35 / 45
第三章
海蛇
しおりを挟む
ソフィアとライルが報告にあった街に着くとアレクシスの部下達が出迎えてくれた。
「援軍感謝します。早速ですが作戦を立てたいので町の役場までお願いします 」
ライル達は指示に従い町の入り口からそれほど遠くない役場に案内される。
役場の中はいったって普通の造りで特に煌びやかな装飾などがない。多分アレクシスの所為だろうとライルは思う。
彼は装飾品に使う資金があるなら領民の必要な所に使う、そんな男だった。
だから戦争続きで上がっていく税金の中で上手くやり繰りしている。
だから領民達は笑っていた。他人を気遣い助け合いながら生きている。だからこそアレクシスの統治する領土は治安がいい。
役場の会議室に着くと既に数人の役人が席に着いていた。
「お待ちしておりましたライル様、ソフィア様。では作戦会議を行いましょう 」
役人の一人に促され席に座り作戦会議が始まった。
「ではまず海賊団海蛇の戦力報告からさせて頂きます。彼等の人数は約五十、特に注意する人物は三人、アダム・ブルコッティ、ヘレン・サレージ、そして頭領バルフリート・シュビレブラウ 」
その瞬間その場にいる全員がライルの方を見る。それにライルは言う。
「そんなに見なくても知っている情報は全て話す。……アダムとヘレンは多分衛兵数人で取り囲めば問題ないはずだ。だけど船長のバルフリートはそうはいかない。並みの兵士じゃ相手にならない。多分五十人規模で囲んでも瞬殺だ 」
「五十人を瞬殺ですか…それがライルの実の父親…… 」
ソフィアはライルを見つめて言う。
それにライルは頷く。
「ああ、だけど手心を加えるつもりはない……親父は俺がこの手で牢屋に入れる 」
そう決意したライルの瞳が少しソフィアは恐ろしく感じてしまう。それが何かはわからないが……
作戦会議が終わりライルは自分の持ち場である港に来ていた。
するとソフィアが背後から話しかけてくる。
「ライル、貴方は父親と何かあったのですか? 」
ライルは振り返りソフィアの顔を見る。ただ単純に気になるといった表情。少しライルを心配しているようだが。
「あーそうだな、あんまソフィアに俺の話した事なかったな……作戦の時間までまだ時間あるし少し話そうか 」
そう言うとライルは近くにあるベンチに腰掛けるとソフィアにも隣に座るよう促す。
「どこから話そうかな、あんまり人に自分の話しないから 」
ライルがどこから話そうか悩んでいるとソフィアはライルを見つめる。そしてふと会議中に見たライル
の瞳を思い出す。その時は気づかなかったが今思えばあの瞳は前に湖の街トリスで圧政を敷く領主に対し領民達が向けていた瞳と似ているような気がした。
人を恨み、憎み、復讐しようとする目。人の悪性。
そんなものをライルの瞳から感じた。
「……ライルは父親を憎んでいるんですか? 」
「……ああ、憎んでる 」
「それは何故ですか? 」
「……母さんを殺したんだ 」
ライルは脳裏に焼き付いた記憶を掘り起こしソフィアに聞かせる。
それはライルが七歳の頃の話だ。
その頃まだライルは父親の乗る海賊船に母親であるセシールと一緒にいた。
船に乗り色んな国を見て回る。そんな生活が彼は好きだった。
もちろん父親やその仲間達がやっている事は知っていた。
港町を襲い食料などを奪うのだ。しかし彼にはそんな事どうでも良かった。何しろ父が引退すればこの船を継ぐのは自分だからだ。
だから父や仲間達が毎日つけてくれる剣術の鍛錬は絶対に欠かさなかった。
もっとも逃げ出したところで船の上で逃げれる場所はたかが知れているのだが……
そんなある日の事だ。航海中に魔族の襲撃にあったのだ。
銀色に輝く鱗を纏ったワイバーンに乗った魔族が何匹も甲板に降りてきた。
最初戸惑った船員だったが流石修羅場を何度も潜った者達だ。船長キャプテン・シュビレブラウの指示で次々と魔族を倒していった。
その時だ。突然漆黒のローブに身を包んだ魔族が甲板に降り立った。
その魔族は一瞬で剣を握る母の目の前に出ると母の額に何やら印を書く。
この魔族は魔術を使うようだ。母はまるで石にでもなったかのように動くことが出来ない。
そして印が書き終わった時だ、母は突然近くにいた仲間に剣を振るう。
仲間はなんとかそれを剣で防ぐが余りの強さで甲板の樽の山に吹き飛ばされる。
その姿を確認した魔族はニヤリと気味悪く笑うと魔術で何処かに飛んで行ってしまった。
「セシール!」
父親のバルフリート・シュビレブラウが名前を呼ぶ。
すると母はバルフリートの方を向く。その目は虚ろだ。
そして今度はバルフリートに剣を振るう。
「くッ! 」
バルフリートはなんとか躱す。
「セシール!セシールしっかりしろ! 」
バルフリートはセシールに何度も呼び掛ける。
だがセシールはバルフリートに再び剣を振りかざしたその時、
船室に隠れていたライルが出てくる。
ライルは一瞬何が起こっているのか分からず戸惑っう。
目の前で両親が戦っているからだ。
「父さん!母さん! 」
ライルは二人を呼ぶ。するとセシールが虚ろな目をライルに向ける。そして一瞬笑ったかと思ったその時だ。
セシールは一瞬でライルに近づき剣を振りかぶる。
「ライル! 」
バルフリートは振りかぶられた剣を弾くとライルを抱きしめ距離を取る。
「父さん、母さんは! 」
「……セシールはおそらく魔術で操られている 」
「そ、そんな。どうやったら治るの? 」
「魔法使いに診せれば治せるだろうがこの船に魔法使いなぞ乗ってねぇ 」
すると甲板にいた船員達がバルフリートの元に集まってくる。
「キャプテン!奥さんを縄で縛りましょう。それで急いで大きな街に連れてけばなんとかなります! 」
「そうです!俺達が押さえます! 」
船員が笑顔でそう言ってくるのにバルフリートは素直に嬉しく思う。
しかし同時に彼らを巻き込みたくないという気持ちが強くなる。何故なら彼等が言う事は不可能だからだ。
ここは海のど真ん中だ。一番近い街で一カ月はかかる。その間ずっと押さえ込むなどあの別次元の動きをする彼女相手には不可能に思えた。
だから彼は仲間達に一言。
「……ライルを頼む 」
とだけ言って剣を強く握り前に出る。
その姿を見た船員達は皆覚悟を決める。涙ぐむ者すらいた。
船員達は察したのだ。
妻を殺すのだと。
船員と船とそして息子を守る為に。
「父さん何をッ!!」
叫ぶライルを船員達は抑える。その姿を確認したバルフリートはセシールを見つめ強く言う。
「セシール、すまない…俺は今からお前を…殺すッ!」
「……… 」
セシールからの返答は無い。
バルフリートはそれを見て一度甲板を強く蹴るとセシールに肉薄。そして剣を横薙ぎに振る。
セシールはそれを剣で払うと溝内に蹴りを入れる。
「ぐッ!」
バルフリートは吹き飛び壁に打ち当たる。
肺から一気に空気が吐き出て呼吸が出来ない。
セシールはゆったりとこちらに歩いてくる。
そして少し歪めたかと思ったその時だ、セシールの瞳に光が戻る。
「セ……セシール! 」
彼は妻の名を呼ぶ。
「バルフリート私何を……ああ、操られていたのね 」
「セシール、意識が戻ったのか!? 」
しかしセシールは首を横に振って悲しそうな顔をする。
「ダメみたい、どんどん頭の中が真っ白になってきてる。また貴方を攻撃するかもしれないわ……だからお願い、私を……殺して! 」
その瞬間セシールの意思とは逆にセシールの握っていた剣がバルフリートに目掛け振るわれる。
しかし剣はバルフリートに当たらずその後ろの木で出来た壁に突き刺さる。
「お願い、今しかないわ。次いつこの剣が貴方を斬るか分からない、お願い早く! 」
バルフリートはその声を聞き立ち上がるともう一度剣を強く握る。
「セシール、俺は……お前を愛している 」
バルフリートの優しい声にセシールは目から涙が落ちる。
そしてセシールもまた同じ様に優しい声で、
「ええ、私も。……ライルを頼むわ 」
そう言ってバルフリートの剣を握る手を優しく剣を握ってない左手で包み込むと自分の胸の近くに持っていく。
そしてそれを見たバルフリートは一言、
「ああ、任せろ 」
そう言って最愛の妻の心臓に剣を深く深く突き刺した————。
「援軍感謝します。早速ですが作戦を立てたいので町の役場までお願いします 」
ライル達は指示に従い町の入り口からそれほど遠くない役場に案内される。
