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学食にて
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授業の模擬戦という名の決闘が終わり、俺は学食に向かっていた。なぜなら、例のタダ券があるからだ。
学食はシンプルながらも、生徒の過半数が貴族のためか、清潔感があり、スペースが広く、どこかお洒落な雰囲気を醸し出していた。俺は空いている椅子に座り、日替わりランチを注文した。
「隣、いいか?」
フロストが相席の許可を求めてきたので、快く了承する。あの一件以来、俺とフロストは友人になった。
俺たちは、ランチが来る間、雑談に花を咲かせていた。
「お隣、いいかな?」
「隣、いいかしら?」
知った声が聞こえたと思ったら、フラムとレイだった。俺は了承すると、二人は席に座った。
「さっきの授業、二人ともすごかったね!」
「いい動きをしていたわ」
二人は次の時間に演習場を使う時間割になっていたらしく、たまたま、俺たちの試合を見ていたらしい。口々に、俺たちのことを褒めちぎってくる。
「ところであなた」
レイが突然、フロストに話を振った。
「あなたの目は、何の目?」
「気づいてたのか…」
「当然よ。私も持ってるから」
「…なるほど」
例の言う、何の目とは、フロストの【目】を指す。
フロストが持っている【目】は、境界者がごくたまに持って生まれてくる、神からの授かりものとされている。目の他には足と腕があり、俺らは三つに等級分けされている。
一番下は【従者の目】、これは特に特殊能力はなく、境界者の平均をはるかに超える動体視力が身につくだけだ。
その上は【側近の目】、これは上記とは逆に、肉体的には何の恩恵もないが、個人差があるが、約2秒先の未来を見ることができるようになる。
一番上は【神の目】、あらゆる局面において最適な視覚情報を脳に的確に送ることができ、観察眼が主に優れるようになる。これだけ聞けば、上記の二つの方がいいように聞こえるが、これはこれで利点があるのだ。
「俺は従者の目だ」
「私は側近の目よ」
二人の間に、若干冷たい空気が流れた。それを打開しようと、レイが俺に話を振ってくる。
「フォルン、あなたは何の目を持っているの?」
「俺は何も持ってない」
「え?」
「だから、何も持ってない」
レイは固まってしまった。そして、何故か、フロストも固まっている。
「お前、目も使わずに、あの量の炎を全て撃ち落としたのか?」
「ああ、そうだ」
さっきの俺の説明は、半分嘘で、半分本当だ。持ってはいるが、あの時は使わなかった。いや、使えなかった。
「なんて言うか、いろいろと規格外ね」
「本当にな」
復活したレイが、フロストと俺の評価について、意気投合してしまった。
「それであの強さなら、フォルンすごいね」
今まで空気とかしていたフランが、やっと会話に参加してくる。
「お前らの方がすごくなるさ。その魔力をうまく操れるようになれば、すぐに俺を越せるはずだ」
「それってまるで僕が、君に勝てないみたいな言い方だね」
「現にそうだ、今の段階でお前達には負けるつもりはない」
フランが俺に向けて、敵意を向けてくるが、俺はそれを軽く受け流す。その時、いいタイミングでランチが運ばれてきた。
「うわー、美味しそう」
さっきの敵意はどこえやら、ランチが来た途端に、かぶりつくフラン。
こう言っては何だか、小動物みたいでカワイイな。
「今何か、失礼なこと考えた?」
「そんなことない」
フランはジト目を向けてくるが、俺は何食わぬ顔で、食事を進める。
「それ美味そうだな、一口くれ」
「いいよ、ハイ」
そう言って、スプーンを俺の前に差し出してくる。俺はそれを、迷わず口に運ぶ。うん、うまい。
「うまいな」
「でしょ、でしょー」
えへへ~、と笑いながら、食事を再開するかと思いきや、俺の手にある。アップルパイに目が釘付けになってしまった。
「フォルン、それをよこせ~」
「あっ、こら。まだ食べてないんだぞ」
「問答無用~」
パクっ、と。俺の手ごと咥えてしまった。モグモグと、アップルパイを咀嚼している。俺の手ごと。
「いい加減、くすぐったい」
「すごく、美味しかったよ~」
俺が頭を押しのけると手から、キュぽん、と口が外れ、フランが満足そうな顔で感想を言ってきた。
「食うのはいいが、俺の腕ごと食うのは、どういう了見だ」
「痛い!痛い!やめて、グリグリしないで!」
俺はげんこつをつくって、フランの頭をグリグリと両側から挟んだ。すると、フロストとレイが何か言いたげな表情をしていた。
「おまえら、恋人か何かだっけ?」
失礼な、俺たちはそんな関係ではない。無言の反論をするが、そんなことは気にも留めない。
「僕たち、そんな関係じゃないよ!」
顔をを真っ赤にして、フランが反論している。
「まあ、いいわ。ところで、フォルン。あなた、ギルメンは決まった?」
「いや、特には決めていないが」
「早く、決めた方がいいわよ。昨日の一件で面倒なやつらにも、目を付けられかねないし」
