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結婚しよう3
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いちゃいちゃしてご飯を食べて温泉に入って、ってまだ昼間だった。
温泉から出たらコナンさんがブリアンのお母さんの件で話があるから来るように、との辺境伯からの手紙を持って来てた。
「今さら話す事などないのですが」
「ですが母上様がどうしても話をしたいとおっしゃられまして……」
「仕方がない。明日行こう」
「コナンさん、温泉入って行きませんか?」
「嬉しいお誘いですが先に連絡を入れないとならないので……」
夜、来てくれるって!!
そうだ、部屋が足りないからお客さん用の離れを作ろう!
《大ちゃーん!》
『機嫌は治ったか!?』
「はや!! うん、もうムリヤリはしないでね。あとお願いがあるんだけど……」
もぐたん達とアリさん達に家を作ってもらって大ちゃんに補強してもらう。
お客さん用だからベッドルーム2つとダイニングとトイレとシャワー室だけ。
お風呂は温泉があるもんねー!
さすがにあっという間にできる訳じゃないから、みんなに任せて夕飯を作る。ファーガスさんが鹿の肉をお土産に持って来てくれた。旨味たっぷりで柔らかくておいしんだよね~!!
疲れて寝ちゃったファーガスさんの汚れた服をブリアンが洗い桶に入れてくれていた。
「洗濯の仕方を教えて下さい」
「やってくれるの?」
「もちろんです。夫夫は対等なのですから、出来るだけの事をしたいと考えています」
「嬉しい! でも今、洗うと干せないから明日やろうね」
「はい」
にこにこ、ちゅっちゅ。
仲直り、嬉しいな。
夕飯の下ごしらえも、昼間取り込んだ洗濯物を畳むのも、ベッドメイクも一緒にやった。コナンさんが来て一緒にシチューとステーキとサラダとパンで夕食!
「コナンさん、この料理、ブリアンが作ったんですよ!」
「スイ特製のハーブソルトを揉み込んで焼いただけですし、焼き加減だってスイに教えてもらって、私の料理と言えるんでしょうか?」
「鹿を仕留めたのは俺だしな」
「1つ目しか口出してないもん。後は全部焼いてくれたよ? お肉はぼくも獲って来れないし!」
「何事も経験ですね。生焼けだったらまた焼きますから、言って下さい」
2人でお料理作るのも、みんなでご飯を食べるのも!
ぼくはなんて幸せ者なんだろう。
翌朝、何故かコナンさんが疲れていて早起きして来なかった。
いや、お客さんなんだからゆっくりしてくれて良いんだけどね。
「おはよう…… ございます……」
「大丈夫ですか!? 具合悪いんですか?」
「いえ…… その…… ケルピーに温泉は強過ぎたようで……」
「強過ぎた?」
コナンさんはぐったりしてそれ以上話してくれなかった。
ケルピーは水馬だからお湯が熱過ぎたのかな? それで具合が悪くなって一晩中看病してたとか??? ケルピー大丈夫かな?
「ケルピー! 大丈……夫? あれ?」
ケルピーはつやっつやでとても満足げ。
どう言う事?
ファーガスさんが気にすんな、って言うから気にしない事にした。
「スイ、今日はこちらを着て行きましょうね」
「今日はブリアンのお母様に会えるんだね。男の人? 女の人?」
「母は私と似た容姿の男性です」
「じゃあ、今よりもっと大人になったブリアンだね!」
「そこまで似てるかは分かりませんよ?」
クスクス笑われたけど、会えるのが楽しみだ。コナンさんに疲労回復の薬を飲ませてブリアンの家に出発~!
「よく来たね」
「しかたありませんから。あぁ、紹介します。こちらが私の花嫁のスイです」
「初めまして、スイです。よろしくお願いします」
「わぁ、地味ー」
「帰ります」
地味なのは事実だよ?
「待て、ブリアン! お前にも話を聞く義務がある!」
「何故です?」
「お前の領地の民が領主はお前が良いと嘆願書を提出して来てな。揉めとる」
ブリアンきれいで優しいから人気なのかな? うふふ、嬉しいなぁ。
「ですが私は辺境伯の血を引いてません。それでは領地をいただく訳にはいかないでしょう」
「だがそれを知る者はごく少数だ。エルネッドも今の生活に満足しているから皆に知らせる必要はないだろう、と言うんだ」
「辺境伯はそれで良いのですか?」
「構わん!」
「ブリアン、聞きなさい。辺境伯と私は私の容姿を愛しています。辺境伯との子を産んでも私に似なければ意味がない、と考えていました。ならば私と似た人との子ならきっと私に似た子しか生まれないだろうと!」
まぁ、そうなる……かな?
「そこで辺境伯には内緒で私と似ていると評判の従兄弟のセナと子を為したのです!」
「辺境伯の相手もしていたらどちらの子が生まれるか分からないではないですか」
「ですから私はセナにしか抱かれていません」
いやーん! セキララ告白!?
「……あれ? それじゃおかしくない? 辺境伯だって心当たりがあるからブリアンを自分の子だと思ったんでしょ?」
「そっちはセナに任せました。」
えぇと……つまり、結婚したのはお母さんで、ブリアンの本当のお父さんはお母さんの従兄弟で、辺境伯が抱いていたのはブリアンのお父さん?
「あの…… セナさんはどう思っているんですか?」
「私は子供の頃からエルネッドが好きで、エルネッドのためなら何でもしたい、と思ってました。でも…… 旦那さまに優しく可愛がられて…… 嬉しくて……」
「2人とも好きなんですね!」
「……はい」
照れながらもはっきりと肯定した。
「と、まぁブリアンがワシの血を引いていなくても跡継ぎではないからかまわん。領民達は血筋など関係なくブリアンを望んでおる。結婚に賛成するから領地を治めてくれ。」
「ブリアンすごい! かっこいいね!!」
「そう言う事なら領地を治めるのは構いませんが、今まで通りコナンを付けて欲しいのとスイの家から通う事をご了承下さい」
「あい分かった! ではお前は今まで通りワシの息子だ。結婚式はいつにする?」
「スイはどんな結婚式をしたいですか?」
「けっ…… こん…… しき……」
「スイの希望に合わせます」
「ぼく、お祭りみたいにみんなで楽しい結婚式が良い! ベリーの収穫祭みたいなの!!」
「パーティーやパレードではなく?」
「そんなのしたらみんながっかりするよー。ブリアンにはもっと綺麗な人とかかっこいい人が似合うのに、って」
ブリアンがそんな事ないって言ってくれるけど、お父様もお母様もセナさんも目を逸らしてるもん。
「みんなから注目されるの馴れてないし、ぼくより自分の方が相応しい! って思う人がいたら困るから、収穫祭の方が良いの!」
と、言う事でブリアンの領地の収穫祭で結婚式もする事になりました。
ブリアンを好きな人たちに囲まれての収穫祭! 結婚式!!
父さん達を呼ばなくちゃ。ファーガスさんはどう言う立場になるんだろう?
「本人に聞かないと分かりませんね」
また来た時に聞いてみよう。
お父様がお母様とセナさんの腰を抱いて両手に花?! ってご機嫌だけど、お母様は腰の手を引きはがそうと必死だ。嫌いなのかな?
「分かりません。私は何故か母に興味がなくて……」
ブリアンにも悩みがあるなんて…… 悲しい顔させたくないよ。
温泉から出たらコナンさんがブリアンのお母さんの件で話があるから来るように、との辺境伯からの手紙を持って来てた。
「今さら話す事などないのですが」
「ですが母上様がどうしても話をしたいとおっしゃられまして……」
「仕方がない。明日行こう」
「コナンさん、温泉入って行きませんか?」
「嬉しいお誘いですが先に連絡を入れないとならないので……」
夜、来てくれるって!!
そうだ、部屋が足りないからお客さん用の離れを作ろう!
《大ちゃーん!》
『機嫌は治ったか!?』
「はや!! うん、もうムリヤリはしないでね。あとお願いがあるんだけど……」
もぐたん達とアリさん達に家を作ってもらって大ちゃんに補強してもらう。
お客さん用だからベッドルーム2つとダイニングとトイレとシャワー室だけ。
お風呂は温泉があるもんねー!
さすがにあっという間にできる訳じゃないから、みんなに任せて夕飯を作る。ファーガスさんが鹿の肉をお土産に持って来てくれた。旨味たっぷりで柔らかくておいしんだよね~!!
疲れて寝ちゃったファーガスさんの汚れた服をブリアンが洗い桶に入れてくれていた。
「洗濯の仕方を教えて下さい」
「やってくれるの?」
「もちろんです。夫夫は対等なのですから、出来るだけの事をしたいと考えています」
「嬉しい! でも今、洗うと干せないから明日やろうね」
「はい」
にこにこ、ちゅっちゅ。
仲直り、嬉しいな。
夕飯の下ごしらえも、昼間取り込んだ洗濯物を畳むのも、ベッドメイクも一緒にやった。コナンさんが来て一緒にシチューとステーキとサラダとパンで夕食!
「コナンさん、この料理、ブリアンが作ったんですよ!」
「スイ特製のハーブソルトを揉み込んで焼いただけですし、焼き加減だってスイに教えてもらって、私の料理と言えるんでしょうか?」
「鹿を仕留めたのは俺だしな」
「1つ目しか口出してないもん。後は全部焼いてくれたよ? お肉はぼくも獲って来れないし!」
「何事も経験ですね。生焼けだったらまた焼きますから、言って下さい」
2人でお料理作るのも、みんなでご飯を食べるのも!
ぼくはなんて幸せ者なんだろう。
翌朝、何故かコナンさんが疲れていて早起きして来なかった。
いや、お客さんなんだからゆっくりしてくれて良いんだけどね。
「おはよう…… ございます……」
「大丈夫ですか!? 具合悪いんですか?」
「いえ…… その…… ケルピーに温泉は強過ぎたようで……」
「強過ぎた?」
コナンさんはぐったりしてそれ以上話してくれなかった。
ケルピーは水馬だからお湯が熱過ぎたのかな? それで具合が悪くなって一晩中看病してたとか??? ケルピー大丈夫かな?
「ケルピー! 大丈……夫? あれ?」
ケルピーはつやっつやでとても満足げ。
どう言う事?
ファーガスさんが気にすんな、って言うから気にしない事にした。
「スイ、今日はこちらを着て行きましょうね」
「今日はブリアンのお母様に会えるんだね。男の人? 女の人?」
「母は私と似た容姿の男性です」
「じゃあ、今よりもっと大人になったブリアンだね!」
「そこまで似てるかは分かりませんよ?」
クスクス笑われたけど、会えるのが楽しみだ。コナンさんに疲労回復の薬を飲ませてブリアンの家に出発~!
「よく来たね」
「しかたありませんから。あぁ、紹介します。こちらが私の花嫁のスイです」
「初めまして、スイです。よろしくお願いします」
「わぁ、地味ー」
「帰ります」
地味なのは事実だよ?
「待て、ブリアン! お前にも話を聞く義務がある!」
「何故です?」
「お前の領地の民が領主はお前が良いと嘆願書を提出して来てな。揉めとる」
ブリアンきれいで優しいから人気なのかな? うふふ、嬉しいなぁ。
「ですが私は辺境伯の血を引いてません。それでは領地をいただく訳にはいかないでしょう」
「だがそれを知る者はごく少数だ。エルネッドも今の生活に満足しているから皆に知らせる必要はないだろう、と言うんだ」
「辺境伯はそれで良いのですか?」
「構わん!」
「ブリアン、聞きなさい。辺境伯と私は私の容姿を愛しています。辺境伯との子を産んでも私に似なければ意味がない、と考えていました。ならば私と似た人との子ならきっと私に似た子しか生まれないだろうと!」
まぁ、そうなる……かな?
「そこで辺境伯には内緒で私と似ていると評判の従兄弟のセナと子を為したのです!」
「辺境伯の相手もしていたらどちらの子が生まれるか分からないではないですか」
「ですから私はセナにしか抱かれていません」
いやーん! セキララ告白!?
「……あれ? それじゃおかしくない? 辺境伯だって心当たりがあるからブリアンを自分の子だと思ったんでしょ?」
「そっちはセナに任せました。」
えぇと……つまり、結婚したのはお母さんで、ブリアンの本当のお父さんはお母さんの従兄弟で、辺境伯が抱いていたのはブリアンのお父さん?
「あの…… セナさんはどう思っているんですか?」
「私は子供の頃からエルネッドが好きで、エルネッドのためなら何でもしたい、と思ってました。でも…… 旦那さまに優しく可愛がられて…… 嬉しくて……」
「2人とも好きなんですね!」
「……はい」
照れながらもはっきりと肯定した。
「と、まぁブリアンがワシの血を引いていなくても跡継ぎではないからかまわん。領民達は血筋など関係なくブリアンを望んでおる。結婚に賛成するから領地を治めてくれ。」
「ブリアンすごい! かっこいいね!!」
「そう言う事なら領地を治めるのは構いませんが、今まで通りコナンを付けて欲しいのとスイの家から通う事をご了承下さい」
「あい分かった! ではお前は今まで通りワシの息子だ。結婚式はいつにする?」
「スイはどんな結婚式をしたいですか?」
「けっ…… こん…… しき……」
「スイの希望に合わせます」
「ぼく、お祭りみたいにみんなで楽しい結婚式が良い! ベリーの収穫祭みたいなの!!」
「パーティーやパレードではなく?」
「そんなのしたらみんながっかりするよー。ブリアンにはもっと綺麗な人とかかっこいい人が似合うのに、って」
ブリアンがそんな事ないって言ってくれるけど、お父様もお母様もセナさんも目を逸らしてるもん。
「みんなから注目されるの馴れてないし、ぼくより自分の方が相応しい! って思う人がいたら困るから、収穫祭の方が良いの!」
と、言う事でブリアンの領地の収穫祭で結婚式もする事になりました。
ブリアンを好きな人たちに囲まれての収穫祭! 結婚式!!
父さん達を呼ばなくちゃ。ファーガスさんはどう言う立場になるんだろう?
「本人に聞かないと分かりませんね」
また来た時に聞いてみよう。
お父様がお母様とセナさんの腰を抱いて両手に花?! ってご機嫌だけど、お母様は腰の手を引きはがそうと必死だ。嫌いなのかな?
「分かりません。私は何故か母に興味がなくて……」
ブリアンにも悩みがあるなんて…… 悲しい顔させたくないよ。
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