19 / 45
第二章
夢の中で
しおりを挟む
「魔王を倒した英雄達の帰国だ! 」
勇者達が馬に乗り門をくぐると花びらが舞い人々の歓声が勇者達を出迎える。
「見ろ! 聖剣使いのアレクシス様だ! 」
「グレバラン公爵家の次男なのに自ら戦場に出て戦うなんてなんと勇敢な事でしょう! 」
白馬に乗る騎士甲冑に身を包んだ金髪に白い肌の美男子は民衆に手を振るうと更に歓声が大きくなる。
「よく手を振る気になるなアレク 」
ライルは馬でアレクシスの隣を歩く。
「まさか、最悪の気分だ。ラシェルが死んだのに貴族の俺はこうやって笑顔で手を振らなけれならないのだから 」
ライルは笑顔で悲しさを押し殺し民衆に手を振りかえす友人を見遣る。
すると民衆の誰かが言った。
「おい、ライルだ!二千の魔族の軍勢を一騎駆けして蹴散らした剣鬼だ! 」
するとアレクシスは微笑み言った。
「ライル、お前も振り返したらどうだ?少しは気がまぎれるかもしれないぞ 」
ライルは民衆を見て言う。
「……気分じゃない。それに民に手を振ったくらいじゃこの気持ちは晴れないさ… 」
「けれどいつまでも辛気臭いままじゃラシェルに笑われるわよ 」
ライルとアレクシスは後ろから声をかける女性を見る。
眼鏡をかけ黒いローブと木で出来た杖を持った茶髪の長い髪の魔女を見る。
「なんだよレティシア、じゃあラシェルの事は忘れろってか? 」
赤い外套の剣士は苦笑する。
「違うわよ、死んだラシェルの為にも笑った方が貴方らしいって事よ 」
ライルは言い返せなくなり今頃他の仲間達とラシェルの遺体はイルミア王国でこれと同じ歓声を受けているだろうかとどうでも良い事を思ってみる。
民衆の歓声を受けながらライルとアレクシスとレティシア、そしてエルザーク帝国から出兵した兵士達はそのまま皇城へ入る。
見張りの兵に馬を預けると三人は皇帝のいる皇の間へ入る。
「アレクシス・グレバラン、ライル・シュビレブラウ、 レティシア・ロンドただいま魔王討伐より戻りました! 」
アレクシスは声を張り上げ皇帝の前で跪く、レティシアもそれに習う。
ライルも同じ様に真似をするがあまり綺麗に出来ない。
「面をあげい 」
皇帝が促すので三人は顔を上げ玉座に座る皇帝を見る。
白髪頭に長い白い髭を生やし優しい目をしたしかしどこか威厳めいたものが漂う老人、それが現エルザーク帝国皇帝 アルノルト・エルザークだ。
「よくぞ戻った、先達した兵より聞いているぞ……魔王を倒したのだな。よくやってくれたお主らは我が帝国の誇りだ 」
皇帝の言葉に三人は再び頭を下げる。
「いえ陛下、我々は女神アルテス様と何より我らが皇帝アルノルト・エルザーク皇帝陛下様の勅命により魔王を討伐したまででございます 」
アレクシスは畏まった風に言う。
ライルはその姿に流石だなと思う。
自分だったら即席でこんな上等文句など考えつかないだろう。
流石は貴族位の中で二番目の地位にいる家柄だけある。
ただの剣術馬鹿の自分とは違う。
「今夜は細やかだか宴を準備しておる、大いに楽しんでくれたまえよ 」
皇帝が下がれと言うので三人は皇の間を後にする。
その日の夜皇城で盛大なパーティーが開かれた。
エルザーク帝国中の貴族が集められ魔王討伐の祝杯を挙げていた。
ライルは初めは行かないと言ったがレティシアが促すので渋々慣れない正装でパーティーに参加した。
ライルは会場の端っこにあるソファに座りながらぼんやりとパーティーの様子を見ていた。
ライルはアレクシスの居る方を見ると周りには貴族の女達が寄ってたかってアレクシスの話を聞いていた。
次にレティシアを見るとこちらもどこぞの伯爵公爵達に囲まれて楽しく談笑していた。
ライルはグラスに入った果実ジュースを飲もうとグラスを傾ける。しかしいつのまにか全て飲んでしまった様だ。
「チッ 」
ライルは静かに舌打ちするとソファから立ち上がりジュースを取りに行こうとする。
その時背後から女性に呼び止められる。
白銀の長い髪に人形の様な可愛らしい顔の少女。
アルノルト・エルザークの娘リリアナ・エルザーク姫だ。
ライルはすぐさま跪き言う。
「これはリリアナ姫どうなさいましたか? 」
するとリリアナはライルに少しムスッとして言う。
「貴方の跪く姿は嫌いだわ。せめて私の前ではいつも通りにしなさい 」
「しかし、場所が場所ですし…… 」
ライルが言葉を返すとリリアナは踵の高いハイヒールをカツンと鳴らし静かに言う。
「…去勢させるわよ 」
「……はい 」
ライルは静かに立ち上がる。
どうもライルはこの姫様には弱い。
それは彼女が王族だからだろうか、とりあえずライルはこの姫様には逆らえないのだ。
しかし今度こそはこの姫様にガツンと言ってやろうとライルは口を開く。
「あのですねリリアナ姫、姫である貴女が… 」
「あとその喋り方もやめて 」
「……あのなリリアナ、姫の君がそんなはしたない言葉を使っちゃ駄目だろ 」
ライルは結局何時もの口調に戻されるがなんとか言いたい事を言う。
「ふーんそれで? 」
しかしリリアナは聞く耳を持たない。
「それでって君は、いいか大体平民出の俺なんかに君がそうやすやすと話しかけるのはマズイだろ 」
「でも今は救国の英雄でしょ? 」
ライルは頭を掻く。
「以前は違っただろ 」
「いいえ、以前は我が国の陸軍少佐だったわ 」
この姫様には何を言っても無駄な様だ。
ライルは溜息を吐き諦める。
「それで?何か用があったんだろ? 」
「ええ、皆の様に魔王討伐の事を聞きたくて……貴方の他のお友達は無事なの? 」
ライルは一瞬ラシェルが死んだ事を口に出すのを躊躇うがどうせ嘘をついても無駄だと思い真実を伝える。
「……ラシェルが死んだ 」
「……そう 」
ライルの言葉にリリアナは特に驚いた様子もなく言った。
「驚かないのか? 」
「ええ、分かっていた事だから。この戦いで必ず誰かが死ぬ、それが勇者でも我が国の兵士でも同じ事よ… 」
リリアナの言葉にライル苦笑し呟く。
「……そうか、リリアナは強いな 」
「ああでも…… 」
ライルの言葉を遮る様にリリアナは微笑む。
「貴方が帰ってきた事は素直に嬉しいわ 」
ライルが何か言おうとしたところでリリアナは席を立つ。
「私、お父様の所に戻るわ。パーティー楽しんでね 」
そう言うとリリアナは人混みの中に消えていく。
「お、振られたな 」
ライルがその姿を見つめているとまた声をかけられる。
金髪に透き通るくらい白い肌の美男子、アレクシスだ。
「別に振られてないだろ。それにお前こそ大勢の淑女を振ってこんな血生臭い雑兵になんの用だ? 」
「ははは、ちょっと外に行かないか? 」
ライルはアレクシスに促されるままパーティー会場のベランダに出る。
室内が暖かいせいか夜風がとても気持ちいい。
「それで用事はなんだよ 」
ライルはベランダから外に広がる花壇を見つめている友人に聞く。
「……陛下はもう長くない 」
「……だろうな 」
ライルは頷く。
「陛下が死ねば次に皇帝になるのは恐らく弟のバルドゥルだ。あいつには皇帝にさせる訳にはいかない 」
金髪の美男子は強く言った。
しかしライルはそんなアレクシスを笑ってからかう。
「で、そんなことか?貴族の女をほっぽいて話したい事って 」
するとアレクシスは苦笑する。
「そんなことってあのなぁ…まあいいか。後一つ言っておくが俺はレティシア一筋だ 」
ライルは真面目な顔でそう言うアレクシスに吹き出してしまう。
「ははは、早く結婚しろよバカップルが! 」
「ああそのうちな 」
ライルはアレクシスのこういうところが好きなのだ、貴族なのに冗談を言って人を笑わせてくる性格。
まあ最もレティシアの件は本気だろうが……
少しの沈黙の後アレクシスは口を開く。
「なあライル、これからどうする気だ? 」
「……これからか… 」
「今回の件でお前は多分大佐まで昇級できるだろう。それどころか騎士号を貰えるかもしれないぞ。平民出のお前からしたら大出世だ 」
笑顔でそう言うアレクシスに対しライルは興味無さげに答える。
「んー正直地位も称号も興味ないんだよなー 」
「じゃあまさかお前、親父の背中を追う気か? 」
「いやまさか、そんな事はしないよ。とりあえずはまだ軍にはいるよ大佐にでもなってな 」
ライルはアレクシスに微笑する。
「お前…… 」
「さ、ダンスが始まるぜレティシアを誘ったらどうだ? 」
アレクシスは何か言おうとするがライルが遮る。
「はぁ、そうするよ。ライルはどうする? 」
アレクシスは溜息を吐きライルに聞く。
するとライルはアレクシスに背を向けベランダから出ながら言う。
「部屋に帰って寝るよ。疲れたし 」
ライルは欠伸しながらそう言う。
アレクシスは再び苦笑するとライルの背中に言った。
「じゃあな魔王殺しの英雄。ゆっくり休めよ 」
ライルはアレクシスに後ろ手で手を振るとパーティー会場を後にした——–—。
勇者達が馬に乗り門をくぐると花びらが舞い人々の歓声が勇者達を出迎える。
「見ろ! 聖剣使いのアレクシス様だ! 」
「グレバラン公爵家の次男なのに自ら戦場に出て戦うなんてなんと勇敢な事でしょう! 」
白馬に乗る騎士甲冑に身を包んだ金髪に白い肌の美男子は民衆に手を振るうと更に歓声が大きくなる。
「よく手を振る気になるなアレク 」
ライルは馬でアレクシスの隣を歩く。
「まさか、最悪の気分だ。ラシェルが死んだのに貴族の俺はこうやって笑顔で手を振らなけれならないのだから 」
ライルは笑顔で悲しさを押し殺し民衆に手を振りかえす友人を見遣る。
すると民衆の誰かが言った。
「おい、ライルだ!二千の魔族の軍勢を一騎駆けして蹴散らした剣鬼だ! 」
するとアレクシスは微笑み言った。
「ライル、お前も振り返したらどうだ?少しは気がまぎれるかもしれないぞ 」
ライルは民衆を見て言う。
「……気分じゃない。それに民に手を振ったくらいじゃこの気持ちは晴れないさ… 」
「けれどいつまでも辛気臭いままじゃラシェルに笑われるわよ 」
ライルとアレクシスは後ろから声をかける女性を見る。
眼鏡をかけ黒いローブと木で出来た杖を持った茶髪の長い髪の魔女を見る。
「なんだよレティシア、じゃあラシェルの事は忘れろってか? 」
赤い外套の剣士は苦笑する。
「違うわよ、死んだラシェルの為にも笑った方が貴方らしいって事よ 」
ライルは言い返せなくなり今頃他の仲間達とラシェルの遺体はイルミア王国でこれと同じ歓声を受けているだろうかとどうでも良い事を思ってみる。
民衆の歓声を受けながらライルとアレクシスとレティシア、そしてエルザーク帝国から出兵した兵士達はそのまま皇城へ入る。
見張りの兵に馬を預けると三人は皇帝のいる皇の間へ入る。
「アレクシス・グレバラン、ライル・シュビレブラウ、 レティシア・ロンドただいま魔王討伐より戻りました! 」
アレクシスは声を張り上げ皇帝の前で跪く、レティシアもそれに習う。
ライルも同じ様に真似をするがあまり綺麗に出来ない。
「面をあげい 」
皇帝が促すので三人は顔を上げ玉座に座る皇帝を見る。
白髪頭に長い白い髭を生やし優しい目をしたしかしどこか威厳めいたものが漂う老人、それが現エルザーク帝国皇帝 アルノルト・エルザークだ。
「よくぞ戻った、先達した兵より聞いているぞ……魔王を倒したのだな。よくやってくれたお主らは我が帝国の誇りだ 」
皇帝の言葉に三人は再び頭を下げる。
「いえ陛下、我々は女神アルテス様と何より我らが皇帝アルノルト・エルザーク皇帝陛下様の勅命により魔王を討伐したまででございます 」
アレクシスは畏まった風に言う。
ライルはその姿に流石だなと思う。
自分だったら即席でこんな上等文句など考えつかないだろう。
流石は貴族位の中で二番目の地位にいる家柄だけある。
ただの剣術馬鹿の自分とは違う。
「今夜は細やかだか宴を準備しておる、大いに楽しんでくれたまえよ 」
皇帝が下がれと言うので三人は皇の間を後にする。
その日の夜皇城で盛大なパーティーが開かれた。
エルザーク帝国中の貴族が集められ魔王討伐の祝杯を挙げていた。
ライルは初めは行かないと言ったがレティシアが促すので渋々慣れない正装でパーティーに参加した。
ライルは会場の端っこにあるソファに座りながらぼんやりとパーティーの様子を見ていた。
ライルはアレクシスの居る方を見ると周りには貴族の女達が寄ってたかってアレクシスの話を聞いていた。
次にレティシアを見るとこちらもどこぞの伯爵公爵達に囲まれて楽しく談笑していた。
ライルはグラスに入った果実ジュースを飲もうとグラスを傾ける。しかしいつのまにか全て飲んでしまった様だ。
「チッ 」
ライルは静かに舌打ちするとソファから立ち上がりジュースを取りに行こうとする。
その時背後から女性に呼び止められる。
白銀の長い髪に人形の様な可愛らしい顔の少女。
アルノルト・エルザークの娘リリアナ・エルザーク姫だ。
ライルはすぐさま跪き言う。
「これはリリアナ姫どうなさいましたか? 」
するとリリアナはライルに少しムスッとして言う。
「貴方の跪く姿は嫌いだわ。せめて私の前ではいつも通りにしなさい 」
「しかし、場所が場所ですし…… 」
ライルが言葉を返すとリリアナは踵の高いハイヒールをカツンと鳴らし静かに言う。
「…去勢させるわよ 」
「……はい 」
ライルは静かに立ち上がる。
どうもライルはこの姫様には弱い。
それは彼女が王族だからだろうか、とりあえずライルはこの姫様には逆らえないのだ。
しかし今度こそはこの姫様にガツンと言ってやろうとライルは口を開く。
「あのですねリリアナ姫、姫である貴女が… 」
「あとその喋り方もやめて 」
「……あのなリリアナ、姫の君がそんなはしたない言葉を使っちゃ駄目だろ 」
ライルは結局何時もの口調に戻されるがなんとか言いたい事を言う。
「ふーんそれで? 」
しかしリリアナは聞く耳を持たない。
「それでって君は、いいか大体平民出の俺なんかに君がそうやすやすと話しかけるのはマズイだろ 」
「でも今は救国の英雄でしょ? 」
ライルは頭を掻く。
「以前は違っただろ 」
「いいえ、以前は我が国の陸軍少佐だったわ 」
この姫様には何を言っても無駄な様だ。
ライルは溜息を吐き諦める。
「それで?何か用があったんだろ? 」
「ええ、皆の様に魔王討伐の事を聞きたくて……貴方の他のお友達は無事なの? 」
ライルは一瞬ラシェルが死んだ事を口に出すのを躊躇うがどうせ嘘をついても無駄だと思い真実を伝える。
「……ラシェルが死んだ 」
「……そう 」
ライルの言葉にリリアナは特に驚いた様子もなく言った。
「驚かないのか? 」
「ええ、分かっていた事だから。この戦いで必ず誰かが死ぬ、それが勇者でも我が国の兵士でも同じ事よ… 」
リリアナの言葉にライル苦笑し呟く。
「……そうか、リリアナは強いな 」
「ああでも…… 」
ライルの言葉を遮る様にリリアナは微笑む。
「貴方が帰ってきた事は素直に嬉しいわ 」
ライルが何か言おうとしたところでリリアナは席を立つ。
「私、お父様の所に戻るわ。パーティー楽しんでね 」
そう言うとリリアナは人混みの中に消えていく。
「お、振られたな 」
ライルがその姿を見つめているとまた声をかけられる。
金髪に透き通るくらい白い肌の美男子、アレクシスだ。
「別に振られてないだろ。それにお前こそ大勢の淑女を振ってこんな血生臭い雑兵になんの用だ? 」
「ははは、ちょっと外に行かないか? 」
ライルはアレクシスに促されるままパーティー会場のベランダに出る。
室内が暖かいせいか夜風がとても気持ちいい。
「それで用事はなんだよ 」
ライルはベランダから外に広がる花壇を見つめている友人に聞く。
「……陛下はもう長くない 」
「……だろうな 」
ライルは頷く。
「陛下が死ねば次に皇帝になるのは恐らく弟のバルドゥルだ。あいつには皇帝にさせる訳にはいかない 」
金髪の美男子は強く言った。
しかしライルはそんなアレクシスを笑ってからかう。
「で、そんなことか?貴族の女をほっぽいて話したい事って 」
するとアレクシスは苦笑する。
「そんなことってあのなぁ…まあいいか。後一つ言っておくが俺はレティシア一筋だ 」
ライルは真面目な顔でそう言うアレクシスに吹き出してしまう。
「ははは、早く結婚しろよバカップルが! 」
「ああそのうちな 」
ライルはアレクシスのこういうところが好きなのだ、貴族なのに冗談を言って人を笑わせてくる性格。
まあ最もレティシアの件は本気だろうが……
少しの沈黙の後アレクシスは口を開く。
「なあライル、これからどうする気だ? 」
「……これからか… 」
「今回の件でお前は多分大佐まで昇級できるだろう。それどころか騎士号を貰えるかもしれないぞ。平民出のお前からしたら大出世だ 」
笑顔でそう言うアレクシスに対しライルは興味無さげに答える。
「んー正直地位も称号も興味ないんだよなー 」
「じゃあまさかお前、親父の背中を追う気か? 」
「いやまさか、そんな事はしないよ。とりあえずはまだ軍にはいるよ大佐にでもなってな 」
ライルはアレクシスに微笑する。
「お前…… 」
「さ、ダンスが始まるぜレティシアを誘ったらどうだ? 」
アレクシスは何か言おうとするがライルが遮る。
「はぁ、そうするよ。ライルはどうする? 」
アレクシスは溜息を吐きライルに聞く。
するとライルはアレクシスに背を向けベランダから出ながら言う。
「部屋に帰って寝るよ。疲れたし 」
ライルは欠伸しながらそう言う。
アレクシスは再び苦笑するとライルの背中に言った。
「じゃあな魔王殺しの英雄。ゆっくり休めよ 」
ライルはアレクシスに後ろ手で手を振るとパーティー会場を後にした——–—。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―
ほしみ
ファンタジー
「え! ぼく、死ぬの!?」
前世、15歳で人生を終えたぼく。
目が覚めたら異世界の、5歳の王子様!
けど、人質として大国に送られた危ない身分。
そして、夢で思い出してしまった最悪な事実。
「ぼく、このお話知ってる!!」
生まれ変わった先は、小説の中の悪役王子様!?
このままだと、10年後に無実の罪であっさり処刑されちゃう!!
「むりむりむりむり、ぜったいにムリ!!」
生き延びるには、なんとか好感度を稼ぐしかない。
とにかく周りに気を使いまくって!
王子様たちは全力尊重!
侍女さんたちには迷惑かけない!
ひたすら頑張れ、ぼく!
――猶予は後10年。
原作のお話は知ってる――でも、5歳の頭と体じゃうまくいかない!
お菓子に惑わされて、勘違いで空回りして、毎回ドタバタのアタフタのアワアワ。
それでも、ぼくは諦めない。
だって、絶対の絶対に死にたくないからっ!
原作とはちょっと違う王子様たち、なんかびっくりな王様。
健気に奮闘する(ポンコツ)王子と、見守る人たち。
どうにか生き延びたい5才の、ほのぼのコミカル可愛いふわふわ物語。
(全年齢/ほのぼの/男性キャラ中心/嫌なキャラなし/1エピソード完結型/ほぼ毎日更新中)
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
真祖竜に転生したけど、怠け者の世界最強種とか性に合わないんで、人間のふりして旅に出ます
難波一
ファンタジー
"『第18回ファンタジー小説大賞【奨励賞】受賞!』"
ブラック企業勤めのサラリーマン、橘隆也(たちばな・りゅうや)、28歳。
社畜生活に疲れ果て、ある日ついに階段から足を滑らせてあっさりゲームオーバー……
……と思いきや、目覚めたらなんと、伝説の存在・“真祖竜”として異世界に転生していた!?
ところがその竜社会、価値観がヤバすぎた。
「努力は未熟の証、夢は竜の尊厳を損なう」
「強者たるもの怠惰であれ」がスローガンの“七大怠惰戒律”を掲げる、まさかのぐうたら最強種族!
「何それ意味わかんない。強く生まれたからこそ、努力してもっと強くなるのが楽しいんじゃん。」
かくして、生まれながらにして世界最強クラスのポテンシャルを持つ幼竜・アルドラクスは、
竜社会の常識をぶっちぎりで踏み倒し、独学で魔法と技術を学び、人間の姿へと変身。
「世界を見たい。自分の力がどこまで通じるか、試してみたい——」
人間のふりをして旅に出た彼は、貴族の令嬢や竜の少女、巨大な犬といった仲間たちと出会い、
やがて“魔王”と呼ばれる世界級の脅威や、世界の秘密に巻き込まれていくことになる。
——これは、“怠惰が美徳”な最強種族に生まれてしまった元社畜が、
「自分らしく、全力で生きる」ことを選んだ物語。
世界を知り、仲間と出会い、規格外の強さで冒険と成長を繰り広げる、
最強幼竜の“成り上がり×異端×ほのぼの冒険ファンタジー”開幕!
※小説家になろう様にも掲載しています。
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
処刑された勇者は二度目の人生で復讐を選ぶ
シロタカズキ
ファンタジー
──勇者は、すべてを裏切られ、処刑された。
だが、彼の魂は復讐の炎と共に蘇る──。
かつて魔王を討ち、人類を救った勇者 レオン・アルヴァレス。
だが、彼を待っていたのは称賛ではなく、 王族・貴族・元仲間たちによる裏切りと処刑だった。
「力が強すぎる」という理由で異端者として断罪され、広場で公開処刑されるレオン。
国民は歓喜し、王は満足げに笑い、かつての仲間たちは目を背ける。
そして、勇者は 死んだ。
──はずだった。
十年後。
王国は繁栄の影で腐敗し、裏切り者たちは安穏とした日々を送っていた。
しかし、そんな彼らの前に死んだはずの勇者が現れる。
「よくもまあ、のうのうと生きていられたものだな」
これは、英雄ではなくなった男の復讐譚。
彼を裏切った王族、貴族、そしてかつての仲間たちを絶望の淵に叩き落とすための第二の人生が、いま始まる──。
転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。
不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。
14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる