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第三章
英雄の皮を被った殺人鬼
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「生きていたか、ライル 」
「あんたは海の藻屑になったと思ってたよ 」
バルフリートは鼻で笑うと鍔迫り合いを強める。
「舐めた口を利くようになったな、それとも英雄になんてなったからか? 」
「親が犯罪者だと子供は荒れんだよ 」
「ふんッ、それで、正義を語った英雄様が直々に悪党を滅しに来たのか? 」
「ああ、あんたのやってることは悪だ 」
「ならお前も同じだろう、一体戦で何人の命を奪った?俺らは物しか取らんが戦場で命を奪うお前は正義か? 」
「……れよ 」
ライルはバルフリートの言葉に奥歯を噛む。それを見て更にバルフリートは続ける。
「しかも、いまでは悪魔呼ばわりとはよく言った物だな、……いかにも、お前こそ正義と言う大義名分で殺人を正当化する英雄の皮を被った殺人鬼の成れの果てよ、海賊である俺たちと何が違う! 」
「黙れって言ってんだろ! 」
ライルは怒号と共に鍔迫り合いを弾き右手の剣を横薙ぎに振るう。
しかしそれは一撃で払われ剣は手から離れ宙を舞う。
ライルは距離を開けバルフリートを睨みつける。
「十一年だ、十一年待った!この日の為に剣術を磨いた、人を何人も斬った、魔王を倒し英雄になった、全てこの日の為だ。あんたにあの日どんな気持ちで母さんを殺したのか聞く為に俺はこの十一年を使った、あんたにこの気持ちが分かるか! 」
ライルは踏み込み突きを繰り出す。
それをバルフリートは容易く避ける。
「そうか、ならばお前の十一年間は全て無駄だったな 」
「何? 」
その瞬間にバルフリートは剣の柄尻でライルの溝うちを殴りつける。
「何故ならお前のその腐った剣では俺に届かないからだ! 」
「がはッ! 」
ライルは堪らずその場に膝から崩れ落ちる。
しかしバルフリートは攻撃を止めない。
崩れ落ちたライルの顔面を隆々と鍛えられた足で蹴り飛ばす。
ライルは数メーター吹き飛び石で出来た壁にぶち当たる。
「ゴフッ、く、くそがッ 」
ライルは口から血を吐き出すと朦朧とした意識の中でも立ち上がろうとする。
しかしどんどん意識が遠いでいき遂には気絶してしまう。
そして気絶したライルをバルフリートは担ぎ上げると近くにいる仲間達に言う。
「野郎どもづらかるぞ! 」
こうして海賊団海蛇は街を去って行った——————。
「あんたは海の藻屑になったと思ってたよ 」
バルフリートは鼻で笑うと鍔迫り合いを強める。
「舐めた口を利くようになったな、それとも英雄になんてなったからか? 」
「親が犯罪者だと子供は荒れんだよ 」
「ふんッ、それで、正義を語った英雄様が直々に悪党を滅しに来たのか? 」
「ああ、あんたのやってることは悪だ 」
「ならお前も同じだろう、一体戦で何人の命を奪った?俺らは物しか取らんが戦場で命を奪うお前は正義か? 」
「……れよ 」
ライルはバルフリートの言葉に奥歯を噛む。それを見て更にバルフリートは続ける。
「しかも、いまでは悪魔呼ばわりとはよく言った物だな、……いかにも、お前こそ正義と言う大義名分で殺人を正当化する英雄の皮を被った殺人鬼の成れの果てよ、海賊である俺たちと何が違う! 」
「黙れって言ってんだろ! 」
ライルは怒号と共に鍔迫り合いを弾き右手の剣を横薙ぎに振るう。
しかしそれは一撃で払われ剣は手から離れ宙を舞う。
ライルは距離を開けバルフリートを睨みつける。
「十一年だ、十一年待った!この日の為に剣術を磨いた、人を何人も斬った、魔王を倒し英雄になった、全てこの日の為だ。あんたにあの日どんな気持ちで母さんを殺したのか聞く為に俺はこの十一年を使った、あんたにこの気持ちが分かるか! 」
ライルは踏み込み突きを繰り出す。
それをバルフリートは容易く避ける。
「そうか、ならばお前の十一年間は全て無駄だったな 」
「何? 」
その瞬間にバルフリートは剣の柄尻でライルの溝うちを殴りつける。
「何故ならお前のその腐った剣では俺に届かないからだ! 」
「がはッ! 」
ライルは堪らずその場に膝から崩れ落ちる。
しかしバルフリートは攻撃を止めない。
崩れ落ちたライルの顔面を隆々と鍛えられた足で蹴り飛ばす。
ライルは数メーター吹き飛び石で出来た壁にぶち当たる。
「ゴフッ、く、くそがッ 」
ライルは口から血を吐き出すと朦朧とした意識の中でも立ち上がろうとする。
しかしどんどん意識が遠いでいき遂には気絶してしまう。
そして気絶したライルをバルフリートは担ぎ上げると近くにいる仲間達に言う。
「野郎どもづらかるぞ! 」
こうして海賊団海蛇は街を去って行った——————。
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