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第三章
人を救う剣 二
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ライルが船に囚われてから数日が経過してた。
「ソフィア、無事かなぁ 」
ライルは、食糧庫の天井を見つめながら呟く。
ソフィアにはまだ会えていなかった。だがご飯を運んで来る船員達に聞いた話によると特に手を出してはいない様だ。
むしろ今のソフィアならばこの船の船員に負けることはないだろう。少なくともバルフリートと二人の副官が出て来なければ。
「さて、そろそろ脱出する方法を考えないと…… 」
ライルは手枷をじゃらじゃらと振るとふと、思いつく。
(そういえば俺の剣聖は剣しか使えないのだろうか? )
ライルは女神にこの力を貰った時の事を思い出す。
『ライル、勇者となった貴方には魔王を倒すべき力を与えます。その名は剣聖、私が最初に創った魔族に対する武器。その力は万物に宿る魔力の内剣に宿る魔力を爆発させるもの 』
「剣か…… 」
ライルは周りを見渡す。しかし食糧庫には剣は見当たらない。
昔魔王を倒す旅に出ていた頃アレクシスに尋ねられて試したことがあった。
剣しかこの力は使えないのかと。
なのでライルが戦場で使っていたナイフで試したところ剣聖は発動した。しかし槍では発動しなかった。
なので槍を折って剣の様にしたところ剣聖は発動した。
では武器の長さが発動条件か?
それは違った。斧では発動しない、メイスも同様。
なら何が発動条件だろうか?
ライルは考える。
「……そうか、認証力。俺が剣と認識したならばこの力は…… 」
ライルは手枷に魔力を込める。
「剣聖解放! 」
手枷が淡い緑色に輝く。やがて手枷は灰になって壊れる。
「よし外れた。これでソフィアの所に、っとなんだこれくらくらする……そうか魔力を使い過ぎたのか 」
どうやら剣以外に剣聖を使うと余計に魔力を消費するらしい。
「……それでもまぁ、親父と戦うのに魔力は使わない 」
ライルは頬を両手で強く叩くと
「よし、いくか 」
そう言って食糧庫の階段を上がった。
「ライルは小さい頃どんな子供だったんですか? 」
ソフィアは船長室の広いテーブルの向かいに座るバルフリートに聞く。
「ん?ライルか?あ~そうだなぁ、結構やんちゃだったぞ、よく船員に悪戯してたしな 」
バルフリートはグラスに入ったぶどう酒を転がしながら答える。
それを聞いてソフィアはふふふと笑う。
「確かに分かる気がします、私も同じ様な事をされましたから 」
「はは、十一年経っても変わらんもんだな。……なぁ嬢ちゃん、なんで毎日俺なんかの所に来るんだ?他の船員とも話したらどうだ? 」
するとソフィアは笑顔で言う。
「それは、ただ知りたいからです。ライルはあまり自分の事を話してくれないので 」
「好きだねぇあいつの事 」
「ち、違います!これはその…… 」
「どこがいいんだ、あいつの?確かにあいつは妻に似て顔は良い、だが金もなけりゃお前を守る力無い 」
「ライルは強いです! 私を何度も守って来れました!」
「だが俺からは守れなかった 」
「いいえ、守りました。私に剣を教えたのはライルです、ライルがいなければ私は今頃貴方達に殺されていたでしょうから 」
「ははは、そうか、そういうことにしとこう 」
その時船長室の扉が開く。
「キャプテン、ライルの小僧が食糧庫を脱出して甲板に!キャプテンに会わせろと言っています! 」
それを聞いたバルフリートは目を見開き立ち上がる。
「な、まさか本当に腕でも引き千切ったてのか!まあいい、あいつの人殺しの剣じゃ俺に届かんからなぁ 」
それを聞いたソフィアは首を振る。
「いいえ、私は彼の剣が人を救う英雄の剣だという事を知っていますよ 」
「はは、それはおもしれぇ、なら試してみるか 」
そう言ってバルフリートは船長室を出た。
「ソフィア、無事かなぁ 」
ライルは、食糧庫の天井を見つめながら呟く。
ソフィアにはまだ会えていなかった。だがご飯を運んで来る船員達に聞いた話によると特に手を出してはいない様だ。
むしろ今のソフィアならばこの船の船員に負けることはないだろう。少なくともバルフリートと二人の副官が出て来なければ。
「さて、そろそろ脱出する方法を考えないと…… 」
ライルは手枷をじゃらじゃらと振るとふと、思いつく。
(そういえば俺の剣聖は剣しか使えないのだろうか? )
ライルは女神にこの力を貰った時の事を思い出す。
『ライル、勇者となった貴方には魔王を倒すべき力を与えます。その名は剣聖、私が最初に創った魔族に対する武器。その力は万物に宿る魔力の内剣に宿る魔力を爆発させるもの 』
「剣か…… 」
ライルは周りを見渡す。しかし食糧庫には剣は見当たらない。
昔魔王を倒す旅に出ていた頃アレクシスに尋ねられて試したことがあった。
剣しかこの力は使えないのかと。
なのでライルが戦場で使っていたナイフで試したところ剣聖は発動した。しかし槍では発動しなかった。
なので槍を折って剣の様にしたところ剣聖は発動した。
では武器の長さが発動条件か?
それは違った。斧では発動しない、メイスも同様。
なら何が発動条件だろうか?
ライルは考える。
「……そうか、認証力。俺が剣と認識したならばこの力は…… 」
ライルは手枷に魔力を込める。
「剣聖解放! 」
手枷が淡い緑色に輝く。やがて手枷は灰になって壊れる。
「よし外れた。これでソフィアの所に、っとなんだこれくらくらする……そうか魔力を使い過ぎたのか 」
どうやら剣以外に剣聖を使うと余計に魔力を消費するらしい。
「……それでもまぁ、親父と戦うのに魔力は使わない 」
ライルは頬を両手で強く叩くと
「よし、いくか 」
そう言って食糧庫の階段を上がった。
「ライルは小さい頃どんな子供だったんですか? 」
ソフィアは船長室の広いテーブルの向かいに座るバルフリートに聞く。
「ん?ライルか?あ~そうだなぁ、結構やんちゃだったぞ、よく船員に悪戯してたしな 」
バルフリートはグラスに入ったぶどう酒を転がしながら答える。
それを聞いてソフィアはふふふと笑う。
「確かに分かる気がします、私も同じ様な事をされましたから 」
「はは、十一年経っても変わらんもんだな。……なぁ嬢ちゃん、なんで毎日俺なんかの所に来るんだ?他の船員とも話したらどうだ? 」
するとソフィアは笑顔で言う。
「それは、ただ知りたいからです。ライルはあまり自分の事を話してくれないので 」
「好きだねぇあいつの事 」
「ち、違います!これはその…… 」
「どこがいいんだ、あいつの?確かにあいつは妻に似て顔は良い、だが金もなけりゃお前を守る力無い 」
「ライルは強いです! 私を何度も守って来れました!」
「だが俺からは守れなかった 」
「いいえ、守りました。私に剣を教えたのはライルです、ライルがいなければ私は今頃貴方達に殺されていたでしょうから 」
「ははは、そうか、そういうことにしとこう 」
その時船長室の扉が開く。
「キャプテン、ライルの小僧が食糧庫を脱出して甲板に!キャプテンに会わせろと言っています! 」
それを聞いたバルフリートは目を見開き立ち上がる。
「な、まさか本当に腕でも引き千切ったてのか!まあいい、あいつの人殺しの剣じゃ俺に届かんからなぁ 」
それを聞いたソフィアは首を振る。
「いいえ、私は彼の剣が人を救う英雄の剣だという事を知っていますよ 」
「はは、それはおもしれぇ、なら試してみるか 」
そう言ってバルフリートは船長室を出た。
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