「それもそうだな」
良し、とりあえず。ギルドに入るか、作るか、するとしよう。フロストと、後、誰にしようか。
昼食を食べ終えた俺たちは、学食を後にし、それぞれの寮に向かった。
学食はシンプルながらも、生徒の過半数が貴族のためか、清潔感があり、スペースが広く、どこかお洒落な雰囲気を醸し出していた。俺は空いている椅子に座り、日替わりランチを注文した。
「隣、いいか?」
フロストが相席の許可を求めてきたので、快く了承する。あの一件以来、俺とフロストは友人になった。
俺たちは、ランチが来る間、雑談に花を咲かせていた。
「お隣、いいかな?」
「隣、いいかしら?」
知った声が聞こえたと思ったら、フラムとレイだった。俺は了承すると、二人は席に座った。
「さっきの授業、二人ともすごかったね!」
「いい動きをしていたわ」
二人は次の時間に演習場を使う時間割になっていたらしく、たまたま、俺たちの試合を見ていたらしい。口々に、俺たちのことを褒めちぎってくる。
「ところであなた」
レイが突然、フロストに話を振った。
「あなたの目は、何の目?」
「気づいてたのか…」
「当然よ。私も持ってるから」
「…なるほど」
例の言う、何の目とは、フロストの【目】を指す。
フロストが持っている【目】は、境界者がごくたまに持って生まれてくる、神からの授かりものとされている。目の他には足と腕があり、俺らは三つに等級分けされている。
一番下は【従者の目】、これは特に特殊能力はなく、境界者の平均をはるかに超える動体視力が身につくだけだ。
その上は【側近の目】、これは上記とは逆に、肉体的には何の恩恵もないが、個人差があるが、約2秒先の未来を見ることができるようになる。
一番上は【神の目】、あらゆる局面において最適な視覚情報を脳に的確に送ることができ、観察眼が主に優れるようになる。これだけ聞けば、上記の二つの方がいいように聞こえるが、これはこれで利点があるのだ。
「俺は従者の目だ」
「私は側近の目よ」
二人の間に、若干冷たい空気が流れた。それを打開しようと、レイが俺に話を振ってくる。
「フォルン、あなたは何の目を持っているの?」
「俺は何も持ってない」
「え?」
「だから、何も持ってない」
レイは固まってしまった。そして、何故か、フロストも固まっている。
「お前、目も使わずに、あの量の炎を全て撃ち落としたのか?」
「ああ、そうだ」
さっきの俺の説明は、半分嘘で、半分本当だ。持ってはいるが、あの時は使わなかった。いや、使えなかった。
「なんて言うか、いろいろと規格外ね」
「本当にな」
復活したレイが、フロストと俺の評価について、意気投合してしまった。
「それであの強さなら、フォルンすごいね」
今まで空気とかしていたフランが、やっと会話に参加してくる。
「お前らの方がすごくなるさ。その魔力をうまく操れるようになれば、すぐに俺を越せるはずだ」
「それってまるで僕が、君に勝てないみたいな言い方だね」
「現にそうだ、今の段階でお前達には負けるつもりはない」
フランが俺に向けて、敵意を向けてくるが、俺はそれを軽く受け流す。その時、いいタイミングでランチが運ばれてきた。
「うわー、美味しそう」
さっきの敵意はどこえやら、ランチが来た途端に、かぶりつくフラン。
こう言っては何だか、小動物みたいでカワイイな。
「今何か、失礼なこと考えた?」
「そんなことない」
フランはジト目を向けてくるが、俺は何食わぬ顔で、食事を進める。
「それ美味そうだな、一口くれ」
「いいよ、ハイ」
そう言って、スプーンを俺の前に差し出してくる。俺はそれを、迷わず口に運ぶ。うん、うまい。
「うまいな」
「でしょ、でしょー」
えへへ~、と笑いながら、食事を再開するかと思いきや、俺の手にある。アップルパイに目が釘付けになってしまった。
「フォルン、それをよこせ~」
「あっ、こら。まだ食べてないんだぞ」
「問答無用~」
パクっ、と。俺の手ごと咥えてしまった。モグモグと、アップルパイを咀嚼している。俺の手ごと。
「いい加減、くすぐったい」
「すごく、美味しかったよ~」
俺が頭を押しのけると手から、キュぽん、と口が外れ、フランが満足そうな顔で感想を言ってきた。
「食うのはいいが、俺の腕ごと食うのは、どういう了見だ」
「痛い!痛い!やめて、グリグリしないで!」
俺はげんこつをつくって、フランの頭をグリグリと両側から挟んだ。すると、フロストとレイが何か言いたげな表情をしていた。
「おまえら、恋人か何かだっけ?」
失礼な、俺たちはそんな関係ではない。無言の反論をするが、そんなことは気にも留めない。
「僕たち、そんな関係じゃないよ!」
顔をを真っ赤にして、フランが反論している。
「まあ、いいわ。ところで、フォルン。あなた、ギルメンは決まった?」
「いや、特には決めていないが」
「早く、決めた方がいいわよ。昨日の一件で面倒なやつらにも、目を付けられかねないし」
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