AT LONG LAST

伊崎夢玖

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第一章

side一縷 ⑱

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大学も卒業し、新人研修が始まった。とりあえず全ての部署を研修中に回り、欲しい人材を各部署の部長が選抜していく方式らしい。
未だ学歴社会や性差別的な風習がある会社が多数なのに、完全に能力を見た上で選抜されるというのはやりがいがある。しかし、能力があるから希望の部署に配属されるとは限らないが…。
4月、5月、6月…。時が経つのは、やっぱり早い。
毎日が新しいことだらけで、必死に食いついていっているから早く感じるだけなのかもしれない。
経理部、人事部、営業部、開発部、総務部、企画部、管理部…。
本当に色んな部署に行った。新しいことを知るのが、こんなに楽しいとは思わなかった。
俺は、全部署の部長から声がかかったらしい。希望の部署に配属してくれるとのことなので、営業部を希望した。
それからというもの、新入社員として、仕事を一から覚えていかなければならず、蒼にメールすることもなかった。
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