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第六章『光の里での休養』
アースルーリンドの歴史と、ファントレイユとテテュスの願い
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ファントレイユも、そしてテテュスもが、夢の中で思い出していた。
ただしレイファスとは違い、アースルーリンドの歴史を。
かつてアースルーリンドには大きな火山があり。
大噴火で山の頂はほぼ無くなった。
やがて冷えて、中央には巨大な穴が開き、植物が生え、動物が住み着き…。
すっかり、野生の土地となった火山の中央は、どんどん広がり行き、火山の名残りは、周囲を取り巻く巨大な崖だけとなった…。
やがて大陸の者達が、崖の洞窟に入った時、迷い、火山の中央、アースルーリンドの土地に入り込み…。
けど帰れなくなって、アースルーリンドに住み着いた。
そうして…住人は増えていった。
南の土地が沈下し、崖の外まで海が続くようになって。
漂流者達も、アースルーリンドにやって来る。
けれど潮の流れが独特で。
入って来られても、出て行くのは難しい。
遙か北から来た彼らは、後年銀髪の一族。
となった。
とにかく女性が圧倒的に少なかったから。
彼女らはとても大事にされた。
今のアースルーリンドの人達が美形だらけなのも。
彼女たちが美男を優先して、その子を産んだからだ。
と言う説と。
容姿の素晴らしい『光の民』が降り立って、その子供達が優先的に生き残ったのだ。
と言う説がある。
住民達はアースルーリンドの外の世界を知らなかったから、気づいて無いが。
外の世界…大陸エルデルシュベイン、ではアースルーリンドの住民達は、閉ざされた世界で繁殖したためか、
美形だらけで。
ただれた王族や貴族達が、小姓や側女にしたい。
とヨダレたらす程の、美形集団だった。
更に元火山。
で、金銀宝石が豊富に産出される。
当然、大陸のどの国も、アースルーリンドを征服したい。
と願うものの…巨大な崖に取り囲まれた、天然の要塞。
崖の周囲は樹海だらけで、樹海には国を追われた犯罪者や盗賊らが逃げ込み、物騒極まりなかった。
更に『影の民』の恐怖。
やがてアースルーリンドは大陸エルデルシュベインにとって、幻の国。
となっていった…。
初期のアースルーリンドは、人の数が圧倒的に少なく、野獣が闊歩する土地で。
大狼大猿、人間に捕らわれた虎や豹やライオンまでもが繁殖し、人が無事に生きて行くには、大変な土地だった。
だから、迷い込んだ人々は、食われまい。
と洞窟に住んだり、地下に穴を掘って住んだりし、身を守った。
ある時、『光の民』の一人が降り立ち、住民達がいつまで経っても増えず、そして洞窟暮らしから抜け出せないのを見て。
仲間を呼んで、地下道を作ってくれた。
彼らは巨大な地下道に住み、仲間を増やして野獣を狩り。
そうして…その数を、とうとう逆転させた時。
やっと地上に暮らせるようになり、爆発的にその数を増やした。
やがて、金髪の一族。黒髪の一族。の領土が出来、栗毛の者達は、彼らの間を行き来して、仲裁役や連絡役を務めた。
銀髪の一族は谷に住み、辺境で自らを律し武力を高める、孤立した集団となり。
やがて南に、肌の浅黒い南方人達が住み着くようになる。
今の、中央[テールズキース]は、黒髪の一族と金髪の一族らが領土を広げ、南領地[ノンアクタル]には、南方人らが彼ら独特の文化を花開かせた。
獣たちはかつてとは逆に、巨大な崖の洞窟や、辺境の地に追いやられ、もはや中央[テールズキース]からはすっかり姿を消した。
黒髪の一族と金髪の一族が、中央の覇権を競う中、『光の国』アシュランド・リンデーネスから、罪人がアースルーリンドに追放されるようになった。
そして、どちらが王族となるかの、決戦が始まるか。
と思われた時。
『影の民』が出没した。
初期の頃は、『影』本体だったので、異形の者が数多くアースルーリンドを襲い、アースルーリンドは恐怖の地と化した。
金髪の一族も黒髪の一族も、互いと戦ってる場合ではなく、結局手を組み、『光の民』達の力を借りて、『影の民』と戦う事となった。
異形の者相手に、彼らは勇猛に戦い、幾度か『影の民』の数を激減させた。
が、消滅させること叶わず。
とうとう最期の対戦で、どちらが支配するか。
の決戦が行われ、激戦の中、『黒髪の一族』の乙女が光竜に慈悲を訴え、光竜の力借りて、『影の民』を別次元に封印する事で、アースルーリンドから取り払うことに成功。
けれど『影の民』は幾度も封印を揺さぶって、出ようとするので。
とうとう『光の民』達は、稀代の能力者、『光の王』をアースルーリンドに降臨させることで、封印を強化し、アースルーリンドの民を護ることとした。
やがて金髪の一族から王が出て、黒髪の一族も王族として迎えられ、共に手を取り合い、アースルーリンドを治めることとなった。
『光の王』は人間の政治に、口出しはしない。
が、大切さな選出の時、人間達は人外の能力者、『光の王』の意見を仰ぐ。
…そして…。
『影の民』、バケモノが消えたアースルーリンドに、樹海に住む盗賊達は度々訪れ、宝石や綺麗な女、子供をさらってエルデルシュベインの国々に売りつけた。
が、あまりにも貴重なので、法外な値がつき。
以来盗賊達は競ってアースルーリンドを襲いに来るようになった…。
かくして、非道な盗賊から身を守るために騎士が生まれ、一番樹海の薄い隣国からも侵略を受けて、近衛連隊が出来、騎士を養成するため、王制騎士養成学校『教練(キャゼ)』が出来た………。
ファントレイユは、オーガスタスやディングレー、ギュンターに憧れ
「絶対近衛連隊に行きたい!」
と熱望し、テテュスはどんな時でも、どんな相手だろうが、戦って民を護る騎士になりたい。
そう…夢の中で願った。
ただしレイファスとは違い、アースルーリンドの歴史を。
かつてアースルーリンドには大きな火山があり。
大噴火で山の頂はほぼ無くなった。
やがて冷えて、中央には巨大な穴が開き、植物が生え、動物が住み着き…。
すっかり、野生の土地となった火山の中央は、どんどん広がり行き、火山の名残りは、周囲を取り巻く巨大な崖だけとなった…。
やがて大陸の者達が、崖の洞窟に入った時、迷い、火山の中央、アースルーリンドの土地に入り込み…。
けど帰れなくなって、アースルーリンドに住み着いた。
そうして…住人は増えていった。
南の土地が沈下し、崖の外まで海が続くようになって。
漂流者達も、アースルーリンドにやって来る。
けれど潮の流れが独特で。
入って来られても、出て行くのは難しい。
遙か北から来た彼らは、後年銀髪の一族。
となった。
とにかく女性が圧倒的に少なかったから。
彼女らはとても大事にされた。
今のアースルーリンドの人達が美形だらけなのも。
彼女たちが美男を優先して、その子を産んだからだ。
と言う説と。
容姿の素晴らしい『光の民』が降り立って、その子供達が優先的に生き残ったのだ。
と言う説がある。
住民達はアースルーリンドの外の世界を知らなかったから、気づいて無いが。
外の世界…大陸エルデルシュベイン、ではアースルーリンドの住民達は、閉ざされた世界で繁殖したためか、
美形だらけで。
ただれた王族や貴族達が、小姓や側女にしたい。
とヨダレたらす程の、美形集団だった。
更に元火山。
で、金銀宝石が豊富に産出される。
当然、大陸のどの国も、アースルーリンドを征服したい。
と願うものの…巨大な崖に取り囲まれた、天然の要塞。
崖の周囲は樹海だらけで、樹海には国を追われた犯罪者や盗賊らが逃げ込み、物騒極まりなかった。
更に『影の民』の恐怖。
やがてアースルーリンドは大陸エルデルシュベインにとって、幻の国。
となっていった…。
初期のアースルーリンドは、人の数が圧倒的に少なく、野獣が闊歩する土地で。
大狼大猿、人間に捕らわれた虎や豹やライオンまでもが繁殖し、人が無事に生きて行くには、大変な土地だった。
だから、迷い込んだ人々は、食われまい。
と洞窟に住んだり、地下に穴を掘って住んだりし、身を守った。
ある時、『光の民』の一人が降り立ち、住民達がいつまで経っても増えず、そして洞窟暮らしから抜け出せないのを見て。
仲間を呼んで、地下道を作ってくれた。
彼らは巨大な地下道に住み、仲間を増やして野獣を狩り。
そうして…その数を、とうとう逆転させた時。
やっと地上に暮らせるようになり、爆発的にその数を増やした。
やがて、金髪の一族。黒髪の一族。の領土が出来、栗毛の者達は、彼らの間を行き来して、仲裁役や連絡役を務めた。
銀髪の一族は谷に住み、辺境で自らを律し武力を高める、孤立した集団となり。
やがて南に、肌の浅黒い南方人達が住み着くようになる。
今の、中央[テールズキース]は、黒髪の一族と金髪の一族らが領土を広げ、南領地[ノンアクタル]には、南方人らが彼ら独特の文化を花開かせた。
獣たちはかつてとは逆に、巨大な崖の洞窟や、辺境の地に追いやられ、もはや中央[テールズキース]からはすっかり姿を消した。
黒髪の一族と金髪の一族が、中央の覇権を競う中、『光の国』アシュランド・リンデーネスから、罪人がアースルーリンドに追放されるようになった。
そして、どちらが王族となるかの、決戦が始まるか。
と思われた時。
『影の民』が出没した。
初期の頃は、『影』本体だったので、異形の者が数多くアースルーリンドを襲い、アースルーリンドは恐怖の地と化した。
金髪の一族も黒髪の一族も、互いと戦ってる場合ではなく、結局手を組み、『光の民』達の力を借りて、『影の民』と戦う事となった。
異形の者相手に、彼らは勇猛に戦い、幾度か『影の民』の数を激減させた。
が、消滅させること叶わず。
とうとう最期の対戦で、どちらが支配するか。
の決戦が行われ、激戦の中、『黒髪の一族』の乙女が光竜に慈悲を訴え、光竜の力借りて、『影の民』を別次元に封印する事で、アースルーリンドから取り払うことに成功。
けれど『影の民』は幾度も封印を揺さぶって、出ようとするので。
とうとう『光の民』達は、稀代の能力者、『光の王』をアースルーリンドに降臨させることで、封印を強化し、アースルーリンドの民を護ることとした。
やがて金髪の一族から王が出て、黒髪の一族も王族として迎えられ、共に手を取り合い、アースルーリンドを治めることとなった。
『光の王』は人間の政治に、口出しはしない。
が、大切さな選出の時、人間達は人外の能力者、『光の王』の意見を仰ぐ。
…そして…。
『影の民』、バケモノが消えたアースルーリンドに、樹海に住む盗賊達は度々訪れ、宝石や綺麗な女、子供をさらってエルデルシュベインの国々に売りつけた。
が、あまりにも貴重なので、法外な値がつき。
以来盗賊達は競ってアースルーリンドを襲いに来るようになった…。
かくして、非道な盗賊から身を守るために騎士が生まれ、一番樹海の薄い隣国からも侵略を受けて、近衛連隊が出来、騎士を養成するため、王制騎士養成学校『教練(キャゼ)』が出来た………。
ファントレイユは、オーガスタスやディングレー、ギュンターに憧れ
「絶対近衛連隊に行きたい!」
と熱望し、テテュスはどんな時でも、どんな相手だろうが、戦って民を護る騎士になりたい。
そう…夢の中で願った。
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