転生神子は『タネを撒く人』

香月ミツほ

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22.お仕置きは定番(?)の

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「ちょっ、まっ!! なにこれぇ……、きもちいぃよぅ! はぁん……!」
「神子様、これ……」
「これは……!」
「まさか!!」

3人がかりでペロペロされて、とてつもなく気持ちよくなってしまった。すると3人が声を揃えて何か言ったけど、理解が追いつかない。射精よりは快感が弱いけど、7割くらいの気持ちよさが、ずーっと続く。中イキに負けず劣らず堪らない。

……あれ? もしかして、潮吹き???

ぐったりとしたおれの身体をぺろぺろしまくる3人。そうか、潮も薬なのか。

「はぁ……、神子様、ありがとうございました」
「無理矢理こんなことしてごめんなさい」
「どうか罰をお与えください!」

えー? 罰を与えるほどでもないなぁ。
まぁ、びっくりしたけどさ。それに……。

「……罰を与えたら喜ぶんじゃない?」
「そ……、そんなことは……」

うん、1番若いピシィモは間違いなく喜ぶ。

「罰なんて思いつかないし、これからもこの町のために頑張ってくれれば良いよ」
「神子様!」
「なんとお心の広い……!」
「罰はなし、ですか……」

そこ! あからさまにガッカリしない!!
ほら、夕食に呼ばれてるよ。
アルシャーブさんとサバールさんを起こしてご飯食べよう。

「……起き上がれない……」

夕飯に行こうとしたら、イキすぎで身体に力が入らない。ロトンドさんが回復してくれるって言ったけど、断ってアルシャーブさんを起こしてもらい、回復してもらった。

「貴方達、神子様が許しても私は許しません」
「くっそ、眠り薬なんかにしてやられるとは……!」

2人がめちゃくちゃ怒ってるけど、まぁまぁ、落ち着いて。

「何かがあってからでは遅いのです!」
「こいつらは了承を得ずにお前を犯したんだぞ!」
「うーん、でも嫌な感じはしなかったんだよね。なんでだろう?」
「能天気か!!」

このやりとりの間、神官3人組は正座です。

「とにかく、このことは神官長様に報告して、然るべき罰を与えていただきましょう。神子様もよろしいですね」
「「「「はい……」」」」

おれまで釘刺されちゃった。
それにしてもこの3人の感じだと、あの優しそうなおじいちゃん神官長様って、実は怖いのかな? でも丸投げできるならその方が気楽だな。




夕飯を食べる大広間まで、アルシャーブさんの抱っこで運ばれた。サバールさんは落ち込んでいる。

「どうされましたかな?」
「神官長様、後ほどお時間をいただけますか?」
「もちろんじゃ」

神官長様、あんまり怒らないでね。



夕食のときに、ここにいたときのアルシャーブさんの話を聞いた。真面目だから周りとぶつかり、後輩のピシィモさんを叱り、同期のロトンドさんと対立して先輩のステルラさんに仲裁される流れが定番だったらしい。

ピシィモさんだって上級神官なのに、性格に難があるのか。……うん、まぁ、あるね!!




「サバールさん、そんなに落ち込まなくても……」
「そうだよな、失敗を引きずって護衛が疎かになったら、それこそ死んで詫びなきゃならなくなるよな」
「死んじゃダメだから!!」

危害を加えられた訳でもないのに落ち込み過ぎ!!

「神子様はもう少々、危機感を持っていただきたい。今回はともかく、拐われて監禁される可能性だってあるのですよ」
「え!? そんな可能性があるの?」

悪意のない平和な世界だと思ってたのに……。

「神子の重要性は皆、理解しているから国を1周するまでは手を出してはこないだろうが、一通り巡れば独り占めしたいやつも出てくるだろう」
「1周したらお好きに過ごされて構いませんが、白愛液はくあいえきと万能薬はずっと提供していただかなくてはなりません」
「それは構わないけど」

そう言えば神子パワーで白愛液はくあいえきも万能薬も腐らないんだっけ。それでどこにいても採取して王都の大神殿に送れば、そこから必要な町に送られるという。

「旅を嫌う神子様の場合はずっと大神殿で過ごしておられました」

歴代の神子の中には、知らない世界が怖くて大神殿に引きこもったり、狙われて怖くなって引きこもったり、とにかくやる気がなくて馬車や聖神官、聖騎士に文字通りのおんぶに抱っこだったりした人もいる。でもこの世界の現状を知るため、なるべく旅をさせているそうだ。

思いがこもった方が効果も高くなるから。

だから絶対に旅をしなくちゃならない訳ではないらしい。

「でも旅をするのは楽しいよ。この世界のために頑張る気になれるし、色々なものが見られるし、みんな好意的だし」
「そう言っていただけると安心します」

美人の笑顔が眩しい。

「オレももっと薬物に耐性をつけないとな」
「あれは神殿に秘匿された香なので、耐性をつけることは難しいと思います」
「そんな大事なものを持ち出したの!?」

思い余ったにしてもやりすぎだよ!
それだったらしっかり罰を与えてもらわなきゃね。




「失礼します」

神官長様の私室へ案内され、事の顛末を説明すると平伏して謝られた。

「いやはやまったく、神官でありながら神子様に無理強いをするなど!! あってはならないことです。どんなことでもいたします! なんなりと仰ってください」
「いえ、こちらにも至らないところがあったようですし、怒ってもいないので程よい罰が思いつきません。神官長様の判断にお任せします」
「なんとお優しい……」

気持ち良すぎてヤバかったけど、その前の果物とお酒のカクテルも怖いくらい気持ち良かったので、正直インパクトが薄れている。

だから丸投げさせてください!
あとサバールさんに眠りの香への対応策を教えてください。

その後、3人への罰はキノコの駆除作業を半年間やることになったそうです。


*******


禁断の果実となったあの実はお酒と混ぜなければ問題ないのでお土産にもらい、町の人達総出の見送りにうるっとしながら次の町へと進んだ。

あまり特色のない2つの町を過ぎ、やってきたのは海!

「ここが塩害に強い人たちの町?」
「はい。少々粗野なのでなるべく早く立ち去りましょう」
「粗野……、乱暴なの?」
「そこまでじゃないと思うんだがな」

アルシャーブさんとサバールさんの意見が分かれた。おれはどっちでもいいんだけど、煮付けとお刺身食べたい。



*******



「「おう、神子様! 来てくれて感謝するぜ」」

海辺の町の町長さんと神官長様がガチムチだった。左右対称にポージングしてるからボス戦のサブキャラみたい。

……真ん中に立ってボスキャラっぽくなりたい欲求を抑えて挨拶をした。

「はじめまして。数日ですがよろしくお願いします」
「堅い! 堅いなぁ!! もっと気楽に行こうぜ!」
「気楽に……? えっと、じゃあ……、ちょっくら頼むわ!」
「「神子様!?」

あれ?
おかしかった?

「ぶはははははっ!!」
「いいぞ! んじゃ昼飯にするか。刺身なんて食べたことあるか?」
「さしみー!!」

刺身!
嬉しくて思わず両手を上げてぴょんぴょん跳ねてしまった。するとニカッと笑った神官長に持ち上げられた。

た、高い高い!!

「おやめなさい!」
「神子様を離せ!!」

一瞬でサバールさんの腕の中にいた。

「少しくらいいいだろう!!」

今度は町長さんの腕の中。

「おれにも!」

神官長様の……以下略。

アルシャーブさんも加わり、4人に取りっこされて具合が悪くなってしまった。

「たしゅけてぇぇぇぇ……」
「「神子様!!」」

「「あちゃー……」」

いい歳したマッチョが『あちゃー』じゃないよ? 早く神子の部屋に案内しなしゃい!!

目が回って気持ち悪い。
でもこれを治せるのは万能薬だけだと聞いて、拒否するしかありませんでした。

だって、ねぇ?

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