役場の中はいったって普通の造りで特に煌びやかな装飾などがない。多分アレクシスの所為だろうとライルは思う。
彼は装飾品に使う資金があるなら領民の必要な所に使う、そんな男だった。
だから戦争続きで上がっていく税金の中で上手くやり繰りしている。
だから領民達は笑っていた。他人を気遣い助け合いながら生きている。だからこそアレクシスの統治する領土は治安がいい。
役場の会議室に着くと既に数人の役人が席に着いていた。
「お待ちしておりましたライル様、ソフィア様。では作戦会議を行いましょう 」
役人の一人に促され席に座り作戦会議が始まった。
「ではまず海賊団海蛇の戦力報告からさせて頂きます。彼等の人数は約五十、特に注意する人物は三人、アダム・ブルコッティ、ヘレン・サレージ、そして頭領バルフリート・シュビレブラウ 」
その瞬間その場にいる全員がライルの方を見る。それにライルは言う。
「そんなに見なくても知っている情報は全て話す。……アダムとヘレンは多分衛兵数人で取り囲めば問題ないはずだ。だけど船長のバルフリートはそうはいかない。並みの兵士じゃ相手にならない。多分五十人規模で囲んでも瞬殺だ 」
「五十人を瞬殺ですか…それがライルの実の父親…… 」
ソフィアはライルを見つめて言う。
それにライルは頷く。
「ああ、だけど手心を加えるつもりはない……親父は俺がこの手で牢屋に入れる 」
そう決意したライルの瞳が少しソフィアは恐ろしく感じてしまう。それが何かはわからないが……
作戦会議が終わりライルは自分の持ち場である港に来ていた。
するとソフィアが背後から話しかけてくる。
「ライル、貴方は父親と何かあったのですか? 」
ライルは振り返りソフィアの顔を見る。ただ単純に気になるといった表情。少しライルを心配しているようだが。
「あーそうだな、あんまソフィアに俺の話した事なかったな……作戦の時間までまだ時間あるし少し話そうか 」
そう言うとライルは近くにあるベンチに腰掛けるとソフィアにも隣に座るよう促す。
「どこから話そうかな、あんまり人に自分の話しないから 」
ライルがどこから話そうか悩んでいるとソフィアはライルを見つめる。そしてふと会議中に見たライル
の瞳を思い出す。その時は気づかなかったが今思えばあの瞳は前に湖の街トリスで圧政を敷く領主に対し領民達が向けていた瞳と似ているような気がした。
人を恨み、憎み、復讐しようとする目。人の悪性。
そんなものをライルの瞳から感じた。
「……ライルは父親を憎んでいるんですか? 」
「……ああ、憎んでる 」
「それは何故ですか? 」
「……母さんを殺したんだ 」
ライルは脳裏に焼き付いた記憶を掘り起こしソフィアに聞かせる。
それはライルが七歳の頃の話だ。
その頃まだライルは父親の乗る海賊船に母親であるセシールと一緒にいた。
船に乗り色んな国を見て回る。そんな生活が彼は好きだった。
もちろん父親やその仲間達がやっている事は知っていた。
港町を襲い食料などを奪うのだ。しかし彼にはそんな事どうでも良かった。何しろ父が引退すればこの船を継ぐのは自分だからだ。
だから父や仲間達が毎日つけてくれる剣術の鍛錬は絶対に欠かさなかった。
もっとも逃げ出したところで船の上で逃げれる場所はたかが知れているのだが……
そんなある日の事だ。航海中に魔族の襲撃にあったのだ。
銀色に輝く鱗を纏ったワイバーンに乗った魔族が何匹も甲板に降りてきた。
最初戸惑った船員だったが流石修羅場を何度も潜った者達だ。船長キャプテン・シュビレブラウの指示で次々と魔族を倒していった。
その時だ。突然漆黒のローブに身を包んだ魔族が甲板に降り立った。
その魔族は一瞬で剣を握る母の目の前に出ると母の額に何やら印を書く。
この魔族は魔術を使うようだ。母はまるで石にでもなったかのように動くことが出来ない。
そして印が書き終わった時だ、母は突然近くにいた仲間に剣を振るう。
仲間はなんとかそれを剣で防ぐが余りの強さで甲板の樽の山に吹き飛ばされる。
その姿を確認した魔族はニヤリと気味悪く笑うと魔術で何処かに飛んで行ってしまった。
「セシール!」
父親のバルフリート・シュビレブラウが名前を呼ぶ。
すると母はバルフリートの方を向く。その目は虚ろだ。
