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恋心
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シェイルはくたくたで…それでもローフィスがまだ行為に及ぼうとした時、体は悲鳴を上げたけど。
ローフィスを自分のものにしたくて、体の悲鳴を抑え込んだ。
でもローフィスは、まだ戻って来ない…。
少し、不安だったけど、シェイルは自分の体よりローフィスが、自分を求め自分だけを見つめてくれる事がただ、幸福だったから…。
ぐったりと体を休めながらも充足感に浸りきった。
すぅっ…と眠気を感じた途端、強烈な眠気に襲われ、シェイルは頭がぼうっとして…眠りに落ちたと感じた。
なのに周囲ははっきりと見える。
「?」
不思議に思ってると、扉が開いて…シェイルはローフィスだ!
と夢の中で身を起す。
けれど入って来たのが、ディアヴォロスだと分かると…。
一気に頬を染めて布団を引き上げ、裸体を隠す。
ディアヴォロスはそれでも進んで来て…寝台に手を付き、横に腰掛け見つめて来る。
シェイルは夢の中なんだと自分にいい聞かせたけど、それでも恥ずかしくて…。
けどディアヴォロスに見つめられると、ずっと封印していた、もっと若い頃の一貴族だと思ってた若々しいディアヴォロスの姿を思い返し、あの肩に顔を埋め、あの腕で抱かれ、そして…。
その、思い出を鮮烈に思い出して、どんどん頬が染まる。
そっ…とディアヴォロスの手が、頬に触れる。
振り向くと…彼の瞳は透ける明るいサファイア・ブルーに見えて、見惚れる…。
顔を傾けられ、キスされる…そう感じたけど、シェイルは逃げなかった。
ディアヴォロスの、秘やかで男らしい雰囲気を纏う唇に唇を覆われ…そっと抱きしめられると、彼の頼り甲斐のある器の大きさと若々しい男らしさに、身が震った。
シェイルは囁く。
「…どうして…」
ディアヴォロスは問う瞳で覗き込む。
見つめられてシェイルは、か細い声で囁く。
「…どうして僕なんか…。
ひ弱で情けない…出来損ないの人間みたいな僕に、こんなに良く、して下さるんです?」
ディアヴォロスは吐息がかかる程顔を近づけたまま、囁く。
「君の魂が誰より純粋で…優しくて、愛に溢れているから…」
シェイルは頬に涙を滴らせて囁く。
「愛に溢れてるのはローフィスが…愛をいつもくれるから…。
値しない僕に、一生懸命…気の毒なくらい」
「恩人だから…?
それでローフィスがこの先、どれ程無茶を君に強いる暴君になろうと…君は応える?」
「…僕を生かすのはローフィスだから…。
ローフィスが望むなら、僕は死んでも構わない…」
「それはローフィスに負担だ」
シェイルは、はっ!として顔を上げる。
ディアヴォロスはそれでも強い口調で、シェイルに告げる。
「君の生死はローフィス次第。
がもし逆なら?
ローフィスの生死が君にかかってるとしたら。
君の言動一つで、ローフィスは死んでしまう。
もしそうなら…?」
シェイルは顔を下げて黙り込む。
固く拳を握って。
ディアヴォロスは声を少し和らげて、言い聞かすように囁きかける。
「君は直ぐ、命を投げ出したがる。
一度捨てようとし、けれど寸でで救われ、身代わりに父を死なせてしまったと自分を責めている。
けれど君の父は、自分の命を捨ててまで君を救ったというのに、君は自分には救われる価値など無く、身代わりに死んでしまった父にこそ。
生きていて欲しかったと願い、そして…。
君は自分の願いは叶わないと、絶望してる。
自分の望みは、叶いようが無いと。
…だから生きるためのどんな欲求すら無視し、ひたすら愛を注ぎ生きて欲しいと願うローフィスに、応えてる。
けれどそれがどれほどローフィスに、負担か」
シェイルはディアヴォロスを、泣きながら見つめる。
「ワーキュラスの目には…どんな些細なきっかけでも直ぐに死んでしまいそうな君を、まだ若く幼いローフィスが懸命に…。
それこそ本当に懸命に。
泣きながら支えているのが見える。
ローフィス自身も…ロクな力も無く弱い存在なのに。
意思の力で自分を支えながら、君を手放せば楽になれると絶望に肩を叩かれ、それでも瀕死の君を手放さない。
だから君はローフィスを、愛すしか無い。
それしか君を生きる事に、繋げる者は無いから。
でも年若いローフィスが、人一人の命を支え続けることが、可能か?
君は時にローフィスの負担になるまいと…ローフィスから去ろうとして幾度、ローフィスに引き戻された?
彼の望みは君に生きて…幸福になって欲しい。
それだけだ。
が彼ですらまだ若く未熟で…助け手を必要してる。
そして君にも。
助け手が必要だ」
ディアヴォロスの差し出す手を、シェイルは泣きながら再び取った。
「…あなたが…?」
ディアヴォロスは頷く。
「だって貴方は万人の希望で…僕のように取るに足りない…」
「そんな小さな存在じゃ無い!君は私にとって!」
ディアヴォロスの強い言葉に、シェイルはびくっ!と大きく目を見開く。
そして囚われたように、ディアヴォロスの透けるブルー・サファイアの瞳を見た。
「…ほん…とうに…?
貴方が僕を、望むのですか?」
「愛の誓いは偽りでは無い」
シェイルはまた、目を見開いた。
「気の毒だから…僕が…。
あの時だってきっと貴方は…ボロを纏って飢えた哀れな乞食に…食を与えるように…」
「…とても、純粋な魂で目が、離せなかった。
だから闇に飲まれ輝きが消えるのが…心から、哀しかった」
シェイルがまだ、ディアヴォロスを見つめるから、ディアヴォロスは言った。
「…本当に…私はそれを思うと辛くて激しく胸が痛んだ。
だから君を闇から救えた自分に、誇りが持てた。
とても誇らしくて…嬉しかった」
シェイルはそう告げた若きディアヴォロスが…。
自分が去った後、光溢れる中で目を閉じて、喜びに身を震わせる姿をぼんやりと…瞳の奥に浮かび上がるのを感じた。
それは幻だったけれど…明るい陽光の中、目を閉じて微笑むディアヴォロスから溢れ出し周囲を満たす喜びは、見ている自分までもが歓喜で身が微かに、震うほどだった。
「再会した君は相変わらずローフィスの心を得られず絶望を深め…」
そこまでディアヴォロスが告げると、シェイルは感じた。
心が震える程の明るく光輝く歓喜が…暗く絶望に変わる様を。
「…だから…助けたかった。
君を救いたかった。
けれど………」
ディアヴォロスはそう言って、顔を下げた。
「とても君を求めていて、気になって仕方無くて…そうしたらワーキュラスに
“それは恋だ”
と告げられ、距離を置いた。
だって君の心は、ローフィスしか求めてない事は、分かりすぎていたから」
シェイルは震え、華奢な手をディアヴォロスの肩に添え、そして顔を寄せて、そっ…とディアヴォロスの唇に、口づけた。
ディアヴォロスは苦く笑い、囁く。
「…君は感謝を、私の欲するまま自身の身を与える事で、果たそうとしてる」
『けれど私が求めるのは欲求を満たす身体だけの関係では無く、君自身…』
そう言おうとして、ディアヴォロスは気づいた。
ローフィスも、こんな気持ちなのだと。
シェイルにあるのは、恋では無く感謝…。
それでもシェイルに他の術は無く、シェイルに身を寄せられて抱きしめられた時。
歓喜に震う自分を不覚だとディアヴォロスは感じながら、華奢なシェイルを抱き寄せ、押し倒した。
まるでローフィスの、足跡を辿るような行為…。
けれどローフィス同様、恋に未熟な自分は、恋する相手にこんな風に受け入れられて、抗う術が無い…。
ディアヴォロスは愛らしいシェイルの小さな赤い…とても柔らかい唇に口づけながら、脳裏に浮かぶさっきまで自分が居た隣部屋で、自分と入れ替わって自棄酒煽るローフィスの姿を思い浮かべ、少し笑いながら。
シェイルを抱き寄せもっと深く、口づけた。
ローフィスを自分のものにしたくて、体の悲鳴を抑え込んだ。
でもローフィスは、まだ戻って来ない…。
少し、不安だったけど、シェイルは自分の体よりローフィスが、自分を求め自分だけを見つめてくれる事がただ、幸福だったから…。
ぐったりと体を休めながらも充足感に浸りきった。
すぅっ…と眠気を感じた途端、強烈な眠気に襲われ、シェイルは頭がぼうっとして…眠りに落ちたと感じた。
なのに周囲ははっきりと見える。
「?」
不思議に思ってると、扉が開いて…シェイルはローフィスだ!
と夢の中で身を起す。
けれど入って来たのが、ディアヴォロスだと分かると…。
一気に頬を染めて布団を引き上げ、裸体を隠す。
ディアヴォロスはそれでも進んで来て…寝台に手を付き、横に腰掛け見つめて来る。
シェイルは夢の中なんだと自分にいい聞かせたけど、それでも恥ずかしくて…。
けどディアヴォロスに見つめられると、ずっと封印していた、もっと若い頃の一貴族だと思ってた若々しいディアヴォロスの姿を思い返し、あの肩に顔を埋め、あの腕で抱かれ、そして…。
その、思い出を鮮烈に思い出して、どんどん頬が染まる。
そっ…とディアヴォロスの手が、頬に触れる。
振り向くと…彼の瞳は透ける明るいサファイア・ブルーに見えて、見惚れる…。
顔を傾けられ、キスされる…そう感じたけど、シェイルは逃げなかった。
ディアヴォロスの、秘やかで男らしい雰囲気を纏う唇に唇を覆われ…そっと抱きしめられると、彼の頼り甲斐のある器の大きさと若々しい男らしさに、身が震った。
シェイルは囁く。
「…どうして…」
ディアヴォロスは問う瞳で覗き込む。
見つめられてシェイルは、か細い声で囁く。
「…どうして僕なんか…。
ひ弱で情けない…出来損ないの人間みたいな僕に、こんなに良く、して下さるんです?」
ディアヴォロスは吐息がかかる程顔を近づけたまま、囁く。
「君の魂が誰より純粋で…優しくて、愛に溢れているから…」
シェイルは頬に涙を滴らせて囁く。
「愛に溢れてるのはローフィスが…愛をいつもくれるから…。
値しない僕に、一生懸命…気の毒なくらい」
「恩人だから…?
それでローフィスがこの先、どれ程無茶を君に強いる暴君になろうと…君は応える?」
「…僕を生かすのはローフィスだから…。
ローフィスが望むなら、僕は死んでも構わない…」
「それはローフィスに負担だ」
シェイルは、はっ!として顔を上げる。
ディアヴォロスはそれでも強い口調で、シェイルに告げる。
「君の生死はローフィス次第。
がもし逆なら?
ローフィスの生死が君にかかってるとしたら。
君の言動一つで、ローフィスは死んでしまう。
もしそうなら…?」
シェイルは顔を下げて黙り込む。
固く拳を握って。
ディアヴォロスは声を少し和らげて、言い聞かすように囁きかける。
「君は直ぐ、命を投げ出したがる。
一度捨てようとし、けれど寸でで救われ、身代わりに父を死なせてしまったと自分を責めている。
けれど君の父は、自分の命を捨ててまで君を救ったというのに、君は自分には救われる価値など無く、身代わりに死んでしまった父にこそ。
生きていて欲しかったと願い、そして…。
君は自分の願いは叶わないと、絶望してる。
自分の望みは、叶いようが無いと。
…だから生きるためのどんな欲求すら無視し、ひたすら愛を注ぎ生きて欲しいと願うローフィスに、応えてる。
けれどそれがどれほどローフィスに、負担か」
シェイルはディアヴォロスを、泣きながら見つめる。
「ワーキュラスの目には…どんな些細なきっかけでも直ぐに死んでしまいそうな君を、まだ若く幼いローフィスが懸命に…。
それこそ本当に懸命に。
泣きながら支えているのが見える。
ローフィス自身も…ロクな力も無く弱い存在なのに。
意思の力で自分を支えながら、君を手放せば楽になれると絶望に肩を叩かれ、それでも瀕死の君を手放さない。
だから君はローフィスを、愛すしか無い。
それしか君を生きる事に、繋げる者は無いから。
でも年若いローフィスが、人一人の命を支え続けることが、可能か?
君は時にローフィスの負担になるまいと…ローフィスから去ろうとして幾度、ローフィスに引き戻された?
彼の望みは君に生きて…幸福になって欲しい。
それだけだ。
が彼ですらまだ若く未熟で…助け手を必要してる。
そして君にも。
助け手が必要だ」
ディアヴォロスの差し出す手を、シェイルは泣きながら再び取った。
「…あなたが…?」
ディアヴォロスは頷く。
「だって貴方は万人の希望で…僕のように取るに足りない…」
「そんな小さな存在じゃ無い!君は私にとって!」
ディアヴォロスの強い言葉に、シェイルはびくっ!と大きく目を見開く。
そして囚われたように、ディアヴォロスの透けるブルー・サファイアの瞳を見た。
「…ほん…とうに…?
貴方が僕を、望むのですか?」
「愛の誓いは偽りでは無い」
シェイルはまた、目を見開いた。
「気の毒だから…僕が…。
あの時だってきっと貴方は…ボロを纏って飢えた哀れな乞食に…食を与えるように…」
「…とても、純粋な魂で目が、離せなかった。
だから闇に飲まれ輝きが消えるのが…心から、哀しかった」
シェイルがまだ、ディアヴォロスを見つめるから、ディアヴォロスは言った。
「…本当に…私はそれを思うと辛くて激しく胸が痛んだ。
だから君を闇から救えた自分に、誇りが持てた。
とても誇らしくて…嬉しかった」
シェイルはそう告げた若きディアヴォロスが…。
自分が去った後、光溢れる中で目を閉じて、喜びに身を震わせる姿をぼんやりと…瞳の奥に浮かび上がるのを感じた。
それは幻だったけれど…明るい陽光の中、目を閉じて微笑むディアヴォロスから溢れ出し周囲を満たす喜びは、見ている自分までもが歓喜で身が微かに、震うほどだった。
「再会した君は相変わらずローフィスの心を得られず絶望を深め…」
そこまでディアヴォロスが告げると、シェイルは感じた。
心が震える程の明るく光輝く歓喜が…暗く絶望に変わる様を。
「…だから…助けたかった。
君を救いたかった。
けれど………」
ディアヴォロスはそう言って、顔を下げた。
「とても君を求めていて、気になって仕方無くて…そうしたらワーキュラスに
“それは恋だ”
と告げられ、距離を置いた。
だって君の心は、ローフィスしか求めてない事は、分かりすぎていたから」
シェイルは震え、華奢な手をディアヴォロスの肩に添え、そして顔を寄せて、そっ…とディアヴォロスの唇に、口づけた。
ディアヴォロスは苦く笑い、囁く。
「…君は感謝を、私の欲するまま自身の身を与える事で、果たそうとしてる」
『けれど私が求めるのは欲求を満たす身体だけの関係では無く、君自身…』
そう言おうとして、ディアヴォロスは気づいた。
ローフィスも、こんな気持ちなのだと。
シェイルにあるのは、恋では無く感謝…。
それでもシェイルに他の術は無く、シェイルに身を寄せられて抱きしめられた時。
歓喜に震う自分を不覚だとディアヴォロスは感じながら、華奢なシェイルを抱き寄せ、押し倒した。
まるでローフィスの、足跡を辿るような行為…。
けれどローフィス同様、恋に未熟な自分は、恋する相手にこんな風に受け入れられて、抗う術が無い…。
ディアヴォロスは愛らしいシェイルの小さな赤い…とても柔らかい唇に口づけながら、脳裏に浮かぶさっきまで自分が居た隣部屋で、自分と入れ替わって自棄酒煽るローフィスの姿を思い浮かべ、少し笑いながら。
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