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オーバーSランクの冒険者
しおりを挟む翌朝、僕は商業ギルドに出向いた。
「おはようアリアさん」
「おはようございます!ニースさん!あちらでお待ちですよ」
いつものように挨拶をすると、アリアがよろず鑑定組合の面接場所を教えてくれる。
「行ってきます」
少しドキドキしてながらギルドの中のドアのない個室に入ると3人の長老が座っている。
「初めまして、ニースです」
「ようこそ我がよろず鑑定組合へ、私が組合長のテドです」
真ん中に座っていた年配の鑑定師が立ち上がって挨拶をする。
「では、早速ですが簡単な試験をさせて下さい」
「はい」
テドは、そういうと懐からいくつかの宝石類をとりだして僕の前に並べる。
「この中に呪われたアイテムがあるのですが判りますか?」
「鑑定……ないですね、引っ掛けですか?」
「よく判りましたね、大したものです」
僕が即答するとテドはにこにこした。これは先入観無しに鑑定できるかどうかの試験のようだった。
「ではこれの価値を見極めて下さい」
今度はテドが嵌めていた翡翠の指輪を外して僕に手渡す。
「鑑定……翡翠のように見えますが人工的に作られた無価値の石ですね」
「ご名答、合格ですわ」
僕にとっては簡単な鑑定だが、人によっては引っかかるかも知れない。
相手の身分や職業によって真贋が左右されない鑑定眼を試されたのだ。
「良かった、これで僕も組合に入れますね」
「ええ、最年少の組合員としてこれからの活躍を期待してますよ」
「では、後ほどまた」
「おや、宮廷への伝手を求めていたと聞いたのですが、それは良いのですかな?」
「ええ、そちらは何とかなりましたので」
「ほほぅ……では、このバッジをお渡ししましょう」
テドはポケットから新品の組合バッジを取り出し、僕に渡してくれた。
「ありがとうございます」
「うむうむ、なにか分からない事があれば聞いてくださいよ、ニースさんの活躍を期待しています」
僕は3人の長老に見送られて商業ギルドを出た。
胸に貰ったばかりのギルドバッジをつけ、今度は隣の冒険者ギルドへ向かう。
「ちわー」
冒険者ギルドの方では気安く挨拶して入る。
「あらいらっしゃニースさん、今日は変わったお客様がお待ちですよ」
お姉さんが指さす先には昨夜の密偵のお兄さんが居た。
「どうも」
「昨晩は有難う御座いました私はニアと言います、本日夕刻に又王宮に来ていただけませんか?」
密偵らしくニアは言葉少なに、ストレートに用件を言う。
「なにか?」
「はい、ニース様を国王に紹介したく思います」
「なるほど、良いよ」
「では、夕刻17時でお願いします」
直後、ニアは素早くギルドを歩き去った。風の様な奴だ。
何故ニアのような腕利きの密偵が昨晩チンピラ風情に絡まれていたのか疑問であったが、今考えてみれば僕を引き留める為にワザとやったのではないかと思う。
「どうも」
「なにかしら?」
カウンターのお姉さんに話しかける。
「さっきのあの男の事何か知っているのではないかと思って」
「ふふ、あのニアね、彼は元々冒険者だったのよ、それもSランク以上のずば抜けたスカウトよ」
「やはりそうでしたか」
「あら、驚かないのね」
「ええまぁ、僕も元冒険者ですので」
「あらそうなの」
お姉さんは僕の胸に光る商業ギルドの組合バッジを見て意外そうな顔をする。
「以前、僕もオーバーSランクの冒険者パーティーに居たのでわかります」
「へぇそれは凄いのね、あたしはリジー宜しくね」
僕が元冒険者と知りリジーは自己紹介をした。
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