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最大のライバルと親友
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ーーーーー中根大輔side
「行くよ。反撃開始だ。」
日影さんは、何やらパソコンをカチカチと動かす。
画面には、英語?らしき文字と数字がずらずら並んでいる。
「若菜って子が死んだってことは、絶対にこの若菜って子の携帯にアクセスがあるはずなんだ。」
要するに、そのアクセス元を探ろうってわけか。
「来た。捕まえてやる。」
ものすごい早さでパソコンを動かす日影さんは、真剣そのもの。
たぶん、ハッキングをしてそのアクセス元を追跡して居場所を特定する気なんだ。
「何!?」
ーーーーー運営side
「そう来ると思ったよ、相太。でも、邪魔はしてほしくないなー。」
アクセス拒否、と。
ふーん、警察組織の中でNo.1だって聞いてたけど大したことないな。
この程度も追えないなんて。
「あんな生ぬるい組織なんかにいるから、そうなるんだよ。こっちに来い、相太。」
ははははは!
友達がいるやつなんて放置して、孤独の世界に行こうじゃないか。
ーーーーー中根大輔side
「まさか、な。そんなはずはない。」
日影さんは、珍しく動揺している。
「どうしたんです?何か分かりました?」
「……ん、ああ、邪魔された。なあ、この運営からのメールもう一度見せてくれ。」
日影さんに携帯を渡し、たまにくる運営メールを見せた。
こんなの見てどうするんだよ。
アドレスでも分かるのか?
「やっぱりあいつじゃない。」
意味のわからないことを言ったと思ったら、パソコンから離れ、近くのソファに横になる日影さん。
「昔の友達にさ、似てたんだ。ハッキングの方法が。僕、ネットの中じゃわりと有名だったんだけど、唯一そいつには勝てなかった。あいつが運営側だったら、僕は負けだ。」
目を閉じながら、日影さんはそう言った。
日影さんが命令以外のこと話すなんて、ちょっと意外だ。
しかも、弱音。
不謹慎だけど、可愛いなんて思ってしまった。
「僕、寝てないから寝るわ。みんな帰ってきたら起こして。」
マイペースだ。
けど、寝なかったんだ。
もし今日が事件の日じゃなかったら何日起きてたんだろう。
それとも日影さんは今日だってわかってたのかな。
「お、そろそろ飛美ちゃんたち帰ってくるぞ………え!?」
僕は、目を疑った。
な、何で……
「日影さん!!!起きて!」
「何……どうしたの?」
不機嫌そうな日影さんも、画面を見て驚く。
「どうなってんだよ……」
さっき倒れたはずのクラスメイトたちが全員起き上がって、今度は飛美ちゃんと佐介に襲いかかっていた。
「いくらなんでもこんな短時間に起き上がれるはずがない……」
日影さんは、ボソっと呟く。
「人為的なものじゃないのか?」
ーーーーー中園飛美side
「おい、逃げるぞ。やばい。」
佐介に手を引っ張られた。
私はその手を振り払う。
「やだ、もういい。」
若菜を殺してしまった、
友達を死なせた、
自分だけ生きてることなんて出来ない。
「何言ってんだよ!」
「真夕も死んだ。若菜も死んだ。みんな私のせいで死んだ。1人はヤダ。やだよおおおおお!」
「お前が死んだら若菜は喜ぶの?死にたくないってあんなに言ってた若菜が、抵抗しなかったんだぞ。」
そう言って、無理矢理手を引っ張った。
「死ぬなら俺の見てないところにしろ。俺は、若菜はお前が死ぬことは望んでないと思うから、だから助ける!」
ゾンビみたいに自分の意図とは関係なく動いているクラスメイトが怖かった。
何かで見た映画みたいに、
殴っても蹴ってもどんどん襲いかかってきて、
本当に怖かった……
ーーーーー中根大輔side
若菜ちゃんが亡くなったことは今朝方に警察が確認した。
あの橋の周りにクラスメイトも倒れていたらしい。
でも、全員病院に行った。
なぜなら、精神を病んだから……
警察はそう判断したし、妄想だとか言っていたけどたぶん違う。
あれは現実だ。妄想じゃない。
それから、真夕ちゃんも自殺ということになった。
「ねぇ、飛美ちゃん。友達アプリでさ、自分からこの人と友達になりたいと思って申請出来たりするの?」
「それは、たぶん無理……。」
飛美ちゃんは、あれから元気がない。
とりあえず学校には来たけど、クラスの中は空っぽだ。
ダダダダダダダダダッッ
廊下の方からものすごい勢いで誰かが走って来た。
「なあ、中根大輔ってお前?」
誰だ、こいつ。
「そうだけど……」
「俺、原谷辰美(はらやたつみ)。たっつーって呼んで。俺ね、若菜の彼氏なの。」
若菜ちゃんの彼氏とかいうやつは、へらへらしながら僕に近づく。
「単刀直入に聞く。若菜は何で死んだ?教えてくれ。」
「何で僕に聞くの?」
「飛美ちゃんは聞ける雰囲気じゃなかった……お前と飛美ちゃんが話してるのこの前たまたま見たから。もしかしてって。」
さっきまでのへらへら顏とは打って変わって真剣だ。
「なんか悔しくない?彼氏なのに、自分の彼女の死んだ理由も知らないなんてさ。」
「……知らない方がいい。」
飛美ちゃんが殺した、なんてことは知らない方がいい。
飛美ちゃんのためにも、若菜ちゃんのためにも。
「あのアプリだろ?頼む!頼むから、教えてくれないか?俺、姉ちゃんアプリの開発の仕事やってるし。力になれるかも!!!!」
「行くよ。反撃開始だ。」
日影さんは、何やらパソコンをカチカチと動かす。
画面には、英語?らしき文字と数字がずらずら並んでいる。
「若菜って子が死んだってことは、絶対にこの若菜って子の携帯にアクセスがあるはずなんだ。」
要するに、そのアクセス元を探ろうってわけか。
「来た。捕まえてやる。」
ものすごい早さでパソコンを動かす日影さんは、真剣そのもの。
たぶん、ハッキングをしてそのアクセス元を追跡して居場所を特定する気なんだ。
「何!?」
ーーーーー運営side
「そう来ると思ったよ、相太。でも、邪魔はしてほしくないなー。」
アクセス拒否、と。
ふーん、警察組織の中でNo.1だって聞いてたけど大したことないな。
この程度も追えないなんて。
「あんな生ぬるい組織なんかにいるから、そうなるんだよ。こっちに来い、相太。」
ははははは!
友達がいるやつなんて放置して、孤独の世界に行こうじゃないか。
ーーーーー中根大輔side
「まさか、な。そんなはずはない。」
日影さんは、珍しく動揺している。
「どうしたんです?何か分かりました?」
「……ん、ああ、邪魔された。なあ、この運営からのメールもう一度見せてくれ。」
日影さんに携帯を渡し、たまにくる運営メールを見せた。
こんなの見てどうするんだよ。
アドレスでも分かるのか?
「やっぱりあいつじゃない。」
意味のわからないことを言ったと思ったら、パソコンから離れ、近くのソファに横になる日影さん。
「昔の友達にさ、似てたんだ。ハッキングの方法が。僕、ネットの中じゃわりと有名だったんだけど、唯一そいつには勝てなかった。あいつが運営側だったら、僕は負けだ。」
目を閉じながら、日影さんはそう言った。
日影さんが命令以外のこと話すなんて、ちょっと意外だ。
しかも、弱音。
不謹慎だけど、可愛いなんて思ってしまった。
「僕、寝てないから寝るわ。みんな帰ってきたら起こして。」
マイペースだ。
けど、寝なかったんだ。
もし今日が事件の日じゃなかったら何日起きてたんだろう。
それとも日影さんは今日だってわかってたのかな。
「お、そろそろ飛美ちゃんたち帰ってくるぞ………え!?」
僕は、目を疑った。
な、何で……
「日影さん!!!起きて!」
「何……どうしたの?」
不機嫌そうな日影さんも、画面を見て驚く。
「どうなってんだよ……」
さっき倒れたはずのクラスメイトたちが全員起き上がって、今度は飛美ちゃんと佐介に襲いかかっていた。
「いくらなんでもこんな短時間に起き上がれるはずがない……」
日影さんは、ボソっと呟く。
「人為的なものじゃないのか?」
ーーーーー中園飛美side
「おい、逃げるぞ。やばい。」
佐介に手を引っ張られた。
私はその手を振り払う。
「やだ、もういい。」
若菜を殺してしまった、
友達を死なせた、
自分だけ生きてることなんて出来ない。
「何言ってんだよ!」
「真夕も死んだ。若菜も死んだ。みんな私のせいで死んだ。1人はヤダ。やだよおおおおお!」
「お前が死んだら若菜は喜ぶの?死にたくないってあんなに言ってた若菜が、抵抗しなかったんだぞ。」
そう言って、無理矢理手を引っ張った。
「死ぬなら俺の見てないところにしろ。俺は、若菜はお前が死ぬことは望んでないと思うから、だから助ける!」
ゾンビみたいに自分の意図とは関係なく動いているクラスメイトが怖かった。
何かで見た映画みたいに、
殴っても蹴ってもどんどん襲いかかってきて、
本当に怖かった……
ーーーーー中根大輔side
若菜ちゃんが亡くなったことは今朝方に警察が確認した。
あの橋の周りにクラスメイトも倒れていたらしい。
でも、全員病院に行った。
なぜなら、精神を病んだから……
警察はそう判断したし、妄想だとか言っていたけどたぶん違う。
あれは現実だ。妄想じゃない。
それから、真夕ちゃんも自殺ということになった。
「ねぇ、飛美ちゃん。友達アプリでさ、自分からこの人と友達になりたいと思って申請出来たりするの?」
「それは、たぶん無理……。」
飛美ちゃんは、あれから元気がない。
とりあえず学校には来たけど、クラスの中は空っぽだ。
ダダダダダダダダダッッ
廊下の方からものすごい勢いで誰かが走って来た。
「なあ、中根大輔ってお前?」
誰だ、こいつ。
「そうだけど……」
「俺、原谷辰美(はらやたつみ)。たっつーって呼んで。俺ね、若菜の彼氏なの。」
若菜ちゃんの彼氏とかいうやつは、へらへらしながら僕に近づく。
「単刀直入に聞く。若菜は何で死んだ?教えてくれ。」
「何で僕に聞くの?」
「飛美ちゃんは聞ける雰囲気じゃなかった……お前と飛美ちゃんが話してるのこの前たまたま見たから。もしかしてって。」
さっきまでのへらへら顏とは打って変わって真剣だ。
「なんか悔しくない?彼氏なのに、自分の彼女の死んだ理由も知らないなんてさ。」
「……知らない方がいい。」
飛美ちゃんが殺した、なんてことは知らない方がいい。
飛美ちゃんのためにも、若菜ちゃんのためにも。
「あのアプリだろ?頼む!頼むから、教えてくれないか?俺、姉ちゃんアプリの開発の仕事やってるし。力になれるかも!!!!」
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