二人の敵を始末した後。
戦うデルデの元へ駆け寄ろうとするエルデリオンの腕の衣服を咄嗟掴み、エルデリオンを捕まえようと腕伸ばす敵の腹に剣を突き刺す。

ざっしっ!

その間に斬りつけようとした敵に、エルデリオンの腕を放し、一瞬で短剣を投げつけた。

しゃっ!!!
「ぅ…ぐっ!」

喉に喰らい、仰け反り崩れる敵を目前で見、エルデリオンは目を見開く。
ラステルはエルデリオンに振り向くと、必死な表情で叫んだ。

「お願いだエルデリオン!!!
自分を護り、敵に気を配ってくれ!!!」

ラステルに怒鳴られ、エルデリオンは首を縦に振ると剣を構え、デルデの横から自分を捕まえようと突進してくる敵の腕に、剣を振り切った。

ざしっ!

デルデは肩から血を吹き出し、首を垂れて背を丸める。
腹から流れ出る血は、最早ブーツを濡らし始めてた。

ヨランデル大将は勝ち誇ったように、首を下げるデルデへと、思いっきり剣を振り上げる。

どすっ!!!

デルデの、射るような濃紺の瞳。
下から一気に大将の腹を剣で貫くデルデは、剣を振り上げ大きく目を見開く、大将の顔を激しく睨めつける。

大将は口の端から一筋、血を滴らせ…振り上げた剣を、何とか振り下ろそうとし、ヨロめく。

「ヨランデル大将っ!!!」

横からデルデを狙い、一直線に剣を突き立て突進する敵騎士。
エルデリオンは自分を捕まえようと狙う正面の敵に、剣を横に振りきって血しぶき撒き散らせ退かせ、咄嗟駆け寄る。

“間に合わない…?!”
今度こそデルデが事切れそうで、エルデリオンは泣き出したくなった。

敵の剣がデルデの脇腹に届く、その直前。

「……が…っ!!!」

敵は仰け反り、崩れ落ちる。
エルデリオンは目を、見開いた。

敵が崩れたその背後。
エディエルゼが振りきった剣を下げ、腰を落とす姿が浮かび上がる。

エルデリオンが感激にむせび泣き、礼を言う間も無く。
エディエルゼは立ち上がり様直ぐ踵を返し、ギュンターの横に並び。
ほぼ同時、正面の敵二人に剣を突き刺す。

ざしっ!!!
ざしっっっ!!!

後から襲い来る敵騎士らは、倒れた大将に一斉に寄って行く。
腹にデルデの剣を突き刺したまま、背から地面に倒れてる大将の元へ。
続々と駆け寄る。

デルデは膝で身をなんとか支えていたが、屈めたまま顔を上げない。

突き刺した剣を引くエディエルゼは、襲い来る敵が全てヨランデル大将に駆け寄る様を見、大声で叫んだ。

「お前達の大将は、オーデ・フォール中央王国のデルデロッテが倒した!!!
聞こえるか?!
大将は倒れた!!!
これ以上戦うのは、無意味だ!!!」

が、先頭のラステルも。
最後尾のノルデュラス公爵も、分かってた。

例え大将が倒れようと。
事実上の大将、参謀指揮官ドーリオ男爵が控えている限り。
この戦いは終わらない。

案の定、敵の群れの奥に姿を見せる、真っ直ぐな栗毛を背に流すドーリオ男爵が雄叫おたけぶ。

「ヨランデル大将はまだ事切れてない!!!
勝って王子らを全て手に入れ、大将の回復の、糧にしようぞ!!!」

男爵取り巻く男ら、そしてまだ周囲の森の中に潜む男らの、咆吼が木霊する。

ぅぉぉおおおおおおおぉぉぉぉーーーーー!!!

敵騎士らが吠え返すのを聞き、オーガスタスはぼやく。
「…あいつを殺らないと、ダメだな…」

テリュスはかなり離れてたけど、その声を聞き、群れる敵の中からドーリオ男爵を探し出す。
その男は慎重にも面には出て来ず、味方の後方で姿をくらましていた。
が、チラと見えたその姿に、テリュスは目を見開く。

全身、隙無く鎧を着けている。

確かに、自分や短剣投げからは身が守れる。
が、素早さが身上のエディエルゼやギュンター、エウロペ相手では。
あっと言う間に、取り囲まれる。
更にあの重装備ではロクに動けず、倒されたら起き上がる事すら、苦労しそう。

そしてオーガスタスの大車輪の、剣の餌食になれば。
重装備だろうが、吹っ飛ばされて転がるのがオチ。

現にオーガスタスの剣を防ごうと、大車輪に盾をぶつけたヤツは、盾ごと吹っ飛んでた。

「(…だから…味方の後ろに隠れてやがるのか。
汚いヤツ)」

テリュスは大声で叫んだ。
「今怒鳴った事実上の大将は!!!
鎧まるけで、俺の矢では射殺せない!!!」

それを聞いた途端。
止むと思った戦闘が続きそうで、不安げな表情の、レジィとミラーシェンが揃ってテリュスを見上げた。

が、テリュスは怯む様子を見せない。
続き、大声で吠える。

「が、信じられない程の重装備!!!」

エディエルゼが銀の髪を靡かせ、敵群れる背後にいるドーリオ男爵に突進して行き、エウロペも素早く歩を進める。

ギュンターまでもが駆けつけようとし…けれど傷を負ったデルデがとうとう地に手を着き。
敵騎士らは倒れるヨランデル大将を必死で引っ張り、敵陣営に引きずって行き。

その間にも大将の仇を討とうと、剣を振り被る騎士らが続々、デルデとエルデリオン、ラステルに詰め寄る姿を見、エディエルゼの背を追うのを諦め、きびすを返した。
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