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6 好転し始める被害状況
襲撃をさりげなく留めるアイリス
しおりを挟むその頃、影の一族の城では。
丸一日が経って、夜が更けた時刻になっても。
部下達は一度も頭領が寝室から出ず、城下の気の毒な少年らを差し出さずに済んで、どれ程ほっとした事か。
女達も、少年らも。
いつ呼び出され、犯されるか。
という、はらはらした不安から一時解放され、城と城下は、安堵の静けさで満たされた。
寝台に横たわるサスベスが、気絶から意識を取り戻し始めると、アイリスはそっ…と、媚薬の香水を手に馴染ませる。
そしてゆっくりとサスベスの股間に手を這わせて、愛撫しにかかる。
「んっ…あ…」
サスベスは意識が戻りながらも感じて、頬をかっ!と染めた。
アイリスはすかさず倒れ込むと、優しく口づけした後、ゆっくりと舌を、情熱的に絡ませる。
「んんっ…」
もう…サスベスはアイリスの熱に浮かされ、彼の体の下で身を、くねらせ始めた。
アイリスは手を使い、口づけながら一度。
サスベスを射精へと導き、直ぐ、顔を下げて二度目は、口に含む。
サスベスは、さっき口の中でくねっていた舌が…。
今度は自身に絡みついてるんだと分かると、酷く意識して、頬を更に赤らめる。
直ぐ、意識がぼうっ…として…その、霞む意識の中。
アイリスの…蠢く舌が幾度も、敏感な先端を刺激し、たまらないように、喉を鳴らして仰け反った。
また、解き放つ。
そして直ぐアイリスが、後腔に指を差し入れ、強引に三度目に勃たせた時…。
サスベスは熱に覆われ、たまらなくなってアイリスに抱きつく。
「…ダメ…だ、指…なんか…じゃ………」
アイリスは直ぐ、サスベスを抱き寄せると挿入の体勢を取らせ、抱きしめながら後腔に挿入を始める。
ゆっくりと…挿入し始めると、サスベスの睫が震え…。
初めて会った時の、野性味は消え、感じて艶を帯びる、愛される少年へと、変貌を遂げる。
アイリスはそれを微笑んで見つめながら、奥まで差し入れ、ゆっくりと…なぜるように中を、自身のもので愛撫した。
「んっ………」
たまらないような喘ぎ声を上げ…サスベスはもっと、アイリスにしがみつく。
彼の身は、これから訪れる激しい快感の予感に、震えていた…。
アイリスも、受け入れる事をすっかり覚えた、そんなサスベスの反応に…ついうわずって、彼を抱き寄せて…思い切り、下から彼を、突き上げる。
「ぅうんっ!」
アイリスはサスベスをじっ…と美しい濃紺の瞳で見つめながら、引いては再度、下から突き入れる。
「ああ…んっ…!」
そして少しずつ、早く。
強く擦ると、サスベスは瞳に涙を溜めた。
「ああっ!あんっ!」
全身で感じ、悶え乱れ始めるサスベスは、格別で…。
アイリスはもっと彼を乱れさせようと。
少し緩め、その後激しく抉り上げる。
「ああっんっ!」
サスベスはそこで解き放つ。
が、アイリスはまだ高まっていたから。
ゆっくりとなぜるように挿入したまま、中を擦り上げる。
放ったばかりなのにまた、刺激され、強引に勃たされて、サスベスの頬に涙が滴る。
けれどサスベスがしがみつく腕の力はだんだん強くなるから。
アイリスもそれに合わせ、ゆっくりと強く擦りながらサスベスを高める。
「ああっ!あっ!」
脳天を、突き抜けるような快感がサスベスを襲い、けれどイったばかりの彼は、解き放つ事が出来ず…。
更にアイリスに激しく抉られ、脳天を電撃で、貫かれ続けるような快感を立て続けに浴び、泣き濡れて悶え続ける。
「ああっ!あっ!
あぅんっ!
あ…んっ!!!」
もうその頃は、首を振り腰も振って、涙を滴らせながら、激しく身を跳ね上げた。
「ぅ…んんんんっ!!!」
ハァ…。
アイリスが解き放った時。
ようやく…サスベスも解き放ち、激しい刺激の後、ぐったりと…アイリスの腕の中に、身を沈める。
「(…マズい…。
あんまり彼が、可愛いから…。
つい、加減しないで与えてしまった)」
つまり、持たせることが出来ずに、本気で突いてしまったのだ。
けれどサスベスはぐったりとした腕にほんの少し、力を戻すと。
アイリスに、巻き付くように抱きついて、身をぴったりと。
寄せて来る………。
「(…まるで頼りない、小さな子供みたいなんだよな…)」
アイリスはつい、そんな彼が、可愛くなって抱き寄せる。
するとサスベスも、ぴったりとくっつき…アイリスの、腕の中に居る。
サスベスは、ぼうっ…とした意識の中、囁く。
「…父様が…昔、こんな風に抱いてくれた…。
母様が病で亡くなって…直ぐの時………。
さみ…しくて、心細く…て…辛かった時………」
「幾つの頃ですか?」
けれどサスベスは、媚薬のせいか、意識を混濁させたまま、つぶやく…。
「父様は部下らに言われてた…。
姿の美しい者は弱いと………。
母様はとても美しく…落ちぶれた貴族で、お金…も行くところも無く…て…。
ここに…来るしか無くて………。
でもここは、寒いから!
下の湖からの冷たい湿気で…直ぐ、弱って………」
けれどサスベスは、ふうっ…と意識を手放すと。
アイリスの温もりに、安心したように目を閉じる。
アイリスは吐息を吐くと、サスベスを寝台に横たえ、暫く、添い寝をした。
その後、起き上がってワインを飲み、意識を取り戻すサスベスを見るとまた。
手の平に、媚薬の香水を垂らして、寝台に戻った。
サスベスはもう、軽く股間の彼自身を弄ぶだけで。
発情して、挿入を求める。
「シて…。
挿入(い)れて…!
思いっきり、突いてくれ!!!」
「(…媚薬のせいだと、分かっているんだけど…。
これだけ熱烈に求められると、私も理性が飛びそう…)」
結果、アイリスは理性を飛ばせて、サスベスが求めるまま。
強く…激しく擦り上げて…簡単にサスベスを気絶させる。
「(…なんか、加減出来なく成ってる…)」
アイリスは、反省しようとまた、ワインを煽る。
もっと。
サスベスをジラし、そして長く保たせて…。
快楽の虜にさせようと思うのに。
求められるとつい、その気で存分にいつもの自身のテクを使い。
相手も自分も、最高の快感を得られる短時間決戦を、してしまう………。
結果。
サスベスはせいぜい、二度の射精で絶頂を迎え、彼の精を削ぎ落とす作業は、はかどらない。
だから…良く鍛えられたサスベスが、意識を手放すのは束の間。
また…意識を戻すから、アイリスは媚薬を手の平に擦りつけ…。
直ぐ、発情するサスベスを、情熱的に抱きすくめて、貫き続けた………。
飢えた獰猛な獣が、やっと満腹で満足な、幸福そうな笑顔で寝入る姿を見つめ、アイリスはあくびをした。
そんな時。
「ロスフォール大公からの使者が…参っておりますが…」
そう扉の向こうから、そっと囁かれ…アイリスはサスベスを、見る。
そっとガウンを羽織って寝台を出ると、扉を開けて、小声で部下に尋ねる。
「どうしよう…?
ぐっすり…眠っていらっしゃるんだけど」
部下は無言でつかつかと入って来る。
そして、サスベスの肩を揺すり、囁く。
「ロスフォール大公の使者です。
エルベス大公家、荷馬車の襲撃をせよと。
目的の領地の、地図を携えて」
「………ん…………アリ…ス……」
「ここに」
「そなたはどう思…う…?」
「…領地の荷馬車…ですか?
領民はそれは…怯える事でしょうね…」
アイリスの、同情しきった声音に、サスベスは頭を揺すり、目を開けてアイリスの方を見る。
「…そう…思うか?」
アイリスは心から気の毒げに囁いた。
「丹精込めて育てた作物を…一瞬で粉々にされたら。
誰にとっても、大変辛いことです」
ゴツい…重臣らしき部下は、目を見開いてアイリスを見つめる。
サスベスが、俯いて囁く。
「…そうか…。
なら使者を、追い返せ。
父や先代の頭領達は…被害報告の出ない、傲慢な金持ちしか、襲わなかったな…?」
その時、ゴツい重臣の、瞳が濡れた。
「左様でございます!
悲劇は遺恨を産み、遺恨は復讐へと繋がり、やがて一族を危機に陥らせるとの、家訓ゆえ」
サスベスは少し、身を起こすと、重臣をバツが悪そうに見つめ、とても小さな声で囁く。
「われは…暫く、忘れていたな…。
それならもう、ロスフォール大公の、使者は通すな。
都の部下らにも、連絡を入れてくれ。
特令はもう終わりだ。
通常道理に、戻ってくれと」
アイリスはゴツい重臣が、感慨深げに大きく頷き、瞳を濡らしたまま…嬉しそうに退出して行く姿を、見つめた。
重臣は扉を閉め様、アイリスに微笑みを送る。
輝く瞳で。
そして、アイリスに礼をするように、一つ頭を下げ、扉は閉まった。
「(…礼を言いたいのはこちらだけど…。
彼らも、助かってるのは事実みたいだな…)」
「アリ…ス…」
サスベスに呼ばれ、アイリスは寝室に戻る。
抱きつかれ、顔を寄せられ、囁かれた。
「そなたは姿道理…優しい…」
アイリスはその言葉に、心の底から嬉しそうに、微笑んだ。
「光栄でございます」
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