35 / 101
6 好転し始める被害状況
ロスフォール大公の懐刀ラデュークとアドラフレンへの橋渡しを務めるゼイブン
しおりを挟むラデュークはロスフォール大公家、邸内で使者から羊皮紙を受け取る。
“エルベス大公家襲撃の際、奪った荷の、生物の鮮度が落ちて腐りかけてる。
至急御指示を仰ぎたい”
視線を走らせて速読すると直ぐ。
侍従に叫ぶ。
「馬の用意を!
大公には、奪い取った荷の処理に出かけたと!」
叫ぶと、駆け出す侍従と競うように。
ラデュークは邸内を駆け抜け玄関扉を蹴立て、短い石の階段を駆け下りる。
馬丁が馬を、大慌てでその前に引き立て、ラデュークは直ぐ手綱を受け取ると、馬に飛び乗った。
広い庭園を抜け、門を潜り。
貯蔵庫に向かって馬をひた走らせた。
が。
密偵が背後から付けてくる気配に、直ぐ気づく。
馬を迂回させ、近くのロスフォール大公家の別宅へと駆け込んだ。
密偵は暫く後、別宅の最上階。
高い塔の上から、鷹が放たれるのを見る。
「…糞!!!」
遙か上空で、短剣はもとより、矢ですら射届かない。
知らせの使者を偽装し、飛び出したラデュークの、後を付けて貯蔵倉を突き止めようと画策したのは“レスル”の手の物。
彼はアジトの酒場の二階に駆け込むと、仲間に次第を報告する。
「…ダメか…」
「ラデュークは、手強い…」
仲間は頷くと、囁いた。
「エルベス大公家の甥が、影の一族の頭領を攻略してるように。
こちらもロスフォールの懐刀、ラデュークをなんとかして、大公家の警護から、切り離さないとダメだな」
密偵してた仲間は笑う。
「闇討ちするか?」
報告された仲間も笑う。
「手強い上…ニーシャから“レスル”が動いてる事は。
甥が頭領を落とすまで、極力知られるな。
と言われてるしな…。
他に切り崩せそうな情報は?」
「ニーシャを助けてる宮廷警護長が、左将軍を尋ねてる」
「アドラフレンとディアヴォロス…?
彼らを使えば…何とかなるかもな」
「ともかく…ラデュークの動きを封じないと。
ロスフォールの警護は緩まないし、隙も出来なくて仕事がやりにくい」
「…だがアドラフレンの動向はともかく。
左将軍ディアヴォロスは風のように姿を消す」
「後を付けるのは、ラデュークよりも難しい上、補佐のオーガスタスですら、居所が分からない」
二人は顔を見合わせ合って、肩を竦めた。
アドラフレンはニーシャを、ブログナの開催されている東領地ギルムダーゼン寄りの別荘へと送り届けた後。
使者からの連絡を受け取り、今度は南領地ノンアクタルに近い、東領地ギルムダーゼン山岳地帯の別荘へと、馬を向ける。
幾度も山道を登り、すっかり夜になった頃、やっと別荘に着く。
召使いに応接間で客が待ってると告げられ、扉を開けると。
一人の男が憮然とした表情で、高官の役職に就く重鎮二人を促した。
「良かった!
貴方に早急に話したくて…!」
フレル公とコーエン公爵。
どちらも、宮廷の大臣だった。
アドラフレンは彼らをここに連れて来た、神聖神殿隊付き連隊騎士に、一つ頷く。
「橋渡し、ご苦労」
彼は頷き、くるりと背を向けるので、アドラフレンは直ぐ、言い足す。
「待っててくれ。
急を要する任務が?」
彼は振り向くと、無言で首を横に振る。
アドラフレンは微笑むと、彼に囁いた。
「後でもてなしさせてくれ。
高級酒をふるまうから」
彼はやっと、ちょっと厳しい表情を崩し、寛ぐ表情を見せた。
アドラフレンは神聖神殿隊付き連隊騎士が、部屋の隅に行って椅子に座るのを目で追った後(のち)。
二人の大臣に向き直る。
ソファを目で指すが、二人は座る気配も無く、口々に訴える。
「…かなりな高級な果物を、山程。
ロスフォール大公から届きました!」
フレル公が叫ぶと、コーエン公爵も。
声を張り上げ、訴える。
「私もです!
そして打診されました。
作物を買う気があるかと!」
フレル公はアドラフレンの表情が、先を促すのを見て、続きを叫んだ。
「…問題は、果物の中にエルベス大公家でしか取れない品種の果物が混じっていたことです!」
コーエン公爵が、泣きそうな顔で訴える。
「私の所にもです!
もしロスフォールから買えば…」
フレル公はその先を。
断固として言い放つ。
「エルベス大公家に、刃を向けた物同然ではないですか!」
が。
そこまで訴えてもアドラフレンが黙ったままなので、フレル公は声を落として囁く。
「…実は我々の他にも。
送られた者が数名おります。
市場価格の半額近くなので…。
内二人はもう、いつでも買うと。
ロスフォール大公に返事を送ってしまっていて………」
コーエン公爵が、アドラフレンを見つめながら訴える。
「私はエルベス大公家とは、古い付き合いだ。
大公家の荷馬車が襲撃を受け、奪われた事を大公母から聞いている」
フレル公も畳みかける。
「私がそれを知ったのは、届いた果物をすっかり食した後で…。
ロスフォール大公の申し出を、受けてしまえば。
我々はロスフォールに組し、エルベス大公家と敵対する事になる!
アドラフレン。
これはロスフォールの陰謀だ!」
「…エルベス大公家と縁のある者達に送りまくって…。
大公家と絶縁させたいのです!」
アドラフレンはひとしきり二人の言い分を聞くと、静かに尋ねた。
「どうしたいとおっしゃる?」
二人は、一気に言葉を詰まらせた。
エルベス大公家の味方でいたい。
が、ロスフォール大公は、敵に回すには強大すぎる。
断れば…ロスフォールから、嫌がらせを受けるのではないか…。
大公家は水面下で、敵対する相手に手酷い報復をする。
大切にしてる家宝や子供。
そして愛人…。
…奪われ、さらわれて、泣きを見た者も多い。
コーエン公爵は、断固とした口調で叫ぶ。
「今までは!
大公家同士の諍いは…水面下!
我々は、勝った方に付くと…暗黙の了解があった!
だがロスフォール大公の、このやり方は!」
フレル公が、心から心配げに囁く。
「我々も巻き込むと。
公然と告げたも同じ…。
どちらかの船に乗れと。
選択を迫っているのです!」
アドラフレンは“強い者に巻かれる”宮廷の重鎮二人を。
冷ややかに見つめて囁く。
「…つまり、勝ちの決着が付くまで。
貴方がたは傍観したいと?」
二人は同時に頷き、コーエン公爵が言った。
「ロスフォール大公に、贈り物をされた者、全員の意見です!」
離れた部屋の隅で、彼らをここに案内し、アドラフレンにここに来るよう使者を出した神聖神殿隊付き連隊騎士、ゼイブンは呆れた。
「(エルベス大公家とは縁があると言いながら。
エルベス大公家が滅べば、ロスフォール大公に尻尾振る気なんだな…。
俺も大概、事なかれ主義だが。
縁ある相手のためなら、ちゃんと味方になって戦うぞ………)」
けれど肘付きに肘をもたせかけて、思いっきり姿勢を崩してたゼイブンは、アドラフレンがまるで心を読んだように振り向くので。
ぎょっ!とした。
「(…「左の王家」…だっけ…。
「右の王家」もそうだけど。
王家の者って、直感力が半端じゃないんだよな…)」
けれど大臣二人は、アドラフレンに詰め寄る。
「どうすればいいんでしょう?」
「どうかお知恵を!」
今、二人は王家の臣下のように、アドラフレンに傅いてる。
できれば“アドラフレン”の名を借りて、この難を逃れたい様子だ。
「…いいでしょう…。
私の名を出し“調査のため、贈り物の果物は没収されたので、調査が済むまでお返事が出来ません”
と」
二人は、ほっ!
と。
心から安堵した様子で吐息を吐き出し、いっきに呼吸が軽くなったように、アドラフレンとの橋渡しをしてくれた、ゼイブンに振り向き、礼を言う。
「本当に、助かった。
君には感謝しても、しきれない!」
が。
ゼイブンは内心笑った。
「(だがどれだけ感謝を示してくれるかは、疑問だな。
多分都合の悪いことを頼むと、バックレるに決まってる。
そういう約束は、名のある有名な王族の方が、余程確かだ。
…名のナイ王族は、約束なんて簡単に反故にする、最低クズ野郎ばっかだけど)」
表情だけは、取りすまし、生真面目に頷いて見せたが。
二人がそそくさと部屋を出ようとするので、アドラフレンはその背に言葉を投げつけた。
「…贈り物を貰った者全員の名を、知らせて頂きませんと。
後に私の配下に“調査のため”と回収に回らせますから」
大臣二人は頷くと、叫んだ。
「この朗報を!
一刻も早く、皆に知らせます!」
ゼイブンもアドラフレンも。
あたふたと出て行く身分高い大臣らが、使者を使わず、自身で走る気なのに、呆れた。
「(ロスフォール大公の手の者に。
使者を襲われ、内容を知られるのを恐れてるんだな…)」
扉が閉まると、アドラフレンはゼイブンに振り向き、微笑む。
「君とは…大して面識が無かったはずだが、この別荘を知っていた?」
ゼイブンはアドラフレンが、内心は怒ってるな。
と感じた。
スパイの元締めであるアドラフレンは、秘密の隠し屋敷をアースルーリンド中に持ってる。
その一つを。
公(おおやけ)にしたも同然。
『気に入ってたのに。
知られた以上は、引き払わなくては成らない』
そう、文句を言われる覚悟を決めた。
「…神聖神殿隊付き連隊騎士なので。
各地を回り、情報を集めるのが仕事」
アドラフレンの、笑顔は崩れない。
「だが神聖神殿隊付き連隊騎士なら。
『影の民』専門では?」
ゼイブンは、肩を竦める。
「確かに。
が、仕事の折に、貴方の配下も『影』から助けてる。
その時に、たまたま聞いたんです。
ここに貴方を呼び出せば、貴方自身が訪れると」
アドラフレンは肩を竦める。
「ではその情報は、更新したまえ。
私が確実に訪れる場所を変えるつもりだから。
けれど…そうだな。
ここを君が使う場合。
君の名を連絡内容に入れてくれたら、ここに私は足を運ぼう」
ゼイブンは、その返答に呆けた。
「…怒ってないんで?」
アドラフレンは笑う。
「大変有りがたい情報だったしね。
この先、秘密裏に私に会いたい者らに。
君はせいぜい、恩を売るといい」
ゼイブンは、肩を竦めた。
「…どれだけ感謝をおぼえてるか。
疑問ですけどね」
ゼイブンが立ち上がろうとするので、アドラフレンは引き留めた。
「廊下の先に、部屋があるから。
そこで酒を、飲んでいくと良い。
この別宅きっての美人女中が、酌をする。
彼女が君に、頷いたら。
部屋の奥には寝室もあるし、その奥は湯の張ってる風呂もある」
ゼイブンはその提案に、目を見開いた。
「…もしその美人女中が、嫌だと言ったら?」
アドラフレンは、苦笑した。
「なら君は、もう一度場末の酒場に出向いて。
遊びたい女性客を、首尾良く口説くんだな」
「(…俺が、“超”女好き。って、知ってるのか?
…侮れないヤツ…)」
ゼイブンは頷くと、アドラフレンのもてなしを“首尾良く”受け取るため。
椅子から立ち上がって、部屋を出て行った。
0
あなたにおすすめの小説
番に見つからない街で、子供を育てている
はちも
BL
目を覚ますと、腕の中には赤ん坊がいた。
異世界の青年ロアンとして目覚めた「俺」は、希少な男性オメガであり、子を産んだ母親だった。
現世の記憶は失われているが、
この子を守らなければならない、という想いだけははっきりと残っている。
街の人々に助けられ、魔石への魔力注入で生計を立てながら、
ロアンと息子カイルは、番のいない街で慎ましく暮らしていく。
だが、行方不明の番を探す噂が、静かに近づいていた。
再会は望まない。
今はただ、この子との生活を守りたい。
これは、番から逃げたオメガが、
選び直すまでの物語。
*不定期連載です。
星を戴く王と後宮の商人
ソウヤミナセ
BL
※3部をもちまして、休載にはいります※
「この国では、星神の力を戴いた者が、唯一の王となる」
王に選ばれ、商人の青年は男妃となった。
美しくも孤独な異民族の男妃アリム。
彼を迎えた若き王ラシードは、冷徹な支配者か、それとも……。
王の寵愛を受けながらも、
その青い瞳は、周囲から「劣った血の印」とさげすまれる。
身分、出自、信仰──
すべてが重くのしかかる王宮で、
ひとり誇りを失わずに立つ青年の、静かな闘いの物語。
必ず会いに行くから、どうか待っていて
十時(如月皐)
BL
たとえ、君が覚えていなくても。たとえ、僕がすべてを忘れてしまっても。それでもまた、君に会いに行こう。きっと、きっと……
帯刀を許された武士である弥生は宴の席で美しい面差しを持ちながら人形のようである〝ゆきや〟に出会い、彼を自分の屋敷へ引き取った。
生きる事、愛されること、あらゆる感情を教え込んだ時、雪也は弥生の屋敷から出て小さな庵に住まうことになる。
そこに集まったのは、雪也と同じ人の愛情に餓えた者たちだった。
そして彼らを見守る弥生たちにも、時代の変化は襲い掛かり……。
もう一度会いに行こう。時を超え、時代を超えて。
「男子大学生たちの愉快なルームシェア」に出てくる彼らの過去のお話です。詳しくはタグをご覧くださいませ!
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
BL 男達の性事情
蔵屋
BL
漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。
漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。
漁師の仕事は多岐にわたる。
例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。
陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、
多彩だ。
漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。
漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。
養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。
陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。
漁業の種類と言われる仕事がある。
漁師の仕事だ。
仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。
沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。
日本の漁師の多くがこの形態なのだ。
沖合(近海)漁業という仕事もある。
沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。
遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。
内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。
漁師の働き方は、さまざま。
漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。
出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。
休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。
個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。
漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。
専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。
資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。
漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。
食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。
地域との連携も必要である。
沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。
この物語の主人公は極楽翔太。18歳。
翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。
もう一人の主人公は木下英二。28歳。
地元で料理旅館を経営するオーナー。
翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。
この物語の始まりである。
この物語はフィクションです。
この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。
僕がサポーターになった理由
弥生 桜香
BL
この世界には能力というものが存在する
生きている人全員に何らかの力がある
「光」「闇」「火」「水」「地」「木」「風」「雷」「氷」などの能力(ちから)
でも、そんな能力にあふれる世界なのに僕ーー空野紫織(そらの しおり)は無属性だった
だけど、僕には支えがあった
そして、その支えによって、僕は彼を支えるサポーターを目指す
僕は弱い
弱いからこそ、ある力だけを駆使して僕は彼を支えたい
だから、頑張ろうと思う……
って、えっ?何でこんな事になる訳????
ちょっと、どういう事っ!
嘘だろうっ!
幕開けは高校生入学か幼き頃か
それとも前世か
僕自身も知らない、思いもよらない物語が始まった
人気アイドルグループのリーダーは、気苦労が絶えない
タタミ
BL
大人気5人組アイドルグループ・JETのリーダーである矢代頼は、気苦労が絶えない。
対メンバー、対事務所、対仕事の全てにおいて潤滑剤役を果たす日々を送る最中、矢代は人気2トップの御厨と立花が『仲が良い』では片付けられない距離感になっていることが気にかかり──
後宮に咲く美しき寵后
不来方しい
BL
フィリの故郷であるルロ国では、真っ白な肌に金色の髪を持つ人間は魔女の生まれ変わりだと伝えられていた。生まれた者は民衆の前で焚刑に処し、こうして人々の安心を得る一方、犠牲を当たり前のように受け入れている国だった。
フィリもまた雪のような肌と金髪を持って生まれ、来るべきときに備え、地下の部屋で閉じ込められて生活をしていた。第四王子として生まれても、処刑への道は免れられなかった。
そんなフィリの元に、縁談の話が舞い込んでくる。
縁談の相手はファルーハ王国の第三王子であるヴァシリス。顔も名前も知らない王子との結婚の話は、同性婚に偏見があるルロ国にとって、フィリはさらに肩身の狭い思いをする。
ファルーハ王国は砂漠地帯にある王国であり、雪国であるルロ国とは真逆だ。縁談などフィリ信じず、ついにそのときが来たと諦めの境地に至った。
情報がほとんどないファルーハ王国へ向かうと、国を上げて祝福する民衆に触れ、処刑場へ向かうものだとばかり思っていたフィリは困惑する。
狼狽するフィリの元へ現れたのは、浅黒い肌と黒髪、サファイア色の瞳を持つヴァシリスだった。彼はまだ成人にはあと二年早い子供であり、未成年と婚姻の儀を行うのかと不意を突かれた。
縁談の持ち込みから婚儀までが早く、しかも相手は未成年。そこには第二王子であるジャミルの思惑が隠されていて──。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる

