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遭遇
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翌朝、俺たちは第二野営地点に向かって、歩いていた。
奇妙なことに、昨日あれだけ襲ってした魔獣が一匹たりとも、襲ってこないのだ。
「みんな、様子がおかしい、用心していけ」
ヴィランズの言葉に、全員が頷く。全員が最大限警戒しながら、森の中を進んでいくと、そこいらに肉片が転がっているのが、見えてきた。
「これは、魔獣の肉片か?」
ヴィランズの言った通り、それは魔獣の肉片で、木に引っかかっているものもあれば、地面に転がっているものもいる。それらに共通するものといえば、全て鋭利な刃物で切られた後があるくらいだ。
「このレベルの魔獣を細切れにできるほどの人間がこんなところにいる?」
俺は誰に言うでもなく、一人で呟いた。
もしかしたら、考えたくはないが、マーリンが言っていた通り、死の団が関わっているのかもしれない。
もし、今のこの戦力で遭遇したらと思うと、ゾッとしてしまう。
「フォルンさん、どうかしたんですか?」
「いや…なんでもない」
今考えても仕方がないことなので、俺は気にせず進むことにした。
この後も、特に何もなくことは進み、みんなの警戒も薄れてきた頃、異変が起こった。
「全員、戦闘準備!!」
ヴィランズがそう叫ぶと、俺たちは戦闘態勢に入った。
それと同時に、数百匹の魔獣たちがこちらになだれ込んできた。だが、魔獣は俺たちを素通りしていってしまった。
「どうなってるんだ!?」
俺たちは分からなかった、なぜ、魔獣が俺たちを素通りしたのかを。
だが、俺は見てしまった。まるで何かから逃げるようにする魔獣たちの先にいるものを。
神々しいほどの雰囲気にもかかわらず無機質で一目見れば見惚れてしまうほどの美貌を持った14~16歳ほどの少女だ。
今も魔獣に囲まれながらも、凛とした佇まいと、綺麗な銀髪をなびかせる少女に対して俺が抱いた感情は、
恐怖だった。
そして、それはみんなも一緒だったようで、全員が青い顔をして、汗を滴らせていた。
怪しい沈黙の中で、俺は口を開いた。
「全員、ここから逃げろ」
俺は警告したが、ヴィランズが反論してきた。
「任務を放棄するつもりか!」
「あれはやばい。お前も分かってるだろう?」
「だが…」
「任務よりも、命が大切だ」
「……分かった」
ヴィランズは渋々、了解してくれた。だが、レイが異議を申し立ててくる。
「ちょっと待って、今逃げろと言ったの?逃げようではなくて」
「え?それって…」
「フォルンは、私たちだけに逃げろと言っているのよ、自分はここに残るつもりで」
本当に察しのいいやつだ。
「レイの言う通りだ。俺を置いて逃げろ」
「そんなことできないよ!」
「そうだ、ダチを置いていくなんて俺にはできねえ!」
「それが、一番最善なんだ」
俺は気づいついた。あの目の前にいる少女はどこを見ているか分からない目をしているが、意識はハッキリと俺に向いている。
「何も俺を犠牲にしろとは言っていない、俺はお前たちに街を頼みたいんだ」
「どう言うことだ?」
真っ先に食いついたのはヴィランズだった。こいつはやたらと手柄を気にしているようだったからな。
「目の前にいる奴から逃げるために、魔獣は真っ直ぐ進んでいる。このままじゃパニックになった魔獣たちが市街地に突っ込むだろう。この時間帯じゃ、学園にいる人達は、ほぼ全員眠ってる。駆けつける頃には外周に住んでる、住民が犠牲になる。住民を守るためには、お前らが行くしかない」
「話がわからんな、それこそ全員で行けばいいのではないか?」
「俺の力では、魔獣に傷をつけることはできない。よって戦力にならない」
「は!さすが無能らしい!」
ヴィランズが馬鹿にしてくるが、ここは無視だ。
「みんな、分かったろう。行ってくれ」
「でも…」
「俺が囮になるから、その間に走り抜けろ」
「死ぬなよ」
「死なないでくださいね」
アレクとカゲミヤはそれだけ言うと、フラム達と森の中をかけて行った。
「さて、どうるかね」
俺はそう言うと、目の前の少女と向き合った。
そして、少女は妖しく笑った。
奇妙なことに、昨日あれだけ襲ってした魔獣が一匹たりとも、襲ってこないのだ。
「みんな、様子がおかしい、用心していけ」
ヴィランズの言葉に、全員が頷く。全員が最大限警戒しながら、森の中を進んでいくと、そこいらに肉片が転がっているのが、見えてきた。
「これは、魔獣の肉片か?」
ヴィランズの言った通り、それは魔獣の肉片で、木に引っかかっているものもあれば、地面に転がっているものもいる。それらに共通するものといえば、全て鋭利な刃物で切られた後があるくらいだ。
「このレベルの魔獣を細切れにできるほどの人間がこんなところにいる?」
俺は誰に言うでもなく、一人で呟いた。
もしかしたら、考えたくはないが、マーリンが言っていた通り、死の団が関わっているのかもしれない。
もし、今のこの戦力で遭遇したらと思うと、ゾッとしてしまう。
「フォルンさん、どうかしたんですか?」
「いや…なんでもない」
今考えても仕方がないことなので、俺は気にせず進むことにした。
この後も、特に何もなくことは進み、みんなの警戒も薄れてきた頃、異変が起こった。
「全員、戦闘準備!!」
ヴィランズがそう叫ぶと、俺たちは戦闘態勢に入った。
それと同時に、数百匹の魔獣たちがこちらになだれ込んできた。だが、魔獣は俺たちを素通りしていってしまった。
「どうなってるんだ!?」
俺たちは分からなかった、なぜ、魔獣が俺たちを素通りしたのかを。
だが、俺は見てしまった。まるで何かから逃げるようにする魔獣たちの先にいるものを。
神々しいほどの雰囲気にもかかわらず無機質で一目見れば見惚れてしまうほどの美貌を持った14~16歳ほどの少女だ。
今も魔獣に囲まれながらも、凛とした佇まいと、綺麗な銀髪をなびかせる少女に対して俺が抱いた感情は、
恐怖だった。
そして、それはみんなも一緒だったようで、全員が青い顔をして、汗を滴らせていた。
怪しい沈黙の中で、俺は口を開いた。
「全員、ここから逃げろ」
俺は警告したが、ヴィランズが反論してきた。
「任務を放棄するつもりか!」
「あれはやばい。お前も分かってるだろう?」
「だが…」
「任務よりも、命が大切だ」
「……分かった」
ヴィランズは渋々、了解してくれた。だが、レイが異議を申し立ててくる。
「ちょっと待って、今逃げろと言ったの?逃げようではなくて」
「え?それって…」
「フォルンは、私たちだけに逃げろと言っているのよ、自分はここに残るつもりで」
本当に察しのいいやつだ。
「レイの言う通りだ。俺を置いて逃げろ」
「そんなことできないよ!」
「そうだ、ダチを置いていくなんて俺にはできねえ!」
「それが、一番最善なんだ」
俺は気づいついた。あの目の前にいる少女はどこを見ているか分からない目をしているが、意識はハッキリと俺に向いている。
「何も俺を犠牲にしろとは言っていない、俺はお前たちに街を頼みたいんだ」
「どう言うことだ?」
真っ先に食いついたのはヴィランズだった。こいつはやたらと手柄を気にしているようだったからな。
「目の前にいる奴から逃げるために、魔獣は真っ直ぐ進んでいる。このままじゃパニックになった魔獣たちが市街地に突っ込むだろう。この時間帯じゃ、学園にいる人達は、ほぼ全員眠ってる。駆けつける頃には外周に住んでる、住民が犠牲になる。住民を守るためには、お前らが行くしかない」
「話がわからんな、それこそ全員で行けばいいのではないか?」
「俺の力では、魔獣に傷をつけることはできない。よって戦力にならない」
「は!さすが無能らしい!」
ヴィランズが馬鹿にしてくるが、ここは無視だ。
「みんな、分かったろう。行ってくれ」
「でも…」
「俺が囮になるから、その間に走り抜けろ」
「死ぬなよ」
「死なないでくださいね」
アレクとカゲミヤはそれだけ言うと、フラム達と森の中をかけて行った。
「さて、どうるかね」
俺はそう言うと、目の前の少女と向き合った。
そして、少女は妖しく笑った。
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