116 / 171
新しい自分
しおりを挟む
ディアヴォロスは暫く目を閉じ、懐からペンダントを取り出して、横のローフィスに渡す。
「強力な護符のペンダント…。
大抵の『影』は払える。
使い方は機会を見つけ、私がシェイルに教える。
だが付けてるだけで…『影』から付けてる者の姿が消える。
私は少し動けないから。
君たちは風呂を使った後、寝室へ…」
ディアヴォロスがはきだし窓の横の、右の扉を目で示すから、ローフィスは頷き…ペンダントをシェイルに差し出し、その手に握らせた。
「…行けるか?」
シェイルが頷く。
ローフィスの手を取って立ち上がり、目を閉じるディアヴォロスを見つめる。
ディアヴォロスは目を瞑ったまま、手でさっと
『行け』
と示すから…シェイルは俯いて、マントを引きずりローフィスと一緒に、はきだし窓の左の扉へと、歩き出した。
扉を開けると、湯気の立つ屋内浴場…。
白石の床と壁には黒っぽい石が嵌められていた。
湯船は円形で、大きな男が10人は一気に浸かれるほどの広さ。
ローフィスが衣服を脱ぎ出すから、シェイルはマントを肩から滑らせ、丁寧にたたみ、横の棚に置く。
その上に、そっとディアヴォロスから貰った、ペンダントを乗せた。
ローフィスが先に湯船に浸かり、振り向くから。
シェイルは歩み寄って、そっと屈む。
ローフィスが手を引いてくれたから、湯船の中の、階段を降りた。
壁の一面はガラスの掃き出し窓で、外の景色が見える。
殆ど斜陽していて、庭の美しい花々がオレンジに染まっていた。
シェイルは湯に浸かり…また、自身の心の中を探る。
どこにも…。
もうどこにも、陰も闇も、不安も無い。
横の…ローフィスを見る。
彼は光り輝いて見えた。
「…?」
見つめられ、ローフィスがシェイルに視線を送る。
シェイルはそっとローフィスに、囁いた。
「…やっぱり、大好き」
「…………………………」
ローフィスは愛らしいシェイルに微笑んで言われ、男の顔して見つめた。
けどシェイルの微笑に変化が見られず、ため息を吐く。
「…兄貴として?」
シェイルはふくれっ面をした。
「そんなの、分かんない。
ローフィスはローフィスだよ」
ローフィスは
『分かってない』
と湯面に視線を落とした。
けれどシェイルは、裸のローフィスに抱きつく。
「…お前な。
年頃の男を、ナめてるぞ。
この状況でそんなコトしたら、襲いかかってくれと言ってるようなもんだ」
そう言われて、シェイルはふ…と顔を上げる。
一度抱いたシェイルは、眩しい程美しく見えて、ローフィスは困惑の極みで顔を下げる。
「…僕…と、したい?」
「…抱ける相手とこういう状況なら、勃つのが普通の男だ」
「それ、したいって事?」
ローフィスは降参して、無言で頷く。
シェイルは嬉しそうに微笑む。
「僕と…ホントはいっぱいしたい?」
ローフィスは口にすることを、躊躇った。
けどシェイルは、真顔になる。
「…やっぱりローフィスだって…年頃だからいっぱいえっちな事、したいんだよね?
ディングレーが時々話してくれたけど…。
ホラ、僕が来ると、途端に二人とも喋るの止めてた話題」
ローフィスは、ぎくっ!!!とする。
「ええと…。
色々角度を変えて突いて、自分が一番いい角度を探すんだって…」
ローフィスは内心、ディングレーを思い浮かべ
「(あの…野郎!)」
と睨み付けた。
その時、ディングレーは自室の風呂から上がったばかりでガウンを引っかけ、夕食に出るため着替えの途中で。
一瞬ぞっ!と悪寒が走り、周囲を見回した。
「僕みたいに軽い相手なら、抱え上げて落とせるって。
けど落とし方で、自分も負担かかるから。
ヘタすると使い物にならなくなるって。
何が、使い物にならないの?
