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第一章
戦う為に
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翌朝ソフィア・アルグレーは怒っていた。
「まだ怒ってるのか? 」
ライルは歩きながらソフィアの方を向く。
「……別に怒っていません 」
ソフィアは頬を膨らませそっぽを向く
(怒ってるじゃないですか…… )
ライルは心の中で溜め息をつく。
「いやほらソフィアも初めての旅だから疲れていると思っての俺なりの配慮だったんだが…… 」
「そんな配慮私は要りません! 」
「いやでも疲れてたは疲れてただろ 」
「は~~ 」
ライルが弁明するとソフィアは大きな溜め息をついた。
「いいですかライル、確かに貴方の気遣いは嬉しい。
ですが私は昨日言いましたよね。見張りはライルだけに任せておけないから交代でやると。
なのに何故貴方という人は私の事ばかり気遣って自分を大切にしないのですか?
私が怒っているのはその事です 」
「そんな事言われてもなぁ。雇い主を第一に考えるのが傭兵だし…… 」
ライルは弱々しく答える。
「とにかく! 今後は見張りは交代でやります。
またこのような事があったら怒りますよ 」
「はい、分かりました…… 」
ライルは弱々しい返事を返すとソフィアは
「分かったならいいんです 」
と頷く。
ソフィアの激昂が収まった頃。
グ~~~
と奇妙な音が聞こえた。
「ん? なんだ 」
ライルは辺りを見回すがこれといって音の発生場所らしい所は無い。
ライルは不思議に思っていたその時。
グ~~~
再び音が鳴る。
「まさか… 」
ライルはソフィアの方を見る。
するとソフィアはお腹を押さえていた。
その白い肌の顔を真っ赤に染めて。
「……どうしたソフィア 」
ライルは一応聞いてみる。
「うう、そのお腹が減りました…… 」
ソフィアは真っ赤な顔を更に赤くする。
ライルさっきまで怒っていたばかりのソフィアのその様子が可笑しくて吹き出す。
「ははは、そういえば昨日の夜から何も食べてなかったな 」
そう言うとライルは背中に背負っている荷物からパンを二つ取り出し一つを放る。
「あ、ありがとうございます…… 」
「別にいいよ。でも今度からは腹減ったらもっと早く言ってくれ 」
「う、分かりました 」
ソフィアが恥ずかしそうにそう答えるとライルはまた笑う。
そしてソフィアもつられて笑った。
パンを食べ終え再び歩き出したソフィアはライルに聞く。
「そういえば途中に村や街はあるのですか? 」
「ああ、あるよ。もう少し歩くとエルザーク領の『トリア』って結構大きい街がある。
一応そこで二日位は滞在する予定だ。
ソフィアも色んな街や人を見て勉強しなきゃな 」
「はい、私は戦争を終わらせる為にも色んな国や街、そこで暮らす人々を見て回りたいのです。
……それでライル少し頼みたい事があるのですが 」
「頼み? 」
ライルが聞くとソフィアは立ち止まりライルの目を見る。
「あの…昨日の夜ライルは私にどうやって戦争を止めたいかと聞きました、私はそれについて少し考えました… 」
ソフィアはそこまで言うと言葉をやめ、一度息を吸い直す。
そして強く言った。
「私は最初対話によって争いを無くそうと考えていました。
ですがそれは難しいのでしょうね、ライル達勇者が抗議しても止まらなかったのですから。
ですが私は血を流したく無い、できる事なら対話で戦争を止めたい、しかしもしその言葉を聞かず私やライルに剣を向けるのであれば私は容赦無く武力を持ってそれを止めます、これが私の答えです。
……しかしそれを成すにも私には力がありません、ですからライル、私に剣術を教えて頂けませんか?いざという時戦う為に 」
ソフィアの強い意志に内心ライルは驚いていた。
勇者ですら戦おうとしなかったのに唯の自分と変わらない歳の女の子が此処まで強く戦うと言えるだろうかと。
ライルはソフィアの強い意志を感じ取り答える。
「いいよ、俺が君に剣術を教えてやる 」
「あ、ありがとうございます! 」
ソフィアは深々と頭を下げた——————。
「まだ怒ってるのか? 」
ライルは歩きながらソフィアの方を向く。
「……別に怒っていません 」
ソフィアは頬を膨らませそっぽを向く
(怒ってるじゃないですか…… )
ライルは心の中で溜め息をつく。
「いやほらソフィアも初めての旅だから疲れていると思っての俺なりの配慮だったんだが…… 」
「そんな配慮私は要りません! 」
「いやでも疲れてたは疲れてただろ 」
「は~~ 」
ライルが弁明するとソフィアは大きな溜め息をついた。
「いいですかライル、確かに貴方の気遣いは嬉しい。
ですが私は昨日言いましたよね。見張りはライルだけに任せておけないから交代でやると。
なのに何故貴方という人は私の事ばかり気遣って自分を大切にしないのですか?
私が怒っているのはその事です 」
「そんな事言われてもなぁ。雇い主を第一に考えるのが傭兵だし…… 」
ライルは弱々しく答える。
「とにかく! 今後は見張りは交代でやります。
またこのような事があったら怒りますよ 」
「はい、分かりました…… 」
ライルは弱々しい返事を返すとソフィアは
「分かったならいいんです 」
と頷く。
ソフィアの激昂が収まった頃。
グ~~~
と奇妙な音が聞こえた。
「ん? なんだ 」
ライルは辺りを見回すがこれといって音の発生場所らしい所は無い。
ライルは不思議に思っていたその時。
グ~~~
再び音が鳴る。
「まさか… 」
ライルはソフィアの方を見る。
するとソフィアはお腹を押さえていた。
その白い肌の顔を真っ赤に染めて。
「……どうしたソフィア 」
ライルは一応聞いてみる。
「うう、そのお腹が減りました…… 」
ソフィアは真っ赤な顔を更に赤くする。
ライルさっきまで怒っていたばかりのソフィアのその様子が可笑しくて吹き出す。
「ははは、そういえば昨日の夜から何も食べてなかったな 」
そう言うとライルは背中に背負っている荷物からパンを二つ取り出し一つを放る。
「あ、ありがとうございます…… 」
「別にいいよ。でも今度からは腹減ったらもっと早く言ってくれ 」
「う、分かりました 」
ソフィアが恥ずかしそうにそう答えるとライルはまた笑う。
そしてソフィアもつられて笑った。
パンを食べ終え再び歩き出したソフィアはライルに聞く。
「そういえば途中に村や街はあるのですか? 」
「ああ、あるよ。もう少し歩くとエルザーク領の『トリア』って結構大きい街がある。
一応そこで二日位は滞在する予定だ。
ソフィアも色んな街や人を見て勉強しなきゃな 」
「はい、私は戦争を終わらせる為にも色んな国や街、そこで暮らす人々を見て回りたいのです。
……それでライル少し頼みたい事があるのですが 」
「頼み? 」
ライルが聞くとソフィアは立ち止まりライルの目を見る。
「あの…昨日の夜ライルは私にどうやって戦争を止めたいかと聞きました、私はそれについて少し考えました… 」
ソフィアはそこまで言うと言葉をやめ、一度息を吸い直す。
そして強く言った。
「私は最初対話によって争いを無くそうと考えていました。
ですがそれは難しいのでしょうね、ライル達勇者が抗議しても止まらなかったのですから。
ですが私は血を流したく無い、できる事なら対話で戦争を止めたい、しかしもしその言葉を聞かず私やライルに剣を向けるのであれば私は容赦無く武力を持ってそれを止めます、これが私の答えです。
……しかしそれを成すにも私には力がありません、ですからライル、私に剣術を教えて頂けませんか?いざという時戦う為に 」
ソフィアの強い意志に内心ライルは驚いていた。
勇者ですら戦おうとしなかったのに唯の自分と変わらない歳の女の子が此処まで強く戦うと言えるだろうかと。
ライルはソフィアの強い意志を感じ取り答える。
「いいよ、俺が君に剣術を教えてやる 」
「あ、ありがとうございます! 」
ソフィアは深々と頭を下げた——————。
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