若き騎士達の危険な日常

あーす。

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これからの恋の展望

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 ディラフィスは大きなため息を吐き出し、息子に尋ねた。

「けど光竜ワーキュラスだって。
ディアヴォロスがシェイルにマジ惚れする程強く想ってたから、気づいたんだろう?」

ローフィスはまた、顔下げたまま頷く。
ディラフィスはそんな息子に、畳みかける。

「…お前、マジで考えると絶望的だぞ?」

ローフィスは今度は、頷かなかった。

神聖騎士だけが
「そうでもない。
シェイルが本心求めてるのは、ローフィスだけだから」

シェイルはそう言われて、神聖騎士を見る。
「僕の心…分かるんですか?」

神聖騎士は顔を下げて囁く。
「すまない…。
君の思いが強すぎて、心を読まなくても見えてしまって」

シェイルは不思議そうに、そう告げる神聖騎士の、光でぼやけて見える整いきった美しい顔を見た。

ディラフィスが、躊躇ためらったのち、シェイルに尋ねる。
「で、ローフィスとディアヴォロスの、どちっにするか、決められそうか?」

シェイルは呆けてディラフィスを見る。

「ディラフィスも…心、読むの?」
ディラフィスは即答した。
「俺は能力無い。
様子で分かるだけだ」

シェイルは、顔を下げる。
「でもローフィスが…ディアヴォロスとしてもいいって」

ディラフィスは呆れてローフィスを見た。
「…大馬鹿以上の罵倒の言葉って、あったっけ?」

ローフィスは顔を上げて父を睨む。
「どうせそれ、俺に向けて言う気なんだろう?
なのに俺に、聞くのか?」

「…正気、残ってたか」
「…俺が答えると思ってたのか?!」
「イカれてたら、弾みで」

ローフィスに睨まれて、ディラフィスはそっぽ向いた。

神聖騎士はやっぱり愉快なディラフィスに、くすくすと笑った。
が、言った。

「シェイルにも、自身をコントロールする必要のあるローフィス、ディアヴォロス殿にも。
互いが必要ですから。
暫くは三人で仲良く過ごせばどうです?」

ディアヴォロスはチラ、と神聖騎士を見たし、ローフィスも見て…。

その後、ディアヴォロスとローフィスは互いを見つめ、そして同時に顔を下げて、二人揃って深いため息を吐き出した。

神聖騎士は、尚も言った。
「ディアヴォロス殿はローフィスを大変目端が利いて有能だと認めていらっしゃるし、ローフィスはディアヴォロス殿とワーキュラス殿が偉大だと、認めてる。
嫉妬はあるでしょうが、『闇の第二』につけいられる程ではない。
ディアヴォロス殿の感情が暴走しあやうくなっても、ワーキュラス殿が釘を刺すし、ローフィスには父君の教育が行き届いてるから、『影』には落ちない」

ローフィスは驚いて、ディアヴォロスを見、ディアヴォロスもローフィスを見た。

ディラフィスが、ため息交じりに囁いた。
「つまり恋敵だろうが、互いを尊敬出来るってワケだ。
シェイルには…多分分かってないが。
だが改めて二人に俺は、言いたい。
シェイルが男の恋心を理解するには、一世紀ぐらい、必要かもしれないのに。
本気で二人共が。
突き進む気か?」

ワーキュラスが、荘厳な声で告げた。
“気持ちは分かるが、ディアヴォロスは一度自分が面倒を見た相手を、放り投げる事は絶対しないし、ローフィスは貴方も知っているように、自分の思いを決して曲げない”

ディラフィスは、がっくり顔下げて言いかけた。
「…どっちも………………」

ローフィスが、睨み付けて低い声で唸る。
にごしても。
その後が『大馬鹿』に続くって。
俺だけじゃなくディアヴォロスにだって、予想付くぞ?!」

ディラフィスは顔を下げ、ただ頷いた。
「俺も、その言葉がさらっと言えたら。
すごく、スッキリするんだが」

シェイル、だけが。
「僕の事が好きだと、大馬鹿?」
と、素で尋ね、ディラフィスに頷かれ、思いっきり項垂れた。

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