ホラ、ディングレーってそういうの…尋ねにくいでしょ?」
「…そういうのは…男の普通の猥談で。
男同士の親密度を上げるアイテムだから、内容なんてどうでもいいんだ(嘘)」
シェイルは抱きついたまま暫く困ってるローフィスを見、そしてやっと…ローフィスの股間も、困った事態になってると、気づく。
「…僕、口でしてみたい」
視線を下げられ、シェイルにそう言われ…ローフィスは暫く、固まる。
「お前それ…かなり過激なセリフだぞ?」
「ローフィスにしか言わないから、大丈夫」
「俺は、大丈夫じゃ無い」
「噛まないから」
「それはありがたいが、どーしてお前は口に入れたがる?!」
「だって女将さんがしてた…」
そう言うと、顔を下げるから…ローフィスはぎょっ!として…。
けどシェイルの小さな舌先が触れ、温かい口の中に咥えられると…もうダメだった。
「…っ!」
「…ん…っ…こう?」
「……………………」
シェイルの可憐な舌先で、先端をなめ回されるともう…ローフィスはおかしくなって。
口なんて、きけないのにシェイルは囁く。
「…あ…なんか汁が出て来た…。
気持ち…いい?」
「…っだか…ら……………」
けどローフィスはもう、ダメで。
咄嗟シェイルの腕を握り、自分から引き剥がす。
けど遅くて…シェイルの口の端に、自分の白濁した液が滴るのを見て、暫くショックで呆然とした。
なのにシェイルは。
ぺろっと舌で舐める。
「………それ……れは、舐めるもんじゃない」
「…爽やかで…少し、甘い…」
「ええとつまり…(良く行く酒場で寝る相手のレージェーンの好きな味で、その味にする為、薬草毎日飲んでるなんて、言えない…)」
シェイルは顔を上げて、ローフィスを見る。
「ローフィスの、好きで美味しい」
「…………………………………………だから…」
「…僕のも…こんな味かな?
ローフィスは僕の味、好きだった?」
「…出す前に挿入れたから…」
「…だって僕、ローフィスに挿入れられたかった」
ローフィスは顔をこれ以上無いほど下げ…内心ディアヴォロスに尋ねた。
「(…『闇の第二』払ったら、シェイルの性格変わってないか?!)」
ローフィスの頭の中に浮かぶディアヴォロスは、ただ笑っていて。
ローフィスは内心
「(役立たず!)」
と思わず、罵った。
「強力な護符のペンダント…。
大抵の『影』は払える。
使い方は機会を見つけ、私がシェイルに教える。
だが付けてるだけで…『影』から付けてる者の姿が消える。
私は少し動けないから。
君たちは風呂を使った後、寝室へ…」
ディアヴォロスがはきだし窓の横の、右の扉を目で示すから、ローフィスは頷き…ペンダントをシェイルに差し出し、その手に握らせた。
「…行けるか?」
シェイルが頷く。
ローフィスの手を取って立ち上がり、目を閉じるディアヴォロスを見つめる。
ディアヴォロスは目を瞑ったまま、手でさっと
『行け』
と示すから…シェイルは俯いて、マントを引きずりローフィスと一緒に、はきだし窓の左の扉へと、歩き出した。
扉を開けると、湯気の立つ屋内浴場…。
白石の床と壁には黒っぽい石が嵌められていた。
湯船は円形で、大きな男が10人は一気に浸かれるほどの広さ。
ローフィスが衣服を脱ぎ出すから、シェイルはマントを肩から滑らせ、丁寧にたたみ、横の棚に置く。
その上に、そっとディアヴォロスから貰った、ペンダントを乗せた。
ローフィスが先に湯船に浸かり、振り向くから。
シェイルは歩み寄って、そっと屈む。
ローフィスが手を引いてくれたから、湯船の中の、階段を降りた。
壁の一面はガラスの掃き出し窓で、外の景色が見える。
殆ど斜陽していて、庭の美しい花々がオレンジに染まっていた。
シェイルは湯に浸かり…また、自身の心の中を探る。
どこにも…。
もうどこにも、陰も闇も、不安も無い。
横の…ローフィスを見る。
彼は光り輝いて見えた。
「…?」
見つめられ、ローフィスがシェイルに視線を送る。
シェイルはそっとローフィスに、囁いた。
「…やっぱり、大好き」
「…………………………」
ローフィスは愛らしいシェイルに微笑んで言われ、男の顔して見つめた。
けどシェイルの微笑に変化が見られず、ため息を吐く。
「…兄貴として?」
シェイルはふくれっ面をした。
「そんなの、分かんない。
ローフィスはローフィスだよ」
ローフィスは
『分かってない』
と湯面に視線を落とした。
けれどシェイルは、裸のローフィスに抱きつく。
「…お前な。
年頃の男を、ナめてるぞ。
この状況でそんなコトしたら、襲いかかってくれと言ってるようなもんだ」
そう言われて、シェイルはふ…と顔を上げる。
一度抱いたシェイルは、眩しい程美しく見えて、ローフィスは困惑の極みで顔を下げる。
「…僕…と、したい?」
「…抱ける相手とこういう状況なら、勃つのが普通の男だ」
「それ、したいって事?」
ローフィスは降参して、無言で頷く。
シェイルは嬉しそうに微笑む。
「僕と…ホントはいっぱいしたい?」
ローフィスは口にすることを、躊躇った。
けどシェイルは、真顔になる。
「…やっぱりローフィスだって…年頃だからいっぱいえっちな事、したいんだよね?
ディングレーが時々話してくれたけど…。
ホラ、僕が来ると、途端に二人とも喋るの止めてた話題」
ローフィスは、ぎくっ!!!とする。
「ええと…。
色々角度を変えて突いて、自分が一番いい角度を探すんだって…」
ローフィスは内心、ディングレーを思い浮かべ
「(あの…野郎!)」
と睨み付けた。
その時、ディングレーは自室の風呂から上がったばかりでガウンを引っかけ、夕食に出るため着替えの途中で。
一瞬ぞっ!と悪寒が走り、周囲を見回した。
「僕みたいに軽い相手なら、抱え上げて落とせるって。
けど落とし方で、自分も負担かかるから。
ヘタすると使い物にならなくなるって。
何が、使い物にならないの?
ホラ、ディングレーってそういうの…尋ねにくいでしょ?」
「…そういうのは…男の普通の猥談で。
男同士の親密度を上げるアイテムだから、内容なんてどうでもいいんだ(嘘)」
シェイルは抱きついたまま暫く困ってるローフィスを見、そしてやっと…ローフィスの股間も、困った事態になってると、気づく。
「…僕、口でしてみたい」
視線を下げられ、シェイルにそう言われ…ローフィスは暫く、固まる。
「お前それ…かなり過激なセリフだぞ?」
「ローフィスにしか言わないから、大丈夫」
「俺は、大丈夫じゃ無い」
「噛まないから」
「それはありがたいが、どーしてお前は口に入れたがる?!」
「だって女将さんがしてた…」
そう言うと、顔を下げるから…ローフィスはぎょっ!として…。
けどシェイルの小さな舌先が触れ、温かい口の中に咥えられると…もうダメだった。
「…っ!」
「…ん…っ…こう?」
「……………………」
シェイルの可憐な舌先で、先端をなめ回されるともう…ローフィスはおかしくなって。
口なんて、きけないのにシェイルは囁く。
「…あ…なんか汁が出て来た…。
気持ち…いい?」
「…っだか…ら……………」
けどローフィスはもう、ダメで。
咄嗟シェイルの腕を握り、自分から引き剥がす。
けど遅くて…シェイルの口の端に、自分の白濁した液が滴るのを見て、暫くショックで呆然とした。
なのにシェイルは。
ぺろっと舌で舐める。
「………それ……れは、舐めるもんじゃない」
「…爽やかで…少し、甘い…」
「ええとつまり…(良く行く酒場で寝る相手のレージェーンの好きな味で、その味にする為、薬草毎日飲んでるなんて、言えない…)」
シェイルは顔を上げて、ローフィスを見る。
「ローフィスの、好きで美味しい」
「…………………………………………だから…」
「…僕のも…こんな味かな?
ローフィスは僕の味、好きだった?」
「…出す前に挿入れたから…」
「…だって僕、ローフィスに挿入れられたかった」
ローフィスは顔をこれ以上無いほど下げ…内心ディアヴォロスに尋ねた。
「(…『闇の第二』払ったら、シェイルの性格変わってないか?!)」
ローフィスの頭の中に浮かぶディアヴォロスは、ただ笑っていて。
ローフィスは内心
「(役立たず!)」
と思わず、罵った。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる