AT LONG LAST

伊崎夢玖

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第二章

side蒼 53

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一縷からの熱烈なキスを受けながら、ベッドに誘導され、横になる。
一縷は僕のフェロモンに中てられてしまって、辛うじて理性を保っているようだった。
少しでも気を抜けば本能のままなセックスをお互いしてしまう。
そんな状態だった。
一度唇を離して、息継ぎをした後、再び激しいキスが降ってくる。
耳を塞いで、グチュグチュと音を立ててキスをさられると、頭の中まで犯されているみたいでやたら興奮する。
舌を絡めたり、唾液を送り込んで飲ませらたり、舌に吸い付いてみたり、口蓋を舌先でなぞられたり…。
口の中が性感帯な僕としては、感じずにいられなかった。
唇を離されても、まだ口の中を犯されているようで、完全にエッチなスイッチが入ってしまった。
結婚式に行くつもりだったから、ワックスで固めた髪もキスをしている最中に乱れてしまった。
乱れてしまった僕を見て、一縷はどこか火が付いたような、スイッチが入った、すごく色っぽい表情がたまらなかった。
もう僕もスイッチが入ってしまっているので、止まることはもうできない。
着ていたスーツを脱がし合い、全裸になっていく。
一縷に軽くモノを扱かれ、あっという間に芯を持って、勃ち上がった。
キスをしながら、ますます扱いてくる。
「ふっ……ん……」
口内が性感帯である僕にとっては、口内を犯されながら、モノに直接的な刺激を受け、快感に飲まれてしまわないようにするだけで精一杯だった。
だけど、一縷はそれでも許してくれなかった。
どんどん扱くスピードを速くしてきた。
「やっ……イっちゃうっ………!」
何とか快感を逃そうとした。
「イけ」
一縷の声が好きなの知ってて、耳元で囁いて来る一縷。
本当にずるい。
囁かれた瞬間イってしまった。
ドクドクと一縷の手の中で白濁を出し続ける。
しばらくの間抜いていなかったので、すごい量が出ている。
全部出し切って落ち着いたところで、一縷は僕の出した白濁を後孔に塗り付けてきた。
つい先程イったばかりなので、柔らかいはず。
入口を触っていたかと思うと、ツプンと一縷の細くて長い指が中に入ってきた。
それだけで、僕の中はもっとと誘い入れるように動き始めた。
「いち、もっと…奥まで…」
つい強請ってしまった。
一縷は一度指を中から抜き、僕の背後に回り、抱きしめてきた。
再度入れてきたが、入口は柔らかいとは言っても、まだ一縷を受け入れるには硬かった。
二本、三本と指を増やして、どんどん解すと同時に、第二関節を曲げて、前立腺を刺激してくる。
「やだっ……いじっちゃ……」
腰が勝手に揺れ始めた。
「気持ちいいか?」
「もう…ダメ…気持ち…よすぎるのぉ…」
一縷は前立腺をしつこく刺激してくる。
まだまだイかせる気でいるようだった。
腰の動きがもう止まらない。
「いち…またイクぅ…」
「いいぞ。いくらでもイけ」
「…………………っ!!!」
全身がビクビクと痙攣し、シーツに吐き出す。
二度目にもかかわらず、結構な量が出ている。
「やっ……だ…止まらない……」
腰を揺らしながら、ピュッピュッと白濁を放出する。
落ち着いたところで、一縷が引き攣った顔で尋ねてきた。
「あお、もういいか?」
「うん。奥までして?」
限界を超えているんだろう。
一縷は震える手でゴムを装着しようとしていた。
「今日はしないで」
今日は付けないでもらいたかった。
覚悟はできていた。
「でも、付けないと子供が…」
「いいの。そろそろ作ろう?」
「あお、覚悟できたのか?」
「覚悟できてなかったの、気付いていたの?」
「薄々な。…本当にいいんだな?」
「うん。お願い」
一縷に押し倒されながら、呼吸を整えた。
一縷を久々に受け入れるんだ。
さすがにちょっと緊張する。
後孔に一縷を感じた。
メリッと音がするんじゃないかと思うくらい一縷は大きくなっていた。
久々に感じる入ってくる一縷の感触。
「くっ………!」
一縷が辛そうに顔を顰める。
「いち、大きくなったぁ」
「初めてあおの中に生で入ってるからな」
「そうだね。薄い壁が一枚あったからね」
「もう止まってやれないからな」
「うん。大丈夫だよ。中に出して」
冗談を言うだけの余裕はなかったけど、一緒に愛し合いたかった。
一縷は前立腺に当たるようにゆっくり腰を動かし始める。
「そこ…ダメ……」
「コリコリしてるの分かるか?」
「分かるからっ!だから…ダメ……」
「それなら、これならいい?」
もう抜けちゃうっていうギリギリまで引き抜いて、一気に奥まで突き入れてきた。
ばちゅんっ!
肌と肌がぶつかり合う音が聞こえた。
「かはっ……!!!」
いきなり最奥まで突き入れられ、整えていた呼吸が一気に乱れた。
ある程度奥まで来るだろうと予想はしていたけど、最奥まで来るとは思っていなかった。
最奥のさらに奥まで入れようと、一縷は肉襞を押し分けて入ってくる。
「それ…以上…は…ダメっ!」
もう自分が何を言っているのか分かっていなかった。
というか、意識を上回る快感に飲まれてしまった。
「もっと奥まで行けるよな?」
そう言うと、気持ちよくなると中が広がることを知っている一縷は僕の乳首を抓って、更なる快感を与えてきた。
ググッと一縷自身が奥に到達するのを感じる。
開いてはいけない扉を開いてしまった。
そんな感覚だった。
「そこ…は…ダ…メぇ…」
「いい子だ。もう少し奥までがんばろうな?」
まだ奥に入ると言うのだろうか?
もうこれ以上は無理。
だけど、体は簡単に裏切ってくれた。
一縷がパコパコと奥と突くと更に奥へと続く扉を開いてしまった。
ゴツッ
届いてはいけない場所まで届いてしまった。
その頃には快感の海で溺れてしまっている僕の意識はない。
何を言っているのかすら、言われているのかすら記憶にない。
そんな状態だった。
それから、一縷はそれまで我慢していた欲を全部吐き出すかの如く、全身でぶつかってきた。
全然体に力が入らないから、一縷にされるがままな状態。
どれだけ時間が経ったのだろう。
(生暖かい物が体を濡らしている)
それがシャワーであるという感覚はなかった。
後孔から一縷が出した白濁が零れ出た瞬間意識を取り戻した。
零れる瞬間って何度経験しても慣れない。
漏らしているみたいで恥ずかしくてたまらない。
だから意識を手放すのが嫌なんだ。
意識のなかった僕は一縷の抱えられてお風呂に入れてもらっていた。
「いち…」
「気付いたか?体痛くないか?」
「腰、痛い…」
「ごめん…俺も本能に意識持って行かれて何したのか覚えてない…」
「いいよ。……これでできちゃったね」
「そうだな。きっと俺たちならやっていけるよ」
「うん。これから大変になるかもしれないけど、よろしくね」
「なるべくサポートするから、何でも言ってくれよ?」
「うん。ありがとう」
浴槽に湯を張り、二人で入るには狭い湯舟に一緒に入った。
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