そして今度はバルフリートに剣を振るう。
「くッ! 」
バルフリートはなんとか躱す。
「セシール!セシールしっかりしろ! 」
バルフリートはセシールに何度も呼び掛ける。
だがセシールはバルフリートに再び剣を振りかざしたその時、
船室に隠れていたライルが出てくる。
ライルは一瞬何が起こっているのか分からず戸惑っう。
目の前で両親が戦っているからだ。
「父さん!母さん! 」
ライルは二人を呼ぶ。するとセシールが虚ろな目をライルに向ける。そして一瞬笑ったかと思ったその時だ。
セシールは一瞬でライルに近づき剣を振りかぶる。
「ライル! 」
バルフリートは振りかぶられた剣を弾くとライルを抱きしめ距離を取る。
「父さん、母さんは! 」
「……セシールはおそらく魔術で操られている 」
「そ、そんな。どうやったら治るの? 」
「魔法使いに診せれば治せるだろうがこの船に魔法使いなぞ乗ってねぇ 」
すると甲板にいた船員達がバルフリートの元に集まってくる。
「キャプテン!奥さんを縄で縛りましょう。それで急いで大きな街に連れてけばなんとかなります! 」
「そうです!俺達が押さえます! 」
船員が笑顔でそう言ってくるのにバルフリートは素直に嬉しく思う。
しかし同時に彼らを巻き込みたくないという気持ちが強くなる。何故なら彼等が言う事は不可能だからだ。
ここは海のど真ん中だ。一番近い街で一カ月はかかる。その間ずっと押さえ込むなどあの別次元の動きをする彼女相手には不可能に思えた。
だから彼は仲間達に一言。
「……ライルを頼む 」
とだけ言って剣を強く握り前に出る。
その姿を見た船員達は皆覚悟を決める。涙ぐむ者すらいた。
船員達は察したのだ。
妻を殺すのだと。
船員と船とそして息子を守る為に。
「父さん何をッ!!」
叫ぶライルを船員達は抑える。その姿を確認したバルフリートはセシールを見つめ強く言う。
「セシール、すまない…俺は今からお前を…殺すッ!」
「……… 」
セシールからの返答は無い。
バルフリートはそれを見て一度甲板を強く蹴るとセシールに肉薄。そして剣を横薙ぎに振る。
セシールはそれを剣で払うと溝内に蹴りを入れる。
「ぐッ!」
バルフリートは吹き飛び壁に打ち当たる。
肺から一気に空気が吐き出て呼吸が出来ない。
セシールはゆったりとこちらに歩いてくる。
そして少し歪めたかと思ったその時だ、セシールの瞳に光が戻る。
「セ……セシール! 」
彼は妻の名を呼ぶ。
「バルフリート私何を……ああ、操られていたのね 」
「セシール、意識が戻ったのか!? 」
しかしセシールは首を横に振って悲しそうな顔をする。
「ダメみたい、どんどん頭の中が真っ白になってきてる。また貴方を攻撃するかもしれないわ……だからお願い、私を……殺して! 」
その瞬間セシールの意思とは逆にセシールの握っていた剣がバルフリートに目掛け振るわれる。
しかし剣はバルフリートに当たらずその後ろの木で出来た壁に突き刺さる。
「お願い、今しかないわ。次いつこの剣が貴方を斬るか分からない、お願い早く! 」
バルフリートはその声を聞き立ち上がるともう一度剣を強く握る。
「セシール、俺は……お前を愛している 」
バルフリートの優しい声にセシールは目から涙が落ちる。
そしてセシールもまた同じ様に優しい声で、
「ええ、私も。……ライルを頼むわ 」
そう言ってバルフリートの剣を握る手を優しく剣を握ってない左手で包み込むと自分の胸の近くに持っていく。
そしてそれを見たバルフリートは一言、
「ああ、任せろ 」
そう言って最愛の妻の心臓に剣を深く深く突き刺した————。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
真祖竜に転生したけど、怠け者の世界最強種とか性に合わないんで、人間のふりして旅に出ます
難波一
ファンタジー
"『第18回ファンタジー小説大賞【奨励賞】受賞!』"
ブラック企業勤めのサラリーマン、橘隆也(たちばな・りゅうや)、28歳。
社畜生活に疲れ果て、ある日ついに階段から足を滑らせてあっさりゲームオーバー……
……と思いきや、目覚めたらなんと、伝説の存在・“真祖竜”として異世界に転生していた!?
ところがその竜社会、価値観がヤバすぎた。
「努力は未熟の証、夢は竜の尊厳を損なう」
「強者たるもの怠惰であれ」がスローガンの“七大怠惰戒律”を掲げる、まさかのぐうたら最強種族!
「何それ意味わかんない。強く生まれたからこそ、努力してもっと強くなるのが楽しいんじゃん。」
かくして、生まれながらにして世界最強クラスのポテンシャルを持つ幼竜・アルドラクスは、
竜社会の常識をぶっちぎりで踏み倒し、独学で魔法と技術を学び、人間の姿へと変身。
「世界を見たい。自分の力がどこまで通じるか、試してみたい——」
人間のふりをして旅に出た彼は、貴族の令嬢や竜の少女、巨大な犬といった仲間たちと出会い、
やがて“魔王”と呼ばれる世界級の脅威や、世界の秘密に巻き込まれていくことになる。
——これは、“怠惰が美徳”な最強種族に生まれてしまった元社畜が、
「自分らしく、全力で生きる」ことを選んだ物語。
世界を知り、仲間と出会い、規格外の強さで冒険と成長を繰り広げる、
最強幼竜の“成り上がり×異端×ほのぼの冒険ファンタジー”開幕!
※小説家になろう様にも掲載しています。
人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―
ほしみ
ファンタジー
「え! ぼく、死ぬの!?」
前世、15歳で人生を終えたぼく。
目が覚めたら異世界の、5歳の王子様!
けど、人質として大国に送られた危ない身分。
そして、夢で思い出してしまった最悪な事実。
「ぼく、このお話知ってる!!」
生まれ変わった先は、小説の中の悪役王子様!?
このままだと、10年後に無実の罪であっさり処刑されちゃう!!
「むりむりむりむり、ぜったいにムリ!!」
生き延びるには、なんとか好感度を稼ぐしかない。
とにかく周りに気を使いまくって!
王子様たちは全力尊重!
侍女さんたちには迷惑かけない!
ひたすら頑張れ、ぼく!
――猶予は後10年。
原作のお話は知ってる――でも、5歳の頭と体じゃうまくいかない!
お菓子に惑わされて、勘違いで空回りして、毎回ドタバタのアタフタのアワアワ。
それでも、ぼくは諦めない。
だって、絶対の絶対に死にたくないからっ!
原作とはちょっと違う王子様たち、なんかびっくりな王様。
健気に奮闘する(ポンコツ)王子と、見守る人たち。
どうにか生き延びたい5才の、ほのぼのコミカル可愛いふわふわ物語。
(全年齢/ほのぼの/男性キャラ中心/嫌なキャラなし/1エピソード完結型/ほぼ毎日更新中)
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
少し冷めた村人少年の冒険記 2
mizuno sei
ファンタジー
地球からの転生者である主人公トーマは、「はずれギフト」と言われた「ナビゲーションシステム」を持って新しい人生を歩み始めた。
不幸だった前世の記憶から、少し冷めた目で世の中を見つめ、誰にも邪魔されない力を身に着けて第二の人生を楽しもうと考えている。
旅の中でいろいろな人と出会い、成長していく少年の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる