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10 逆転する明暗
ギュンターが去る日
しおりを挟む頭領私室に戻り、サスベスがソファに崩れ落ちると、ギュンターは向かいに座り、囁く。
「俺がさっきの報告に出て来た…暗殺命令下された騎士だとしたら…。
お前、どう思う?」
囁いた途端、サスベスが顔を上げて、目を見開く。
「…では貴方が…ゼフィスを侮辱した…近衛騎士?!」
ギュンターは表情を変えず、頷く。
サスベスは男らしくも素晴らしい美貌の、金髪のギュンターを、少し切なげに目を細めて見つめ、囁く。
「…ゼフィスの気持ちは…少し、分かる…。
もしあなたに相手して貰えなかったら…寂しくて絶望する」
ギュンターは本心で言った。
「…可愛い事、言ってくれるな…。
だが、ゼフィスは君とは違う。
ゼフィスは俺を、利用価値のある男として…使役したかっただけだ」
「利用…価値…?」
その時、サスベスはゼフィスと寝ていた頃。
寝物語で朦朧としながら、聞いた言葉を思い出す。
“ギュンターって…金も無い、貧乏領主の息子を、王家のタニアと言う姫君が、好きになったの。
王家の姫君に惚れられたら…どれ程の権力が手にできると思う…?
だから、あの男には利用価値があった。
私の虜にして…。
そしてもう一度、タニア姫に愛想良くさせる…。
姫は彼…ギュンターの言う事なら、何でも聞いたでしょうね…”
サスベスはその時、あまり関心無く聞き返した。
“つまり…私にとっての、君のような存在か?
ギュンターって男は”
けれどゼフィスはその後、悔しそうに言った。
“あの男を殺して!!!
ギュンターと言う、金髪の近衛騎士を!!!
あの男が生きていたら私…。
もう絶望して、あなたと寝たり出来やしない!!!
私が大切なら…私を袖にして惨めな思いをさせたギュンターを、生かしてはおかない。
そうよね?!”
あの、豊かな胸の感触…。
蕩けそうな唇…。
けれど…今やもう、それは遙か向こうに、遠ざかっていた。
だが…あの時サスベスはゼフィスの叫びを聞き、臣下を呼び出し…改めて厳命した。
『何としても、ギュンターと言う金髪の近衛兵に、止めを刺せ』
と。
「…ゼフィスは…あなたを利用したかった…?
王家の、あなたに惚れてるタニア姫を、自分の…良いように操る為に?」
そう呟くと、ギュンターは囁き返す。
「操り人形に、しようとする奴らはその相手を大切にしない。
支配したいだけで、決して情はかけない」
「…ゼフィスは…そんな女だったと?」
「違うと、思うのか…?」
サスベスは呆然とした。
ゼフィスは夢中にさせてくれた。
好きなだけ…挿入しても、受け入れてくれた。
けれど…アイリスのような…優しく温かなキスは、しなかった………。
アイリスは、ゼフィスとは、全く違った。
いつも気遣い…周囲の人々に目を向けさせ、そして…ゼフィスに夢中だった時、見失った城の配下達との絆を、取り戻させてくれた………。
ゼフィスがしたのは、欲望をかき立てる、口づけだけ…。
ゼフィスしか、目に映らないようにし。
他に目を向けさせず、情けも一切かけず…。
そして彼女の言いなりの…何一つ判断出来ない、繰り人形にされて………。
取り返しの付かない…愚かな命令を出させて、部下達を苦しめ…。
そして多くの人を、傷つけた………。
サスベスはそっ…と、顔を上げた。
「貴方も…私の様にされて…いた?
ゼフィスの…誘いに乗っていたら」
ギュンターはくっ。と笑った。
「俺はお前のように年若くも無いし、父を亡くしたばかりでも、頭領ですら無い。
お前の年頃であんな妖女に目を付けられたのが、不幸だ。
これからは…部下の助言を聞け。
俺も餓鬼の頃、散々言われた。
叔父にだが…。
惚れた女が最悪だと、悲惨で心を引き裂かれて、人を愛せなくなる。
だが…豊かな情愛をくれる女は…俺をも生かし周囲を生かし…。
人生を幸福にしてくれる。
若年は欲に迷う。
が、間違えるな。
友や…真にお前を思う、者らの忠告に耳を傾けろ。(ギュンターはしてないけど)
ちゃんと…幸福をくれて、お前も相手を幸福に出来る相手を選べ。
と」
サスベスはその時、幸福をくれる相手にアイリスを、思い浮かべた。
間違いなく、幸福に導いてくれる相手はゼフィスでなく、アイリス…。
そしてアイリスはディンダーデンを…そして今、目前にいる、自分が暗殺を命じた、ギュンターを寄越した。
ディンダーデンは激しく可愛がってくれたし、濃厚な口づけで、愛を囁いてくれた。
ギュンターは…暗殺を命じたのが自分だと、知っていたのに…。
欲すると与えてくれ…決して痛い事も、苦しいことすらしなかった。
稲妻が貫くような、激しい快感…。
けれど気づくと、労るように腕に抱き、頬を寄せていてくれた………。
サスベスは項垂れきって…ギュンターに囁く。
「どう…謝罪すれば…いいのか…………」
ギュンターはソファから立ち上がると、サスベスの横に来て顔を覗き込む。
「…命じたのはゼフィスで、お前も俺も、ゼフィスの被害者だ。
少なくとも、俺はそう思ってる」
サスベスは、顔を上げる。
そして…泣きそうな顔をして、ギュンターに縋り付いた。
それだけで…ギュンターには分かった。
彼は、抱いて欲しいのだと。
抱いて、愛して欲しいのだと。
ギュンターは今度は、ゆっくりと事を進めた。
幾度も口づけ、肌に触れ、胸に抱き寄せて手で二度、イかせ…。
体力のあるサスベスは、手でした程度では直ぐ、回復する。
そしてサスベスの、瞬く緑の瞳…。
待ち望む目を見た途端、ギュンターの理性は消し飛んだ。
抱き寄せ、腰を抱え、腿を担ぎサスベスの股間を開かせると直ぐ、猛った自身を蕾に突き刺す。
「ううっ…んっ!!!」
鋭いけれど、甘い喘ぎを聞くと、ギュンターの理性は完全にどこかに飛び去った。
つい思い切り抉り上げて、サスベスをのたうたせ…体位を変えると後ろから抱き寄せ、下から突き上げる。
更に…腰を抱き上げて、真上から…………。
落ちようとするサスベスの腰を幾度も引き上げながら、腰を打ち付け、突き刺した。
一気に体位を変えて三度も立て続けに達し、ほっとしてサスベスを見たが…。
サスベスは完全に、気絶していた。
ノックの音に、ギュンターはガウンを羽織ると寝台を出る。
そっ…と扉の向こうに囁く。
「もう、夜だしサスベスは起きられない」
「構いません。貴方に用なので」
ギュンターはその口調が、銀髪の一族の配下とは違って丁寧なのに気づき、扉を開けた。
地味な印象の…だが、明らかに銀髪の一族では無いと分かる、栗色の髪の男。
「…アイリス様の叔父、エルベス大公に雇われている者です。
貴方がここを去る日がいつかを、お聞きしたくて」
男に言われ、ギュンターは躊躇いながらも告げる。
「…もう暗殺対象が俺だったと、サスベスにバラしたし…。
サスベスももう、暗殺指令を出さないと分かったから。
出来れば早く、ここを去りたい。
…思ったより彼は可愛いので、このままいると情が移り、去るのが辛くなる」
男はくすくす笑い、囁き返す。
「なる程。
アイリス様が、自分が去った後に立て続けに素晴らしい後釜を、ご自身で用意されたので…こちらの方も時間が出来、無事手配できました。
貴方が去った後、彼の面倒を見られる男を、もうここに招いてあります。
勿論…貴方やディンダーデン殿に負けない程の、床上手」
「…女か?」
「男ですよ。
だがサスベスの父、亡き頭領に大恩ある男なので。
この後、サスベスにいいように持っていってくれる筈です。
もし違えば、また我々が介入し、方向修正する」
ギュンターはじっ…と、そう告げる男を見た。
とても…世慣れて、謀(はかりごと)に熟達して見えた。
「…なる程。
では俺がいつ去っても…」
「大丈夫です」
ギュンターは、頷く。
「…都からの使者が…エルベス大公家が、ロスフォール大公に報復をする為に、動いてる男らがいると告げていたが…」
男は頷く。
「私の、仲間です」
「で、ロスフォール大公家は、持ち直すか?」
尋ねられて、男は悪戯っぽく笑った。
「いえ。壊滅でしょうね」
ギュンターは、短いため息を吐き出した。
「名を、聞いておこうか。
あんたらを敵に回すのは、ヤバそうだ」
男はますます笑った。
「貴方がディアヴォロス左将軍の味方でいる限り。
敵には回りません」
ギュンターは目を見開く。
「…そうなのか?」
男は頷く。
「我々は決して。
ディアヴォロス左将軍は敵に回しませんから」
ギュンターは頷く。
「俺の親友オーガスタスは左将軍補佐で、ディアヴォロスを絶対裏切らないと決意してるようだし。
俺はオーガスタスに大恩あり、奴に一生背を向けないと、奴に知られないよう内心こっそり誓ってるから…」
男は、にっこり笑った。
「敵には、なりようがないようですね?」
ギュンターは頷く。
扉は閉まり、ギュンターは名を、結局聞きそびれたことに、寝台に戻ってから気づいた。
寝台に戻ると、サスベスが気づいたように、抱きついて来るから、ギュンターは彼を抱き返す。
温もりに、安堵してる様子で、くたびれきってる風なので、ギュンターも抱きしめながら、眠ろうとしていた。
けれどサスベスは、思い返したように、ギュンターに囁く。
「恨んで…無い?
全然私の事を?」
ギュンターは抱き寄せて、囁く。
「…どうかな…。
確かに毒盛られて怒っていたが…。
命じた相手がゼフィスと聞いたし…。
会ってみたらお前は素直でいい子だったし…。
…抱くと可愛くて…理性が飛ぶしな」
サスベスは、そう言われてまた、頬を染めるので、ギュンターは微笑んで、サスベスの額に口づけた。
サスベスはその口づけを、温かいと感じ、優しいとも…感じた。
そして改めて、ゼフィスの事を思った。
どういう訳だか…彼女と、すればするほど、飢えてくる………。
ディンダーデンと、したいだけした時、思った。
こちらが、したい。と思う。
ディンダーデンはそれを察して、直ぐ相手してくれる。
ディンダーデンが、自分を見て煽られ、したいと迫って来る…。
それは凄く、甘いときめきで…どきどきする…。
それの繰り返しで、終わった後満たされた気持ちになる。
くたくたに疲れ…けどまた、したくなるのに、飢えてる訳じゃない…。
欲望だけで無く、満たされた幸せな気分を、再び味わいたいから。
アイリスとすると…大切に抱きしめられて、心から安心する。
包まれてるような安堵感に、浸りきることが出来る…。
ギュンターは…自分のしたことを、知っていながら…労ってくれる。
ちゃんと見てくれて、抱き止めてくれる…。
…なのにどうして。
女のゼフィスの相手だと、すればする程孤独になって。
狂気のように、取り憑かれたように…。
満たされない飢えに、苛まれるんだろう…?
サスベスは気づくと、呟いていた。
「…ゼフィスは俺を、一度も…愛して無い?
普通、肌を合わせたら………。
その相手に情愛が湧く。
だから…ゼフィスと、愛し合ってると思ってた。
熱烈に。
けれど…」
サスベスの言葉に、ギュンターも記憶を手繰る。
「ゼフィスは相手を、操るために寝る。
確かに、欲望は発散出来るが…それだけだ。
…してる女が、自分を好きで寝てくれないと…。
結果、その情事は虚しい」
サスベスは、愕然とした。
「じゃあ…俺があの女としても…いつも空虚な気持ちがして…。
どれだけ欲望を発散しても空虚さは拭えず、孤独と…狂気すら感じても、決して満たされることが無かったのは………」
ギュンターはそれを聞いて、ぼそり…と囁く。
「多分、征服欲を煽ってるんだ。
彼女の全てが欲しいと思わせる。
が、決して手に入らないから…追っても追っても手に入らない。
終いに彼女しか目に入らず、彼女の言う事を全て受け入れ、欲するが…。
ゼフィスは決して与えない。
利用する腹だから、愛情なんて与える気が、最初から無い。
そんな相手に愛情を欲し続けたら、気が狂って絶望するぞ?」
サスベスは、狂気に取り憑かれたような、ゼフィスの去った後の自分を思い返した。
どれだけの相手としても、飢え続け…。
ゼフィスを求め、心は荒れ狂い…。
窒息しそうで辛くて。
それを拭い去るため、必死で………。
相手を次々、寝室に呼ばせた。
だがどの相手としても…拭い去るどころか更に辛くなって………。
自分で自分を制することが出来ず、まさしく…狂気の沙汰…。
けれどアリスが来て、抱いてくれた途端。
心も欲も、満たされた…。
まるで光に包まれてるみたいな気分で、アリスの愛撫を受け…。
枯渇した大地が、水で潤されたような…。
満たされた気分で、心は落ち着いた。
…そして…。
ゼフィスは、必要無くなった。
サスベスは小声で囁く。
ギュンターに更に寄り添い、温もりを感じながら。
「最初にゼフィスが俺の元を去った後。
臣下の…俺を見る目が…変わった。
兄のように叔父のように…俺に接してくれていた臣下達がまるで…。
異質の存在を見るように、冷たい目で…俺を…見た…」
ギュンターは、労るように囁く。
「親父さんが死んで、頭領の地位を継いだんだろう…?
亡くして弱った心の隙を、突かれたんだな?」
サスベスは、わなわなと震い出す。
「あの女は、あんたや…敵対する大公を滅するために、俺を利用しただけ?!
それだけ?!」
問われて、ギュンターは問い返した。
「…もしあの女に会う前、俺に会ってたら…。
俺の暗殺命令、出せたか?」
サスベスは、首を横に振る。
「アリ…ス?(だっけ?)が、来た後も…。
(うっかり、アイリスと言うとこだった)
…臣下達はあんたに、冷たい視線を向けたままか?」
ギュンターの問いに、サスベスは首を横に振る。
「…ゼフィスを追い出した途端…。
皆、俺に再び…。
温かい眼差しを向けて…優しく…なった…………」
ギュンターは言った。
「俺がこれ以上言わなくても、お前は分かってる」
サスベスは頷く。
そして…ギュンターにより一層、抱きつき…。
その逞しい体の感触を、頼もしいと思いながら、眠りについた。
ギュンターは心許ない幼子のように縋り付く、大切な父を亡くしたばかりのサスベスを腕に抱き、ため息を吐いた。
「(…ディンダーデンの気持ちが分かる…。
これだけ素直に求められると…可愛くて、仕方無かったんだろうな………)」
結局、抱き合ったまま…ギュンターはサスベスの安らかな寝息を聞きながら、深い眠りに就いた。
夢の中で、深い溝から光り溢れる水面に、昇っていきながら、微笑ってる自分を見た。
翌朝、ギュンターはサスベスの寝室を出る。
室内のサスベスは別れを惜しむように…ギュンターを、見た。
サスベスの横には、昨夜男の紹介した、銀髪の新しい侍従がいた。
寂しげなサスベスに、背の高い銀髪の侍従は囁く。
「私がお側でお世話いたします。
ギュンター殿は…」
サスベスは項垂れて、言葉を返す。
「分かってる…。
ディンダーデンだって、軍務があると…戻って行った」
ギュンターはひょろりと背の高い、細身の…しかし、引き締まった体付きの若い銀髪の男を見つめ、頷く。
面長で整ってはいるが、あまり目立たない顔立ちの年若い男は、ギュンターに頷き返す。
ギュンターは視線を俯いてるサスベスに向けると、微笑んで告げる。
「…ディンダーデンは時間が出来たら、必ずここに来る。
元来、気まぐれな男だが、気に入った相手は大切に扱う男だ」
サスベスは、それを聞いてこっくりと、頷いた。
ギュンターは、まだ寝室の扉を開けたまま見送るサスベスに、振り向いて言った。
「俺も、約束出来ないが時間が出来たら寄るから!」
サスベスは咄嗟、ギュンターに駆け寄ろうとし…。
けれど侍従に、そっ…と肩に触れられ、自制すると、ギュンターの言葉に、しっかりと頷き返した。
帰り道。
ギュンターは過酷な、長く不安定な吊り橋を、幾つも渡った。
が、暗殺計画は消え、暗雲も晴れ。
愛しのローランデを思い浮かべると、心に翼が生えて楽勝だった。
崖に辿り着くと、オーガスタスの手配した、馬車が待機してるのを見つけ、乗り込む。
御者に
「王立騎士養成学校まで、大至急!!!」
そう、嬉々として叫んだ。
が。
御者は呟く。
「オーガスタス様が。
貴方はきっと、そう言うが。
ちゃんと近衛の左将軍補佐邸まで、必ずお連れしろと」
ギュンターは走り出す馬車の中で、オーガスタスの手回しの良さに怒り狂って腕組みし、歯ぎしりしまくった。
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