18 / 23
出立
しおりを挟む
間もなく、金刺繍だらけで。
地色の農紺が殆ど見えないほど、ごてごてと飾り立てられた隊服を着。
少し腹の出た、中年で髭の栗毛の男が。
金の房で飾り立てられた、派手な馬に跨がって、馬車の前に馬を付ける。
合図が出て、馬車はゴトン…!と車輪を鳴らし、動き出した。
「指揮官、アデン准将です」
小声でファントレイユに耳打ちされ、ソルジェニーは頷く。
が、ファントレイユは早口でつぶやいた。
「幾ら急ぎで馬車の中にいるからといって。
王子に、礼も取らないなんて、無礼ですよね」
言われて、ソルジェニーは馬車がゆっくり、准将の馬の後に続いていく間。
アデンを眺めたけど。
ファントレイユに、向くと言った。
「宮中にいる時。
たいてい挨拶されるのが、みんな中年のおじさんばっかで、気づかなかったけど。
…あんまり、会って嬉しいお方達じゃないので、挨拶されなくて幸いです」
ファントレイユはそれを聞くと、目をぱちくりさせた。
なのでソルジェニーは、言葉を付け足す。
「ギデオンが、特別綺麗だとは感じていたけど。
世の中にはあなたみたいな…綺麗で格好いい男の人って、いっぱいいるんですね!」
新発見のように、満開の笑顔でそう告げる。
けど。
ファントレイユがまだ、目を見開いたまま沈黙してるので。
慌てて
「あの…。
違います。
もちろん、あなたが一番綺麗ですけど…!
その、誰よりも際立って」
と言い足した。
ファントレイユは慌てるソルジェニーを見、とうとうくすっ!と笑い出す。
「…シャッセルがそんなに、素晴らしかったですか?」
ソルジェニーは素直に頷きながら、後に続き始める、馬に跨がる近衛騎士らを見つめ、頷く。
「…近衛の騎士達って…みんな、若くて美男で、体格も素晴らしい人ばっかりだから…。
さぞかし皆さん、女性にもてるんでしょう?」
言った後。
ファントレイユを改めて見つめ
「中でもあなたは素晴らしくモテてますけど」
と告げる。
途端、ファントレイユはバツが悪そうに、顔を下げた。
「さっきの…大広間での騒動のことをおっしゃってる?
もしかして…」
ソルジェニーは、そんなつもりじゃなかったけど。
改めて思い返し、頷いた。
「だって、凄かったじゃ無いですか…」
ファントレイユは眉間を寄せ、俯いたまま謝罪した。
「…すみません。
あなたの護衛なのに。
あれじゃあなたを守れない」
ソルジェニーは途端、首をぶんぶん、横に振った。
「すごく、面白かった!
いつもはとっても上品で、たおやかなご婦人ばかりなのに。
御髪まで乱し、競うように争って…!」
そして、王子が思い出したように、くすくす笑い出すので。
ファントレイユは再び、目をぱちくりさせた。
「…どこが、そんなにおかしかったんです?」
「だっ…だって、連れの男性達ときたら…!
連れ戻そうにも、女性達があんまり必死であなたに押し寄せるので。
何も出来ず、肩を竦めたり、首を横に振りまくったりして…。
最後にはみんな、ため息を吐いて、遠くから眺めるしか、出来なくって…。
一人二人じゃなく、みんながです…!」
ファントレイユは呆れて言った。
「それが…そんなに、面白かったんですか?」
ソルジェニーは、笑いながら頷いた。
そうこうしてる間に、大門を潜る。
市街地に出て行く門で、城下を通って西丘陵地帯へと進む。
門を出て町並みが見えて来ると。
道の両側に、たくさんの人が立っていた。
近衛軍が進み行くと、一斉に見つめ始める。
みんな、ソルジェニーの馬車が通ると
「王子様だ…」
「『光の王』の、花嫁となる人…?」
そう、小声でささやきき合ってる。
ソルジェニーは途端、気落ちしたように俯くので。
ファントレイユはどう慰めよう?
と、その細い肩に手を伸ばす。
が、肩に触れて元気づける、その前に。
突如、歓声が沸く。
「ギデオン准将!」
「ギデオン様!
お願い、ここまで奴らを来させないで!」
「お頼みします!」
一斉に、ギデオンに叫び。
そして、口々にギデオンを讃える。
「頼りになるのはあなただけです!」
「信じてます!!!」
「軍神、ギデオン様!!!」
ソルジェニーは沸き立つ観衆の叫びに、思わず馬車の窓から顔を出し、後ろに振り向く。
馬車の後ろから、先頭にギデオン。
その後ろに、大貴族らの腕の立つ騎士らが続く。
ギデオンは観衆らに手を振り上げ、声援に応えつつ怒鳴る。
「道を空けてくれ!!!
一刻も早く、進撃するために!!!」
ギデオンの咆吼が響くと、行列に近づいてた民衆は、慌てて両側に引いて、道を空ける。
それとほぼ同時。
ギデオンの馬が、馬車の横に飛び出して来る。
ギデオンは抜き去る間に、窓から顔を見せるソルジェニーに、鮮やかな笑顔を向け。
そして一気に抜き去り、前へと走り去る。
次にシャッセル、レンフィール、アドルフェスなど。
大貴族の取り巻き達が馬車の窓の横を、馬上で通り過ぎて行き。
アデン准将とは違い、窓から見つめるソルジェニーに。
皆、一つ頷いて、礼を取った。
次々に数十騎が、会釈しながら馬車の横を通り過ぎて行く。
その後、馬車の横に付いた馬は、通り過ぎず。
馬上の、感じの良い若く整った顔立ちの青年騎士は
「馬車の護衛をさせていただきます」
と、丁寧だけど明るい声音で、そう告げた。
ソルジェニーは頷き、明るい表情でファントレイユに振り返る。
ファントレイユはソルジェニーが、口を開く前に言った。
「…とっても刺激的で、楽しいですか?」
ソルジェニーは大きく頷き
「ギデオン、凄い人気なんですね…!!!
それにみんな、凄く格好いい!
近衛って、美男じゃないと、入れないんですか?!」
と聞く。
途端、ファントレイユは額に手を当て、俯いた。
「…そうじゃなくて…。
アースルーリンドは陸の孤島のような場所だって、知っていらした?
崖の外は樹海で…外界からはそうそう、入り込めない場所で」
ソルジェニーは
「?」
と思ったけど、言った。
「地理は、理解してます」
ファントレイユは頷く。
「…たまたま迷い込んで、出られなくなった者達が住み着いたのが、始祖です。
で、狭い世界で繁殖し。
色々淘汰され…結果。
アースルーリンドは顔の整った者が、とてもたくさんいる土地のようです。
崖を超え、樹海を越えて外の土地に行けば。
普通の顔の人が、大多数だそうですよ?」
ソルジェニーは、そうなんだ。
と、頷いた。
「それは、知らなかったです」
言った後。
ファントレイユを見た。
ファントレイユはすかさず返答を返す。
「美男じゃ無くても、戦闘の腕さえあれば、入隊できます」
ソルジェニーは思わずこっくり、頷いた。
二点鐘もかけた頃。
馬車で着いた場所は、城の中庭。
大貴族の一人が出迎え、王子をそれは丁重にもてなした。
豪華な室内に通され、くつろぐように告げられ。
食事や飲み物が運ばれて、使いが出て行くと。
ソルジェニーは宮中の自室の時のように、ぽつん…と放って置かれた。
その豪華で寂しい場所で、王子がそれはしょげて小さく見え。
ファントレイユは彼を元気付けようと近寄り、ささやく。
「……わくわくしなくて、退屈ですか?」
ソルジェニーは顔を上げ、落胆しきった。
「…城の中とこれでは。
全然、変わらないんですもの…」
ファントレイユは思い切り、肩をすくめる。
「…でもこれは戦だし…。
どさくさ紛れはきっと、ありますよ。
宮廷のあの、ご婦人達のようにね……」
そしてファントレイユは自分の軽口に笑う王子を見て微笑むと、召使いを呼び、色々と尋ねる。
ソルジェニーはその様子をそっと、立ち聞きしていた。
どうやら敵の状況を探るため、今夜はここに停泊するようで、近衛の全員がこの城にいるようだった。
「…隊長の、マントレンを。
彼の手が空いているようだったら、呼び出してくれ…。
それと、ギデオンがもし忙しく無いなら。
ここに顔を見せるようにと、伝えてもらえるか?」
ファントレイユの言葉に、さっきまで沈みきっていたソルジェニーの表情が、一瞬で輝いた。
地色の農紺が殆ど見えないほど、ごてごてと飾り立てられた隊服を着。
少し腹の出た、中年で髭の栗毛の男が。
金の房で飾り立てられた、派手な馬に跨がって、馬車の前に馬を付ける。
合図が出て、馬車はゴトン…!と車輪を鳴らし、動き出した。
「指揮官、アデン准将です」
小声でファントレイユに耳打ちされ、ソルジェニーは頷く。
が、ファントレイユは早口でつぶやいた。
「幾ら急ぎで馬車の中にいるからといって。
王子に、礼も取らないなんて、無礼ですよね」
言われて、ソルジェニーは馬車がゆっくり、准将の馬の後に続いていく間。
アデンを眺めたけど。
ファントレイユに、向くと言った。
「宮中にいる時。
たいてい挨拶されるのが、みんな中年のおじさんばっかで、気づかなかったけど。
…あんまり、会って嬉しいお方達じゃないので、挨拶されなくて幸いです」
ファントレイユはそれを聞くと、目をぱちくりさせた。
なのでソルジェニーは、言葉を付け足す。
「ギデオンが、特別綺麗だとは感じていたけど。
世の中にはあなたみたいな…綺麗で格好いい男の人って、いっぱいいるんですね!」
新発見のように、満開の笑顔でそう告げる。
けど。
ファントレイユがまだ、目を見開いたまま沈黙してるので。
慌てて
「あの…。
違います。
もちろん、あなたが一番綺麗ですけど…!
その、誰よりも際立って」
と言い足した。
ファントレイユは慌てるソルジェニーを見、とうとうくすっ!と笑い出す。
「…シャッセルがそんなに、素晴らしかったですか?」
ソルジェニーは素直に頷きながら、後に続き始める、馬に跨がる近衛騎士らを見つめ、頷く。
「…近衛の騎士達って…みんな、若くて美男で、体格も素晴らしい人ばっかりだから…。
さぞかし皆さん、女性にもてるんでしょう?」
言った後。
ファントレイユを改めて見つめ
「中でもあなたは素晴らしくモテてますけど」
と告げる。
途端、ファントレイユはバツが悪そうに、顔を下げた。
「さっきの…大広間での騒動のことをおっしゃってる?
もしかして…」
ソルジェニーは、そんなつもりじゃなかったけど。
改めて思い返し、頷いた。
「だって、凄かったじゃ無いですか…」
ファントレイユは眉間を寄せ、俯いたまま謝罪した。
「…すみません。
あなたの護衛なのに。
あれじゃあなたを守れない」
ソルジェニーは途端、首をぶんぶん、横に振った。
「すごく、面白かった!
いつもはとっても上品で、たおやかなご婦人ばかりなのに。
御髪まで乱し、競うように争って…!」
そして、王子が思い出したように、くすくす笑い出すので。
ファントレイユは再び、目をぱちくりさせた。
「…どこが、そんなにおかしかったんです?」
「だっ…だって、連れの男性達ときたら…!
連れ戻そうにも、女性達があんまり必死であなたに押し寄せるので。
何も出来ず、肩を竦めたり、首を横に振りまくったりして…。
最後にはみんな、ため息を吐いて、遠くから眺めるしか、出来なくって…。
一人二人じゃなく、みんながです…!」
ファントレイユは呆れて言った。
「それが…そんなに、面白かったんですか?」
ソルジェニーは、笑いながら頷いた。
そうこうしてる間に、大門を潜る。
市街地に出て行く門で、城下を通って西丘陵地帯へと進む。
門を出て町並みが見えて来ると。
道の両側に、たくさんの人が立っていた。
近衛軍が進み行くと、一斉に見つめ始める。
みんな、ソルジェニーの馬車が通ると
「王子様だ…」
「『光の王』の、花嫁となる人…?」
そう、小声でささやきき合ってる。
ソルジェニーは途端、気落ちしたように俯くので。
ファントレイユはどう慰めよう?
と、その細い肩に手を伸ばす。
が、肩に触れて元気づける、その前に。
突如、歓声が沸く。
「ギデオン准将!」
「ギデオン様!
お願い、ここまで奴らを来させないで!」
「お頼みします!」
一斉に、ギデオンに叫び。
そして、口々にギデオンを讃える。
「頼りになるのはあなただけです!」
「信じてます!!!」
「軍神、ギデオン様!!!」
ソルジェニーは沸き立つ観衆の叫びに、思わず馬車の窓から顔を出し、後ろに振り向く。
馬車の後ろから、先頭にギデオン。
その後ろに、大貴族らの腕の立つ騎士らが続く。
ギデオンは観衆らに手を振り上げ、声援に応えつつ怒鳴る。
「道を空けてくれ!!!
一刻も早く、進撃するために!!!」
ギデオンの咆吼が響くと、行列に近づいてた民衆は、慌てて両側に引いて、道を空ける。
それとほぼ同時。
ギデオンの馬が、馬車の横に飛び出して来る。
ギデオンは抜き去る間に、窓から顔を見せるソルジェニーに、鮮やかな笑顔を向け。
そして一気に抜き去り、前へと走り去る。
次にシャッセル、レンフィール、アドルフェスなど。
大貴族の取り巻き達が馬車の窓の横を、馬上で通り過ぎて行き。
アデン准将とは違い、窓から見つめるソルジェニーに。
皆、一つ頷いて、礼を取った。
次々に数十騎が、会釈しながら馬車の横を通り過ぎて行く。
その後、馬車の横に付いた馬は、通り過ぎず。
馬上の、感じの良い若く整った顔立ちの青年騎士は
「馬車の護衛をさせていただきます」
と、丁寧だけど明るい声音で、そう告げた。
ソルジェニーは頷き、明るい表情でファントレイユに振り返る。
ファントレイユはソルジェニーが、口を開く前に言った。
「…とっても刺激的で、楽しいですか?」
ソルジェニーは大きく頷き
「ギデオン、凄い人気なんですね…!!!
それにみんな、凄く格好いい!
近衛って、美男じゃないと、入れないんですか?!」
と聞く。
途端、ファントレイユは額に手を当て、俯いた。
「…そうじゃなくて…。
アースルーリンドは陸の孤島のような場所だって、知っていらした?
崖の外は樹海で…外界からはそうそう、入り込めない場所で」
ソルジェニーは
「?」
と思ったけど、言った。
「地理は、理解してます」
ファントレイユは頷く。
「…たまたま迷い込んで、出られなくなった者達が住み着いたのが、始祖です。
で、狭い世界で繁殖し。
色々淘汰され…結果。
アースルーリンドは顔の整った者が、とてもたくさんいる土地のようです。
崖を超え、樹海を越えて外の土地に行けば。
普通の顔の人が、大多数だそうですよ?」
ソルジェニーは、そうなんだ。
と、頷いた。
「それは、知らなかったです」
言った後。
ファントレイユを見た。
ファントレイユはすかさず返答を返す。
「美男じゃ無くても、戦闘の腕さえあれば、入隊できます」
ソルジェニーは思わずこっくり、頷いた。
二点鐘もかけた頃。
馬車で着いた場所は、城の中庭。
大貴族の一人が出迎え、王子をそれは丁重にもてなした。
豪華な室内に通され、くつろぐように告げられ。
食事や飲み物が運ばれて、使いが出て行くと。
ソルジェニーは宮中の自室の時のように、ぽつん…と放って置かれた。
その豪華で寂しい場所で、王子がそれはしょげて小さく見え。
ファントレイユは彼を元気付けようと近寄り、ささやく。
「……わくわくしなくて、退屈ですか?」
ソルジェニーは顔を上げ、落胆しきった。
「…城の中とこれでは。
全然、変わらないんですもの…」
ファントレイユは思い切り、肩をすくめる。
「…でもこれは戦だし…。
どさくさ紛れはきっと、ありますよ。
宮廷のあの、ご婦人達のようにね……」
そしてファントレイユは自分の軽口に笑う王子を見て微笑むと、召使いを呼び、色々と尋ねる。
ソルジェニーはその様子をそっと、立ち聞きしていた。
どうやら敵の状況を探るため、今夜はここに停泊するようで、近衛の全員がこの城にいるようだった。
「…隊長の、マントレンを。
彼の手が空いているようだったら、呼び出してくれ…。
それと、ギデオンがもし忙しく無いなら。
ここに顔を見せるようにと、伝えてもらえるか?」
ファントレイユの言葉に、さっきまで沈みきっていたソルジェニーの表情が、一瞬で輝いた。
0
あなたにおすすめの小説
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある
柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった
王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。
リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。
「わかりました。あなたには、がっかりです」
微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。
追放料理人とJKの異世界グルメ無双珍道中〜ネットスーパーは最強です〜
音無響一
ファンタジー
わーい、異世界来ちゃった!
スキルスキル〜何かな何かな〜
ネットスーパー……?
これチートでしょ!?
当たりだよね!?
なになに……
注文できるのは、食材と調味料だけ?
完成品は?
カップ麺は?
え、私料理できないんだけど。
──詰みじゃん。
と思ったら、追放された料理人に拾われました。
素材しか買えない転移JK
追放された料理人
完成品ゼロ
便利アイテムなし
あるのは、調味料。
焼くだけなのに泣く。
塩で革命。
ソースで敗北。
そしてなぜかペンギンもいる。
今日も異世界で、
調味料無双しちゃいます!
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
幽閉王女と指輪の精霊~嫁いだら幽閉された!餓死する前に脱出したい!~
二階堂吉乃
恋愛
同盟国へ嫁いだヴァイオレット姫。夫である王太子は初夜に現れなかった。たった1人幽閉される姫。やがて貧しい食事すら届かなくなる。長い幽閉の末、死にかけた彼女を救ったのは、家宝の指輪だった。
1年後。同盟国を訪れたヴァイオレットの従兄が彼女を発見する。忘れられた牢獄には姫のミイラがあった。激怒した従兄は同盟を破棄してしまう。
一方、下町に代書業で身を立てる美少女がいた。ヴィーと名を偽ったヴァイオレットは指輪の精霊と助けあいながら暮らしていた。そこへ元夫?である王太子が視察に来る。彼は下町を案内してくれたヴィーに恋をしてしまう…。
つまらない妃と呼ばれた日
柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。
舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。
さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。
リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。
――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる